メ・ガリマ・バ

登録日:2011/04/03 Sun 10:47:17
更新日:2024/02/21 Wed 05:46:26
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クウガ!

ビガラゾダゴグンパ・(貴様を倒すのは、)ボン・ガリマザ(この ガリマだ)


メ・ガリマ・バは『仮面ライダークウガ』の登場怪人の一体にして、同作中盤の強敵。

演:木戸美歩


●メ・ガリマ・バ


種族: グロンギ族カマキリ種怪人)
呼称: 未確認生命体第36号(B群6号)
身長: 197cm
体重: 178kg
専用武器: 大鎌
タイタンフォームをも凌ぎ、トライゴウラムアタックにも耐え得る身体能力を誇る。


初登場はEPISODE 7「傷心」。
グロンギ族の第2階級であるメ集団最強の女怪人。
「ゲゲル」の権利がズ集団からメ集団に移行したのに伴い、集団を率いる者として登場した。
「ズ」から「メ」に昇格を果たしたメ・ガルメ・レと並ぶズ・ゴオマ・グへの名ツッコミ役であり、中盤までのグロンギ側の主要登場人物であった。


【人物】


メ集団の最強怪人として、非常に高いプライドとそれに見合う実力を兼ね備えた美しくも勇猛な戦士。
人間体はカマキリ柄のスカートを履いたショートカットのお姉様。メ集団としては割とマトモな見た目をしている。

かなりの武人気質で、メ集団によるゲゲルがスムーズに進んだ際にはそれを祝う言葉を投げ掛けてもいる。
しかし、ズ集団に続いてメ集団までもがゲゲルの成功者を出すこともできず、現代のクウガ=五代雄介とリント(人間)に敗北し続けた。*1

そして、ゴ集団の「ゲリ・ザギバスゲゲル」の開始が迫る中で、ついにガリマも生き残りと戦士としての誇りを懸けて、自らも「ゴ」となるべく「ゲゲル」に臨むことになるのである。


【能力】


メ集団最強というだけあって、非常に高い身体能力を有する。
メ集団は下位であるズ集団に比べて特殊能力に優れ、装備が優遇された者が多いものの、身体能力そのものはズ集団と大差の無い怪人が多かったのだが、ガリマはクウガをも凌ぐほどの身体能力を持っていた。
その戦闘能力はタイタンフォームと互角以上の戦いを見せ、細身ながらもトライゴウラムアタックに耐えるほど。

なお、大鎌を使う以前には爪を使っていたらしいのだが、デザインは至って普通である。鎌を持たせるのが前提だったろ絶対

この高い能力は「金の力」ライジングパワー登場のためのイベントとして設定されたものであり、このガリマとの戦いで雄介は復活以来はじめて、自らに起こっていた謎の放電現象の正体を知ることになるのである。
やや嚙ませ臭いが、それも「グロンギ」ならではの厳しい階級社会が故であろう。

ちなみにバラのタトゥの女はクウガとリントの戦力を見抜いていたためか、この結果は予測していたようである。


【ゲゲル】


  • ゲゲルの法則: 「千葉行き総武線4両目の車内で焚いた香の匂いの付いた標的の首を鎌で刎ねて殺す」
  • ゲゲルの規定人数と期間: 18時間で288人

EPISODE 23「不安」、24「強化」で披露したゴ集団昇格のためのゲゲル。
予め特殊な香の匂いを沁み込ませておいた標的を己の嗅覚だけで探し出し、その標的のみを殺害するゲゲル。
この複雑かつ多数の人間を犠牲にする法則はゴ集団の「ゲリ・ザギバスゲゲル」に倣ったもの。
ガリマはこのゲゲルに臨むにあたり、ヌ・ザジオ・レに専用武器である異形の大鎌*2を作製させている。

ダギバビ・ズガパ・ギギビ・“ゴ”・ガリマ・バ(“ゴ”・ガリマ・バに確かに相応しい)……。

ガルメからは「武器を持っているだけでは『ゴ』と言えないでしょう」と皮肉を言われたがその殺傷能力は凄まじく、ガリマの「腕前」もあり多くの犠牲者を生み出した。
しかし、クウガとの戦いで真ん中からへし折られてからは普通の刀のように使用していた。

