エイリアン(『ALIEN』シリーズ)

登録日:2011/02/20 Sun 08:01:16
更新日:2023/11/08 Wed 23:26:11
所要時間:約 9 分で読めます




エイリアンとは、元々は異邦人や外国人を表す英単語




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であるはずなのだが、1979年に公開された洋画『ALIEN』に登場した地球外生命体の印象が余りに強すぎ、以後世界中でalien=宇宙人or宇宙生物の認識が広まるほどの影響力をもってしまった。
プレデターとは浅からぬ因縁がある。

なお、アメリカでは「Xenomorph(ゼノモーフ)」(英語で変異体の意)で呼称されている。

デザインを担当したのは、スイスの芸術家である故H・R・ギーガー氏。
ちなみに、ギーガー氏は自身のコンセプトアートに度々人間の生殖器官をモチーフとして取り入れ、恐ろしくも官能的な世界観を描いている。
強い「女性」を象徴するリプリーと、それに対する「男性」の象徴がゼノモーフであり、彼らには様々に男性的な意匠が取り入れられ、作品に対し別角度からテーマを持たせている。



【生態】

正体不明の異形の宇宙生命体。呼吸はせず放射線が絶えない宇宙空間や真空でも生存・活動が可能。
エイリアンはエイリアン・クイーンと呼ばれる親玉が産み落とした卵から、「フェイスハガー」と呼ばれる寄生専用の個体が生まれる。
フェイスハガーはまずは寄生することができる生物が来るのを、卵の状態で待ち構える。
そして口から「チェストバスター」と呼ばれる胎児を寄生させ、それが成長してようやくエイリアンの成体となる。
エイリアンは雑食性だが、あくまでもチェストバスターから成体になるまでの間のみ。
カイコガやミノガなどと同じく基本的に成体になると捕食などはしない。(『3』の犬のみ何故か例外的に成体で捕食する)
チェストバスターはひたすら餌を食べ脱皮を繰り返し、ほんの数時間で成体まで急速成長する。

成体は宿主の遺伝子の影響を色濃く受けやすく、人間ベースの場合は知能、獣ベースの場合は俊敏な身体能力を受け継ぐ。
逆に人間ベースの場合はチェストバスター時も胎児のように手が短く、蛇のように蛇行して活動する。
本編劇中では人間以外は犬や牛を宿主にしているが、哺乳類以外でも寄生できるのかは不明。
ちなみに本編外だが、ネカ社から発売されたアクションフィギュアでは、ゴリラサイの他コブラやカマキリから誕生したエイリアンも存在。どうやって幼体植え付けた。

また人間やプレデターなどとは違い、視覚には頼らず嗅覚(生体フェロモン)などで獲物の位置を特定する。
そのためプレデターの光学迷彩も通用せず、正確にその位置を捉えて攻撃可能。よってプレデターも真っ向から戦うしかない。
なおアンドロイドなどの機械は生体フェロモンを発さず、また捕獲したところで寄生・捕食対象にもならないため、基本的には無視する。
ただしアンドロイドの存在自体が目的遂行の障害物となった場合は破壊する。

性質は総じて凶暴かつ冷酷無比で、どのような宿主から生まれようとその行動原理は一切変わらない。
同族以外の生物は例え寄生目的でなくても息をするかのように殺し、目的を遂げるためであれば仲間はおろか自分自身すらも躊躇なく犠牲にする。
下記の生態と相まって到底自然発生した生物とは思えず、第1作において「高度に発達した星間文明が作り出した戦略兵器」であると示唆されていた。
そして最新作「コヴェナント」でそれが(多少違った解釈とはいえ)映像化される事となった。

このように生物兵器としての側面が強いが、「生物」ではあるので睡眠を取ったり、『エイリアン2』では夜に襲ってくるなど周期行動も見られる。
女王を頂点としたヒエラルキーを築いているため、アリやハチのような社会性動物と例えられる事もある。


