レイム・メルギトス(サモンナイト)

登録日:2011/03/19(土) 18:51:12
更新日:2023/08/18 Fri 22:41:00
所要時間:約 4 分で読めます




「まだ誰も知らない真実の歌を求めて…」





概要


サモンナイト2の登場人物。
街や旅先で主人公の前に現れては助言をしてくれたり、逆に主人公の悩みに対して根本的な事を問い掛け、答えに導いたりしてくれる、銀髪で容姿端麗な、人のいい吟遊詩人。

心優しく、物腰の柔らかい彼の在り方は、ゲーム中でも主人公やアメルから仲間と同様に心許される人物の一人として描かれている。
吟遊詩人という役どころに、ファンタジーの王道展開を期待したユーザーも数多く居るだろう。
会話イベントを重ねる事で仲間に出来るキャラクターというのが何人も居るために、仲間にしようと会話を重ねたユーザーも多いだろう。

ディスク1の時点では。



この先、サモンナイト2のネタバレしか存在しません。
ご留意の下スクロールしてください。




人物と正体

物語が後半に入るディスク2でようやく彼の正体が明かされるのだが、二回も正体を明かすイベントがある。
まず一度目は17話「影は歌う」で情報工作をしている現場を捕まえられデグレアの顧問召喚師だということを明かす。
この時点で今までの優美で慇懃な仮面は脱ぎ捨て、サディスティックな本性を露わにするのだが本番はここからである。
物語も佳境に入る21話「メルギトスの嘲笑」で、主人公たちの祖先と因縁深い虚言と姦計の大悪魔メルギトスだと判明するのである。

詩人として

「真実の唄を探す」という目的で旅する、眉目秀麗で思慮深い吟遊詩人の姿。
後述するが彼のポリシーから考えると、この職業や目的もまた嘘八百ではなく「真実を謳い上げる者」として悪魔王なりの信念があるのだと思われる。
もっとも「真実こそが人にとってもっとも恐ろしい猛毒」だということを理解しているからこそなのだが……。
言葉巧みに真実の断片をちらつかせ、相手の気持ちを慮る優しさで篭絡し、希望を与え災厄へと駆り立てる。
その姿は正にトリックスターである。

顧問召喚師として

デグレアお抱えの召喚師であり元老院から『現場において彼個人の意志は元老院の意志と同等』と扱われるまでの権力を与えられている。
それもそのはず元老院議員たちは全員レイムの手によってゾンビ化しておりレイムの意志=元老院の意志なのだから。

2本編の作中ではこの立場を利用してさんざんやらかしてくれている。
ルヴァイドの人生を弄び、レルム村を滅ぼし、手下となる三体の悪魔を召喚し、聖王都を守る城塞都市を陥落させ、数々の召喚師の血識を抜き取り、ゾンビ軍団を結成し……
書いていたらキリがねぇ!!

ちなみに後にU:Xで復活した時も帝国の顧問召喚師をやっている。
他にも「異端召喚師査問会最高執行責任者」とか長ったらしい肩書きを持っている。
人間社会における権力の恐ろしさと嫌らしさと滑稽さを全て理解してやっているのだから極めてタチが悪い。

悪魔王として

霊界サプレスに住まう、悪魔の中でも抜きん出た力を持つ悪魔、魔王の一柱。
「虚言と姦計の悪魔」メルギトス。これこそがレイム・メルギトスの真なる正体である。
本性を露わにしてからはハイテンションになると「ひゃーはっはっは!」と高笑いし「くびり殺してくれるわ!」など残忍性を隠そうともしない。

本編でやったように人を言葉でたぶらかし、破滅へと導き、苦痛と絶望に浸らせることを何よりも好む陰険な性格。
同じ悪魔王の一柱であるバルレルですら、嫌悪感を露わにするくらい性格が悪い。*1

魔王としての実力は当然のこと矜持やプライドも高くルート次第では「このメルギトスを恐怖させた者など存在してはいけない」とするくらい高慢。
詳細は後述するが、そもそも2本編で起こした事件も元を辿れば「人を騙す悪魔の自分が人に騙された」ことに対する復讐と報復劇である。

