ララァ・スン

登録日:2012/03/24 Sat 17:26:29
更新日:2024/04/01 Mon 21:38:08
所要時間:約 4 分で読めます






ああ、アムロ……刻が見える……。



ララァ・スンは、『機動戦士ガンダム』の登場人物。

声:潘恵子、早見沙織(THE ORIGIN)、潘めぐみ(ガンダムさん)、林原めぐみ(SDガンダム外伝)

搭乗機:エルメス


【人物】

インド出身のニュータイプの少女。
一年戦争時、ガルマ・ザビを戦死させると云う失態から一時的にインドに左遷されていたシャア・アズナブルに出会い、彼にニュータイプの素質を見出だされた事から、ジオン公国軍に入隊する。

シャアを「大佐」と呼んで慕っている。

軍での階級は少尉。
ジオン軍への入隊直後は、サイド6のフラナガン機関で訓練を受けていた。

ヒンドゥー教徒なのか、額にビンディを着けている。
しかしビンディは ちゃんと籍を入れた夫がいる妻のみが付ける ものでシャアと恋人だったとしても入籍してなければ付けられないし
もっと前の売春とかしてた少女時代でも付けているのは宗教的にはかなりぶっ飛んだ女である。
多分放送当時のスタッフがヒンドゥー教に疎くて「とりあえずインド人っぽいアイコン」としてつけたのだろう。仏像の眉間の白毫をなぞったのかも知れないし。
このためかORIGINなどの後発媒体ではたまたまオデコに小さいホクロがあるのかな?程度の目立たない描写になっている。

普段は黄色いワンピースドレスを着ている。
テレビ版では連邦偵察艦隊を撃破した報告のため、キリシア・ザビに初めて謁見する際にもこのワンピースのままで、キシリアから「軍服に着替えろ、目障りだ」と命じられている。
これにシャア曰く「補給部隊の連中は『服で戦争をするのではなかろう』と回してくれない」と愚痴を返している……が、結局彼女の軍服着用シーンが描かれる前に最終出撃となる。
なお届かなかったのは艦内勤務用の軍服で、出撃中に着込むニュータイプ専用ノーマルスーツはさすがに最初から着用している。
シャリア・ブルが着用したのと同型のヘルメットが大きいタイプで、これをつけないとサイコミュが機能しないと思われる)

一方劇場版では割と早いうちからジオンの軍服を着ている。ソロモンへの援軍にザンジバルを発進させるシーンを見比べると分かる。


機動戦士ガンダム

初登場時にはフラナガン機関で訓練を受けており、サイド6の湖畔にある民家で暮らしていた。
その際、サイド6に訪れていたアムロ・レイと出会う。

ホワイトベースがサイド6から出撃した後、サイド6外で行われたホワイトベースとジオン軍コンスコン隊の戦闘を映したテレビ中継を、シャアと共に観戦している場面がある。

ソロモン陥落後、新型MA「エルメス」で出撃し、遠距離からのサイコミュ攻撃で駐留していた連邦軍の艦隊・MSを襲撃する。
それにより、ソロモンの亡霊として恐れられるようになる。
またしばらくのちには連邦軍の偵察艦隊を迎撃し、サラミスの迎撃能力に苦戦しながらも、なんとか軍艦二隻を沈めるに至る。

その一方、別次元の強さを見せつけたことで味方の兵士から「ニュータイプがあんなに強いなら、俺たち一般兵士なんかいらないだろ」と吐き捨てられたり、
「同じニュータイプ」という触れ込みで訪れたシャリア・ブルの複雑な立場を読み切れなかったり、ニュータイプについて悲観的な予想を立てられたりと、
自分の能力が必ずしも社会に受け入れられるとは限らないという現実にも直面する。
本人は気付いていないようだったが、軍服がなかなか届けられなかったのもおそらくは補給兵の嫌がらせである。

「我々はバカバカしく(●●●●●●)なったのであります! ララァ少尉ほどのパイロットが現れたなら、我々凡俗(●●)などは……!!」
「ニュータイプは万能ではない。戦争の生み出した、人類の哀しい変種かも知れんのだ!」