【成長段階】


◇エッグチェンバー

クイーンが産む卵。よく間違われるがこれは「エイリアンの卵」ではない
エイリアンの卵を確実に対象に寄生させる為のフェイスハガーを生み出す卵である。
普段は石のように固いが、寄生対象が接近すると花弁状の上部が開き、中からフェイスハガーが飛び出す。
持ち運びが可能で、クイーンが産んだ卵をウォーリアーが捕獲した寄生対象の元まで運ぶ。
クイーンがいない場合、他の生物の肉体を卵に変質させる個体もいる。
ちなみにこれ自体はそこまで頑丈ではなく、火炎放射器でも処理する事ができる。
ゲームでは仕様上の問題もあるだろうが、通常兵器で破壊も可能。

◇フェイスハガー

生物にチェストバスターの胎児を寄生させるためだけの中間形態。
一見サソリのような見た目で、背骨と指の骨と骨盤を組み合わせたような形をしている。
名前の由来通り、フェイス(顔)をハグ(抱きつく)する。尻尾は首に巻きつかせて固定する。
表面から酸を放出する事が可能らしく、「1」では宇宙服を着ていた者に寄生する際に
ヘルメットの前面を溶かすほどであり、ノストロモ号にて分析する際に
ヘルメットの顔面側が内部に向かって溶けている。
小型ながら力は相当に強く、劇中では大人の海兵隊員3人がかりでようやく押さえ込んでいたほど。
腹部には人間の女性器のような割れ目があり、そこから更に男性器のような管を伸ばす。
これを宿主の口に差し込み、エイリアンの幼体を送り込んで寄生させると同時に、酸素を供給し宿主を仮死状態で維持する。
幼体を寄生させた後は自然に死んではがれるが、逆に寄生が終わるまでは宿主から絶対に離れない。
『2』では生け捕りにして培養カプセルに閉じ込められた個体もいたが、どうやったのだろう。
勿論この形態でも体液は強酸性であり、外科手術で取り除く事が出来ないという二重に厄介な特性を持つ。
クイーンの卵を寄生させる個体は通常とは形状が異なっており「スーパーフェイスハガー」と呼ばれている。
基本的には近づいた人間にエッグから飛び出してすぐ組み付くが、ア-ケードゲーム「エイリアンvsプレデター」など作品によってはカブトガニのように這いずり回って動く個体もいる。
実はこいつも脱皮するらしく、表皮は多糖たんぱく質で構成されており、脱皮を行う事で極性シリコンに代わる為
いかなる環境下においても活動できるようになるというこいつも地味にすごい環境適応能力を持つ。

◇チェストバスター

宿主の栄養を取り込み体内で成長したエイリアンの幼体。蛇のような形をしているが一応小さな手足がある。
名前の由来通り、宿主のチェスト(胸)をバスター(突き破る)して誕生する。外科手術で摘出する事も可能だが、成功例は一件のみ。
この状態では非力なため、宿主から出た後は直ぐに安全な場所へ逃げようとする。
人間やプレデターから生まれた個体には足はなく、蛇のように這って移動する。
犬(牛)から産まれた個体は誕生後、すぐに四本足で立ち、走ることができる。
ちなみにチェストバスターは寄生した段階で相手の内臓を胎盤に作り替えはじめ、へその緒で繋がって養分を得る。
作品を重ねるごとに潜伏期間が短くなっており、『1』では数日だったが『AVP』シリーズに至っては数時間となっている。
また、フェイスハガー及びチェストバスター形態の外皮は、ハ虫類のような白いタンパク質によって構成されている。
この外皮を脱皮を繰り返す事で黒く硬質化させていく。
ちなみに硬質化前の状態は燃えやすいようで、火炎放射器が非常に有効。

第一作の初登場シーンでは何が起こるのか(ケイン役のジョン・ハート以外の)俳優陣にはあえて詳しく伝えられておらず、
結果としてケインの胸を突き破って誕生する瞬間は、全員演技ではなく素で驚いていたというのは有名な話。


◇成体ゼノモーフ




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脱皮を繰り返し成長し、外殻が黒く硬質化し成熟した個体。
エイリアンVSプレデター(AVP)』の設定では身長2mで体重160kgとされる。
寄生した宿主や環境により様々な種類が生まれる。詳しくは後述の【種類】を参照。

