登録日:2010/06/05 (土) 22:47:16
更新日:2023/12/27 Wed 22:27:40
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【ロング・デック】は
マジック:ザ・ギャザリングのヴィンテージ環境におけるデッキである。
現在のエターナル環境における【
ストームデッキ】の雛形的存在。
デッキ名は作成者であるMike Longが由来。【
プロスブルーム】の作成者としても有名な、一流のデッキビルダー兼プレイヤーである。
マジックにも色んな凶悪デッキが存在したが、その中でも最凶と称される事もあるのがこのロング・デックである。
Lion's Eye Diamond / ライオンの瞳のダイアモンド (0)
アーティファクト
あなたの手札を捨てる,ライオンの瞳のダイアモンドを生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ3点を加える。この能力は、あなたがインスタントを唱えられるときにのみ起動できる。
Burning Wish / 燃え立つ願い (1)(赤)
ソーサリー
あなたは、ゲームの外部にあるあなたがオーナーであるソーサリー・カード1枚を選び、そのカードを公開し、あなたの手札に加えてもよい。燃え立つ願いを追放する。
Tendrils of Agony / 苦悶の触手 (2)(黒)(黒)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。
ストーム(あなたがこの呪文を唱えたとき、このターンにそれより前に唱えた呪文1つにつきそれを1回コピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。)
マジックで最もカードプールの広いヴィンテージ環境には
Moxシリーズや
Black Lotusを代表に0マナや1マナのマナアーティファクトが多数存在する。ロング・デックはそれを大量に利用し、
ストームを稼ぐのが目的となる。
動きは
MoMaに似ている。つまりはチェイン・コンボである。
まず各種MoxやBlack Lotusを始めとした、大量のマナ・アーティファクトを展開し、ストームを稼ぐ。
特に《ライオンの瞳のダイアモンド》は当時無制限で4枚積めたのでこれを置くことも多かった。
各種ドローカードとサーチを交えながら1枚制限の《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain》《
ネクロポーテンス/Necropotence》へと繋ぎ、それらを設置したらライフを払ってどんどんカードを引く。ネクロの効果で引いたカードは即座に使えないがそこは《Time Walk》でカバー。ただこの方法を取るとストームカウントがリセットされてしまうので出来るだけ取り引きの方に繋げたい。
息切れしそうだったりマナが足りなさそうなら《燃え立つ願い》でサイドボードから《ヨーグモスの意志》や《精神の願望/Mind's Desire》を持ってきて、墓地のカードを使い回すなりライブラリーのカード10枚以上をコスト踏み倒しで唱えたりすればよい。
ストームとマナが十分に貯まったら《燃え立つ願い》を唱えれば終了。後はサイドボードから持ってきた《苦悶の触手》を撃つだけ。仮に削り切れなくても《ヨーグモスの意志》があるので安心。ストーム呪文の仕様上定番カウンターの《
意志の力/Force of Will》も無意味、もしくは非常に限られたところに打たないといけないし、コンボを回している間に《中断/Abeyance》を打たれたらもう眺めるしかやることが無い。
なんだこのクソデッキ。
よく凶悪デッキを語る際に名前が挙げられる【MoMa】だが、凶悪さはこのデッキに比べたら可愛いもの。
なんせ、【MoMa】が1ターンキルが起こる確率が5%強なのに対し、【ロング・デック】は
約60%とマジック史上でも類を見ない凶悪さ。これを超えるのはほんの一瞬(1ヶ月)だけ組めた
"完全版かつType1の"【
メグリムジャー】のみ。そりゃ最凶と呼ばれるのも納得。
ちなみにこんな凶悪デッキだが大規模大会での活躍は皆無。当時はType1の大会があまりなかったこともあるが、キーカードの《燃え立つ願い》と《ライオンの瞳のダイアモンド》が、このデッキが成立した(=《精神の願望》などストームカードがトーナメントリーガルになった)2003年7月1日からわずか6ヶ月後の2004年1月1日にType1で制限カードになったからである。そのせいで禁止カード一切無しで2つのプレミアイベントで大暴れした【MoMa】に比べると「大会実績が劣る」という点見劣りがする。もはやなにを比べてるのだというところだが。
ともあれ、ロング・デックもまたマジック史に名前を刻んだのは間違いない事実である。
当然ながらキーカードの大半が制限を食らっているため、純粋な【ロング・デック】はもう組めないが、類似デッキが今でもヴィンテージ環境で現役。恐ろしい話である。
類似というかヴィンテージのストーム利用デッキは大半がこのデッキの亜種と言っても過言ではない。ストーム稼いで《苦悶の触手》でフィニッシュという形は変わらず、そこまでのつなぎ方や色の選択が若干異なる程度。
現在は青を濃い目にしてカウンターとハンデスを仕込んだバージョン【The Perfect Storm(TPS)】が主流。
実は《燃え立つ願い》が2012年に無制限へと帰ってきてるので、《ライオンの瞳のダイヤモンド》と《渦まく知識/Brainstorm》以外はほぼ完全系で使えたりもする。
ただ《中断》をWillされた挙げ句《狼狽の嵐/Flusterstorm》や《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》で《苦悶の触手》をまとめて消されたりするので、カウンターがサイドの《もみ消し/Stifle》しか無い純粋な【ロング・デック】で勝つのは難しいとは思うが。
ちなみに。
このデッキを組んだMike Long氏は非常に高名なプレイヤーだが、ヒール(悪人)のイメージが非常に強い。
ヒールポジションと言えば聞こえはいいのだが、実際には「呪文を唱えるふりをして相手の反応を見て手札を推測する」「相手の細かいルールミスを指摘して自分が有利になるように巻き戻す」など、
反則とまではいかないがマナー違反となる行為で勝利を得たことが当時から有名なプレイヤーだった。
このマナーの悪さや「リミテッドでカードを隠して持ち込んだ」「デッキのシャッフル方法がおかしいと警告を受けた」「出禁を食らいまくっている」という反則伝説など、当時のプレイヤーとしては本当に悪いうわさ話が絶えない人である。
一方でデッキビルダーとしての能力が非常に高いことも事実であり、2005年にはマーク・ローズウォーターが殿堂プレイヤーにノミネートするなどプレイヤーとしての評価が高いのもまた事実である。
遊戯王に登場する「強烈なデッキ」「大会荒らしとして悪名高い」「不正行為を行う」プレイヤー、バンデッド・キースの元ネタと目する人もいるなど、事実は小説より奇なりを地で行く人である。
追記・修正お願いします。
- なお、これのさらに上には唯一メグリムジャーのみが君臨している -- 名無しさん (2014-03-30 20:42:34)
- ↑アレは1ターンキル率90パーだっけ? -- 名無しさん (2014-03-30 20:44:33)
- ヴィンテージで一時期だけだけど完品のメグリムジャーが使えたんだってね。多分、Type0みたいな思考実験を除いて、現実に存在したデッキの中では最強はその時のメグリムジャーだろうねえ -- 名無しさん (2014-06-19 07:22:37)
- 当時のType1メグリムジャーが8割超え。コレが当然Type1で6割。MOMaはスタンで5割だから比較はできない -- 名無しさん (2016-06-16 09:58:30)
- 5割じゃねえ5%だ -- 名無しさん (2016-06-16 09:58:47)
- ↑4 あっちは無理そうならTimewalk使って2ターンに分けれるからな。こっちはストームの関係上途中で中断が難しい -- 名無しさん (2019-02-18 11:31:50)
最終更新:2023年12月27日 22:27