プロスブルーム/ProsBloom(MtG)

登録日:2012/07/05(木) 15:37:18
更新日:2024/03/17 Sun 11:07:07
所要時間:約 5 分で読めます




プロスブルームとはマジック・ザ・ギャザリングにおけるデッキの一つ。
マジック史上初のトーナメントレベルのコンボデッキでありながら、緑黒青白の四色で組まれる緻密かつ芸術的なデッキ。
デッキ名の由来はキーパーツである繁栄/Prosperityと死体の花/Cadaverous Bloomから。また、カダベラスドレインとも呼ばれる。


<主要なパーツ>
■Squandered Resources / 資源の浪費 (黒)(緑)
エンチャント
土地を1つ生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、生け贄に捧げられた土地が生み出すことのできる好きなタイプのマナ1点を加える。

■Natural Balance / 自然の均衡 (2)(緑)(緑)
ソーサリー
土地を6つ以上コントロールしている各プレイヤーは、自分のコントロールしている土地を5つ選び、残りを生け贄に捧げる。土地を4つ以下しかコントロールしていない各プレイヤーは、自分のライブラリーから基本土地カードをX枚探し、それらを戦場に出してもよい。Xは5引くそのプレイヤーがコントロールする土地の数である。その後これにより自分のライブラリーを探した各プレイヤーは、自分のライブラリーを切り直す。

■Prosperity / 繁栄 (X)(青)
ソーサリー
各プレイヤーはカードをX枚引く。

■Vampiric Tutor / 吸血の教示者 (黒)
インスタント
あなたのライブラリーからカードを1枚探す。その後あなたのライブラリーを切り直し、そのカードをその一番上に置く。あなたは2点のライフを失う。

■Cadaverous Bloom / 死体の花 (3)(黒)(緑)
エンチャント
あなたの手札のカードを1枚追放する:あなたのマナ・プールに(黒)(黒)か(緑)(緑)を加える。

■Drain Life / 生命吸収 (X)(1)(黒)
ソーサリー
Xは黒マナでしか支払えない。
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。生命吸収はそれにX点のダメージを与える。あなたは、与えられたダメージに等しい点数のライフを得る。ただし、その点数は生命吸収がダメージを与える前のそのプレイヤーのライフの総量、そのクリーチャーのタフネスの点数、のいずれも上回ってはならない。

■Abeyance / 中断 (1)(白)
インスタント
プレイヤー1人を対象とする。ターン終了時まで、そのプレイヤーはインスタント呪文とソーサリー呪文を唱えられず、マナ能力でない起動型能力を起動できない。
カードを1枚引く。


これらの4色7枚にも及ぶカードをまるでパズルのように組み合わせ、即死級のダメージを叩き込む。


<デッキの動き>
1.資源の浪費をセットし、土地からタップと生け贄で二重にマナを引き出しながら生贄にする。

2.土地が無くなったところで自然の均衡を撃ち土地を戦場に補充。繰り返し1に戻る。

3.大量のマナが溜まったところで繁栄をプレイし、大量のドローを行う。

4.死体の花を張り大量の手札をまたマナに変える。自然の均衡が手札にあれば1~2の行程も行って更にマナを補充する。

5.膨れ上がったマナを使ってX=20以上の生命吸収でとどめを刺す。

また、予め中断を唱えておくことでこの流れが阻害されず安全にコンボを遂行できるほか、その場で足りないパーツを必要に応じて吸血の教示者でサーチを行う。


かなり動きが複雑で必要パーツも多いが、そのパーツの中にサーチやドローが含まれているため、見た目以上に安定感がある。
なおかつ最速4ターンで決めることが出来る爆発力もあり、そして何よりこれらのコンボパーツは全てミラージュ・ブロック収録でありブロック構築で使用可能だった。

カードプールの狭いブロック構築でこのような強力なコンボデッキが生まれるのは異例のことであり、ミラージュ・ブロック構築を席巻した末に、ブロック構築にて資源の浪費が禁止カード化され、構築が不可能となってしまった。

コンボデッキの弱点たる打ち消し呪文が大量に存在するスタンダードやエクステンデットではブロック構築程の圧倒的な活躍は残せなかったものの、一定の戦績を残している。
現在はレガシー・ヴィンテージ環境で組むことが出来る。


<余談>
  • 大量マナからのドローをさらにマナに変換してのX火力打ち込み、というシステムは後世に生まれた最悪のコンボデッキMoMaに受け継がれている。

  • 基本セット第6版実装とともにライフによる敗北のルールが変更された際、大きく弱体化した。第5版まではライフチェックが何らかのフェイズ移行(戦闘フェイズやディスカードフェイズ(今でいうターン終了ステップ)など)の際に行われるルールだったため、コンボを回している時に呪文によるライフロスや相手のインスタント火力でライフがゼロを割っても、最後の生命吸収で帳尻を合わせれば勝利できたのだ。

  • このデッキをデザインしたマイケル・ロング(Michel Long)氏は、インビテーショナルカードにもなっている程の強豪プレイヤーであるが、デッキ外の隠し札を使用した不正行為の疑い等で度々出場停止を食らっているリアルバンデット・キースのようなプレイヤー。そのようなプレイヤーがこの緻密なデッキをデザインするのだからわからないものである。

  • キーパーツである繁栄と死体の花のフレーバーテキストを並べてみると何だか面白い

貧乏するよりは、金があった方がいいに決まってる ――― 食い物は良くなるし、服も上等。それに、いつ身体を洗ったかわからないような連中とつき合わなくてもよくなるからな。

嫌な仕事だ、この花を植えるのは。 ― 祭影師ギルドの魔道士、ケフィームボウ

身体洗うとかそういうレベルじゃねぇ!

  • そして初動カードである資源の浪費のフレーバーテキストでオチがつく。

彼女は砂を革と、革を金と、金を生命と取り替えた。
結局彼女は、砂を生命と取り替えたわけだ。 ――― アファーリー「語り」



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最終更新:2024年03月17日 11:07