牙狼-GARO- 闇を照らす者

登録日:2013/08/27 (火) 23:52:39
更新日:2023/12/27 Wed 00:01:37
所要時間:約 13 分で読めます





人の心に邪心がある限り
魔獣“ホラー”は人類を襲う

今宵、“ホラー”を狩る“魔戒騎士”
新たな伝説が幕を開ける……


まだ知らない未知の
覚醒したパワー
解き放て 未来へ羽ばたけ


金色を、取り戻せ。―


雨宮慶太原作・監督の特撮番組『牙狼-GARO-』のTVシリーズ第3作として制作された特撮番組。
これまでのシリーズで主人公だった冴島鋼牙ではなく、新たな主人公・道外流牙(どうがいりゅうが)の物語が描かれる。
鋼牙以外の登場人物と舞台も一新され、新たな敵「魔導ホラー」との戦いが描かれる、まさに「全く新しい牙狼」と言える作品である。


【あらすじ】


牙狼(ガロ)
最強の騎士だけが着れる、黄金の鎧
今は光と主を失った……俺は、それを手に入れた

俺は強い……この鎧で、ホラーを斬る

目の前の敵は……全力で狩るのみ!

深い森に閉ざされた独立国家「ボルシティ」。
火山灰に覆われた古代遺跡が眠る地を中心に発展したその街は税金や物価の安さ、無償の福祉施設などの豊富なサービスから「夢の国」とまで言われる楽園であった。
黄金騎士『牙狼』の称号を受け継いだ魔戒騎士・道外流牙は指令を受けボルシティへと潜入。彼は指令の通りホラーを斬り伏せるものの、街の治安維持部隊である「SG-1」に追われる。
やすやすとその場を切り抜けた流牙だったが、一般人を巻き込んだ大騒動となったはずのホラーに関する事件は全く報道されていなかった。

「夢の国」ボルシティは何かがおかしい……流牙はこの街に疑問を抱く。

そんな中出会ったのは、ボルシティを管轄する若き魔戒騎士・蛇崩猛竜(じゃくずれたける)楠神哀空吏(くすがみあぐり)、そして彼らをまとめる壮年の魔戒法師符礼(ぶらい)だった。

流牙!我らと共に戦え。
お前ならもう気付いたはずだ……
この街を救え、流牙!
それが黄金騎士・牙狼の称号を受け継いだ――
お前の宿命(さだめ)だ!!!

そう告げ、流牙にチームへの参加を要請する符礼。だが、過去に符礼との因縁がある流牙は彼に反目する。

新種のホラー「魔導ホラー」とは何者なのか?奇妙な街・ボルシティが抱える歪みの正体とは?
流牙を始めとする若き魔戒騎士たちは、ホラーとの戦いを通じてこの街が抱える謎へと迫っていく。



【概要】

蒼哭ノ魔竜』をもって完結した冴島鋼牙の物語に続く、新たな主人公を迎えての新シリーズ。

本作では、これまで牙狼シリーズの主軸であった雨宮慶太氏に代わり、彼の盟友であり、雨宮作品でアクション監督などを多く努めた横山誠氏が総監督に就任。
雨宮氏の「どうせ旧来のファンはついていけずに賛否両論になるんだからいっそ思いっきり好きにやれ」という許可をもらい、様々な趣向が行われている。

見所は道外流牙を中心とした、若き『守りし者』たちが織りなす等身大の群像劇。未熟な彼らがいくつもの壁にぶち当たりながらも成長していくスタンスを取っている。
今作の舞台であるボルシティも、近未来的な空気が伝わっており、そこに潜む陰謀も軸となり、連続ドラマとしての体制を成している。
そして演者によるライブアクションも見逃せない。
今までのシリーズでもかなりのキレを見せていた格闘シーンは本作でも健在、というか更にパワーアップしており、毎週展開されるド派手なアクションは見もの。
ここにも従来の牙狼にはなかった銃を絡めたガンアクションやカウンター主体の関節技や激しいカースタントなど新しい要素が多く、「人間ってここまで動けるのか」と思う事間違いなし。