【主な攻撃手段】


  • インナーマウス
エイリアンの代表的な攻撃手段。口の中に更に伸縮可能な口がある。
人間で例えると「舌」なのだがエイリアンのそれはとにかく堅く、普通の鉄くらいなら容易に貫く。
当然こんなものを人体が喰らえば悲惨の一言。プレデターのヘルメットさえも貫通し殺害している。

  • 鋭利な尻尾
尻尾はのように尖っており、これで獲物を刺し貫くこともできる。
尾の力だけで、体重200kgはあるプレデターを持ち上げるほどの力も備わっている。
武器として非常に優れているため、プレデターの中にはエイリアンの尾を加工し、槍やにして使う者もいる。

両手の指の爪も接近戦では凶悪な武器で、人体は勿論の事プレデターのマスクにも傷を付ける切れ味を持つ。
また握力も相当に強く、垂直の壁や天井を当たり前のようによじ登って移動する。

  • 強酸性の体液
体液は強酸性であり、鋼鉄ですら瞬時に溶かしてしまう。その為うかつに攻撃すると返り討ちに遭う。
4作目ではこの体液を利用して仲間を殺して檻を脱出したり、酸性を抑えた体液を口から吐くことで人間の皮膚を爛らせた。
当然エイリアンの外殻には効かないので、プレデターは外殻を加工した武装を作る場合も有る。

これらの他、赤外線に写らないという特徴がある。
そのため『2』では赤外線ゴーグルを付けても何も見えないために海兵隊員達がパニックに陥るシーンが存在する。
また外殻の強度は銃で貫通できる程度ではあるが、強酸性の液体や火炎放射、液体窒素などに耐性がある。

『2』において海兵隊に対してリプリーが「最初の奴は(1のビッグチャップ)は火を怖がっていた。」と
吹き替え版では語っていたが、劇場公開版においてはビッグチャップに対して直接火炎放射器を使用する場面が無く
アッシュが「生物なら火を怖がる」と対策会議で述べていただけである。
※さらに言うと終盤でリプリーがビッグチャップを処理する場面でシャトルのロケット噴射に
数秒間とは言えど耐えており、しかも死んだ描写がない為、とんでもない耐性の持ち主である。



【種類】

◇ビッグチャップ

エイリアン』に登場した恐怖の象徴。名前の由来は「大きな頭」。
ノストロモ号の乗員ケインから誕生し、暗闇に紛れて人間たちを一人ずつ殺害していった。
クイーンのいない環境下なため、DC版では殺害、捕獲した人間を繭や新たな卵に変えていた。
人間から誕生した名残か、頭部のフード状の部分の中には眼窩のような物がある。

スーツアクターは208センチもの長身を誇るボラジ・バデジョ。彼の太極拳とパントマイムの技術が劇中のゆったりとした動作に活かされている。
実は管状の器官は日本の灯油入れポンプの蛇腹部分を流用したもので、当時のアップのスチールなどをよく見るとメーカーの刻印が見えたりする。
また唇はコンドーム製(もっともゴジラ怪獣のビオランテも口の左右部分がコンドーム製だった)
それに日本の怪獣の一部はトゲ部分をゴムホースを切って詰めたものを使ってたりする。
洋の東西問わず予算節約のために特撮の造形班は日夜腐心しているのである。

