シュヴァルツェスマーケン

登録日:2012/05/10 Thu 21:12:14
更新日:2024/01/01 Mon 07:00:22
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それでも俺は、君を守りたいと思ったんだ……。






『シュヴァルツェスマーケン』はageのマブラヴ オルタネイティヴのスピンオフ小説。

物語はオルタ本編より18年前、1983年の東ドイツ*1を舞台に描かれる。

監修:吉宗鋼紀
本文:内田弘樹
イラスト:CARNELIAN

本編全7巻、外伝全2巻、本編よりさらに11年前の時間を書く「隻影のベルンハルト」既刊1巻&連載中。

2015年11月、PCゲームとして「紅血の紋章」発売。後編に当たる「殉教者たち」は、明けて2016年9月30日に発売予定。原作通りのカティアルートに加え、原作とは異なるアイリスディーナルート、リーズルートが用意されているとの事。

2016年1月よりアニメ放送開始!1クールに全7巻のストーリーを詰め込むようで話はかなり圧縮されているが、戦術機の細かな挙動、アクションは共に一見の価値有り。


【組織】

【東ドイツ陸軍*2第666戦術機中隊”黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン)”】

MiG-21バラライカを駆る、東ドイツ最強と名高い戦術機部隊。

光線級殲滅(レーザーヤークト)を最優先任務とするために、支援要請を無視せざるを得ないことが多く、前線兵士から『死神(トッド)』などと忌み嫌われる。
常に最前線へ投入されるために部隊損耗率は極めて高く、本編開始時点で通常1個中隊が12機編成なのに対してわずか8機のみ。

因みに正しいドイツ語発音では「シュバルツ・マルケン」となるが、劇中設定では「ドイツ語をよく分かっていないソ連軍高級将校が名付けたから」となっている。メタ的には語呂の良さを優先した結果。




【国家保安省(シュタ―ジ)】

東ドイツの秘密警察組織。
国民の『10人に1人』がそれと言われるほど多数の情報提供者(コラボレーター)を潜り込ませて言論統制を敷いている。
なお現実に存在した組織であり、勿論創作は入っているが、その有り様などは現実のそれにほぼ準拠。東西ドイツ統一に前後して解体されている。

また、独自の軍事組織『武装警察軍』も保有しており、精鋭の戦術機部隊『人狼(ヴェアヴォルフ)大隊』を中心として亡命者狩りなども行っている*3

しかしシュタージも一枚岩ではなく、ソビエトを盟主とする『モスクワ派』と他の東欧諸国へ活路を見出す『ベルリン派』の勢力が内紛を続けている模様。



【登場人物】

【第666戦術機中隊】

テオドール・エーベルバッハ CV:鈴村健一
本作の主人公。コールサインはシュヴァルツ8。
近接戦闘を得意とし、階級は少尉。
とある噂からアイリスディーナを憎悪している。
孤児院出身で、劇作家一家に引き取られる。後に思うように劇を作れないことから一家で亡命を計るが失敗。
国家保安省に捕まり両親は死亡。義妹とも離別し、自身も厳しい尋問と拷問を受けたことから、東ドイツと国家保安省に激しい憎悪を覚えると共に強い恐怖を抱え、更に他人を一切信用しない性格となる。
カティアの教育係と世話係を任され、彼女と関わっていくうちに心を開いて行く。
何気に女性陣とフラグを建てまくっている。好みはボインなお姉さんらしい。むっつりかこいつ。ていうかアイリスディーナが好みにドストライク。爆発しろ。


  • カティア・ヴァルトハイム CV:田中美海
西ドイツ軍衛士。
孤立していたところをテオドールに保護され、亡命と第666戦術機中隊配属を希望する。
出撃毎にお漏らしをする『おしっ娘属性』をもつ。更にポニーテール、貧乳、けなげ、妹属性(一人っ子なのに)など多くの属性を持つ。
実はとある人物を探すために東ドイツへやって来た。
思ったことをすぐ口に出す性格や、民主主義の西側で育ったために体勢を批判する発言をし、叱責や修正を受けることもしばしば。国家保安省に身柄を狙われている。
元は東ドイツ出身で、かつて英雄と呼ばれた程の軍人だったがクーデターを計画し、シュタージに凡ゆる意味で存在を抹消された、アルフレート・シュトラハヴィッツ少将の実の娘。彼女が本名であるウルスラ・シュトラハヴィッツを名乗る時、東ドイツの運命は大きく動き始める


  • アイリスディーナ・ベルンハルト CV:山本希望
第666戦術機中隊隊長。コールサインはシュヴァルツ1、階級は大尉。
衛士としても隊長として極めて高い実力を持ち、政治的な駆け引きにも優れる一方で、現場判断を優先し、政治将校と対立することもしばしば。
搭乗機は指揮官用にセンサーマストが大型化され、通信可能範囲が広がっている。
『実兄を国家保安省に売った』という噂があり、本人も否定しないことからテオドールに憎悪されている。
テオドールが顔をうずめられるほど大きなおっぱいを持つ。
緊張緩和のためか、はたまた趣味か、たまにお国柄や国民性をネタにしたジョークを言う。
なお少女時代は、物凄く可憐な美少女(但しその頃から巨乳)だった。
実兄を売ったのは、クーデター計画に参加していた兄ユルゲンが妹を守る為、自らそうさせたというのが真実。彼女は東ドイツの滅亡はもはや避けられないとしながら、今も計画の意志を継ぎ、シュタージを潰し、東ドイツの国民を一人でも多く国外へ脱出させる事を目的に戦っている


