アウセンザイター

登録日:2012/03/08(木) 20:30:00
更新日:2022/06/06 Mon 14:56:15
所要時間:約 10 分で読めます






今一度駆けよ、トロンベよ!





アウセンザイターはスーパーロボット大戦シリーズに登場するオリジナルメカ。
初出はGBA版『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2』。

◆概要◆

形式番号:DGG-XAM2
分類:ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン【2号機】
異名:『トロンベ』
全高:55.9 m
重量:165.5 t
走行補助:テスラ・ドライブ
開発者:ビアン・ゾルダークテスラ・ライヒ研究所
パイロット:レーツェル・ファインシュメッカーエルザム・V・ブランシュタイン

DC総帥ビアン・ゾルダークが重要拠点・アースクレイドル防衛用に製作したダイナミック・ゼネラル・ガーディアン(通称:DGG)の2号機であり
DCでも屈指のエースパイロット、エルザム・V・ブランシュタインの専用機として設計されたスーパーロボット。

鎧武者を思わせる佇まいの1号機に対し、
本機はマントを纏い、房(羽飾り)のついた兜を被った漆黒の騎士といった重厚さの中に典雅な雰囲気が盛り込まれたデザイン。
味方の窮地に紅いマントを翻し、地平線の彼方から颯爽と駆けつける姿はまさにヒーローである。

他のエルザムの乗機にも共通する特徴としてゴールドを基調にしたカラーリング(通称:『トロンベカラー』)が施され、
両肩に装着された円形のシールド「シュルター・プラッテ」にはブランシュタイン家の紋章が描かれている。
誇りゆえか、彼が身分を偽って操縦する時もこれらの装飾はそのままである。…アンタ絶対に隠す気ねーよな。
また、劇中ではエルザムの愛機共通の異称『トロンベ』で呼ばれる機会の方が多く、アウセンザイターという名で呼ばれたのはたったの3回。

エルザムの盟友ゼンガー・ゾンボルト専用に設計開発されたDGG1号機・武神装攻ダイゼンガーをサポートすることが基本コンセプトであり
(ダイゼンガーは剣撃主体なので遠間からの攻撃には防戦一方になってしまうため)、高機動砲撃戦に特化した機体。

無論単騎でもエルザムの卓抜した操縦センスも相まって高い戦闘力を発揮し、
中でも大出力のバーニア・スラスターと両踵部に装備したローラーダッシュ機構『フェルゼ・ラート』、
爪先部に搭載された機能限定型のテスラ・ドライブによる慣性質量制御機能から得られる高い機動性を駆使した一撃離脱戦法を得意としている。


本機最大の特徴はプフェールト・モード(騎乗形態の意)への変形機構。
変形後の本機はエルザムの愛馬・トロンベを模したかのような馬型ロボットとなり、その背にダイゼンガーを乗せて戦場狭しと駆け巡るのだ
(同モードはダイゼンガー側にもあり、こちらは乗馬に適したプログラムが起動する以外に機体に変化はない)。

変形後は最大の武装であるランツェ・カノーネを脚部としてしまう都合上、単独では攻撃手段が一切なくなってしまうため、
まさに相方のダイゼンガーとの刃馬(人馬)一体に特化した形態だといえる。
オーディン?牙狼斬馬剣?なんのことですとも?スパロボファンならこっちより『Rocks』聴こうぜ!?

『馬への可変形態』『ダイゼンガーを騎乗させての戦闘』というどう考えても趣味の領域としか言いようのない
ある種不謹慎ですらあるギミックをあえて採用したのは、
ビアン博士がエルザムの「トロンベと共に戦場を駆けたい」という思いを汲んでいた事と(将兵の士気を上げるのも大将の務めではある)、
敵軍に視覚的・精神的な衝撃や動揺を与える為である。
これはヴァルシオンの開発計画である「プロジェクトUR」に基づく思想でもある。

実際、この試みは大成功で、テスラ研を襲撃した白目ハゲはダイゼンガーと本機が名乗りを上げただけでビビリまくり、
その勢いのまま押しまくられて総崩れにされていた。
また、機動性に欠けるダイゼンガーの短所を補う、という意味では確かに成功している。