ちなみに頭部のフードの奥にある髑髏本物。リドリー・スコット自らの手で埋め込んだそうな。

◇エイリアン・ウォーリアー

エイリアン2』に登場したエイリアン。いわば働きアリ。
前作と違い今作はアクションシーンが多いため、破損を防ぐために頭部のフード状の部分がない。
クイーンの命令に忠実に従って行動しており、命令順守の為なら命も厭わない。
ウォーリアーの使命はクイーンの護衛とフェイスハガーの寄生対象の捕獲である。
ある程度の知能はあり、封鎖されて通れなければ別ルートを探したり、電力を断てば人間は無力になることを知っている。
コロニー内の住人を全員(ニュート以外)捕獲した後は、空気製造工場の核融合炉内部で休眠していた。
なお小説版ではこの事について「人間が容易に手出しできない*1場所として目を付けていたのではないか」とビショップが考察している。
作り出した巣の壁と同化することが可能で、宇宙海兵隊との戦闘では壁と一体化していたことで気づかれずに奇襲することができた。
劇中では軍隊蟻のように大量に登場したが、今作では人間側も重装備なため簡単にやられるシーンが多い。
ちなみに小説版ではこれとは別に、卵を運ぶ作業にのみ没頭する小型のエイリアンも登場。

劇中では100体を超える大群であるが、実際の撮影で制作されたスーツは五着ほど。
それをカメラワークやモーションセンサーの演出を駆使して大群として描写している。

◇エイリアン・クイーン

エイリアン2』『エイリアン4』『エイリアンVSプレデター(AVP)』に登場。
エイリアン社会の頂点に位置する女王。通常のエイリアンに比べて二回り以上巨大。
普段は卵管と繋がっており身動きが取れないが、卵管を外し生殖を諦めることで自由に行動することも可能。
巨大なだけあってパワーはウォーリアーの比ではなく、大型重機ともタメを張れるほど。
また知能も優れており、卵を破壊しないことを条件にウォーリアーたちを下がらせてリプリーとニュートを見逃そうとしたこともあった。
4作目ではリプリーの遺伝子の影響で子宮を手に入れ、宿主に寄生させることなく成体を産み出せるようになった。
AVPでは南極のピラミッド内で拘束されて儀式のために強制的に卵を産まされ&ていた。
映画内で直接描写された事は無いが、既存のクイーンが死ぬと群れの中で最も強いウォーリアーが「プレトリアン」という中間形態を経て次のクイーンに成長するらしい。

実はシリーズを通して一度も人間を殺害したことはない。(『2』ではリプリー達を殺そうとはしていたが)

2作目では巨大なパペットをクレーンと水圧ポンプを駆使して動かしており、総勢16人のスタッフによる操演で撮影された。

ネカ社から発売されたアクションフィギュアでは翼の生えた「フライングエイリアン・クイーン」も登場した。

◇ドッグ・エイリアン

エイリアン3』に登場した初の人型ではないエイリアン。
から誕生したエイリアンで、四足歩行で人間ベースのエイリアンとは身体能力が比べものにならないほど高く、天井を走り回ることもできる。
機動力が非常に優れているだけでなく生命力も異常に高い。このエイリアンのみ、明確に人間を捕食しているシーンがある。
完全版では牛から誕生しており、名前も「バンビ・エイリアン」となっている。
その他にもエイリアンは眼球がないはずだが、このエイリアンに限り何故か視界が存在する。

流石に四足歩行をスーツアクターが演じるのは無理があったからか、パペットとストップモーションの組み合わせで撮影している。
また本物の犬に着ぐるみを着せて演じさせるという試みもあった。

◇ニュー・ウォーリアー

エイリアン4』に登場した別名アクア・エイリアン。
今作では明確に泳ぐシーンがあるため尻尾などにヒレがある。人間から誕生しているはずだが両足は獣脚になっている。
このため公開時、日本での映画の宣伝では「今度のエイリアンは泳ぐ!」と言われていた。
だがエイリアンは元からどんな環境にも適応できるため、実は4作目以前の個体も泳ぐことはできる。
また他のタイプより知能が優れており、冷却ガスの出る仕組みを理解したり仲間を殺すことで檻から脱獄している。
意図的に人間たちの脱出経路を水没させて泳がせ、水路の出口付近に大量の卵を配置するなど人間の裏をかく行動をする。
さらに小説版ではなんと人間の言葉を理解しているフシがある。

