ゴ・バダー・バ

登録日:2011/03/10 Thu 20:15:22
更新日:2024/01/25 Thu 20:39:25
所要時間:約 7 分で読めます






お前が38号か!?

ヂバグ(違う)

キョグギン・サギザザ(驚異のライダー)……ゴ・バダー・バ・()


ゴ・バダー・バは『仮面ライダークウガ』の登場怪人の一体。
同作を代表する敵キャラクターの一人であり、中盤に於けるライバルキャラクターである。
初登場はEP:21「暗躍」

演:小川信行
バイクスタント:成田亮

【データ】

種族:グロンギ族(バッタ種怪人)
呼称:未確認生命体:第41号(B群8号)
身長:206cm
体重:176kg
特色 / 力:肘についた装飾品を用いて馬やバイクといった“乗る”物を自分専用の乗り物に変化させる
専用武器:バイク(バギブソン)


【概要】

最上位集団であるゴ集団の一人で、「ゴ」怪人の中では最も早くに登場を果たした。
番宣スナップにおいても、かなり早い時期から登場している為に、中盤の強敵として構想が練られていたと思われ、
事実劇中でも、バダーとの戦いを契機に未確認生命体特捜班との完全な連携を仮面ライダークウガ五代雄介がする事になる等、重要な役割を担っていた。

キョグギン・サギザザ(驚異のライダー)を自称し、あらゆる乗り物を自在に乗りこなす。
古代ではに乗っていたが、復活した現代では「鋼の馬」とも呼ぶべきオートバイに乗り換え、ゲゲル(殺人ゲーム)を行う。
使用する愛車兼武器はオートバイを装飾品で変質させた専用バイク「バギブソン」

その姿から判る様に、かつて出現した未確認生命体:第6号ズ・バヅー・バの兄弟(双子の兄)なのだが、
劇中ではこの事について弟と同じく“有害ガスが苦手”という事以上の言及は為されておらず、自身でも「復讐を果たす」という認識を示すような場面は存在しない(「グロンギ」が戦い以上の価値観を持たない為だと思われる)。

モチーフとなっているのは「バッタ怪人」から分かる通り、『仮面ライダー』……それも元祖にあたる仮面ライダー1号(旧1号)であり、
弟のズ・バヅー・バの登場時点で“バッタモチーフでマフラーを身に纏う(挙句に飛び蹴りを使う)”という演出でファンを喜ばせるに留まらず、
バダーは真っ赤なマフラーと、暗緑色の体色までもが、旧1号に合わせた形になっている。
加えてEP:27では1号の変身ポーズで怪人態に変身した他、EP:32・33では「バイクに乗りながら変身(カメラは顔面アップ)→バイク変質」という、旧1号のプロセスに似た流れも披露した。

※『クウガ』では、演出上グロンギ語の対訳をしないという方向だったので、怪人がバカらしい口上を述べる等の“お遊び”が密かにされている。


【人物】

自他共に認める「ゴ」集団屈指の実力者で、「究極の闇をもたらす者」に近い「ゴ」集団の最強三人衆のガドルバベルジャーザに次ぐ強者。
いざゲゲルに臨む段階においては、かのゴ・ガドル・バですら焦りを見せていた程。
バダーがクウガに倒されてからはダグバの「整理」が開始されており、その実力はダグバにも一目置かれていた模様。
人間体は弟同様パンチパーマ頭の青年で、怪人体に合わせてか、真っ赤なマフラーにカーキグリーンの長袖ジャケットを組み合わせた服装をしている。
そして兄弟揃ってコイントスが趣味(?)。
前述のように劇中では他の「ゴ」怪人に先駆けて姿を現し、クウガ=五代雄介に対して挑発行為を繰り返すなどプレッシャーを与える行動に出ていた。

グロンギでは珍しくないが、自らの能力に絶対の自信を持つ完璧主義者であり、
事実、この時点での実力はクウガを遥かに凌いでおり、雄介らは常に後手に回る事を余儀なくされていた。
そして、ゴ・ガメゴ・レのゲゲルが終了すると共に遂にプレイヤーとして名乗りを挙げ、自らのゲゲルを開始するのである。



【物語】

EP:31:32:33
「応戦」「障害」「連携」

愛車であるバギブソンの最高時速は推定400km。このスピードを利用した神出鬼没の行動を見せ、瞬く間に規定人数までのリーチをかけた。
途中、警察やクウガによる抵抗を受けるものの、終盤に両者が完全な「連携」を見せ、作戦を練り直すまでは全くの対処が不能という有様だった。