また遠距離からのビット攻撃が想像以上の負担となって苦しんだり、サラミス級の迎撃に苦戦したりと、自分の能力が絶対無敵ではないことも経験している。


その後…シャアのゲルググと共に、アムロのガンダムと交戦。
ビットのオールレンジ攻撃でガンダムを追い詰めるも、NTに覚醒していくアムロにビットを次々と撃墜される。
その戦闘に於いて、アムロと意識を共鳴させるも、シャアが乱入…。
「大佐どいてください! 邪魔です!!」

最終的に、撃墜寸前に追い込まれたシャアを庇って、ガンダムのビームサーベルで焼かれて戦死する。
死の直前、アムロと再び意識を共鳴させ、二人で「刻」を見る。

最期の最期でアムロとララァは分かりあうことができたものの、彼女の死はアムロとシャアを永遠に苦しめる事になる。


機動戦士Ζガンダム

一年戦争後も、アムロはララァの死を引きずっており、カツが現れるまで戦う事を拒んでいた。
クワトロ・バジーナ曰く、アムロが宇宙に上がって戦おうとしない訳は「ララァに逢うのが怖いから」らしい。

クワトロがシンタとクムを引き取った訳は、「ララァに頼まれたから」らしい。

Ζガンダムキュベレイの対決の際、カミーユ・ビダンハマーン・カーン「想いは同じなのよ…」と言う謎の女の声を聞いた。

また、小説版ではクワトロがカミーユに彼女の面影を見たり、フォウ・ムラサメの死に嘆くカミーユを見て人は過ちを繰り返す、と憤るアムロなど二人の考え方に彼女の姿を見ることができ、アムロの過ちは繰り返すべきでないという考え方に対し、ララァという理想の存在を他に求めるシャア、と逆襲のシャアに繋がっているようにも見える。


機動戦士ガンダムΖΖ

最終話、カミーユの思念と共に現れ、合体不能に陥っていたΖΖガンダムの再合体を助ける。


機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

死後もララァの意識は生き続け、アムロを苦しめ続けていた。
ララァ曰く「自分の意識はアムロとシャアの間で存在し続けている」らしい。

「またあの夢を見るようになっちまった」とはアムロの言葉だが、彼女の意思とアムロとシャアがNT能力で感応していたのか宇宙という環境の悪夢なのかは曖昧。

彼女の死は、シャアがアクシズ落としを決意した理由の一つであり、アムロに対するライバル意識の一端でもある。

アムロがνガンダムでアクシズを押し返そうとした際シャアは、ララァを「母親になってくれたかも知れない女性」と称した。

また、関連は不明だがアクシズ・ショックが起こったのはアムロとシャアがララァに関することを話し始めてからである。


スーパーロボット大戦

上述した経緯もあり「故人だが登場する」ことが最も多いキャラ。
生き残る場合は味方となることも多く、クワトロになったシャアとともに味方になるため、彼のことを「大尉」と呼ぶ(プライベートは「大佐」のまま)。
ララァが生きている=上述したアムロとの固執がほぼないので逆シャアフラグは基本的にはないが
スパロボAでは逆シャアまでは至らなかったものの、ララァが生きていても逆シャアフラグは立ちっぱなしという珍しい状況となった。

なお、シャアとは普通に関係を続けているため、後年のシャアと関係のある女性キャラが出ると修羅場になる場合も多い。
スパロボGC(XO)でのハマーン様と会話は完全に昼ドラである。