◇ニューボーン

エイリアン4』でリプリーの遺伝子を受け継いだクイーンの子宮から誕生した新種のエイリアン。
今までのエイリアンのデザインとは全く異なる。
かなりの長躯ではあるが、軟質の皮膚にドクロのような顔で目の部分には瞳があり、実に表情豊か。インナーマウスの代わりに人間のような舌があり、血液は赤色。
乳房が薄く垂れ下がり、劇中では確認しづらいが腹部は餓鬼のように膨らみ、女性器が裂けたように巨大な割れ目がへそ辺りまで伸びている。
これまでの昆虫的、かつ男性的なデザインの各種エイリアンとは一線を画す造形である。
だが同時に生理的に強い不快感をあたえるデザインなため、ファンのみならず製作スタッフからも評判が悪い。
産みの親であるクイーンを母親と認識せず惨殺、遺伝子上では祖母にあたるリプリーを母親と認識しており、リプリーに対する眼差しは母親に甘える子供の様でもある。
ただし他の人間を見つけると今までのエイリアン同様、殺意を向き出しにして問答無用で襲い掛かる。
良くも悪くも人間味を感じさせる風貌と行動、そして悲惨な境遇が印象的であるため「可愛い」「かわいそう」といった意見もしばしば上がる。
リプリー自身も人間を襲い掛かる事を止められないニューボーンに「あなたは悪くない」と涙し謝罪しながら最期に立ち会った。

◇バトル・エイリアン

エイリアンVSプレデター(AVP)』に登場したエイリアン。
プレデターによって品種改良されており、その名の通り通常のエイリアンよりも戦闘に特化している。
また、群れのリーダー格としてさらに強い個体がおり、プレデターを2体倒した。
リーダー格のエイリアンはプレデターとの戦闘で頭部と肩を網目状に傷つけられたため、『グリッド・エイリアン』と呼ばれている*2
因みにグリッド・エイリアンだけは他のバトル・エイリアンと出生が異なるらしい。

なお、この映画のために凄まじい量のローションを輸送しなければならなくなり、税関でスタッフはポルノ業者と間違われたとか。

◇グリッド・エイリアン

上記のバトル・エイリアンのリーダー格で、現代で最初に誕生した個体。ノベライズ版では「アルファ・エイリアン」とも。
ケルティック・プレデターのブレードネットで頭部と肩に網目状の傷をつけられたため、他のエイリアンとの区別のためにこう呼ばれている。
戦闘に特化したバトル・エイリアンの中でも飛び抜けた戦闘力を誇り、画面に映るなり背後からの不意打ちでチョッパー・プレデターを葬り、直後にケルティック・プレデターとの一騎打ちに突入、激しい格闘の末にこれも倒している。
幾ら2体が経験の浅い未成年だったとはいえ、人間がまともに戦っても敵わないプレデターを立て続けに2体倒した実力は驚異的であり、映画作品に登場した全エイリアン(プレデリアンを除く)の中でも最強と思われる。

◇ヌーヴェル・ウォーリアー

AVP2 エイリアンズVS.プレデター』に登場したエイリアン*3
プレデリアンによって特定の人間から産まれたエイリアン。動けないクイーンのために宿主となる生物を捕獲する。
しかし後に独自の生殖方法を身につけたことにより、クイーンに従わなくなり純粋に殺戮のみを行うようになった。
殺害した死体を何度もいたぶるなど非常に残虐。
名称はノベライズ版からで、ヌーヴェル(nouvelle)とはフランス語で「新しい」の意であるが、作中でそれが示された事はない。

◇プレデリアン

AVP』、『AVP2』に登場したプレデターに寄生した場合のエイリアン。コミックで出した一枚画が初出。
だがFOXがアンオフィシャルと締め出したのか、映画誌側のリサーチが甘いのか、映画でオリジナルに創作・初登場したかの様に記述されているケースが多い。
無論コミックやゲーム作品の方が先に出しており、映画の方はどちらかと言えば最後発。
AVPに登場したスカープレデターから誕生したエイリアンであり、ドレッドヘアーや外顎などプレデターの遺伝子情報を色濃く受け継いでいる。
プレデターが装備しているマスクのエイリアン用センサーモードには反応しないため、通常のエイリアンと同時に視認することは困難である。
クイーンのいない環境下で繁殖するために独自の生殖方法を身につけているとなっている。
だがこれは既出のプレデリアンと同じにすると版権問題が発生するため、エイリアンクイーン型のプレデリアンにするようFOX側から要請があった可能性が高い。