本来、機体のサイズはダイゼンガーとほぼ同等のアウセンザイターが馬型に変形しても
成人男性とポニーくらいのサイズ差になってしまうと思われがちだが、
アニメ『ジ・インスペクター』版では全身が上下・前後に展開する形で変形している。
それでもシェルター・プラッテがダイゼンガーと同じくらいのサイズになってるので結局は『2次元のウソ』と思った方がいいが。

基本的にコクピット内で体を動かしまくるDML(ダイレクト・モーション・リンク)搭載式のDGGの中では
現状唯一通常の操縦系統を持つ。コクピットに関してはヴァルシオンに使用されたものと同じだが、
ジ・インスペクターではバイクに跨るような形となっており、コンソールにはブランシュタインの紋章が刻まれている。



◆機能・武装◆

サイズは大きい部類に入るが、装甲よりも運動性の改造効率の方が高く、
乗り換えるまではもっぱらリアル系のエース格であったエル…レーツェルの能力値を鑑みても『避けるスーパー系』として運用した方が活躍できる。
空こそ飛べないが陸地の地形適応が高く、移動力もあるのでフットワークは極めて軽快。

また、華やかなイメージに反し実は武装自体はかなりシンプルでスーパーロボットにしては地味とさえいえる
(版権だと銃主体+馬ということでネオゲのテキサスマックが近いか)。
ただし、あらゆる射程・状況に適応できる使い勝手の良さと火力の高さは両立されている。

戦闘アニメ演出は乗り手の腕前が前面に押し出された雰囲気であり、ある意味非常にDGGシリーズらしい。
武器属性はすべて射撃系であり、合体攻撃もレーツェル側から使用した場合は射撃扱いになるので威力が低減しないという嬉しい仕様。

★クライス・カノーネ
第2次OGで追加された自機中心型MAP兵器。その場で高らかに跳躍し、太陽の逆光を背にアクロバティックな射撃を見舞う。
αでR-1が使えた『念動シュート』に近い性能。射程3の無差別なので少々使いづらいが、連続行動+ヒット&アウェイである程度はカバーできる。
クライスはドイツ語『円』。『円陣砲火』とでもいったところか。


★シュルター・プラッテ
両肩に装備された大きな円盾。これでシールド防御も可能。投擲武器としても利用可能で、
外縁部からビーム刃を発生させて敵機を切り裂く。手に持って投げつけるさまは原始的だが、
手放した後もある程度軌道は遠隔操作できる模様。主にザコの相手をするのに使用する。名称は独語で『肩の盾』。


★ランツェ・カノーネ
本機の攻撃の大半に使用する二丁の高出力・長射程のライフル。唯一の携行武装でOGシリーズではビーム属性を持つ。
放つビームは貫通力に優れ、連射も利く。ランツェ(独語で)の名前通り、先端にはバイオネット(銃剣)が付いており、
過去作では突き刺してからの射撃に用いたこともある。



★ランツェ・カノーネW
ランツェ・カノーネを2丁同時に使用する事で、広範囲を攻撃できる。全体攻撃で、OGSはダブルアタック武器(ALLW)。
その場で撃つシングルに対し、移動しながら射撃する演出が特徴で、素晴らしい疾走感がある。
第2次OGでは月を背負い、華麗に身を翻しながらの宙返り曲射でフィニッシュ。
昼になったり夜になったり忙しい演出である。



★シュツルム・アングリフ
息もつかせぬ疾風の攻撃。アウセンザイター搭乗以前もガーリオン・トロンベのソニック・ブレイカーにこの名が冠されており、
武装というよりもエルザム個人の必殺のマニューバという意味合いが強い。
初登場のGBA版OG2では、銃剣で突き刺した相手を持ち上げて逆方向に運び、零距離射撃で貫くという拍子抜けするほど地味な演出だったが、
第3次スーパーロボット大戦αで据え置き機に参戦したのを皮切りに年々スタイリッシュ&ドラマティックな大技に演出が進化している。
基本は『燃えるような夕日を背景に切り立った崖の上から奇襲をかけ嵐のような銃火の後、会心のダブルショットで撃ち抜く』
……といった流れ。友の影響かフィニッシュ後は「我を阻むもの無し!」というキメ台詞が聴ける。
『スーパーロボットによるスピーディなガン=カタとしては撃つ方の地獄の先輩といえるかも。



