プリンス・カメハメ

登録日:2013/08/22 Thu 02:11:24
更新日:2024/03/22 Fri 19:02:40
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子どもたちよ…泣きたいときには思いっきり泣くがいい
だが、いつまでもメソメソしてはいかんぞ
すぐに立ち直るんだ



プリンス・カメハメとは、『キン肉マン』シリーズに登場した超人。
主人公のキン肉マンことキン肉スグルの師匠で、彼をうだつの上がらないダメ超人から全世界が認めた最強の超人へと成長させた偉大な人物。


【プロフィール】

所属:正義超人
出身:アメリカ合衆国ハワイ州(生まれはココナッツ星)
年齢:70歳
身長:185cm
体重:90kg
超人強度:95万パワー

戦績:
ハワイ超人ヘビー級タイトル999回防衛
対ジェシー・メイビア×
対キン肉マン○
対四次元殺法コンビ○(タッグ戦)

CV
佐藤正治(19~21話、114話、キン肉マンジェネレーションズ、マッスルグランプリシリーズ)
蟹江栄司(88~111話)
中村秀利(キン肉星王位争奪編、パチスロキン肉マン~キン肉星王位争奪編~)
神谷明(完璧超人始祖編)

イメージソング:
鉄人カメハメ(歌:串田アキラ)


浅黒く焼けた肌と胸にある鷲のマークが特徴。また頭頂部に突起があるほか、顔の半分を覆う程の髭をたくわえている。

超人強度は平均的ながら、多彩な必殺技を繰り出す技巧派超人でもある。
70歳と超人レスラーとしては既にかなり高齢だが、日々の鍛練によって未だに高い実力を保っている。ただし体力面の衰えは如何ともし難く、スタミナ切れを起こす場面もあった。
ココナッツ星の王族で、既に全盛期を過ぎてはいるが、その強さも相まって若い超人達からもその存在は認知されている。

また、スグルが頭の上がらない数少ない人物のひとり。
キン肉マンには時に厳しい態度をとることもあるが、心の底から彼を信頼しているし、また若い超人達の未来の為なら自身の命を犠牲にすることも厭わない気高さも持ち合わせている。
ちなみに、初登場時には落ちぶれ周囲から蔑みの眼で見られていたものの、【王位争奪編】の回想ではスグル以外にも数名の弟子がいたようで、指導者としてのプリンス・カメハメを慕う者も依然多かったことが窺える。


【来歴】

元々はココナッツ星の王族として超人レスラーとなり、ハワイ超人ヘビー級のタイトルを獲得。チャンピオンとして999回の防衛を成し遂げる。
またこのころからドクター・ボンベを主治医としており、彼のおかげもあって肉体を若く保つことにもある程度成功していた。

しかし、1000回目の防衛戦でとうとうジェシー・メイビアに敗北。
その後は再戦のため彼の付き人となって弱点を探り始めるが、時を同じくして故郷でクーデターが発生、両親が亡くなってしまい没落。
また自身の肉体が既に若い超人レスラー達に敵わないほど衰えてしまったことに気づき、メイビアへの再戦と超人レスラーとしての再起を半ば諦めてしまい、そのまま付き人を続けていた。
なお、作中での描写からほとんど雑用同然の仕事を押し付けらており、付き人としての待遇は過去の栄光見る影もなく、決して良い物ではなかったことが窺える……。

後に新シリーズ「超神編(仮)」の回想によると、防衛戦の栄光の裏では強すぎる故に世間一般の観戦者から次第につまらないと蔑まれて罵声や物が飛び交うものであり、果てしない闘いに対する精神的な疲れが生じ、メイビアに敗れたのも気持ちの問題であったことが明かされた。要はこの超人と似た経緯だった。


【ハワイ遠征編】

メイビアの付き人をする中、ハワイ遠征中のキン肉スグル一行と出会う。
メイビア戦前の前哨戦としてスグルと対戦するが、圧倒的な経験値の差もありバックフィリップを放ちわずか7秒でスグルに勝利した(作中ではスグル自身負けたことすら理解できていない様子で凄まじい速攻勝利であった)。

しかしこの試合でスグルに中にある無限の可能性に気付いたカメハメは、彼を自身の弟子として迎え入れ48の殺人技を伝授。
自身が諦めた打倒メイビアの夢をスグルに託し、見事スグルを勝利へと導いた。
試合後、スグルはベルトをカメハメに渡そうとしたが、弟子の勝利に満足したカメハメは受け取らずその場を去っていった。
結果スグルはベルトをハワイに置いていくことになる。