◇アイソレーション・ゼノモーフ

サバイバルホラーゲーム『Alien: Isolation』に登場した個体。
外見は上記のビッグチャップに準じるが、脚だけはニュー・ウォーリアーのような獣型をしており、これによって素早く走る事が可能。
『1』の15年後にセヴァストポリ宇宙ステーション内で誕生し、ステーションの住民や職員を殺戮・捕獲し、エッグチャンバーに作り替えながら仲間を増やしていた。
エレン・リプリーの娘アマンダと対峙するが、「完全生物」として描写されている劇中ではどうあっても殺す事が出来ない*4
しかもクイーンが居なければ単体でも増殖可能という設定を活かしてしまい終盤では複数体が同時に出現する。

またステーション内では、アッシュやサミュエルズより低性能な作業用アンドロイド「ワーキング・ジョー」も多数徘徊している。
上記の通りアンドロイドは捕食対象にならず、またワーキング・ジョーもエイリアンを邪魔しない*5ため遭遇しても互いに無視する。
どちらもアマンダにとって敵なので、プレイヤーからすれば大変理不尽な話である。
続編的位置合いの『Alien:Blackout』にも登場している。

ちなみにシナリオの裏設定によると、本個体とは別にクイーンもステーションに居た模様。
アマンダが遭遇せずに終わったのは本当に幸運だったのだ。

◇実験体6号(Specimen NO.6)

日本未発売のFPS『Alien vs Predator3』に登場した個体であり、エイリアン編シナリオの主人公。
ユタニ社の実験施設で誕生したエイリアン・ウォーリアーの一体で、頭に「6」の焼き印が刻まれているのが特徴。
チェストバスターだった頃から宿主の亡骸に隠れて科学者たちを攪乱し、成長後は人間の言語を理解し、さらに意図的に端末を破壊して仲間の脱出を手助けするなど驚異的な知能の高さを有する。というかプレイヤーが操作してる時点で既にチート。
施設からの脱出の中で海兵隊や戦闘アンドロイド、さらにはプレデターとも交戦し勝利。
数々の戦いを潜り抜け、巣を爆破されながらも生き延びた6号が新たなクイーンとなるところで物語の幕が下りる。

◇プロトモーフ

エイリアン:コヴェナント』に登場したエイリアンのプロトタイプ。
エイリアンエッグ→フェイスハガー→チェストバスター→成体ゼノモーフというエイリアンの一連の生態を実現した初めての種族。
いわば第一世代エイリアンであり、『初代』に登場したエイリアンのひな型でもある。
生まれた直後(チェストバスター)は成体ネオモーフとそっくりだが、成長すると艶のある黒い甲殻を持つ『エイリアン』になる。
創造主であるデヴィッド曰く「人類に代わる『完璧な生命体』の創造を研究して完成した」という。
ただしチェストバスターがほぼ成体と同じ、ネオモーフのように捕食するなど、ネオモーフに由来する要素も強い。
成長速度もネオモーフ同様早く、フェイスハガーが寄生体を植え付けてほとんど時間を待たずに誕生する。
ちなみに宿主を昏睡させないでも寄生体を植え付ける事が出来る。




【亜種】

◇トリロバイト

プロメテウス』に登場したエイリアン…というかフェイスハガーの亜種。
エンジニアことスペースジョッキーの保管していた黒い液体を摂取した人間の性交で誕生した新生物。
子供を作れないはずのエリザベスの胎内で急速に成長し、数時間で妊娠三ヵ月の状態、わずか1日で臨月にまで達した。
巨大なイカのようでもあり寄生獣にも似ている。怪力と巨躯を誇るエンジニアを一方的に蹂躙できるなど、非常に強い。
エイリアンのフェイスハガーと違い、寄生主を絞め殺してから卵を植え付けている。
また開腹手術で除去していなければ突き破って出てきていたはずなので、チェストバスターでもある…となんとも解釈がややこしい存在。

