ファイレクシア(MtG)

登録日:2011/09/11(日) 19:01:29
更新日:2023/05/06 Sat 23:03:07
所要時間:約 6 分で読めます




ファイレクシア/Phyrexiaとは、TCGマジック:ザ・ギャザリングの背景世界に存在する、暗黒次元に生息する生命に似せられた機械の総称である。

概要

アニヲタ的にいうなら怪作「妖怪ハンター」に出てくる疑似生命体に近い存在。
ほとんどのファイレクシアは正当な生命を敵対対象、ないし「完成させる」ための資源の一つとして捉えている。

真っ当な生命体を冒涜する邪悪な機械文明とされ、ファイレクシアに所属するカードは主に黒がベースに無色もいる。そしてクリーチャータイプはよくアーティファクトタイプも持つのが大きな特徴。
機械と生物が混濁したメカメカしいながらも生々しいデザインを持つグロテスクかつ邪な雰囲気のカードが満載である。
この邪悪な機械の次元はマトリョーシカのような階層をもった構造をしており、危険な疫病「ファイレクシア病」が蔓延している。
ファイレクシアの住民を表すクリーチャータイプは長いこと存在しておらず、ゾンビやホラーなどの別の種族や各々の職業があてはめられていた。カルドハイムでの再登場で「ファイレクシアン」のクリーチャータイプが定義され、モダンホライゾン2に合わせて既存のクリーチャーにもファイレクシアンのクリーチャータイプが与えられた。任意のクリーチャータイプを指定する部族メタカードに弱くなったのは内緒

最大の特徴は生命に似た性質を持ちながら機械、MtG的にいうならアーティファクトと同じ性質を持つため、弱者は強者の駒としても代価の利く部品としても扱われるのが最大の特徴。
そのため半不老不死の存在でもあり、大抵の過酷な環境下でも問題なく活動できる強靭さ、部品を変える事で性能を変える適応能力の高さをもつ。

もう一つの大きな特徴はファイレクシアにすむファイレクシア人達は、その機械の体に「ぎらつく油」を内封しており、この油そのものや油の沁み込んだに土地に侵食された者は肉体も精神も蝕まれ、やがてファイレクシア人と化してしまう。
この性質はかなり強烈で、適切な処理を施さない限り死体からでも、長い年月を経ても、極微量でも確実に浸食しつづけるため、
ファイレクシアを中途半端に撃退しても、交戦した者の死体や感染者を媒介に蘇る。

最大の欠点を上げるならば不完全な生命体故、プレインズウォーカーになれない宿命を背負っている。
そのためファイレクシアだけで他次元間を移動する方法がなく、高い感染能力を完全には生かせてない。
さらにこの性質が反映されてか、プレインズウォーカーには感染できない。なお感化されることはある模様

またどういうわけか「完成させる」という目的はあやふやだが、明確な行動原理も持っている。
それは真っ当な生命として生まれ変わろうとするためか、それともファイレクシアとしてさらなる高みへ行くためか、それとも別ななにかのためか...。


歴史

元々ファイレクシアはあるプレインズウォーカーが作り出したが放置?された次元で、それを今のように作り替えたのは「機械の父、荒廃の王ヨーグモス」であった。
ヨーグモスは治療と称して人間をファイレクシア人に改造したり、他の次元をファイレクシア病を利用して侵略したりと、悪の限りを尽くした。
ウルザの弟であるミシュラもまた、ファイレクシアの被害者である。

そしてドミナリア連合との最終決戦にて、ファイレクシア軍は敗れ、ヨーグモスも討たれてしまい、次元ごと滅びることとなった。

初期のファイレクシアの方々

この時代は無色ないし黒のカラーパイを持つある意味、純粋な機械生命体。

  • ヨーグモス
荒廃の王。ファイレクシアのトップである、邪悪の権化。
アーボーグで打ち倒された。

  • ギックス
元祖ファイレクシアの法務官。兄弟戦争の裏で暗躍しミシュラ軍に技術や兵器を提供していた。
ミシュラを改造しザンチャの命を奪った、ウルザの前半生における宿敵とも言える人物。

  • ミシュラ
兄弟喧嘩を国家間戦争に発展するまで繰り広げていたウルザの弟。ウルザとの最後の決戦においては完全に機械化され下半身はドラゴン・エンジンと合体していた。