ただし『ゴ』のやり方に倣ったはいいものの、モーフィングパワーは持っていないため武器は人間態になっても剝き出しのまま携行しなければならない。
おまけにゲゲルの実行の際には事前に自ら千葉行き総武線の4両目に乗車。
そして腰に付けた小さな香炉の匂いを車内に行き渡らせるため、4両目の車内で乗客を無理やり押し退けながら移動して匂いを撒き散らすという不審者感半端ない下準備を要した。
そのせいで乗客からは速攻で不審がられ、割と目撃情報も多く集まった。

このように正規のゴ集団の面々と比べるとあまりにも隠密性に欠けていたため、あっという間に警察の注目を浴びてしまい、挙句法則性も早々に看破された。
ルール上はゴ集団のような縛りを課す必要性はなく、あくまで自らの自尊心を満たしながら自身のスキルアップを目論んでの自己満足でしかない。
クウガとの戦闘で武器を損傷してダメージを負った際は監視役のドルドに苦言を呈されていたが、ガリマ本人はプライドの高さに加えてプレイヤーとしての沽券に関わることもあり半ば意地となって縛りを続行していた。

なお、このゲゲルの標的には本作を代表するインドア派ヒロインの沢渡桜子が含まれており、珍しくヒロイン属性も発揮している。


【振り向くな!】


ガリマ姐さんの代名詞で、自らの「ゲゲル」で見せた早業。
標的に悠然と近付き、擦れ違い様に一瞬だけ怪人体に変身。瞬時に大鎌を振るい、標的の首を落とす。
その際に姐さんが呟く言葉がこの

振り向くな!

である。そのあまりの早業に犠牲者は自分が斬られたことにすら気付かない。
そのため、首を「落とす」という言い方は正確ではない。自分の身に何が起きたか理解できないでいる犠牲者が「振り向くな!」の言葉に後ろを向くと同時に、首が「落ちる」のである。

リアル路線の『クウガ』は生命の大切さを説くために敢えて残酷な描写や表記を取っている。
無論、TVであることの制約や世論もあって流石に直接的な描写は避けられており、この場面も被害者の首が落ちるシーンこそ映ってはいない(代わりにネックレスが落ちる演出がある)のだが……

怖いのである。

異様に生々しい効果音と犠牲者役の役者さんの熱演、犠牲者の近親者たちの涙までも丹念に描いた演出とが合わさって、この残酷ながらも美しい殺人業を印象深いものにしている。

なお、椿秀一によれば「被害者達は死んだ事にしばらく気付いていなかったかもしれない」とのこと。


【関連人物】


「ズ」から「メ」へ昇格した実力者。
互いに嫌味を言い合う場面が多いが、メ集団になってもゲゲルを成功させるという野心的な意識に通じるものがあるのか、よく行動を共にしていた。

ガルメを含めたトリオの名ボケ役。
基本的には余計な事を口走る彼を甚振る事が多い。

「ゴ」の男。
「せいぜい頑張ることだ」とガリマのゲゲルの見物を決め込んでいた。

「ゲリ・ザギバスゲゲル」の審判役。
ガリマのゲゲルを見物していた際は「見ろ、中々筋が良い」と素質を認める発言をしていたのだが、クウガとの戦いで武器を半壊されて重傷を負った際は「まだ『ゴ』のやり方を続けるつもりか?」と苦言も呈した。

グロンギを率いるバラのタトゥの女。
「やはり『メ』ではクウガに勝てないようだな」と、辛辣な言葉を投げ掛けた。

本話が初登場。
ガリマのゲゲルを見物するドルドに対し、いつ「ゲリザギバス・ゲゲル」が始まるのかを尋ねたくらいで、彼女との絡みはなし。


【漫画版】


「バルバ、お前は疑問に感じたことはないか。なぜ我々はゲゲルをするのか」

なんと、HERO‘S版ではメビオの件で半ば読者もあきらめかけていた善玉グロンギ枠に。
人間形態はカマキリを模したシニヨンの緑髪の大人しそうな美女。怪人態の目つきもテレビ版に比べて優し目。