また新しい試みとして、魔戒騎士の鎧とホラーはそのほとんどがフルCGで描かれている。
フルCGを駆使した、生身の人間には不可能な大立ち回りを演じるアクションシーンもまた一見の価値アリ。

しかし雨宮氏が抜けた影響か、シリーズ特有の怪奇性に満ちた雰囲気や緻密にデザイン・造形されたホラーとその恐怖とそれを断ち斬る魔戒騎士達の雄雄しさ、人間の欲望が織りなすダークだがどこか幻想的な物語などが失われたとする声も多い。
また、「街を支配する巨悪を相手に孤軍奮闘する男たち」「一つの謎が暴かれるうちに張り巡らされる罠の数々」「謎を追い続ける中、劣勢を強いられていくヒーロー」「度重なる極限状況の中で培われていく愛と友情」といった要素が強調され、敵である魔導ホラーおよび金城グループもマフィア的様相を成しているのか、ダークファンタジーというよりはクライムアクションの赴きがある。
そして、海外ドラマやかつての平成ライダーに通じる要素も含んだ、連続性やライブ感を重視した作風は賛否が分かれる。
序盤に観られた露骨なエロシーン、フルCGのホラー・鎧、そして必殺技を強調するためとはいえ鎧召喚シーンの短さなども賛否を呼ぶ一因となっている。

雨宮監督が事前に予想したように賛否両論ある作品であるが、この大きな変化を受け入れられるかで、本作、及び以後様々な展開が行われていく「GARO」シリーズの評価も変わってくるだろう。



【登場人物】

新たに黄金騎士の称号を受け継いだ青年。管轄する地域を持たない、さすらいの魔戒騎士。
ワイルドな風貌で一見悪そうなニーチャンに見えるが、その実ポジティブで明るく、人当たりの良い性格。
仲間を侮辱されて怒りを顕にするなど、前作の鋼牙と比べると熱く主人公然とした性格であり、極限の状況に陥っても決して屈しない信念の持ち主でもある。
特殊能力として「モノに触れる事で、モノに込められた人の思いを感じ取る力」を持つ。この能力は作中で多々登場し、謎を解く重要な鍵となる。
あとライブに乱入して客の視線をかっさらうほど歌がウマい。

装着する鎧はおなじみ黄金騎士・牙狼。しかし形状と腰の紋章が大きく変化しているほか、黄金の輝きを失い、ほとんどの部位が黒く、金色の部分は申し訳程度、マントも装着していない。なぜか魔戒可動には装着されているが。
鋼牙同様頭上に魔戒剣で円を描いて召喚するが、剣を投擲し斬線が描いた円から鎧を呼ぶなど変則的な召喚を披露した事も。
符礼とは過去に何らかの因縁があり、唾を吐きかけるほど毛嫌いしていたが、20話にて真実を知り、和解する。

本作のコンセプトは彼の成長物語であり、様々な試練を乗り越え「守りし者」として成長していく流牙が最大の見どころとなっている。
その象徴たる第19話は鎧召喚シーンが一切無いにも関わらず評価が高い。

  • 魔導輪ザルバ(声:影山ヒロノブ)
前シリーズのキャラで唯一『闇を照らす者』に出演する、ご存知冴島鋼牙の相棒。
現在は流牙と行動を共にしているが、彼と契約はしていない。そればかりか、流牙を黄金騎士として認めておらず、めったに言葉を交わさなかった。
19話にて、両目を潰されても諦めない流牙に心打たれ、ついに彼を黄金騎士と認め、契約を交わした。
符礼法師とは旧知の仲らしい。


軽い言動が目立つ、おちゃらけた魔戒騎士。女たらしのプレイボーイだが惚れた女にはとことん尽くすタイプで、決めるところはしっかり決める。
情に厚い性格で、よそ者の流牙にもボルシティの情報を伝えるほどフレンドリー。反面熱くなりやすい性格で、正反対な性格の哀空吏とは対立する事もしばしば。
喜怒哀楽も激しく、よく泣きよく叫ぶ人。
18話にて、魔導ホラーのプラントを刺されそうになった流牙をかばい、プラントを右手に刺されたが、全身がホラー化する寸前に自ら手首を切断。そして22話で、攻防一体の盾に変形するソウルメタル製の義手を符礼法師から授かった。
中の人は某豪快な海賊戦隊の銀

