最強議論

登録日:2010/10/31(日) 01:10:08
更新日:2023/07/21 Fri 21:36:58
所要時間:約 5 分で読めます





「○○の方が強い!」
「いーや、△△の方が強いね!」



こんな会話をしたことはないだろうか? 男として生まれたからには一度は口にするもの…それが最強議論である。

スポーツ選手や動物、軍事に音楽など現実の世界でもこの議論が交わされるが、
アニヲタ的にはどの漫画、アニメ、小説、ゲームなどのフィクションのキャラが一番強いか?の方が良く議論されてるだろう。

ちょっとした議論ならいざ知らず、裏設定や作者へのインタビュー記事まで徹底的にほじくり返すディープな最強議論を現実で交わすのは正直面倒。
何人か集めないといけないし、議論の内容によっては泥沼になった挙句険悪になる事もあるだろう。
その点ネットだと楽だからか、ネットの世界の方が最強議論が白熱してるように思える。

現実だとマイナーな作品を挙げると「○○?何それ」と言われてしまってションボリする事もあるが、
ネットだとそれこそ何十年も前の作品とかで無い限り誰かは知っている事が多いので、現実よりは議論しやすい。

しかしあくまで「現実よりは」であるため、だーれも知らないと言うこともやっぱりありえるかも。

強さ議論は大きく二つに分けられる。


■同作品内の強さ議論
これは割りと簡単、なぜなら同一の世界だから。
考察する人は当然その作品を知っているので(たまにエアプが混ざって荒れる事もあるが)、その点では議論が比較的円滑に進む。
ランク付けはAクラスやBクラスなどといった形でつけられる事が多い。
その中でも飛び抜けて強いキャラはSやS+といったランクに位置される。

ただし、アニメ版等のメディアミックスやスピンオフなどの派生作品の場合は、くくりとしては同作品・世界内に入るが、
原作者が監修していない限りはライター等が異なっている都合上、扱う場合は下記の「異なる作品同士の強さ議論」と同等の場合が多い。


■異なる作品同士の強さ議論
ある意味メチャクチャ浪漫だが非常に難しい、同じジャンルの作品でも世界観や設定の解釈などがてんでバラバラな為、力の原理などが他の作品に通じない場合がある。
たとえば「魔法」ひとつにしても作品によっては全くの別物で比較自体不可能という事も日常茶飯事。
なので、まずはどういう舞台・条件で戦闘するのか?から議論が始まる。片方の作品世界が舞台だともう片方が設定的に不利になる(もしくは戦えない)なんて事態がしょっちゅう起こるからだ。
更に、作品の設定が大雑把で読者の解釈に委ねられる部分の多い作品となると論議が飛躍的に困難を極める。

一方の作品は知ってるがもう一方の作品は知らないと言った場合も多いので、
キャラの設定や描写を長々と他者に説明しなければならない事があるから議論が長引きやすい。
ランク付けはA>B>Cと言う形でなされる事が多い。
あと両方の場合に言える事だが
A「○○が△△をすれば勝てるだろ」
B「はあ?○○がそんな事する訳ないだろ」
と、キャラの性格までも考慮しなければならない時もある。

なお、オタクではなく一般人全体の投票で決める場合は実質人気投票と大差なくなることが多い。
そもそも存在を知られていなければ設定上の強さも糞もないのである。
むしろ現実では人気や知名度こそ強さと言ってもいい。


■マナー
強さ議論はハマれば楽しい物だが、それだけに場所をわきまえる必要がある。
あまりに最強議論しすぎると「最強厨」とよばれ嫌われる。
特に異種作品のクロスオーバーの場所では尚更。
「○○が××に負ける訳ないだろ!」
「原作では○○はもっと強い!」
とかね
ちょっと腹に据えかねる気持ちはわかるが、そこはグッと堪えてクールに努めよう。
強さを語る身であるなら、その心根も強くあらねばならないのだ…。