……しかし、クウガを海岸でのトライアル戦で圧倒し、転倒して同時に手元に転がってきたトライチェイサーで突撃を試みるところまで追いつめるも、
それが最早壊れてしまっていることに気付くと 止どめを刺さずにゲゲルの「最後の一人」だと宣言したのが仇となり、
新マシン「ビートチェイサー2000」を得たクウガに後に倒される事となる。


【能力】

神業的なバギブソンの操縦テクニック以外の能力は劇中では不明。
操縦以外の能力は不明と記したが、身体能力と感覚能力がズバ抜けているのは確実で、何と逃走中に後に『仮面ライダーディケイド』で“あの”「クロックアップ」を破った(ライジング)ペガサスの射撃をも躱している。
18秒で解除されたせいで五代が焦っていた可能性もあるが、恐らくは反射神経が異常に優れているものと思われる。

また、最終的にはプライド故にか「ライジングマイティキック」を真正面から受け切り壮絶な爆死を遂げているのだが、
あのガメゴですら全く堪える事の出来なかった衝撃をバギブソンの突進に対するカウンターとして受けたにもかかわらず、一度は立ち上がりクウガに向けて歩き出そうとするという“執念”を見せつけている。

クウガとの戦いはバイク戦に終始したが、『クウガ』名物「嘘予告」では“ライダーキック”を披露するサービスカットが存在する。

バギブソン


……ギギジョグ(良いよう)ドデデロ(とっても)…!

ゲリ・ザギバスゲゲルを成功させて、次のゲゲルに行く。


バダーが操る愛車であり、ゲリザギバス・ゲゲルに用いる凶器。
形状は黒鉄色或いは暗緑色の刺々しく鋭利な装甲に覆われた禍々しくも有機的なビジュアルで、バギブソンの『凶器』としての性能を引き上げていると考えられる。
最高速度は推定400㎞。近距離で追突された白バイ隊員が弾き飛ばされただけで即死している事から、停止状態からの加速力も異常に高い。
バダーの超人的な操縦技術と相まって岩礁地帯のような悪路すら物ともせず突き進み、バイクに乗ったまま数mの高さを軽々と跳躍可能なため、通常のバリケードではバギブソンの疾走は妨害すら不可能。
警察やマスコミ側の連携や規制が間に合わないほどの速さで瞬く間に獲物を狩り続け、その性能と攻撃力はトライチェイサー2000をも凌駕した。

なお、普段は普通の黒いオートバイだが、基本クウガとの戦闘や確実に人間を殺す時以外はこの通常形態で普通のライダーに擬態し、標的を仕留める際にだけ肘の装飾品を突き刺してモーフィングパワーで変化させることで凶器と化すことで姿を現す。
また元が普通のオートバイだったとはいえゲゲル開始前にはザジオがバイクのメンテナンスを行なっており、バダー専用にチューンナップされていた可能性は大きい。

専用バイク「バギブソン」のモチーフとなっているのも、仮面ライダーの専用バイクであった「サイクロン号」である事も知られており、
「新サイクロン号」以降のレーサータイプのライダーマシンの意匠を引き継いでいる(※ベース車はトライチェイサーと同じく“パンペーラ”)。
なお、「バギブソン」を直訳すると“ナイクロン”となり、本来“サイクロン”をグロンギ語に変換した場合は「ガギブソン」とならなければいけないのだが、上記のようになっている理由は不明。
脚本段階での誤訳も多く発見されている為、単に間違えたのか、
「ガギブソン」だと別のバイク乗りと被るからよりも「バギブソン」の方が格好良いから“わざと”そうしているかのどちらかだろうと考えられる。


ゲゲル


  • ゲゲルの法則:「鋼の馬(バイク)を運転する人間を鋼の馬から引きずり下ろして轢き殺す」
  • ゲゲルの規定人数と期間:7時間*1で99人

ゴのメンバーの中では非常にシンプルなゲゲル。
愛車「バギブソン」で標的であるバイク乗りの後方から接近を繰り返す、幅寄せするなどの追い込みでプレッシャーをかけたりして意図的なバイクとの接触事故を起こし、標的を転倒あるいは降車させたところをバギブソンで轢殺する。
「ライダーをバイクから降車させる」という縛りさえ突破すれば後のバギブソンを用いた殺害方法は自由であり、そもそもすれ違い様に肘打ちでバイクから叩き落とすといった手段で引き摺り下ろしてもOK。
  • 引き摺り下ろした後、即座に轢き殺す。
  • 引き摺り下ろした後、わざとバギブソンでジワジワ嬲り痛めつけて(例:バイクのウィリーの動きで獲物に打撃を与えてダメージを与える)から轢き殺す。
  • バイクを捨てて逃げ出し物置や路地裏などに隠れた相手にバギブソンを突撃させて轢殺する。
……といった殺害方法でもOKとかなり緩く、何ならバギブソンを使わずとも「別のバイク」を使いさえすれば得点にカウントされる。
バダー自身も引き摺り下ろした標的を即座に殺すより、意図的に逃げ場のない場所に隠れさせた後『狩り』のように潜伏先を見つけ出して一気に轢き殺す行為を好んでいた節もある。
ゴ集団らしくリスクヘッジにも抜かりはなく、
獲物をバイクから引き摺り下ろすまでは人間体の姿を維持