青龍刀型の魔戒剣を使ったワイルドな剣術と体術で戦う。
装着する鎧は炎刃騎士・(ゼン)。読んで字のごとく、炎にも似た真紅の輝きを身に纏う、狼の要素が薄く、ドラゴンに似た風貌が特徴の騎士。
魔戒剣で地面に円を描く事で召喚する。


魔戒騎士の名門として名高い楠神家の御曹司。クールな知性派で冷静沈着。緻密な作戦を立ててのスマートな戦いを得意とする。メガネはスカウターにもなる。
冷静な反面自信家でプライドが高く、チャラ男の猛竜や輝きを失った牙狼である流牙を認めておらず、守りし者の意識もなく、たびたび対立していたが、15話にて流牙たちと和解。守りし者としての意識を強く持つようになる。
中の人は後のレモン博士

両端に刃を備えた専用の弓で戦い、遠近どちらにも対応できる万能タイプの魔戒騎士。
装着する鎧は天弓騎士・牙射(ガイ)。月光に近い青白き輝きを放ち、耳が左右非対称の形状となっている兜が特徴で、光の矢を使った正確な射撃でホラーを射抜く。
弓をしならせて8の字に回転させ、体の左右に円を描いて鎧を召喚する。
当初は楠神家のプライドから型にはまった戦い方以外は好まなかったが、流牙のアドバイスを受けてからは矢を束にしてホラーに突き立てたり、弓を尊士に折られて以降は弓を分割してヌンチャクのようにして戦うなどの柔軟性を見せている。


  • 符礼(演:大友康平)
ボルシティを拠点とする壮年の魔戒法師。ボルシティ担当の騎士のまとめ役であり、前線に出てくることは少ない。所謂参謀役。
魔導ホラー討伐のため指令で流牙を呼び寄せたが、過去の因縁のためか一度は拒絶される。
牙狼が黄金を失った理由や、魔導ホラーの正体について知っているようだが……?
ちなみに役者は同じだが、400年の時を越えた某武士とは無関係である。

莉杏の師であり、直接戦闘をする機会は少ないが法師としての腕は確かな模様。
前作の号竜のように戦闘を代行する魔戒獣・羅号を連れており、マントの中から召喚する。
最期は復活したゼドムに再び眠るように呼びかけるも、聞き入れられずに攻撃を受け、死亡した。

第1シリーズの京本正樹よろしく、前期EDや最終回のEDも熱唱している。


  • 莉杏(演:南里美希)
読みは「りあん」。派手な外見が特徴の女性魔戒法師。
法師らしからぬ軽薄な言動が特徴で、今までの作品に登場した法師たちに比べるとちょっとギャルっぽい。
しかし法師としての仕事はきっちりこなし、得意の早着替えや変装術、体術・法術を駆使して騎士にも劣らぬ戦いぶりを見せる。

魔導筆の他、ホラーを封印できる弾丸を撃つ魔戒銃を愛用。魔戒銃はリボルバー式で、発砲する度に銃口から魔法陣のようなエフェクトを放つ。
しかも、弾切れ知らずの地味に超技術な銃である。サイコガン……?
今シリーズではザルバがあまり喋らないため、彼女が次回予告のナレーションを担当する。


  • 燕邦(演:佐藤寛子)
読みは「えんほう」。蓮舫ではない。ボルシティの治安維持部隊・SG-1の女隊長。
流牙がホラーと戦う場面に遭遇するが、ホラーの存在を知らないため彼のことを殺人犯と誤解。以降、SG1を率いて魔戒騎士の前に現れ、彼らの逮捕を試みるようになる。
魔戒騎士とは敵対する一方で、素性を明かしていない莉杏とは親交を持つ。
ステーキハウスにて陰我ホラーが人間を食い殺す場面とホラーと戦う流牙を目の当たりにし、一度は流牙と和解するもその時点で既に魔導ホラーのプラントを刺されており、後にホラー化。少しずつ人間の心をなくしていったが、21話にて倒される。死体が消滅しなかったので、ボルシティを守った正義の人として死んだことにされた。
残されたペンダントに宿っていた思念から、わずかに人間の心が残っていたことが判明。


