センギアの吸血鬼/Sengir Vampire(MtG)

登録日:2010/06/09(水) 11:09:33
更新日:2022/12/19 Mon 11:33:55
所要時間:約 5 分で読めます




マジック:ザ・ギャザリングに登場するカード。
のクリーチャ-。初出はアルファという由緒正しい吸血鬼。レアリティはアンコモンとレアを行き来している。

以下カードテキスト。

センギアの吸血鬼/Sengir Vampire (3)(黒)(黒)
クリーチャー ― 吸血鬼(Vampire)
飛行(このクリーチャーは飛行や到達を持たないクリーチャーによってはブロックされない。)
このターン、センギアの吸血鬼によってダメージを与えられたクリーチャーが墓地に置かれるたび、センギアの吸血鬼の上に+1/+1カウンターを1個置く。
4/4

まだデザインされたカードが少なかった当時、除去されにくい黒のクリーチャーで5マナ4/4飛行持ちは優秀であった。
同サイズの白いクリーチャー「セラの天使」同様、貴重な戦力としてウィニーやコントロール系デッキのフィニッシャーとして採用されたりしていた。

能力も吸血鬼を意識したもの。
この巨大化する能力はキーワードにこそなっていないが、俗称で『吸血能力』と呼ばれ、その後デザインされた吸血鬼クリーチャーの大半が所持している。

この吸血能力は当時はなかなか厄介な代物だった。ブロックするにしろ、センギアの吸血鬼を超えるサイズの飛行持ちクリーチャーは少なく、シヴ山のようなのドラゴンくらいである。
故に、大半の場合ブロック後にクリーチャーが墓地に落ちてセンギアの吸血鬼を肥らせてしまう。
サイズがあっても黒お得意のマイナス修正を与えるスペルで小さくされてしまい、結局血を吸われて墓地送りされてしまうパターンが非常に多かった。

もっとも、先に述べた通りカード総数がまだ少なかった環境では飛行を持ったクリーチャーはさほど多くなく、この能力はオマケ程度に考えられたが、「暗黒の儀式」によるマナブーストが可能だった事もあってセンギアの吸血鬼は充分脅威と見なされていた。それは彼の栄光の時代と言えなくもない。



それからしばらくして、センギアの吸血鬼は基本セットから外され表舞台から姿を消す。

そして数年後、黒主体の異色エキスパンション「トーメント」にて再登場を果たす。
かつての黒のエースはまたもその闇の翼を広げてトーナメントの空を駆け、犠牲者を増やしていた事だろう。



コイツさえいなければ。↓



火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu
(3)(赤)
クリーチャー ― カヴー(Kavu)
火炎舌のカヴーが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。火炎舌のカヴーは、それに4点のダメージを与える。
4/2



生きた4点火力と呼ばれたこのクリーチャーはその優れた性能から当時、多くのデッキに採用されていた。そのため、その頃基本セットに再録された「セラの天使」も活躍しづらい状況だった。センギアの吸血鬼も同様。空を飛んでも火炎舌のカヴーの的にされて即黒焦げされるのがオチだった。

更に。

トーメント発売によって流行った黒コントロールにはより使い易く強力な「ナントゥーコの影」が採用され、フライヤーとして考慮するにしても「陰謀団の貴重品室」によって膨大なマナサポートを得る事が出来たので、重いが黒単なら滅法強い「夢魔」が選択されてしまい、センギアの吸血鬼は居場所を見付ける事ができなかった。
好きなプロテクションを得る天使「万物の声」もいたしね。「不可思議」が投入された青緑マッドネスのせいで空飛ぶクリーチャーが満載だったのも要因のひとつ。

やがてインベイジョンブロックがスタンダード落ちし、火炎舌のカヴーが姿を消した。
これでやっとセンギアの吸血鬼にも多少なりとも出番が!…と思ったら今度は入れ替わりのオンスロートには空飛ぶクリーチャー除去「戦慄をなす者、ヴィザラ」、更に白には4/5飛行・絆魂の変異経由で3~4ターン目から殴れる「賛美されし天使」が登場し、果てには「絹鎖の蜘蛛」という「怒りの天使アクローマ」ですらブロックして内蔵した「ハリケーン」で落とせる蜘蛛まで現れ、またも出番を奪われる羽目に。

その後も何度か再録を果たすも、その都度より強力なクリーチャーに席を奪われ、結局ほぼ使われないままスタンダード落ちするという悲しい流転の顛末になる。しかも今では唯一の取り柄(?)だった吸血鬼というクリーチャータイプすらゼンディカーブロックで新たな吸血鬼が多数追加されて、失ってしまった。もはや過去の栄光は見る影もない。

というか狙ってやってるんじゃないか、ウィザーズ社。

一応弁護しておくと、リミテッドでは5マナ4/4飛行は非常に優秀なので、ブースタードラフトではファーストピックも珍しくない。この環境では人気のクリーチャーだった。良かったね。



ともあれ、センギアの吸血鬼はマジックの歴史を語る上では欠かせないクリーチャーである事には違いない。一度は使ってみるといいかもしれない



ちなみに。

LORD of VERMILIONⅡ』に参戦しているのはセンギアの吸血の方である。

不死種を語る上で欠かせない強力な使い魔であり、今も七英雄のボクオーンと共に戦場を引っ掻き回している。

マジックからは他にもプレインズウォーカーやクリーチャーが参加しているのだが、他が全て基本セット10版から選ばれているのに対し、センギアの吸血魔だけ時のらせんからである。ちなみにセンギアの吸血鬼は10版に収録されている。

これについて、巷では製作スタッフが両カードの名前が似ていたので間違えたのではないか、という噂が流れている。事実ならまさに不幸としか言いようがない。合掌。



2012で再録されたよ!
でも、四肢切断で墜ちるからやっぱりダメだったよ

2014でも再録されたよ!
でも、チャンドラの憤慨で焼けるから(ry


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最終更新:2022年12月19日 11:33