  • ザンチャ
「心」を持って製造された、失敗作のファイレクシアの工作員。ウルザ側に寝返り長い長い旅の伴侶となる。
ギックスとの戦いでウルザを庇って命を落とすが、その心臓はカーンの中核として用いられ、その事が巡り巡って思わぬ事態を引き起こした。

  • クロウヴァクス
元ウェザーライト乗組員。通称ジャイアン。
侵略要塞の次元「ラース」のトップ、エヴィンカーの地位を持つ。

  • アーテイ
元ウェザーライト乗組員。
皮肉屋だが悪人ではなかった…が、1人ラースに取り残された末に改造されてしまう。クロウヴァクスと同じで悪落ちしたキャラ。

  • サーボ・タヴォーク
怪物の下半身を持つ、ハゲで男口調という珍しい属性の女性。
任務にしくじってクロウヴァクスに殺される。

みんな大好き初号機。
ファイレクシアの試作兵器らしい。

  • ファイレクシアの疫病王
ファイレクシア病を撒き散らす、キャリアーサイクルのボス。キャリアーサイクルのフレイバーテキストには、ファイレクシア病の進行記録が綴られている。

  • スカージ(種族)
ファイレクシアに生息するインプ。昆虫のように横に開閉する顎を持つ。

  • ヨーグモスの意志
墓地から呪文を唱えられるようになるぶっ壊れカード。













…ウルザ達と共にファイレクシアを打ち倒した銀のゴーレム、カーンは、金属次元「アージェンタム」とその管理者「メムナーク」を作り上げた。

…その体が、ぎらつく油に蝕まれ始めているとも知らずに…。

…「アージェンタム」を「ミラディン」に作り変えたメムナークは、カーンの残したぎらつく油に侵食され狂っていく…。

…ミラディンに住む「プレインズウォーカーの灯」を持つエルフの少女「グリッサ」は、メムナークからその灯を狙われてしまう…。

…グリッサはメムナークとの戦いの中で思い人を失いながらも、その最中で出会った親友のゴブリン「スロバッド」達と共に、メムナークを打ち倒しミラディンを救った…。

…だが、メムナークを倒してしばらくしてから、カーンは次元の最奥で眠りにつき、スロバッドは他のゴブリンに殺害されてしまう。悲しみにくれるグリッサは、ミラディン次元の核で眠りについた…。

…ミラディンが、ぎらつく油によって、ゆっくりと、しかし確実に侵食されているということを、その時彼女は知るよしもなかった…。




We are perfection made flesh.

Our voice calls outto the lost and the broken.

they fear death even asoffer immortality.

We willflay the false skin of this world to reveal the face of a new Phyrexia.

The Great Work has begun.



ALL WILL BE ONE

ひっそりと、確実にミラディンの生命体はファイレクシアに犯されていき、遂にはファイレクシア軍は別の次元で蘇る。

ミラディン軍はファイレクシア軍に対して必死で応戦し、第一波を押し返した。
だが、戦死したミラディン人はぎらつく油によりファイレクシア化し、次は敵として襲いかかってくる…。

そしてミラディンはファイレクシアに敗れた。

金属次元であるミラディンは、ファイレクシア再興の場としてこれ以上無いほどの舞台であった。
かくしてファイレクシアは5色の力をも手に入れ、ミラディンは「完成」した。


新ファイレクシアとして。

新ファイレクシア

ミラディンの傷痕ブロックではミラディンがファイレクシアに侵食されてしまう物語を描き、黒とを中心にファイレクシアのカードが登場。
プレインズウォーカー以外のカードの文章欄には、ミラディンかファイレクシアの陣営マークが透かしプリントされており、所属陣営がすぐにわかるようになっている。
また、ミラディンの傷痕→ミラディン包囲戦→新たなるファイレクシアと、物語が進に連れてミラディンのカードが減り、ファイレクシアのカードが増えていった。

ファイレクシア陣営には今までいなかった4色のクリーチャーが登場するようになった他、「感染」「増殖」「生体武器」というイメージに沿った能力が与えられている。

ただ色の力を得た代償か、色の影響を受けて生まれた感情に感化される者も多く、
以前のような機械のような冷徹な行動や、感情によって生まれる思想の違いから一枚岩的な強さを失っている。

