魂響

登録日:2010/09/02(木) 02:08:28
更新日:2022/09/13 Tue 13:40:39
所要時間:約 8 分で読めます




あかべぇそふとつぅの商業第一弾作品。

同人時代に発表した「夜の破片」で注目を集め、当時Fateによって人気沸騰中だった伝綺路線を踏襲したAVG作品。

同人作家として人気の有葉(あるふぁ)氏の可愛い絵柄が注目を集め、序盤のシナリオが丸々収録された体験版も好評。
また同体験版にも収録されていた片霧烈火が歌う主題歌『魂響』の評価も高く、専門誌でも紹介ページが大きく取られるなど、大きく期待されていた作品だった。





















……そのはずだった。





あらすじ

舞台は現代日本。
夜に紛れて怨霊や妖怪が徘徊し、それを駆逐するために暗躍する霊能力者の物語。

特殊な道具を使って様々な魔法を起こす霊能力者“霊狩人”の家系に生まれた主人公「秋月冬馬」は、しっかり者の義妹「かすみ」と甘えん坊の実妹「那美」の兄妹三人で忙しない日々を送っていた。
ある日、「鬼」という種の妖魔の除霊を依頼された冬馬達は、いつものように月夜の狩りに出る。

そうして始まる激闘。
対峙してはじめてわかる危険すぎる敵。
冬馬とかすみが傷を負い、那美だけが家族を守るために妖魔に挑む。
逃げることも倒すことも叶わない中、那美を助けるために放ったかすみの起死回生の一撃は逆に那美の動きを止めてしまい、

妖魔の剣は、無慈悲に那美を貫いた……。



□用語

□霊狩人~たまかりうど~
本作に登場する霊能力者の内、妖怪退治を仕事としている人間達の総称。
土地ごとに管理者が立てられており、横の繋がりは広く浅い。
現代の霊狩人の大半が『龍駆石』と呼ばれる自在に形を変える魔法の鉱石を持ち、武器として使っている。

□龍駆石~りょうくせき~
龍駆石は対霊兵器として霊狩人が作り出した道具であり、普段は腕輪や指輪などの持ち運びが可能な形をしており、発動と同時に武具へと姿を変える。
完全に個人の専用武器で一度所有者が登録されると、他人が発動する事は不可能。
ただし、九重姉妹が持つ双炬剣のみ例外となっている。

□鬼
冬馬達が退魔の対象とする妖怪の一種。
人間には及ばずとも戦況を見極める程度の知能があり、時には闘争本能を押し殺して逃げ出す事すらある。
その為、退魔作業は慎重に行う必要がある。

□巫妖還り~ふようがえり~
過去に妖怪と交わった事で力を得た一族の人間が起こす霊的な隔世遺伝現象。
纏う霊気そのものが人間とは違う物に変質してしまう為、半人半妖と化す意味合いに近い。
秋月家はこれを起こして人間を超えた能力を身に付ける事を『家』を束ねる当主の資格としているが、冬馬と那美は共に巫妖還りを起こしていない。
その為巫妖還りを起こした遠縁にあたるかすみが秋月家に養子として迎えられた。



登場人物

秋月冬馬
CV:なし
本編主人公。
妹達に仕事を任せ、自分は遊び呆けている未熟な少年。
霊狩人としての力不足を正しく認識せず、力の及ばない敵に挑む事で惨敗する。
妹を目の前で殺されることで己の無力さを嘆き、皆を守れる力を求めるようになる。
所有龍駆石は槍のディアボルグ。

秋月かすみ
CV:風音
主人公の義妹。旧姓は葉斑。
真面目な優等生だが、外見が冷たい印象を与えるために誤解されがち。
しかし恋愛などに関してウブな所があり、からかわれるとすぐに冷静さを失って秘めた可愛らしさを暴露する。
所有龍駆石は大刀のリッパー。

秋月那美
CV:芹園みや
主人公の実妹でありかすみの義妹の秋月家の末っ子。
外では人当たりの良い優等生、家では悪戯好きの甘えん坊。
いつも冬馬を一番において話を進めようとするが、かすみをからかって遊ぶ事も大好き。
所有龍駆石は糸のシーカー。

九重真散
CV:星野みく
九重真咲の双子の妹で童顔巨乳。
頑張り屋さんだが、恥ずかしがり屋なおっちょこちょい。
純情ですぐにオロオロと慌てる為に可愛がられている。
所有龍駆石は風の双炬剣イノセンス。

九重真咲
CV:RUMI
九重真散の双子の姉
いつも微笑みを絶やさないノリが良くお茶目なお姉さん。
妹とは性格・外見共に全く似ていない。
冬馬達をからかう事を生き甲斐にしている。
所有龍駆石は水の双炬剣ギルティ。

逢坂藍
CV:神月あおい
冬馬曰く「童顔貧乳幼児体型で眼鏡を掛けたクソ生意気なチビガキ」
最もマイペースなヒロイン。
台詞回しは短気で叫ぶか怒鳴るかからかうか。
忙しなくて明るいちびっ子。