なお、U:Xで判明するのだがこのメルギトス元は天使だった。
つまり堕天使である。本人としては恥ずべき過去らしい。
の竜の設定にも触れるが、サモンナイトにおける高位存在は魂の在り様で姿形のみならず、その本質すら変容させられる。
メルギトスは天使としてのそれまでの自分を全てかなぐり捨てて悪魔に堕ちたのだというのが本人談。

真実の探求者

「虚言」の悪魔とされていながら、その実メルギトスは嘘をつかないことを信条としている。
この設定はファンブック「サモンナイトコレクション」で初出し、「U:X」で深く掘り下げられた。
2本編では嘘だと見られる「真実の唄を探す」「吟遊詩人」という立場も、上記の通り本人的には真面目にやっているので嘘ではないのだろう(少々詭弁じみているが)。
彼の言動の端々、来歴を追っていくとどうやら「嘘をつくのは弱い人間のやること」という意図があるように受け止められる。
本項目のコメントページの投稿の言を借りるならば
「『上手な嘘をつくコツは嘘の中に真実を混ぜる』に対して『真実しか語らないが、真実の中に一箇所だけ致命的なブラフを混ぜる』」
「『虚言』とは辞書に載るような意味ではなく文字通り『虚ろ』な『言葉』」
といったところ。

能力

血識

『知識は血液に溶けて全身を巡っている』という持論に基づいて、血を奪った相手の知識や経験、そして魔力や声紋さえ奪い取る能力。
作中原理では理論立ったものなので技術めいた所はあるが、メルギトス固有の能力らしく他の悪魔がこのような力を使うことはない。*2
我々の世界の原理でいうならDNA情報なども奪い取るので、いわゆる「特定の血筋にしか開かない封印」も突破することができる。

とくに情報戦において絶大な力を発揮し、作中で張り巡らせた数々の陰謀に必要な情報はこの能力で獲得したもの。
さらには召喚術を学んだり、部下に召喚術を教えたりするなど兵站面でも強力。
復活に必要な魔力もこの力で知識吸収がてら得ていたらしく、メルギトスのあらゆる悪事の源となる。

読心の奇跡

2本編でやたらと的確な助言と口撃を行うメルギトスだが、それもそのはず心が読めていたことがU:Xで発覚する。
元々天使だったころの名残の能力というのがバルレルの推測。こんな恐ろしい能力に限って引き継いでいるという……。
ちなみに霊界サプレスの住民は精神生命体なので個体それぞれに差はあれど「魂の輝き」として大雑把に人間の心の機微を把握する能力があるようである。

源罪(カスラ)

サプレスの悪魔の中でも高位の存在、魔王クラスのみが発現させられる能力。
見た目は黒い風だが、その実態は悪意や負の感情を増幅させる瘴気。
この源罪(カスラ)の影響を受けると、怒りや絶望に欲望といった気持ちを芽生えさせ、駆り立てるようにする。
恐ろしいことに影響を受ける範囲が尋常ではなく、人間どころかあらゆる有機物、無機物にすら作用する。
さらには感染対象の身体構造まで書き換え、悪意の発露に適した能力を獲得させる。
正に悪魔が好む環境へと、影響下を一変させるのだ。
そうして悪魔にとって都合の良い環境に整えることで、一度討伐されてもやがては悪意と魔力を蓄え、魔王は復活するのである。
挙句の果てに影響範囲も広く、劇中でメルギトスが放った源罪(カスラ)の風は、聖王国から遠く離れた帝国の島にも届いたくらい。
メルギトスいわく「楽園だったリィンバウムを争いの絶えない世界にした原因」とのこと。