  • リベラ(演:井村空美)
ボルシティのニュース番組を担当するニュースキャスター。ボルシティ市民からは非常に人気の高いポピュラーな存在。
ボルシティの情報を一手に担う存在である彼女だが、その正体は魔導ホラー。正義を「守るもの」ではなく「作るもの」と言い放つ外道。
ホラー化した際に舌を切り落とされ、探知機に加工されたことを逆恨みし、アジトを襲ったが、流牙に斬られ死亡。

かつてはあけぼの町に住んでいたらしい。


  • 尊士(演:倉田保明)
読みは「そんし」。表向きは憲星の秘書だが、実は滔星の腹心の魔導ホラー。
元は魔戒騎士であり、符礼達がゼドムの儀式を行う際に護衛に立ち会っていたが、儀式の混乱に紛れプラントを奪取した滔星に魔導ホラー化させられる。他の魔導ホラーに指示を出し、自分も滔星の命令で憲星を捕食した。
何度も魔戒騎士たちを苦しめたが、最後は流牙に斬られ、死体はゼドムの復活に利用された。

演じる倉田保明氏は「和製ドラゴン」の愛称で親しまれる超ベテランのアクション俳優。そのキレッキレのアクションは本作の見どころの1つ。

  • 金城滔星(演:津田寛治)
読みは「かねしろ とうせい」。ボルシティを半ば支配する金城一族の四男だが、私生児であり彼のみ母が違う。
そのためか過去に金城グループからは追放され、現在は絶縁状態。シティでステーキハウスを営んでおり、偶然出会った流牙の協力者として彼を手助けする。

実は本作の黒幕で、魔導ホラーを操り、ボルシティを支配しようとしていた。要所要所で流牙を助けていたのも実は裏で彼を魔導ホラーにしようとしていたため。
莉杏の眼前で燕邦とディープキスをかましてみせたり、縁を切られたとはいえ、幼い子供を含む親族を皆殺しにさせるなど、悪逆の限りを尽くす。
最後はゼドムが復活した(なお彼としてはゼドムを復活させる気はなかった)際に現れた大量の陰我ホラーに憑依され、ゼドム戦後に流牙に追い詰められた末命乞いをするも「黄金騎士が出るまでもない」と莉杏に呆気無く射殺される。
凄まじい陰我が招いた、自業自得の結末だった。また、陰我の強い人間でも強いホラーになるとは限らないらしい。

オレっ娘魔戒法師の父親でもOREジャーナルの編集長でもない。
津田氏の怪演が凄まじく、嫌でも印象に残るキャラである。

  • 金城憲水(演:北見敏之)
読みは「かねしろけんすい」。ボルシティを支配する金城一族の総帥。
黒幕ではないが、滔星に逆らえず彼の悪事に見て見ぬふりをしていた。
また、滔星曰く「母を犯してくれたから自分が生まれた」とのことなので、それが事実なら彼も悪人と言えるだろう。

最後は命乞いをするも、尊士に食い殺された。
車椅子に乗っているがいざとなったら自力で歩くこともできる。

  • 波奏(演:横山めぐみ)
読みは「はかな」。流牙の母親の魔戒法師で、符礼とは幼なじみ。
ゼドムの儀式を行っていた際に滔星に捕らえられ、プラントの母体として利用されていた。
プラントを生み出す度に幼体化しており、流牙と再会した際には少女の姿になっていた上流牙の事も覚えていなかったが、符礼に助けだされた後符礼の術で元の姿に戻り記憶も取り戻した。
視力を失った流牙のために、自らの視力と引き換えに彼の視力を元に戻す。だがそんな彼女でも「黄金の輝き」は分かるらしい。
長年プラントを生み出し続けた影響で身体が徐々にホラー化しており、完全にホラーと化す前に流牙に斬られた。