◇ディーコン

プロメテウス』に登場したエイリアンの亜種。
上記のトリロバイトがエンジニアに卵を産み付け、エンジニアの遺体をチェストバスタって誕生した。
従来のエイリアンとは異なり、魚類のような歯と舌を持ち、有機的な特徴がある。また尻尾もない。
劇中のものは段階としてはチェストバスターにあたるはずだが、見た目は成体ゼノモーフ。
更にエンジニアと比較しても非常に大型で、ここから更に成体ゼノモーフ化するとなると5~6mの巨躯になりかねないが、劇中では産声を上げただけで終わった。

◇ネオモーフ

エイリアン:コヴェナント』に登場したエイリアンの亜種。膜に包まれた頭部と尖った後頭部、真っ白な体が特徴。
アンドロイドのデヴィッドが上述のエンジニアや様々な生物、人間の細胞などを使って実験を繰り返し生み出した。
エイリアンと違いフェイスハガーやエイリアンエッグではなく、エッグサックから出る黒い胞子に感染させる事で宿主の体内に寄生体を作り出す。
成長速度が異常に早く、耳から黒い粒子がほんのちょっと侵入して一時間もしないうちに成体型バスター*6が身体を突き破って出てくる。
しかもこのバスターは生まれた直後から好戦的かつ戦闘能力が高く、エイリアンのものと違って率先して人間を殺傷・捕食する。
「完全生物」としてはエイリアンよりも優れているように見えるが、デヴィッドはより完全なものを目指していた*7
なんでまだ第一世代の「○○モーフ」がいないのに『NeoMorph(新異形態)』なんだとか言ってはいけない
ちなみに個体としてはエイリアンよりもやや小型であり、戦闘力自体も不意打ち特化に近い。





と、その特性からも分かる様に他生物にとってかなり危険な存在であり、退治するのに手間がかかるなどかなり厄介な存在。
しかし逆に言えば寄生できない相手、例えばロボットであったり、『物体X』のような気体や液体といった生命体の場合*8、寄生することができない。
戦闘能力はそれなりに高いがエイリアンのみでは数を増やせない為、退治は難しくないだろう。機械生命体とも相性が悪い。
戦闘力の多くの部分は狡猾さと奇襲によって補われている部分が大きく、正面切ったタイマンでは少なくとも訓練された完全武装の兵士なら十分相手取れる程度である。
また、ゲームによってはエイリアンを操作するものもあり、彼らがどれだけ苦労して寄生できる生物を捜し回り襲ったり、殺したりしているのかが分かる。
映画などでは恐ろしいモンスターというイメージのエイリアンだが、彼らも彼らで種の繁栄に必死な一生物でもあるのだ。




アニヲタの集いでは、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」


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最終更新:2023年11月08日 23:26

*1 核融合炉を銃弾などで傷つければ大爆発の可能性があるため。

*2 小説ではアルファ・エイリアンと呼ばれている

*3 プレデターの宇宙船のフェイスハガーによって誕生した個体もこの名前で呼ぶが、基本的にはプレデリアンによるものを指す

*4 これはゲームとして殺害する方法が存在しない為で、拳銃は勿論、散弾銃やボルトガン等の強力な銃でもダメージを与えられないばかりか怯みすらしない。

*5 ステーションの制御AI「アポロ」から「エイリアンを保護しろ」と命令を受けているため

*6 エイリアンで言うチェストバスターにあたるが、胸ではなく感染箇所付近を突き破ってくるため、設定上は背中を突き破った個体が「バックバスター」、口から飛び出した個体は「マウスバスター」と呼ばれている。

*7 理由は不明だが、デヴィッドとしては「産まれる」という過程が重要だったのかもしれない。またネオモーフは捕食が必要な為、それを必要としないエイリアンこそが目指したものだったのだろうか。

*8 エイリアンがいる世界の宇宙にその様な生命体がいるかは不明ではあるが、もし、そういう生命体がいる惑星でエイリアンが現れてもあっさりと退治されたかなにもできないまま過ごしてるかの二択であろう。