小説『ディープオブマッスル!!』では、この後メイビアと和解し、スグルが置いていったベルトをメイビアに託してハワイ超人界を共に守るようになっている。

これ以降しばらくは直接の登場は無いが、【第二回超人オリンピック編】【7人の悪魔超人編】【黄金のマスク編】ではカメハメが伝授した48の殺人技がスグルの必殺技として活躍し彼と正義超人の勝利を支えることとなった。

【夢の超人タッグ編】

突如敵対し始めた正義超人達の態度を何者かに友情パワーを奪われたことが原因だと見抜いたカメハメは、事態を収拾するためスグルとの師弟コンビ「マッスル・ブラザーズ」を結成しタッグトーナメントに参加。
その際、持参した黒いキン肉マンマスクを被り、謎の超人「キン肉マングレート」として観衆の前に現れた。
余談だが、カメハメの事を知らないキン肉大王にミートが「大王様、頭が高いですよ頭を下げてください!ハワイチャンピオンのプリンスカメハメ様ですよ!」と𠮟りつけている。どれだけ偉いねん。

一回戦で四次元殺法コンビと対決。年齢をカバーしてあまりある強さを発揮し見事勝利をおさめキン肉マングレートの強さを世間に知らしめた。
しかし、試合で消耗した直後ミッショネルズに敗れた超人師弟コンビを助ける為に両足を負傷。

更にニュー・マシンガンズの二人がはぐれ悪魔コンビに殺されるのを防ぐため試合に乱入。
テリーマンを助けるが力尽きサンシャインの呪いのローラーによって全身を潰され致命傷を負ってしまう。

試合後マスクを脱いでテリーマンに正体を明かし死亡するが、霊体となりテリーを二代目キン肉マングレートとするべく指導した。(そういう意味では生まれ変わったマシンガンズの師匠であるともいえる)
同時にその命を賭して若者たちを導こうとする決意を汲むように知古であるドクター・ボンベがスグルたちの元に駆けつけ、重体のジェロニモやミッショネルズに左腕を切断されたスグルの治療を行うなど、正義超人の未来を切り開くきっかけを作った。
その後も度々霊体としてキン肉マン達の前に現れサポートし、彼らの優勝と友情の回復に貢献した。

ちなみに初代マッスル・ブラザーズの実力は作中でもかなり高い部類にあるようだが、カメハメ自身はスグルとの関係はあくまで「師と弟子」でしかないものと考えており、「たとえトーナメントで優勝してもトロフィーを抜くことは出来なかっただろう」と語っている。
彼にとってタッグトーナメントへの出場は若き正義超人たちの友情を取り戻させる手助けが全てだったのである。


なお、死後テリーマンが会場近くの墓地に埋葬した遺体は決勝前に武道に掘り出されたりしたが、Ⅱ世の描写では大会後スグルによって改めて西伊豆諸島に埋葬されたようである。


【キン肉星王位争奪編】

決勝戦で知性チームの一員ジ・オメガマンがΩメタモルフォーゼによって「キン肉マンが生涯で一番強いと思った超人」としてカメハメに変身。
見た目だけでなく中身まで超人墓場にいた本物であり、スグルの知らない「52の関節技」を披露し苦しめた。

しかしこれは生前出来なかった52の関節技伝授を行うための実戦指導であり、攻撃の振りをしてスグルに上手く52の関節技を伝授。
究極の超人へと成長し遂に自身の必殺技を破った愛弟子の姿に涙を流し倒され、オメガマンが変身を解いたことで姿を消した。



フフ…

これでわたしの役目はおわった…


【究極の超人タッグ編】

万太郎とカオスの前に霊体として現れスグル達と戦う彼らを激励した。



完璧超人始祖編】

スグルと《完恐》ピークア・ブーの試合中、回想シーンにて登場。
かつての(ハワイ遠征編中の)特訓でいつまで経っても48の殺人技を教えてくれない焦りから、言いつけを守らず基礎練習をさぼっていたスグルを咎め、彼に基礎を固めることがいかに大事かを説いていた。


”礎を打つこと千遍…自ずとその身に真技が備わる”!

基礎をおろそかにしては 真の技は修得できん…

今までの戦いの積み重ねで派手なファイトスタイルに傾倒していたキン肉マンは、それを学習したピークア・ブーの急成長についていけず、敗北手前まで追い詰められてしまう。
だが、苦し紛れに弱々しく出した普通の技をピークが対応できなかった事と、前述のカメハメの言葉がヒントとなり、相手がキン肉マンの大技ばかり学習して基礎技を読めなくなった弱点が生まれている事を見抜く。
そこからは師の教えを今一度実践し、先程までの劣勢が嘘のように基礎技の連続で翻弄。
最後は基礎技の集合体である48の殺人技「風林火山」でトドメを刺し、亡きカメハメの言葉がスグルを初心に立ち返らせ勝利に導いた。