  • 華漣(演:冨樫真)
読みは「かれん」。滔星の母親で、憲水とは愛人の関係。
掟を破り追放された魔戒法師の一族に連なる者であり、一族の魔導具を金城邸に隠していた。そのおかげで滔星は魔戒騎士やホラーに関する豊富な知識を得ていた。
直接の描写はないものの、憲水に乱暴されて滔星を身籠ったらしく、滔星を産んだ後は金城邸で暮らしながらも金城家から冷遇される日々を送っていた。
それらの境遇からか、若い男を家に呼び込んで酒浸りになる等の自堕落な生活を送るようになり、滔星を半ば放任する体たらくであった。
前述の人間性故に滔星からも軽蔑されていたものの、華漣自身は多少なりとも母親としての情があったのか、滔星に対して「誰よりも強い男になるんだよ。誰よりも力を持った男に」と語りかけていた。

過去の回想シーンでは、青年だった頃の滔星が「ホラーを招く禁断のオブジェ」を試しに使ったせいでホラーとなってしまい、滔星の前から姿を消してしまった。*1
人生といい末路といい、彼女の人物像は「波奏のネガ」もしくは「息子を正しく導けなかった波奏のIF」とも言える。


  • ゼドム(演:大竹まこと)
「殺戮の闘将」の異名を持つ伝説のホラー。体から魔導ホラーの種子を生み出し、それをホラーに植えつけて、最強の軍隊を作ろうとしていたが、肉体を分割されて封印されていた。
23話で尊士の肉体を利用して完全復活。旧帝国陸軍の軍服をまとった初老の男性の姿をしており、全身を漂うキューブを操って攻撃する。
流牙たちを自分の下僕となるように強要するが拒まれ、最期は黄金の輝きに照らされた流牙、猛竜、哀空吏の攻撃で倒された。



【関連用語】

  • 魔戒騎士と魔戒法師
前シリーズと基本的な立ち位置は一緒だが、本作というか道外流牙シリーズでは騎士と法師の枠組みを理由とした対立は全くと言っていいほど描かれず、軋轢自体が殆ど無くなっている事を伺わせる。
流牙は魔戒法師符礼に反発しているが個人的な理由であり、名家出身ゆえにプライドの高い哀空吏も符礼には一目を置き、若い莉杏に対しても序盤は仕事のパートナーとして行動を共にすることが多い。
このため序盤から騎士と法師のコンビネーションが描かれており、以後の道外流牙シリーズでも騎士と法師の連携プレイが大きな見どころになっている。

  • 魔導ホラー
今までのホラーとは異なる性質を持つ、謎のホラー。
「ゲートを介して出現しない」「人間に憑依せず、単独で行動できる」「魔導火に反応せず、魔導輪も感知できない」など、従来のホラーとは違う性質を持ち、その行動目的も異なる。

姿は共通して、翼がなく尻尾がない灰色の素体ホラーといった感じだが、尊士やリベラ、燕邦のように固有の姿を持つものもいる。
いずれも強力な戦闘力を有し、体の一部をちぎって武器に変化させる力を持つ。
また牙狼に斬られる事で傷口から黄金の光を放つという謎の特質も持っており、その黄金の光を浴びた時だけ、牙狼は本来の金色の姿を取り戻す。
後述するが本作に限り「従来のホラー」は異形に変身しないので、変身するホラー=魔導ホラーとして判別できる。

本来は魔導ホラーのプラントを刺されて強化されたホラーのことを指すが、今作ではプラントを刺されて魔導ホラーとなった人間のことを指す。
傷口から黄金の光を放つのは、波奏が牙狼の黄金の輝きを取り戻す力を魔導ホラーの中に封じていたから。
23話にて尊士が死亡したことで魔導ホラーは全滅、牙狼は黄金の輝きを完全に取り戻した。

  • 陰我ホラー
本作でのみ用いられる区分で、過去作における「陰我によってホラーと化した人間」のこと。
本作にのみ登場する魔導ホラーと区別するための用語であるため、同じ時空の物語である「GOLDSTORM-翔-」ですら用いられていない(それらでは普通に「ホラー」と呼ばれる)。
勿論、冴島家の時空の物語である「暗黒魔戒騎士編」、「牙狼-GARO- 蒼哭ノ魔竜」「魔戒ノ花」「絶狼-BLACKBLOOD-」などや
「炎の刻印」や「紅蓮の月」などアニメ作品時空のホラーは「陰我ホラー」と作中でも呼ばないし設定にも適用されない。
勝手にこれ等他作品の一般ホラーを「陰我ホラー」扱いし分類呼称している一部のファンが居るが実際は適用されない分類である事に注意。