★竜巻斬艦刀 / 竜巻斬艦刀・逸騎刀閃
プフェールトモードを起動し、ダイゼンガーと協力して放つ『刃馬一体・剣魂一擲』の合体攻撃。
ダイゼンガーを背に乗せ、敵機に一直線に殺到し、竜巻の如く旋回させた斬艦刀で中空に舞い上げたのち、渾身の一太刀で一刀両断にする。
長すぎる台詞と演出への評価は賛否両論。しかも新作のたびに長くなり、
寺田Pも「トイレに行って戻ってきてもまだ終わっていない」とコメントしている
スーパーロボット大戦MXのファイナルダイナミックスペシャル+シャッフル同盟拳でも同様のコメントが。
…要は長~い演出の太鼓判みたいなものである)。
トロンベの蹄=テスラドライブの効果で足場を安定させるので、空中・宇宙空間でも四脚歩行で駆け抜けることが可能。
作品によっては使うと夕焼けになったりどしゃぶりの大嵐が訪れたりする。
ひょっとしたらトロンベってばお天気ロボ?




★余談

◎DGGシリーズに含まれるということで、本機も実は『ダイゼンガー(2号)』である。これは3号機の大雷鳳も同様。
レーツェルも悪い気はしないらしく、プフェールトモード時の本機を『ダイトロンベ』と呼ぼうかなど冗談とも本気ともつかぬことを言い、
ファンの間ではこの愛称もほぼ定着することに。


◎レーツェルの『頼れる助っ人』というポジションゆえか、
理由はどうあれ何かと敵に回る機会の多いDGGシリーズにしては珍しく、シリーズ中一度も敵として交戦することが無い。


◎兜の房飾りやプフェールトモードのたてがみ・に見える白いものの正体は実は排気ガスである。
機体のラフや設定図ではかなりオーバーに出して欲しいとの指定が確認できる。


◎ファンの間では『プフェールトモード時、コクピット内でトロンベ兄貴は馬のポーズをしているというジョークがよく交わされる。

ゼンガー「応(おう)あくしろよ友よ。ヨツンバインになんだよ」
レーツェル「ガーバイン・トロンベはもう無いぞ友よ…アッー!」
……実際にはアウセンザイターの操縦系はDMLではないし、あくまで『トロンベと共に戦う』のがエルザムの希望なので
プフェールトモードはむしろ『愛馬に跨っている姿勢』になるのが自然といえる。


◎劇中では『穴馬』(競馬用語で番狂わせを起こしかねない馬の事)と訳されているが、
本来アウセンザイターは英語で言うところの『アウトサイダー』にあたる単語である。
ゆえにこの機体名はDGG2号機という番狂わせの戦力であることと同時に、
『別働隊』として陰から自軍を援護するレーツェルの愛機でもあるというダブルミーニングになっている。
また、穴馬は英語では『ダークホース』であり、漆黒の駿馬に変形する本機にビジュアル的にもふさわしいといえる。


◎ダイゼンガーの死角を埋めるために設計された…のだが、実際小隊制・パートナーユニット制のスパロボのプレイ経験がある方ならわかるように、
得意射程の異なるユニット同士をチーム編成するのは射程のばらつきから最大火力を一点に集中できないという理由ゆえに筆頭悪手である。
砲撃戦主体、格闘戦主体と得意な武器が似通ったユニット同士を組ませるのがセオリー。ビアン博士ェ…
…もっとも、専用の合体攻撃があるなら話は別で、DGG組が対ボス戦用の主力となるだけの爆発力のある組み合わせであるのも事実ではある。
またスーパーロボット大戦30では「騎乗形態のテスト中に転移された影響でアウセンザイターが馬形態から戻れなくなった」という事で常に合体しており、まさしく人馬一体の強さを発揮する。アウセンザイターは馬としての活躍ばかりで全く攻撃していないが。




追記・修正はトロンべに跨ってお願いします。

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最終更新:2022年06月06日 14:56