ファントム・ブレイブ

登録日:2009/08/19(水) 23:52:24
更新日:2024/02/16 Fri 19:55:07
所要時間:約 7 分で読めます




――死んでもきみを守りたい。

たとえ魂になろうとも――



〜概要〜

日本一ソフトウェア発売のSRPG。略称は「ブレイブ」「PB」など。ドラマCD、マンガ、小説といったメディア展開がされている。
対応ハードはPS2。後に周回プレイに対応した完全版「2周目はじめました」が発売。
更に追加シナリオを加えたwii版、wii版を更に移植したPSP版も発売されている。
steamでも安価で配信されており、現在の環境でプレイするならパソコンさえあれば出来るこれが最も手軽であろう。
2021年8月26日はNintendo Switch版もダウンロード専売にて発売。

謳い文句は「やりたい放題」。称号によるステータス強化、武器の合成、霊魂合成、ダンジョン作成などが出来る。草やサボテンのようなどう見ても武器にならないようなものも武器にできる。

またディスガイアのシナリオはコメディー調であったのに対し、こちらはかなりシリアス。筆者はそうは思わないが、マローネへの数々の誹謗中傷や迫害などから鬱ゲーと言われることすらある。日本一ゲーで比較すると、シリアス度は


といった所か。



〜ストーリー〜

イヴォワール。それはここではないどこかの世界。そんなとある所に「マローネ」という少女がおりました。

幼い頃に両親を亡くし、孤独になってしまったマローネ。しかし彼女は寂しくなんかありませんでした。

彼女には特殊な力をもつ「能力者」としての才能があり、またその才能は異才揃いの「能力者」達の中でも極めて特別な、「霊魂に力を与える」というもの。

父と母と共に死んだ「アッシュ」という青年。彼が霊魂となり、常に彼女を支えていたからです。

「霊魂」という得体の知れないものを操るマローネは、常に恐怖され、迫害の対象となっておりました。

そんな逆境中、「皆の笑顔を守るため」にマローネは「請負人(クローム)」になることにします。

そして新米請負人と、お節介な霊魂の物語が始まるのです。


〜イヴォワール〜
平和な世界。基本的に「島」単位で文化圏が構成されており、余所者には冷たい風潮がある。また階級意識が強く、貴族制などが存在する。かつて異界から侵攻をうけ、勇者スカーレットという人物に救われたという伝説が残っている。

〜請負人(クローム)〜
名前の通り何でも請け負う仕事人。殆どが「能力者」で構成されている。というのも「能力者」は被差別対象であり、請負人か傭兵(レイヴン)にしかなれないからである。信用第一の職業で、基本的にどのような依頼でも断ることはしない。

〜傭兵(レイヴン)〜
つまるところ戦闘専門のクローム。基本的に徒党を組まないクロームとは違い、能力者のリーダーを中心とした一個団体であることが多い。「無限剣のラファエル」のように徳の高い人物もいるが、基本的に粗野で金にがめつい荒くれ達の集団。

〜オクサイド〜
他人の仕事の成果だけを横取りすることを専門とした請負人。実入りは多いが、当然危険も高い。同業から嫌われている。

〜勇者スカーレット〜
かつてイヴォワールに侵攻してきた魔物「サルファー」を退治した勇者。赤い髪が特徴的な女剣士だったらしい。


〜キャラクター〜

マローネ
主人公その一。新米請負人の少女。迫害に負けず、ひたすらに利他的な性格をしている強い子。wii版の追加ルートでは暗黒面に堕ちるようだが…
死者の霊魂を物体に憑依させる「奇跡の力」が能力。マローネはこの力を「シャルトルーズ」と呼んでいるが、この名前は彼女の父の能力名であり、「奇跡の力」本来の名前は不詳である。

アッシュ
主人公その二。霊魂(ファントム)。生前マローネの両親と組んで行動していたクロームの好青年で、マローネが幼児の頃から面倒を見ている。死んでからはなお一層マローネに過保護になった。自分達を殺した謎のモンスターを憎む反面、マローネを守る為に危険には近よりたくないとも考えている。なぜマローネの両親でなく自分が霊魂として残ったのか、と悩む一面もある。
能力は「水竜の力 エカルラート」。一時的に自身の肉体の限界を突破することが出来る。

カスティル
マローネとは依頼を通じて知り合った薄幸の少女。マローネを偏見で見ることが無く、また自分と対等に付き合ってくれるマローネの人柄に惹かれ、お互いの初めての友達となる。生まれつき身体が弱く、車椅子でしか移動が出来ない。そのためか読書家で博識。失踪した兄がいるらしい。後に兄を捜している途中、異世界で魔王の家来になる。