逢坂紅
CV:桃井いちご
藍の兄でオカマ
外見が妹より大人の女性らしい上に、本人が女を演じているので質が悪い
たまに語る過去は謎に満ちていて妄想的かつハードボイルドだが、何故か実話に聞こえる。
ヒゲは一日三回剃っているらしい。












以下、ネタバレ










秋月冬馬
ヘタレ
最大の見せ場は序盤で鬼を殺したシーンのみ。その後はただのHシーンの男優役。

秋月かすみ
非常に扱いの悪いメインヒロイン。しかも序盤以降は終盤まで出番無し。
これは序盤で鬼の剣で斬られた時に肉体は無事だったが、魂が鬼の剣に吸収され抜け殻になってしまった為、肉体を失った那美が彼女の肉体を使っていたから。
あげくの果てにかすみルート終盤で那美の魂も鬼の剣に取り込まれ、肉体の所有権と冬馬を賭けて姉妹で骨肉の争いを繰り広げ、最期は那美以外に看取られず成仏という不憫な娘。

秋月那美
専用ルート無し。キモウト
序盤で鬼にレイプ&バラバラにされて食われるが、実は彼女も巫妖還りを起こしており、能力を使って魂だけになってもかすみの身体の中で生き延びていた。
しかも、どのルートでも自分が本当は那美だとカミングアウトしない。

九重真散
メインヒロインその2。一番ヒロインらしい娘。

九重真咲
専用ルート無し。本編の黒幕。

逢坂藍
サブヒロイン。
彼女のルートのグダグダぶりには殺意を覚えるレベル。



総評

主人公の空気ぶりやかすみの扱い、日常パートや藍ルートのグダグダぶりなど、シナリオの評価はかなり低い。
ギリギリ及第点なのは真散ルートのみ。

また、本編クリア後にアナザーシナリオが出現するが、完全にパラレルワールド設定で、そちらも内容が重い割に声が無い、短い、など評価が低い。





派生作品



魂響~陵辱side~

無印のアナザーと同じくキャラだけ同じで設定を変えた作品。
こちらは寝取られ、フタナリ、無印では清純だったヒロインのビッチ化など、これらの属性が苦手な人には地雷作品と化しており、無印でのヒロイン達の性格や純愛展開が好きな人には受け入れ難い作品となっている。
次回作の『車輪の国、向日葵の少女』以降純愛路線でヒットを続けるあかべぇそふとつぅのラインナップでもこの作品だけがひたすら浮いている。
そのせいか公式HPではいつの間にかこの作品だけ製品紹介ページが削られていた。メーカー的にも黒歴史なのかも知れない
ちなみにパッケージ版は発売本数が少なかった為、中古相場が恐ろしく高騰しており現在入手困難
どうしてもプレイしたい場合はDL販売に頼るしかないが、内容自体もかなり短いので注意が必要。



魂響~御霊送りの詩~

PS2でまさかのコンシューマ化。
移植発表当初はあの地雷作品を移植して大丈夫なのかと心配されていたが、蓋を開ければ元々好評だった序盤以外のシナリオを全編書き直し、普通に楽しめる内容となっていた。

主な変更点

  • 冬馬の扱いが良くなった。
無印では彼だけスルーされた巫妖還りの設定を使い、無呼吸状態でのみ体感時間を遅らせ高速で行動出来る能力を得た。(早い話がクロックアップ)
しかも、この能力を更に突き詰めると自分以外の時間停止すらも可能になるという天井知らずのチート化によって作中最強キャラとなった。

  • かすみの扱いも良くなった
那美から肉体を返して貰うor那美と肉体を共有する擬似二重人格といった形だが、ちゃんとかすみ本人も生き返る事が出来る。

  • 全年齢対象なので鬼による那美の強姦シーンと食われるシーンが全面カット。この描写は後のPC再移植の際にも引き継がれた。

  • 真咲と藍がメインヒロインに昇格。
真咲ルートでは鬼の剣に関する謎と因縁が明かされ、藍ルートは無印でのグダグダが無かった事にされた。

  • 元々及第点レベルの内容だった真散ルートが補強され、新キャラとして冬馬達の両親の仇であり秋月一族の宿敵でもある最強の敵・椰城が登場
冬馬VS椰城戦での冬馬のCGがイケメン過ぎて無印のヘタレとは完全に別人。

  • 主題歌が追加
無印での唯一の評価点だった主題歌と挿入歌に並ぶほど新主題歌も好評。



魂響~円環の絆~

PS2からPCへの再移植作品。
もう魂響はいいよ、という声もあったが、これから新規に魂響を手に入れたい人には完全版であるこれが一番オススメ

主な変更点

  • PS2版をベースに新シナリオ『円環の絆』を追加。このシナリオで遂に那美の肉体復活が実現したので、これが実質上の那美ルート。

  • 各キャラのHシーンを新たに書き下ろし。





余談

後に発売されたアクセサリー集『赤箱』収録のドラマCDで続編の存在を匂わせる様な会話があったり
姉妹ブランドから発売された『紫電〜円環の絆〜』のタイトルといい、メーカー的にこの作品の更なる展開に思う所があるのかも知れない。
しかし、2013年現在続編製作は発表されていない。



今、追記、修正が試される時――――

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最終更新:2022年09月13日 13:40