執念深さ

異世界の魔王たる異能でもなんでもなく、ただの性格である。
だがこの執念深さこそがもっともメルギトスの恐ろしい性格、能力と言える。
それを反映してか、劇中でも彼との決戦は三連戦という長期に及ぶ。
そして倒したら倒したで、上記の源罪(カスラ)の風をバラ撒いて復活の下地とする。
他にも次項に詳細は譲るが、復讐のため召喚術に頼らず単独で界の狭間を渡り復讐対象がいないなら創ってしまうなど、その執念深さは常軌を逸している。
場合によっては魔王としてのプライドすら凌駕し、彼にとっても決して安くない代償を支払ってでも一念を貫くことも。

活躍

ゲーム本編前(伝説の時代)

リィンバウムへの侵攻を望んでいたメルギトスは、ある召喚師の一族とかような契約を結ぶことにした。
魔力を貸与することを条件に、霊界サプレスとリィンバウムを繋ぐ門を開かせる
この一族こそが、2主人公の先祖である「調律者(ロウラー)」の二つ名を持つクレスメントの一族である。

調律者の一族は運命さえも自在に律すると言われるまでの魔力を誇っていたが、実際に彼らに魔力を分け与えていたのはメルギトスなのだ。
しかし計画の途中でクレスメントの一族は恐れをなし約束は反故にされ、メルギトスが開通させようとしていた門は塞がれた。
この裏切りと屈辱から、メルギトスは深くクレスメントの一族に執着心を抱き、永い時間をかけて自力で門を開通することにしたのである。

クレスメント一族はメルギトスの復讐と侵攻を恐れて何代にも渡って警戒を続け、遂にアルス・クレスメントの代で自ら来訪したメルギトスと衝突。
クレスメント一族から「血識」を奪って弱体化させるも、召喚兵器と化したアルミネと相討ちになる形で封印されてしまった。


ゲーム本編前(数十年前の時代)

メルギトスとアルミネの決戦の地はアルミネスの森と呼ばれ、封印は守られ続けてきた。
だがある時アルミネスの森に封印された召喚兵器を欲したデグレアの部隊により、森の結界と共に封印も解かれたが、
実体化さえ出来ない程に弱っていたメルギトスは、部下の悪魔に侵入してきたデグレアの部隊とそれを率いていた召喚師を殺害させ、
その死体に憑衣して身分を乗っ取り*3、彼に成りすまして部下と共にデグレアへ帰還。
デグレアの上層部を傀儡とした上で、充分な魔力が溜まるまで潜伏することとした。

なお、その潜伏中に鷹翼将軍レディウスによって自身の目論みを見抜かれたが、逆に彼をなぶり殺しにした上、
レディウスの親族までデグレアの民に迫害させるという、非道な仕打ちを加えている。
さらにはレディウスの子息であるルヴァイドが、父の汚名を雪がんと努力しているのを理解したうえで計画に重用していた。

ゲーム本編

本来ならもっと長い間潜伏しているつもりだったらしいが、前作の『魔王召喚の儀』により、
溢れ出たサプレスの魔力を吸収したことで予定より早く復活を果たす。*4

結果、一気に計画を動かすことにしたメルギトスはルヴァイド率いる「黒の旅団」に「聖女」の確保命令を出し、自らの手足となる部下の悪魔を召喚した。
部下たちに聖王国の城塞都市を陥落させ、そうして生まれる社会不安を吟遊詩人として煽り立て、戦死、絶望した人民たちを屍人兵や鬼人兵として手駒にし、
着々と戦争の準備を進めていく中で主人公一行と交流し、因業の糸を紡ぎ始める。

十分な戦力が揃い、傀儡戦争を起こした傍らで数々の戦いを潜り抜け成長した主人公たちと因縁の地であるアルミネスの森の遺跡で激突。
最終的に遺跡そのものと融合した「機械魔メルギトス」として戦うことになる。

このラストバトルではフィールドに設置してあるコアを先に破壊しないと本体にまともなダメージを与えることができない。
闇雲に戦えば強力な範囲攻撃の前にパーティーが壊滅させられるので事前準備や戦術は必須。
この戦いで流れるBGM「暗闇を振り払え」の人気も高く、シリーズ最高のラスボスとの意見も多い。