予算の関係なのか魔導ホラーとの区別を付けるためなのか、これまでの作品のホラーと違い大半の個体において全身が異形化せず主に口だけくぱぁする。
基本的には魔導ホラーより格下として扱われており、実際に大した強さではないことが多い。素体さん並かそれ以下というケースすらある。
3話で登場した「パルケイラ」のみ例外で、従来作のように全身が異形化し固有名を有している。
強さの面でも鎧の召還を封じ騎士二人がかりでも大苦戦、2か月に一度現れる「光導の月」を利用してようやく倒せるという本作の陰我ホラーとしては別格の強個体になっている。
本作は3話から製作(撮影)がスタートしたことが言及されており、前シリーズの要素を色濃く継いだパルケイラはその名残なのだろうか?

なおこの「陰我ホラーが化け物の姿にならない」ことや「魔導ホラーが一部除いて全部同じ姿」であることは本作の演出面における批判要素の一つとなっている。
「GOLDSTORM-翔-」以降の道外流牙シリーズでは初代GAROなどと同様に、作中に登場する全ての(人に憑依した)ホラーに個体名と固有の姿が与えられた。

  • 金城グループ
ボルシティを支配する巨大企業。ボルシティのほとんどの産業に金城グループが関わっていると言っても過言ではなく、このため一部ではボルシティは「金城シティ」などと仇名される。
実際には滔星が影から(主要な人物を魔導ホラーに変えて使役することで)支配しており、金城グループはその隠れ蓑という状況になっていた。
滔星の正体がバレたことでもう隠す必要が無いとして彼の指示で金城一族が根絶やしにされ、最終話にて莉杏が住民の記憶を消したことで、金城グループの存在も抹消された。

  • SG-1
「Security-Guardian-1」の略称。ボルシティの治安維持を目的とする金城グループの私設部隊であり、ボルシティ内における警察の役割を果たしている。
メンバーは全員髑髏のようなヘルメットをかぶっており、電撃を発するロッドや着弾すると結界を展開し相手を吹き飛ばす「波動銃」を武器とする。
その士気と戦闘能力は高いが、さすがに魔戒騎士には及ばない。

  • 魔導ホラーのプラント
ゼドムの種から育つ黄土色の植物。突き刺すことで人間や陰我ホラーを魔導ホラーに変化させる力を持ち、突き刺した者を主として服従するようになる。
強靭な精神力があればある程度は抗えるらしく、猛竜は刺されてすぐに腕を切り離して支配から逃れている。
また、燕邦はその精神力でもってすぐには魔導ホラーとして覚醒しなかったが、本人の精神は徐々に変質してしまい最終的に篭絡されてしまった(それでも最後まで人間としての心を内に宿してはいた)。
なお尊士は強い精神力を持っていそうだが速攻で服従してしまっている。

  • 羅号(らごう)
符礼が使役する魔戒獣。二体確認されており、流牙の幼年期に修行相手として登場する青色の個体と、符礼が偵察や移動手段として使う赤色の個体がある。
前者は流牙が鎧を継承する最後の試練として彼と戦い最終的に斬られる。苦楽を共にした友人とも言える相手を符礼の命令で斬った事が彼への不信を強める理由の1つであった。その牙の一部は流牙が身に着けている。
また、莉杏も羅号を使役する術を伝授されているのだが以後使われる気配がない。

  • 魔導水
魔戒法師が使用する特殊な水。これによって、ゼドムの火力を少しの間防ぐことができる。



私達はまだ知らない、この項目の先を。
私達はまだ知らない、この物語のすべてを。

次回、『記 Rewrite』

そして私達は記す。金色を求めて。







2015年3月28日

道外流牙シリーズ<第2章>


―その剣は ホラーを斬り裂き 闇を照らす―


画像出典:牙狼-GARO- 闇を照らす者
© 2013 雨宮慶太/東北新社

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最終更新:2023年12月27日 00:01
添付ファイル

*1 その後に関しては不明であるが、別の魔戒騎士に斬られている可能性もある。