【必殺技】

◎カメハメ殺法100手

48の殺人技と52の関節技を合わせたカメハメ流の100個の技。

《48の殺人技》

遠征編でキン肉マンに伝授した破壊技の数々。キン肉マンの基本必殺技でもあり高い破壊力を秘めている。
いかにも肉らしい、豪快な技が多いのが特徴。
だがそれでもキン肉マン本人に言わせると、「”殺人技”という呼称に反して、一撃必殺レベルの技はほとんどなく、殺人技としては失格のものばかり」。
その真骨頂は人を殺さない殺人技で、穢れた邪念のみを殺す事

主な技
  • 宇宙旅行
  • 風林火山
  • 五所蹂躙絡み(キン肉バスター)
  • 超人絞殺刑
  • キン肉壊体固め
これにプラスしてキン肉マンのオリジナルホールドであるキン肉ドライバーも会得している。


《52の関節技》

キン肉マンに伝授しそびれていた関節技群。地味な技が多い為キン肉マンの性格上伝授に時間がかかると判断しハワイでは教えていなかったが、先述の通り「キン肉星王位争奪編」の試合の中で直々に伝授された。*1
ゲームなどでは主にこちらをカメハメの技として扱うことが多い。
こちらは実在の技やそれをモチーフにした技が多い。
関節技という割にちゃっかり投げ技とか入ってるが気にするな。

主な技
  • 脇固め
  • 変形羽折り固め
  • カメハメ仏壇落とし


《三種の肉爆弾(トリプル・ビーフ・ケーキ)》

52の関節技の中でも特に強力な三つの大技。

  • ボー・バック・ブリーカー
横倒しにした相手の手足を掴み背中に足をあてて背骨をへし折る。
高度なバランス感覚が要求されるが日々の訓練の成果でカメハメはいともたやすく繰り出している。

  • ゴリー・エスペシャル
相手の両手を掴み背中合わせに背負ったうえ足を自身の太ももで固定し引っ張る。
長時間相手をかかえておく体力とバネのようなしなやかなゴムを要求される難技。

  • バックフリップ*2
相手をファイヤーマンズキャリーの体勢*3に抱え上げ、そのままの体勢で後方に体重を乗せて倒れこみリングに沈める。
近年はWWEマット等の影響でサモアン・ドロップと呼ばれる事も多く、現実でもカメハメ同様に褐色の肌をしたサモア系レスラーに使い手が多い技である。
非常にシンプルな技ながら破壊力(というかフィニッシュ率)は絶大でありカメハメ最大の技とされる。キン肉マンを秒殺したことから彼のトラウマになっていた。

余談だが3つとも実際のプロレスで(頻度はともかく)目にする技である。
前述のように、それぞれ「相手をバックブリーカーに捉え続けるバランス感覚」「相手を背負い続けるための体力や筋力・体勢を維持し続けるだけの柔軟性」「相手を抱え上げて綺麗に倒れるためのパワー」が要求される、難易度の高い技と言えるだろう。


【その他】

○名前の由来はカメハメハ大王の末裔と言われるハワイ出身のプロレスラー、“流血大王”キング・イヤウケア(若い頃はプリンス・イヤウケア)。
キラー・トーア・カマタ同様ヒールレスラーである。全日本プロレスの常連だった。

○キン肉マン77の謎という本によれば若いころのカメハメはキン肉マン史上、最強の超人であるらしい。何モンだよ・・・この設定といい、タッグ編での活躍といい、なんでメイビアに負けたんだよと思わざるを得なかったが、上述の理由が新シリーズで明かされた。

○イメージソング「鉄人カメハメ」はアニメ第1作および『キン肉星王位争奪編』のメーンライターだった山崎晴哉氏による作詞。
原作のアメリカ遠征編にあたる19~21話でカメハメ役を担当した佐藤正治氏のモノローグの後、流れる串田アキラの独白は貴重。ハワイのウクレレを意識したBGMも印象深い。

○キン肉マンジェネレーションズでは、2代目グレートにあたるテリーマンともコンビを組むことも可能だった。

レディーの方ではロリババア化している。


この世で一番大切なことは
悪を憎む正しい心と
どんなことがあっても絶対にへこたれない根性だ

正しい心と根性をもってぶつかるとき
火事場のクソ力が発揮されるのだ!
このカメハメのいうことを信じてくれ…!


追記・修正はカメハメ殺法を習得してからお願いします。

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最終更新:2024年03月22日 19:02

*1 キン肉マンは「元々伝授する気がなかったのだろう」と捉えていたらしいが、伝授の際この誤解も解かれている。

*2 フィリップは誤字。

*3 レスリングの飛行機投げ。柔道の肩車。