こうして艱難辛苦と、運命と因果の戦いの果てにメルギトスは遂に討伐されリィンバウムに平和が訪れ――なかった。

エンディング後

敗北した機械魔メルギトスは命と引き換えに源罪(カスラ)の風を放つことで、リィンバウムに災厄と悪意の種子をばら撒き復活の礎にしようとした。
ルート次第でアメルやネスティ、護衛獣によって源罪(カスラ)は食い止められ浄化されるが、わずかながらでもリィンバウムに残留する結果となった。
の番外編はこの影響による事件の一例である。

またメルギトスが起こした傀儡戦争はエルゴの王時代以来、リィンバウムで初めて起こった異世界存在による大規模侵攻として世界情勢に大きな影響を与えた。

U:Xでは

4~5の間に起こった『狂界戦争』の発端から終端までを描いた小説。
本作の序盤では名前のみしか登場しないが、3巻で遂に復活を遂げた。
そして登場するや否や、次から次へと悪事を起こすファンサービスを行っている。
+ 行った悪事の一例
  • 自分の放った源罪(カスラ)を台無しにした聖なる大樹にダイレクトアタック
  • トリスと家族ごっこ
  • 意気投合した召喚師に召喚兵器の知識を与え量産させる
  • ネスティの血を吸ったり自分の血を与えたり
  • 4の舞台であるトレイユの街へと合法的に襲撃
  • ミントさんに緊縛プレイ
  • グラッドの兄貴をオモチャにする
  • カシスに素敵なプレゼントを贈る
  • 帝都ウルゴーラでバイオハザード

狂界戦争勃発直前に、主であるレイから直々に「あとはお前の好きにするがよい」との許可を貰い、手綱を解かれる。
悪魔王の求めるものはもちろん、因縁深きクレスメントの末裔たる2主人公たちとの完全決着。
そのために準備を整え、狂界戦争の防衛戦で忙しいマグナにフィナーレの舞台の招待状替わりと言わんばかりに
離反したネスティとトリスとレシィをあえて解き放ち追い立てる鬼ごっこで、彼をゲームに招き寄せる。

そうして遂に整えられた最終決戦の舞台では、マグナと二人の護衛獣以外にも、復活したアメルと修理換装されたレオルドが戦線に加わり
最後には自身の意志で立ち向かってきたトリスとマグナの連携と、想定外の戦力が重なったことで再びの敗北。

だが、メルギトスは何度でも何度でも復活して永遠にクレスメントとのゲームを行い続けよう、と狂気に満ちた哄笑を上げる。
そんな彼に、マグナはきっぱりと「もうこれで最後なんだ」と宣言し、武器を捨てた。
そして悪魔王メルギトスに対して頭を下げて先祖が約束を破ったことを謝罪した。

+ ゲームの終わり
はるかな昔、ある召喚師一族の魂に魅かれてしまった、悪魔の王がいた。
力強く、だが危ういその魂のために、惜しみなく好意を注いだ。
しかし裏切られた。
一方的に絆を断ち切られた。
愛おしさは反転し、断ち切られた絆を繋ぐために怨讐と因業の糸で結んだ。
機械の天使と刺し違えようと。
あまりにも永い年月封印されようと。
復讐するべき愛しき怨敵が滅びようと。
悪意と妄執で紡ぎ束ねられた因果を超え、一度は討ち滅ぼされようと。
何度でも、どんなことがあっても、憎しみ合い滅ぼし合うのなら、永久不滅の悪魔王はずっと繋がり続けることができるのだから。

そんな永い永い一人遊びは、相手がその想いに気づき、応えてくれることで終わりを迎えたのである。
怨念も執念も消え失せたその先、懐かしい思い出が蘇った場所には、最愛の召喚主が待っていた。

奸計と虚言の悪魔王メルギトス――――完全消滅。


関連人物

2の主人公(マグナ/トリス)