なお、『スパロボOE』では、アムロやシャアは一年戦争の時系列であるにもかかわらずララァが登場しない。


SDガンダム外伝

世にも珍しい林原ボイスのララァ。クリスではない。
ジークジオン編第一弾・ラクロアの勇者にジオン族の魔導士ララァとして登場。
謎の騎士シャアとの関係を仄めかされるが、その関係性や本人のキャラクターは媒体によって大きく異なる。
映像化したものが公式、というサンライズの法則に当てはめると、騎士シャアとは単なる顔見知りで、彼にとっての重要人物ではない。
それどころか、OVA版では「(お前の)知ったことか!」と吐き捨てられ馬上から斬りかかられるという、原作では考えられない衝撃映像を目にする羽目になる。
そもそもOVA版のララァはサタンガンダムの配下で、分断されて孤立した僧侶ガンタンクを襲撃しようとしているので、今回は単純な悪人として描かれている。
ちなみにFCナイトガンダム物語だとフラウ姫をモンスターに変身させて騎士ガンダム達に斬り殺させようとする吐き気を催す邪悪で、
SFC版だとサタンガンダムに利用されているシャアのために騎士ガンダム達と戦う、愛に生きる女性となっている。
ゲームだとどちらもガンダム達に討たれて死んでおり、OVAではシャアの攻撃を避けたうえでそのままシャアがサタンガンダムのところに単騎駆けしていっているので生死は不明。その後は出てこないので死んだも同然だろう。
カードダスでは軍師クワトロとなったシャアの背後に亡霊として映り込んでいるので、いずれの媒体でもラクロアの勇者編で死亡したのは確定のようだ。
このようにSDガンダム外伝ではララァはチョイ役で、シャアとアムロの中に彼女をめぐる確執は存在しないので、後の機甲神伝説編で二人は肩を並べて戦うことになる。
一応SFC版ではアムロ入りのパーティでララァを殺すことになるのだが、シャアの怒りの矛先はサタンガンダムへと向き、アムロと対立することはなかった。*1
ちなみに、SDガンダム外伝では珍しい人間キャラの戦死者である。


【余談】

小説版などでララァがシャアに拾われる以前のエピソードが描かれているが、
高級売春婦だった彼女の才覚を偶然接待されたシャアが見抜いて身請けしたとされていたり(密会~アムロとララァ)、
サイド5のルウム出身だったが戦争で家族を失い、シャアに拾われて処女を捧げたとされていたり(機動戦士ガンダム(小説版))、
カジノ荒らしにその才覚を利用されていたところをシャアに救われたとされていたり(THE ORIGIN)と媒体によって過去が異なる。
「小説版ガンダム」を除けば、おおむねはアースノイド・インド出身として扱われることが多い。

なお、『密会』も『小説版』も作者は富野由悠季監督だが、ストーリーはまったく違う完全パラレルな作品である。設定が合わないのもそのため。

しかしいずれの作品でも、彼女が生きるために苦界に身を沈めていたのは共通しており、小説版『機動戦士ガンダム』では自らを卑下する台詞がある。
「アースノイドはみんなエリート」なんて誰が言ったのやら。


彼女が搭乗したMA「エルメス」は初版キットではエルメスと云う商品名だったが、同名のブランドからのクレームにより「ララァ・スン専用モビルアーマー」と商品名が改められた。
以降、エルメス関連商品はララァ・スン専用モビルアーマーとされている。*2
因みに、エルメスと記載された初版キットは現在では高値で取り引きされている。


フォウ・ムラサメ、サラ・ザビアロフ、エルピー・プルクェス・パラヤマリーダ・クルスステラ・ルーシェユリン・ルシェル等…ララァと似た状況で戦死する女性キャラは多い。

後々続いていくことになったガンダム作品全体に大きく影響を与えたキャラクターであると言えるだろう。


なお、シャア役の池田秀一は、富野監督から「シャアはララァと寝た」と聞かされ、それを念頭に置いてララァがらみの演技を行ったとされる。




追記・修正が嫌いな人がいるかしら?
項目が荒らされてロックされるのは悲しいことじゃなくて?

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ガンダム
  • 機動戦士ガンダム
  • 逆襲のシャア
  • エルメス
  • ニュータイプ
  • インド
  • 白鳥
  • 光る宇宙
  • 刻が見える
  • 17歳
  • 潘恵子
  • ヒンドゥー教
  • ソロモンの亡霊
  • ニュータイプNo.2候補
  • 悲劇のヒロイン→悪霊
  • ある意味悪女
  • だいたいこいつのせい
  • 八方美人→アムロとシャアに
  • 「邪魔です!」
  • アムロとシャアのトラウマ
  • ララァ
  • 早見沙織
  • 潘めぐみ
  • NT項目
  • ララァ・スン
  • バブみ
  • ※土曜夕方17時30分です。
  • ガンダム登場人物項目
  • 早見沙織ガンダムキャラリンク
  • ファム・ファタール

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月01日 21:38

*1 ララァがサタンガンダムに人質として囚われたシャアのためにガンダム達と戦ったため

*2 と、言われているが実際の所はバンダイの自主規制らしい(そもそもスペルが違う)