獲物を轢き殺す時だけ怪人体に変化

轢き殺した後はすぐに人間体に戻って逃亡し次の獲物を探す
という手段で隠密性も保つという場面も見られた。
バギブソンの超スピードもあって、劇中では東京だけでなく神奈川県の三浦半島にまで魔の手を伸ばしてスコアを稼いでいた。


【バイクアクション】

『クウガ』はこれまでの『仮面ライダー』及び特撮作品全般へのアンチテーゼと原点回帰の両方をテーマに「現代の視点によるリアルな特撮」を目指して製作。
結果的に、かつての特撮技術の限界点と、現在のCGを取り入れた特撮の中間地点に当たる演出が為されている。
特に『仮面ライダー』という存在の原点を捉えるべくバイクアクションには力が入れられており、バイクを武器に使ったライダーの代表格と呼べる作品になっている。

『クウガ』のバイクアクションはプロトライアルレーサーの成田匠/亮兄弟の協力により実現した物で、『クウガ』の特撮アクションを語る上では必ず引き合いに出される。
EP:32終盤からEP:33のクウガ対バダーの壮絶なバイク戦は成田兄弟とスタッフの熱意が生んだ、同企画の象徴となっている。



【関連人物】

「ズ」の弟。
物語上の接点は無しだが、キャストは一緒。
姿が似ているのみならず、趣味や苦手とする弱点も共通している。


【余談】

  • EP:31のバダーの最初の犠牲者役を演じているのはクウガのスーツアクターの富永研司氏。

  • その「作風」から、それ以前、以後のライダーから良い意味でも悪い意味でも特異な位置付けにある『クウガ』だが、
    劇中では特に初代『仮面ライダー』へのオマージュとしての小ネタが多く使用されており、パロディにあたるバダーはその最たる存在と言える(でも硬派)。

  • 変身ポーズを披露するシーンだが、小川氏は初代『仮面ライダー』を見ていなかったため、何の事だか分からなかったらしい。
    しかしながら、「右手フラリ→左手伸ばし」の一連の動きが出来ているのは凄いが。

  • ゲゲル終盤のバラのタトゥの女との会話シーンで
    ガギゴンパパンビン・ボソギゾ・クウガ・(最後の1人クウガを殺し、)ツギパ・ボソギゾガンダ(次はアンタを殺す)……ダボギジザ(楽しみだ)
    という台詞が存在するため、リアルタイムで見ていたファンを驚かせたらしい。
    ……番組が終了した現在では隠す必要も無いが、これはあくまで最後に控えるダグバへの宣戦布告であり、彼女への言葉ではない。

  • バダー以降、後の平成ライダーシリーズでも、昭和ライダーの要素を持った怪人(その他)がちょくちょく登場するようになった。

  • 参考ながら時速100kmのバイクが衝突した際の衝撃は高さ40mから落下した時と同等の衝撃になるとされる。
    なのでバギブソンの場合、最大160mもの高さ*2から落下した時と同等の衝撃が被害者に加わったことになる。






「ヅギビン・ゲギボギ・ガゲデググル……ザギバス・ゲゲル」

※訳:追記を成功させて……ザギバス・ゲゲルに進む。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 仮面ライダークウガ
  • 仮面ライダー
  • 平成ライダー
  • グロンギ
  • バッタ
  • 怪人
  • ライバル
  • でもちゃんとヘルメットは被る
  • 兄貴
  • 仮面ライダー旧1号
  • 名悪役
  • 昆虫戦士
  • バイクアクション
  • ゴ集団
  • ゴ・バダー・バ
  • 驚異のライダー
  • コイントス
  • バギブソン
  • 怪人ライダー
  • 交通事故
  • 轢き逃げ
  • 通り魔
  • 暴走族
  • ライダー怪人

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月25日 20:39

*1 台詞の対訳に従い「4時間」とされている場合もある。一応公式の『仮面ライダー図鑑』では7時間扱い。実際「4時間」で99人だと余りにも時間的な余裕が無さすぎるため、脚本のミスの可能性がある。

*2 具体例を挙げれば世界貿易センタービルとほぼ同等の高さ。