蒼の派閥の新米召喚師。追放同然に派閥から放逐された所から2の物語は始まる。
本人も知らなかったその出自は「調律者」とすら呼ばれた、エルゴの王以前の世界において最強の召喚師一族「クレスメント」の末裔。
【活躍】の項でも上述した通り、クレスメントとメルギトスの因果は業深く、2の物語とは血の因業に翻弄されながらそれを超える主人公の姿を描いたものと言える。
メルギトスはそんな主人公に狂気としか表現のしようがない執念を抱いており、最早歪みに歪んだ愛憎そのものである。
+ U:Xで明かされた設定
ところで2をプレイした人はこう思わなかっただろうか?
「はるか昔に零落し虐げられた一族の末裔が、よくもまぁ都合良くメルギトス復活の時代に現れたものだな」
と。
その通り。こんな都合の良い、全盛期のクレスメントの魔力と資質を持つ理想的な人材はメルギトスが創り上げた人造生命体である。
かつての戦いの際にメルギトスによって優れた召喚術も魔力も「血識」として奪われたクレスメント一族は、戦後は更に蒼の派閥によって戦いの責任と罪を押し付けられ追放・迫害された。
そんなクレスメント一族がまともに家系を維持できるはずもなく衰退を続け、復活したメルギトスが探しだした時には最後の末裔か人間の尊厳などない路地裏生活を送り、その生は寿命で潰える寸前であった。
復讐するべき遊び相手がいないなら、見つけてもそれに見合う実力や気概を持たないなら、かつての力を持った理想のクレスメントを創ればいい。
そうして最後の末裔の細胞や血識を用いたクレスメント再生を目論んだ。
これが魔王メルギトスなのである。
ある意味、2の物語は主人公誕生の時点で定められた運命、因果だったと言えるだろう。

アメル

2のヒロイン。田舎村で聖女やっていた芋娘だが、その正体は大天使アルミネの転生体であり、成れの果て。
元が天使であるからか人間にはやや理解を越えるほどの善性を持つ少女であり、メルギトスにとっては天敵か宿敵とも言える存在。
余談だが、面白いことにアルミネとメルギトスの出自と来歴を追っていくと、まるで鏡のように対比している。
「元天使」→「クレスメントに執着」→「堕天する」(メルギトスはこのあたりが前後している)→「転生してもなおクレスメントに執着」
信じるものが性善説か性悪説か、愛情表現のベクトルが違うかだけで本質的には似た者同士なのかもしれない。

ネスティ・バスク

2のヒロイン――と一部のファンから評される主人公の兄弟子。堅物眼鏡。
融機人というロレイラルの住民の末裔であり、その能力と迫害され続けてきた出自から人間嫌い。
ただ、家族のように愛している主人公が大切に想う仲間たちとリィンバウムを守るために、メルギトスと戦った。
この点は2のシナリオでメルギトス自身が指摘しており、大変気に入っている。
+ U:Xでは
U:Xの世界線では男性体のクレスメントの器が目覚めマグナとなったが
残された女性体の器=トリスをメルギトスは育成することで「父娘」として振る舞い、オモチャとして利用することにした。
このまともな愛情を授けられなかったトリスを救うためにあえてネスティはメルギトスに下る。
上述のように、歪んだ形ではあるがお気に入り対象なのでパワハラしまくっていた。

しかし、羨望と愛憎が入り混じったネスティへの執着は、戯れに行った血識の交換の際メルギトスの本音を迂闊にも漏らす結果となる。
メルギトスが心底で抱いていた、狂おしい愛憎の正体を知ったネスティは最終決戦後、
マグナの謝罪と質問を受けて沈黙するメルギトスへの最後の論破を放ち、悪魔王の仮面を外すトドメの一撃となった。

三人の部下(ガレアノ/ビーニャ/キュラー)

霊界サプレスから呼び出した部下の悪魔たち。
「カーカッカ」がガレアノで「キャハハハ」がビーニャで「クークック」がキュラーで「ヒャーハッハ」がレイム。
少々ややこしいのだが、本編中に登場する人間体の彼らは依代となって憑依された召喚師の姿である。
何人も適格者となる依代を探して呼び出す手間を重ね「あなた方には感謝している」と褒める程度には重用していた。
最終的にはかなりテキトーな戦力の分散作戦の結果各個撃破されたが、それでもケロッとしていたのでどこまで本気かは怪しい。