シェンナ
マローネに「おばけ島」を貸してくれているボトルメール工場の社長。赤いロングヘアが麗しい巨乳。足が悪いらしい。

モルト伯
マローネとは依頼を通じて知り合ったウサギリス。人望厚い聡明な老領主で、マローネを差別せず自分の孫のように可愛がる。

ウォルナット
オクサイド専門のクローム。金に異常な執着を示し、甘ちゃんなマローネを一方的に嫌っている。専用BGMはR&R Junkiee
能力は「覚醒の力 サイコ・バーガンディ」。自身の身を削り破壊の力に変える力。かつての勇者、スカーレットと同じ能力らしい。後に異世界で結婚し子供もできる。カスティル………

ラファエル
七人の剣聖の一人で、「無限剣」の異名をもつレイヴン。公正で知られる人格者である。なにかとマローネを気にかけてくれる気のいい人。専用BGMはStrange Wind
能力は「極みの力 ヘリオトロープ」。凄い速度で斬りまくる。あまりの速度に剣が無数に見えることからその二つ名がついた。

スプラウト
七人の剣聖の一人だが、暗黒面に堕ちた老剣士。謎のモンスターを追っているようだが…
能力は「冒涜の力 ダーク・エボレウス」。相手の体力を奪う技だが、自身の体力が低くなるごとに威力が下がる欠点がある。使い勝手悪すぎ。

謎のモンスター
イヴォワールの各地で目撃されているモンスター。球体に手と口だけついた異様な姿をしている。単体では弱いが、物量にものをいわせる。稀に骸骨のような巨大なモンスターが一緒に目撃されるらしい。専用BGMは Game Breaker。


〜システム〜

行動順
ターン制ではなく、キャラ毎のSPDによって行動順が決まるシステム。そのため速さ=正義。ちゃんと鍛えていればずっと俺のターン!も珍しくない。

マップ構成
ディスガイアのようなマス目式ではなく、フリー移動式になっている。ステージによっては床が滑ったりバウンドしたりするため思うように動けないシチュエーションも。
また、マップ外に敵を投げると「場外」となり、戦闘から排除できるがその分だけ残った敵のLVが向上する。

コンファイン
本作で仲間になるキャラクターはマローネ以外はファントムであるため、そのままでは現世に出現できない。そこで、その場にあるアイテムに霊魂を憑依させることで身体を得るのがコンファインである。
コンファイン対象のアイテムによって出現したキャラの能力値も変化するため注意が必要。岩ならATKやDEFは上がるがSPDは下がる、など。
更に、コンファインしていられる時間も永久ではなく、可能ターンを過ぎるとファントムがリムーブし、元のアイテムに戻ってしまう。
なおこの際、コンファインしたアイテムを持ち帰り所有物にできる場合がある。持ち帰り率はキャラによってまちまちだが、ボトルメールならよほどのレベル差がない限り100%。しかも手順を踏めばゲーム開始直後から使用可能。

ランダムダンジョン
ダンジョン師に頼んでランダムダンジョンを作ってもらい、挑戦できる。名前もランダムで決まるが、クリアすればそのダンジョンの名前を称号として使用可能。
…そして、この「ダンジョンに称号をつけられる」というシステムの穴が後述の稼ぎテクニックを生み出し、序盤早々にゲームバランスを崩壊させるやりたい放題ぶりになる。

称号
キャラやアイテムに「新米~」「ベテラン~」などの称号がつき、それによって能力値が変動する。称号師を雇えば付け替えられるようになる。
基本的にはプラスだが「クズ~」「大失敗~」など能力が下がるものもある…のだが、これを利用して自分より高LVの敵が出現するランダムダンジョンにマイナス称号をつけて攻略することで稼ぐテク(通称大失敗ダンジョン)があったりする。
(それらの称号をつけた敵を倒してもほとんど経験値が入らないが、クリアボーナスは通常通りにもらえる。また、落ちているアイテムはダンジョン名の影響を受けず称号がついているので持ち帰れればウマウマ。)

魔導合成
魔導合成師によって二つのアイテムを合成して強化していくシステム。ディスガイア同様、最終的にキャラクター自身のステータス強化よりも武器の強化が主軸となる。
しかしディスガイアよりも更に武器とキャラ自身の能力差が離れておりキャラのレベル9999でも武器の能力の1%分にすらなりません。誤差ってレベルじゃないよママン。







――死んでもきみを追記したい。

たとえ修正になろうとも――

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最終更新:2024年02月16日 19:55