先天の精

登録日:2010/12/25(土) 01:08:19
更新日:2022/02/22 Tue 16:32:42
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先天の精とは、古典的な中国医学の用語で両親から受け継いだ精のこと。
静とはつまり命の源のことであり、発育、生殖に関わる。
生殖にかかわっていることは確かだがイコールで精子=ザーメンと結びつくわけではない。
どちらかというと「気」「血」「津液」といった中国医学の身体原理の構成物に変化するようなエネルギーと言える。

これは五臓六腑の一つである腎にしまわれている。よって、腎精・精気・腎気・腎陰・真陰などの呼び方もある
この場合の腎とは医学的な腎臓そのもののことではなく、内分泌系、泌尿・生殖器系、免疫系、中枢神経系などの臓器系統のことを指している。
また、五臓六腑はそれぞれに司っているものがあり、腎は水分、骨、髪、脳髄、耳、膀胱、生殖器など様々に司る。

腎に蓄えられている精は全身の液体的エネルギーと代わり、また精を燃料とする腎の熱(これは腎陽という)は全身を活性化させていく。
つまり水属性であり、同時に火属性でもあるわけだ。

生殖器を司ることからわかるように、いわゆるは腎精が発端となって起こる。
この時変化するエネルギーは「天癸」と呼ばれている。
男子は8の倍数の年齢。女子は7の倍数の年齢でそれが起こる。
8歳・7歳の時に永久歯はほぼ消え、16・14歳の時には精通・初潮が始まる
その後壮年の32・28歳の時に全盛期を迎え、40・35歳や48・42歳の時には衰えが見えだしていくという。
結構年代分けが雑な気がするが、まーその辺は個人差ということで……


後天の精(飲食物や大気のエネルギーから得られるもの)により補充され続け、生きている間は尽きることはない。
なお後天の精の基本的な役割は脾(これもいわゆる脾臓のことではない(に栄養として蓄えられるもので、先天の精と合流するのは一部に過ぎない。

因みにこれが尽きると死ぬ。
いわゆる腎虚とかいう状況である。よく言われるような、セックスのしすぎだけが原因というわけではない。

必ずしも老けた結果とは限らず、両親から適切な先天の精が受け継がれなかった場合は幼児であっても
起立・歩行・言葉・発毛・歯が生えることが遅れる「五遅」
頭・筋肉・手足・首の座り・口の閉じ具合がフニャフニャになる「五軟」
の障害を見せることになる。


要は我々は体内の命のストックを消費し続けて生きているが、飲み食いによりそのストックを補充していっているということ。
飲み食いだけで足りない場合は補腎剤と呼ばれる漢方薬によって補うことになるが、陽気を与える腎陽機能の補助をするものである。
食べ物は大豆や各穀物が後天の精にしやすい。つまり、東洋的な基本食でよい。

腎にある精を自家発電などで使い過ぎ、精の補充が間に合わないと

  • 体がむくんだり
  • 尿の出が変になったり
  • 骨が脆くなったり
  • 禿げたりする

よく言われる「オナニーしすぎると禿げる?」
の説明になっている気がしないでもない。



まあ結局のところ「みんな、全力でハムッ ハフハフ、 ハフッ!!しようぜ!!」ちゅうことに回帰するのである。


当然ながら現代医学においては、現状全く当てはまらない説である。



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最終更新:2022年02月22日 16:32