議論は何よりも先に作品への思いが個人の中では優先されるので、議論の最中に感情を激発させてしまい、
A「俺の方が正しいんだバーヤバーヤ!」
B「まるで知性をかんじませんよ」
となるかもしれないから注意が必要、議論が白熱しても理性は保っていたい物。

また、下手に自分の贔屓の作品が他の作品より強かったりすると、キャラの強さで作品としての上下が決定する。と錯覚してしまう事も多い。
当然だが、キャラの強さなどあくまで作品のほんの1要素に過ぎず、それを作品そのものの完成度などに直結させるのは横暴もいいところである。
チート揃いのキャラが宇宙を股にかけ限界突破しまくっても単行本にすらなれず忘れられる作品もあれば、一般人に毛が生えた程度のキャラが闘技場で地道に戦っても世を風靡する名作もある訳である。
なので、「○○は××より弱いから格下」などは騒動の種にしかならないので、厳に慎むべきである。

■余談1
異なる作品同士の最強議論の場合、上位は数学関連ばかりになる。まあ数学の世界と比べると宇宙や平行宇宙なんかも小さすぎて話にならないからだろうが…*1

■余談2
ネットで最強議論といえば2ちゃんねるの最強議論スレが最も有名であろう。
そこではキャラ毎にテンプレが作られ、日夜議論が交わされている。

+ 一例
国語の教科書

S くじらぐも
A スイミー(むれたすがた)、ルロイ修道士(全盛期)、おじいさん(三年峠でこけた回数×∞)
B 李徴(猛虎形態) 、ルロイ修道士、覚醒メロス
C 邪智暴虐な王、下人(闇堕ち)、エーミール
D メロス、セリヌンティウス
E 下人、じさま、大造じいさん
───────戦闘要員の壁───────
F 袁傪、李徴、K(覚悟した後)
G ぼく(中辛カレー)、スイミー(たんどくのすがた)
H クラムボン


だが、最強議論スレはあくまで(良い意味で)頭のおかしい紳士達が「最強議論スレのルール」に則って議論(と言う名の思考遊び)をしているに過ぎない。
「最強議論スレで強いって言ってたから○○最強!」とか他所で言うのは失笑どころか場が荒れる原因にもなりかねないので注意しよう。というか基本いい事が無い。
両作品の原作者が徹底的に討論して公式発表でもしない限りは、 身も蓋も無く言えば1ファン同士の妄想合戦でしかないのだから…。

最強議論スレの分かりやすい説明が知りたければ、少々古い作品だが「やる夫で学ぶ最強議論」あたりを検索して読んでみると良いだろう。
どれほど馬鹿げた事をやっているか、その馬鹿げた遊びに紳士達がどれほど全力を尽くしているかが分かる筈である。

■余談3
SNS等により最強議論についてファン同士の醜い争い活発な議論が原作者にも伝わりやすくなったためか、最近では公式から直接 キャラの格付けランキングが発表されたり、明らかに最強なキャラが登場するなど不必要に荒れないような配慮がされることもある。

とある作品では作中で「全キャラで一定時間殺し合いをし、生き残った者を勝者とし、それを様々な状況下で1000回ずつ行い、その勝利数を競う」という具体的な基準を設けた形でシミュレーション結果のランキングを発表していたりもした。
しかしこのランキング「強いが弱点がある」キャラクターよりも「ザコだが逃げ足だけは速い」「非力だが隠れるのは上手い」キャラの方が上に来ており、『殺し合いなのに逃げに徹してるキャラクターがいるのはおかしいのでは?*2』とファンも納得しきれていない様子。
公式設定があってすら決着がつくとは限らないのだ。



「追記の方が強い!」「いーや、修正の方が強いね!」

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最終更新:2023年07月21日 21:36

*1 もっと言えば、最強スレにおいてのようなメタフィクション能力者は「議論が成り立たなくなる」として出場が禁止されているため、裏を返せばそのようなメタ能力こそが最強と言えるのかもしれない

*2 逃げが許されるなら、誰も戦わなければ全員勝者になれてしまう