アイリスディーナに忠実な、いかつい体格をした副官。階級は中尉。テオドールを除けば部隊唯一の男性だが、若干影が薄い。シルヴィアとは何かしら因縁浅からぬ模様で、基本的に誰にも心を開かないシルヴィアも、彼の言う事にだけは素直に首を傾ける事が多い。


  • アネット・ホーゼンフェルト CV:安済知佳
中隊唯一の長刀使い。もはや趣味らしい。
本来は明るい性格であったが、短期間で友人を立て続けに亡くして戦争神経症を発症し、独断行動を取りがちになる。
テオドールが助ければイングヒルトは死ななかったのではないかと考えて以降、険悪な関係だったがカティア・ファムの救出作戦で行動を共にした(テオドールが自ら作戦に志願した)のを機に和解し、その後好意を抱くようになる。
カティアに対し姉的立場をとる貧乳。


  • グレーテル・イェッケルン CV:安野希世乃
中隊の政治将校。腕前は並。コールサインはシュヴァルツ4。
党の理念を第一としており、アイリスディーナと対立し逆に振り回されることもしばしば。
黒髪ストレートに黒縁眼鏡と、真面目っ娘のテンプレートのような風貌。あと貧乳。


中隊次席指揮官。階級は中尉でコールサインはシュヴァルツ2。
隊のお姉さん的存在で年下の面倒見がいい。
カティアに「あまり意地悪を言うようならお兄さんと呼んでやれ」と言ったり、アネットの気持ちを暴露しようとしたりと、意外とイタズラ好きなアイリスディーナに次ぐ巨乳。


  • シルヴィア・クシャシンスカ CV:村瀬迪与
ポーランド出身の衛士。非常に荒んでおり、テオドール以上になれ合いを嫌う。風貌からもその荒み方がうかがえる。
外伝で描かれる過去は、悲惨の一言。


  • イングヒルト・ブロニコフスキー CV:福原香織
戦争神経症に患ったアネットの親友でフォロー役。
作戦中に突撃級の突進を食らった上に、要撃級の攻撃を受けて瀕死の重傷に。手を施せる状態ではなかったため、アイリスディーナによって介錯された。ヒロイン補正なんてなかった。


テオドールの義妹。かなりのブラコン。義兄の恥ずかしい秘密を多数知っている模様。
国家保安省によって殺されたはずだが生きており、物語中盤に666中隊へ補充要員として着任する。
人懐っこい性格で、カティアやアネットといった明るいメンバーとは直ぐに打ち解けた。
しかし余りの出来過ぎた事態に、積極的か消極的かの差異はあれど、テオドールを含めた殆どの隊員から「シュタージのスパイではないか」と疑いの目を向けられるのだが…。
かつてシュタージの陰惨な【尋問】の末、義兄を守る為にその身をシュタージに捧げる。その後は自らの心を殺して、反国家的人物の殺害からハニートラップまで命令のままに行い、その手を血に染め続けた。全ては義兄への想いを一念に。しかしてその想いは過去への妄執と変わっていき、それが後に未来を見据える様になった義兄との間に、致命的な確執を招いてしまう…






『総員、傾注!全機、追記・修正にぃ、移れぇぇぇっ!』

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最終更新:2024年01月01日 07:00

*1 正式名称は「ドイツ民主共和国」。ソ連中心の東側陣営に属する社会主義国家で、西側陣営に属する「ドイツ連邦共和国(西ドイツ)」と共に1949年に建国された。戦後復興を経て「社会主義の優等生」とまで呼ばれたほどの経済成長を遂げる一方、言論の自由・表現の自由などの制限、後述のシュタージによる国民監視、冷戦の象徴ともいうべき「ベルリンの壁」などの負の側面も有していた。1980年代には経済的な行き詰まりや体制の硬直など諸々の問題を抱え、1989年の「ベルリンの壁」崩壊を経て、最終的に1990年に西ドイツとの再統一を決定し、同年10月に西ドイツに吸収される形で消滅した。

*2 現実にも存在した軍隊で、正式名称は「国家人民軍地上軍」。空軍部門の「国家人民軍航空軍(東ドイツ空軍)」、海軍部門の「人民海軍」と共に東ドイツの軍隊『国家人民軍』を構成していた。1990年のドイツ再統一により、国家人民軍を構成する他の軍共々ドイツ連邦軍に統合される形で廃止された。

*3 現実のシュタージは軍事組織こそ保有しなかったが、直属の準軍事組織である「フェリックス・ジェルジンスキー衛兵連隊」を保有していた。こちらは主に政府官庁舎や党施設、党幹部の居住区域の警備を主な任務としている。