ビーニャだけは特殊で、彼女のみ呼び出された悪魔に乗っ取られておらず元の依代となった人物と人格が融合している。
ミモザより一つ年下の女性だったそうなのだが、憑依された反動で本編のような幼児体型となり、文字通り悪魔に魂を売った。
かような経緯から、ビーニャは本心からレイム・メルギトスに信奉している。

再誕の制錬者 レイ

U:Xでメルギトスを復活させたあらゆる意味で規格外の存在。
一応忠実に仕えているが、同じく復活させられたオルドレイクと違い利害が一致しているが故に従っている面が大きい。
レイもまたその点を理解しており、あえて手綱を緩めて扱っている。
重要な点だが、永い時間はかかるが源罪(カスラ)によっていずれは自力でメルギトスは復活できた。
そして、再誕の制錬者の手によって復活すると彼の制御下に置かれるし、時間制限もつくし、一番大きな代償としてもう二度と転生できない。
悠久の時を存在し続けられる魔王としての魂の在り方を捨ててまで、なぜ【再誕】で受肉したのかと言えば自分を負かした2主人公一行ともう一度遊びたかったから。
また、【再誕】能力はある程度好きに【再誕】した肉体を調整することができる。
メルギトスが望んだ調整は「かつての依代であるレイムの姿*5」「霊界サプレスに居る時と同等の力を扱える器*6」そして「【誓約】が正しく履行された先にあったはずの、クレスメントの血統をベースにした肉体」である。
要約すると「見た目はレイム」「遺伝子的にはクレスメント」「弱体化制限無し」の文字通りのチートボディ。

余談

●『人の心を“色”として感じ取れる』能力を持つ護衛獣の一人・ハサハには出会った直後から「心が真っ黒」として警戒されており、
夜会話でも基本的に他人をそこまで悪く言うことはないハサハが敵意を持って「あいつ」などと呼ぶ、珍しいキャラクターの一人である。
U:Xでも復活時に逸早く気づいたのはハサハだった。よほど特徴的な悪意や邪気を持っているのだろう。

●【活躍】の項ではデグレアが都合良くアルミネスの森の封印を解いてしまったように書いたが、これもメルギトスの地道な謀略によるもの。
結界の内に封印されたままでも世界に漂う負の感情を糧として少しずつ力を取り戻し、
色々な手段を用いて下界に干渉し人間が封印を解くよう情報を外にばら撒いていたのである。
言ってしまえばデグレアはメルギトスが撒いた毒餌に引っかかり、見事に釣り上げられた形。

●『元天使』『いびつな形だが人間を愛している』『最期にばら撒いた源罪(カスラ)の風』を踏まえると2のOPソング「光の都」の締めとなる部分
愛と呼ぶ天使の羽が起こした 風が舞い上がる
という歌詞に別の意味が見えてくる。
作詞作曲した藤田氏にそんな気は全く無かったのだろうが……。


追記・修正は真実を騙ってからお願いします

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最終更新:2023年08月18日 22:41

*1 メルギトスの下につくくらいなら人間の主人公と一緒にいる方がマシとすら言った。

*2 「アヴィス」という短剣を用いて他者が血識を吸うことは可能な模様。

*3 この憑依した召喚師の姿こそ、銀髪眉目秀麗な青年「レイム」のものである。

*4 番外編ではこの件を前作主人公のパートナーに嘲笑混じりで感謝している。

*5 本質は霊生命体なので肉体の姿に執着する必要はない。そのうえで2主人公たちが見慣れた姿を希望したのは「その方が宿敵メルギトスだと認識してもらいやすいから」である。

*6 魔王クラスの存在ともなると故郷での100%の力で異世界に降臨するのは非常に難しい。そもそもそれが自力だけではできないからクレスメントの一族と契約を交わして、自分が悠々通れるゲートを開通してもらおうとしたのである。