太古の戦いで消耗して眠りについた場所に桜が埋められ、そこで人々が交流するのを眺めているうちにゲゲルを嫌い人間を愛する性格に。
そのことがバルバの逆鱗に触れ他のグロンギから追われる日々を過ごしていたが、ある晩に雄介と出会い「サチさん」と呼ばれながら交流を深めていく。
だがバルバもガリマの我儘を放置するわけにはいかず、ゴオマやバダーを刺客として送り出す。

そしてバダーとの戦いでは雄介に正体がバレる覚悟で怪人形態に変身するが、逆に「やはりサチさんは人間と分かりあってくれるグロンギだった」と信じていたことが報われた雄介もクウガに変身して加勢する。
形勢不利でいったんは山奥の小屋に退却した二人は、そこで互いの境遇を語り合い改めて絆を結び共に戦ってバダーを止める決意を固める。
その場はガリマが身体を張って造り出したすきを逃さず、クウガがバダーにライダーキックを叩き込んで仕留めることができた。

だが、グロンギと戦っていると周囲に迷惑をかけるため、戦える雄介はまだしも津上翔一も傷ついてしまうかもしれない。そう考えたガリマは雄介に「温和なグロンギの集落があるのでそこで静かに暮らす」と偽って雄介と別れる。
その後、周囲の環境に打ちのめされ精神錯乱状態になった翔一がアギトとなりガリマに襲い掛かる。そして、ガリマの首だけを手に翔一はその場を去ってしまう。

その後ガリマの遺体は警察に回収されるが、新谷ケイという女性が対策本部を乗っ取り、雄介と一条たちを雄介の研究の為拘禁した時に霊石と反応して首なし状態で暴走。ケイ一派を殺害しながら雄介達が囚われている留置所に到達。
一条たちには目もくれずクウガに変身した雄介と交戦するが、なぜかガリマは両手の鎌の動きを鈍らせる。ガリマと別れて死なせてしまったことを後悔していた雄介は「サチさんになら殺されてもいいですよ……」と首のないガリマの身体を抱くと、ガリマの方は相手が雄介と完全に悟ったのか、鎌を自分の身体に突き立てた。
するとガリマの形をした気が雄介に流れ込み新たな力となる。

なんだかんだ言って肉体が滅んだ後も雄介と一体化することで結ばれ、以降も翔一の無実を証明する為(実は翔一が襲い掛かったのは事実だが、自分を手に掛けたら彼が後に戻れなくなると察したガリマが自分から首を差し出した)魂に出番が回ってくるという実質的な漫画版雄介の嫁。


【余談】


中の人は元ミス日本でミス水着の素敵な人。
『クウガ』放映中に芸名を山口涼子から飯島美穂に変えているが、現在では更に木戸美歩に変えている。
実は普段の喋り口調はかなりのおっとり系で、ガリマ姉さんの恐ろしい口調は完全な演技である。
日本舞踊が趣味らしく、新春スペシャルEPISODE 46.5「初夢」ではしとやかな和装(でも「振り向くな!」)を披露している。

このガリマ戦での描写からゴ集団は武器を使うと予想されたが、実際に登場した「ゴ」怪人は武器を装備していたガリマとは違い、自らの力で武器を生み出すことができた。メ集団との格の違いに視聴者は軽い衝撃を受けた。

PS用ソフト『仮面ライダークウガ』では放送時期の都合上、ラスボスとして登場。
「振り向くな!」はガード不能の必殺技扱いである。




「ゴ」のやり方で編集し続けるつもりか?

残りの項目もすぐに追記・修正する……。黙って見ていろ!

この項目が面白かったなら……\振り向くな!/

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最終更新:2024年02月21日 05:46

*1 唯一の例外は「メ」に昇格したガルメのみ

*2 二つの刀を合わせたような形状で、ゲルググのビームナギナタに近い。