最高指導者たる機械の始祖(機械の父)として、油に侵されたカーンがその座に祀り上げられている。
カーンが油の支配から解放され新ファイレクシアを去ってからは、派閥争いに勝利したエリシュ・ノーンがその座を勝ち取り機械の母を名乗っている。

……これ以降ストーリーでの主な敵役がエルドラージやボーラスに移っていったため長らく登場していないが、上記2つに決着が付いた後のテーロス還魂記で再登場の伏線が張られ、そして……。



そして北欧をテーマにした次元カルドハイム。
そこには氷雪の大地を駆け回る法務官ヴォリンクレックスの姿があった。
続いて急速な科学の発展を遂げた神河。
そこにはネオン溢れる市街で暗躍する法務官ギタクシアスの姿があった。
続いて5つのマフィアが支配する都市ニューカペナ。
そこには陰謀渦巻く市街に隠れ潜む法務官ウラブラスクの姿があった。

何故ファイレクシアの法務官が他次元にいるのか。
その謎が解き明かされる日は来るのだろうか……。

新ファイレクシアのカード

各色の派閥を率いる、新ファイレクシアのトップ達。

  • 荒廃のドラゴン、スキジリクス
ファイレクシア病に感染した炉のドラゴン。感染能力を持ち、プレイヤーには毒カウンターで、クリーチャーには-1/-1カウンターでダメージを与える。

  • 裏切り者グリッサ
かつてミラディンの英雄となったエルフの少女も、今やファイレクシアの将校。ヴォリンクレックスの右腕でもある。接死&先制攻撃の組み合わせが光る。

ファイレクシアの抹殺者の「完成形」。

どの色でも使えるというぶっ壊れたクリーチャー除去。

ファイレクシア軍最強の生体武器。細菌トークンが付けられた状態で戦場に出る。

  • 伝染病の留め金
出した時に-1/-1カウンターをクリーチャーに置けて、しかも増殖能力により任意のカウンターを1つずつ増やせるアーティファクト。

  • 溶鉄鋼のドラゴン
ミラディンのドラゴンがファイレクシア化した姿。
フレーバーテキストが割と厨二病

肉体も精神も蝕まれ、新ファイレクシア軍の王として新ファイレクシア軍から崇拝されていた。
ヴェンセール達の活躍によりファイレクシアのぎらつく油の汚染から解放され、新ファイレクシア軍を滅ぼし、元のミラディンを取り戻そうとしている。

  • 法務官の声、アトラクサ
(赤を除く)4人の法務官の手によって、新ファイレクシアの象徴として完成させられたミラディンの天使。

神河でテゼレットに誘拐され、ギタクシアスによって「完成」したタミヨウ。ファイレクシア関連としては初となるPWカード。

本人も知らぬ間に「完成」させられ先兵と化したアジャニ。

  • ギックスの信奉者、ローナ→シェオルドレッドの心酔者、ローナ
ドミナリアでファイレクシアやギックスの伝承に魅せられ、機械の身体に憧れるようになった女性。
シェオルドレッドと出会ったことで彼女の忠実な部下となる。

  • 復活したアーテイ
かつてスクイーにうっかり倒されたファイレクシア人が数百年の時を経て復活。手始めにスクイーの元へ復讐に向かうが…

ファイレクシアにとっては仇敵ともいえる飛翔艦がファイレクシアの手に落ちてしまった…偽装用外装に乗っ取られたというマヌケにもほどがある経緯で。

この他、ドラゴン・エンジンやファイレクシアの弩級艦ファイレクシアン・ドレッドノートといった旧ファイレクシアの大型兵器も引き続き運用されている。


The Great Work of New Phyrexia is Complete.

New sources of manapower the Machine Orthodoxy.

Beneath Phyrexian skin, the heart of Mirrodin burns.

The body iswhole, but whispers splinter the mind.

The Father of Machines

…iscoming.

Destroyer.



NEW PHYREXIA



  • Φ-追記・修正は、生皮を剥がされ機械の体を手に入れて「完成」した方のみお願いします。-Φ-

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • -Φ-
  • MtG
  • ファイレクシア
  • 嘆きの仮面
  • 邪悪
  • この世のすべての悪
  • 諸悪の根源
  • 侵略
  • 邪悪な機械文明
  • 感染
  • 増殖
  • うわごと、引きつけ、そして死「完成」
  • ...ALL_WILL_BE_ONE...-Φ-

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年05月06日 23:03