スタイルチェンジ(ロックマンエグゼ)

登録日:2009/12/17 Thu 12:31:53
更新日:2023/06/26 Mon 19:47:59
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ロックマンエグゼシリーズ』に登場する変身システム。
ゲームでは『2』で初登場し、『3』でも続投したが、『4』以降は新システム「ソウルユニゾン」等と交代する形で退場。
しかし、『4』以降の作品にもそのノウハウは引き継がれている。

『2』でアジーナエリアの国宝であるプログラム「チェンジ.bat」をロックマンに組み込んだことにより発現した。
シナリオとしてはシャドーマンとの戦闘前辺り。

プレイヤーの戦い方の癖によってスタイルが変化し、さらに属性が一つ付与される。
スタイル名は「(属性)+(スタイル)」となる。
例:ヒートガッツ、アクアカスタム
尚、付与される属性は長年完全ランダムだと思われていたが、近年RTA勢の検証によってタイトル画面で「はじめから」を押した時点のタイミングで決定される事が判明している。なので、熟練者なら完全に狙い通りのスタイルを発現させられるとの事。

スタイルにはレベルがあり、戦いを重ねるとレベルアップしていく。
2ではチャージショットの威力が上昇し、3ではそのスタイルにあったナビカスタマイザー(以下ナビカス)のプログラムが生成される。

ゲームでは一度発現すると、スタイルを限界まで強化するか「他のスタイルを見てみたい」と選択してから新たに100回戦うまで違うスタイルにチェンジすることはできないが、
アニメでは一時的な変化となり、様々なスタイルが登場している他、性能もゲームよりも強くなっているものがあるとオリジナル要素が強くなっている。
そんなアニメでは2作目「AXESS」の第2話にて悲しいことになる。

スタイル一覧

ガッツスタイル

バスターに特化したスタイル。バスターを多用する・攻撃を生身で受けると発現。
ロックマンの右腕がガッツマンのように大きくなるのが特徴。

このスタイルの特徴は二つ存在し、チェンジすると、
  • バスターの威力が2倍、連射力が最低に
  • 敵の攻撃でのけぞらなくなる(スーパーアーマー装備)
となる。

3ではのけぞり効果のあるバスターの連射「ガッツマシンガン」を習得した。ウイルスとラスボスには全弾ヒットする他、ボスナビでも相手がのけぞるので大ダメージを狙える。特にミストマンはガッツマシンガンで完封できる。
またこれに伴いラピッド値のマイナスも無くなった。
しかし、スーパーアーマーの付加がナビカスのプログラムになり、やや弱体化。
…が、これはスタイル単体で考えた場合であり、逆を返せば他のスタイルでも使えるようになったというわけである。

3でのレベルアップで得られるナビカスプログラムは、
「スーパーアーマー」…のけぞりを無効化*1
「ブレイクバスター」…バスターにブレイク効果が付加
「ブレイクチャージ」…チャージショットにブレイク効果が付加
の三つ。
(※ブレイク……防御を貫通してダメージ、置物破壊効果)

スーパーアーマーはバスティングレベルを高めるため、他のスタイルチェンジでもお世話になった方は多いのでは?
「ガッツ」の名を冠してはいるが、力押しだけではないのだ。
また、ブレイクチャージよりブレイクバスターの方が性質上扱いやすいのもあってか、
ブレイクバスターの方がエキストラコードのバグも、プログラムの大きさも上だったりする。
更に、改造コードのチュートリアルみたいな形でオレンジ色のブレイクチャージがもらえるイベントがあったりする。

ガッツスタイルは下手な人がなるものという記述が公式媒体にあったことや、『3』のナビカスのプログラムが赤でBLACK版のシャドースタイルが登場するまではプログラムの色を共有できなかったこと、
カスタム・シールドの青組がやたら強くこれらにまるで優位を取れないこと、入手できるプログラムすべてがサイトバッチ1つまかなえてしまうことなどから、当時は弱いスタイルとして扱われていた。
しかしここ数年の縛りプレイやRTAといった文化の隆盛により評価は大きく上昇した。
縛りプレイではラピッド1でも前後に移動することでロックバスター後の硬直を消して疑似的に連射するテクニックや、『3』のミストマンやヤマトマンをガッツマシンガンで完封するなどの「自分の周囲ではこんな運用を思いつく人がいなかった」というものを動画として見ることができ、
RTAではこの威力2倍のロックバスターがメインのダメージソースになることもある*2など、評価がだいぶ上がっている。

ちなみに、上記の「下手な人がなりやすい」というのは半分間違いで、より正確には「下手なプレイをしない限りなれない」と言った方が正しい。
威力の出しやすいチップの連続使用やナビよりも威力の低いバスターを、敵の攻撃を食らいつつ多く使う、という意図的にバスティングレベルを下げるような戦いをしなければ発現しないのだ。
なので、普通にやっていると「ダメージを食らわないように立ち回ること」を条件とするシールドスタイルの方が発現しやすい。

アニメではヒートガッツスタイルで発現。
バスターやパンチの威力が向上した他、並の防御なら薙ぎ払える強力な火炎放射を放てる。


カスタムスタイル

チップの複数使用に特化したスタイル。
ADDやチップの複数選択を多く行うと発現。ロックマンのバックパックが肥大化して腕や足に宝石のようなもの(公式イラストでは排気口のような形状になっている)が装備される。

特徴はいたってシンプルで、「バトルチップ選択画面でのオープン枚数が増える」(『2』だと5→7枚に、『3』では1枚増加)というもの。
初手が1枚増えていることがどれだけ重要かは言うまでもないだろう。
通常はADDコマンドにより、戦闘時にチップを捨ててオープン枚数を増やしていたが、カスタムスタイルは最初からある程度増えた状態で戦える。
そのためコンボ攻撃、特に『プログラムアドバンス』を主体とする戦略に適したスタイル。

『3』では特定のウィルスをバスティングレベルSかつ、スタンダードチップのみかつ暗転チップ無しで倒すと
通常手に入らないチップ3種類が入手可能に加え、(ちなみにバスターを使うのも禁止)
ただし、暗転チップであってもダメージ算出の段階で暗転していない場合は有効。具体的にはカウントボムやマグナムなど。特にマグナムはSランクが狙いづらいモモグラン系にも有効なため、ユカシタモグラ1,2の*を入手できる*3
さらにほかのスタイルで戦っても入手不可能なチップコードのチップが入手可能で、対戦の幅が大きく広がる。
特にこの方法限定でしか入手できないものもあり、しかも通常版とブラックで手に入るコードが相違しているので
やり込みの上では避けて通れないスタイルでもある。といっても弱い部分がまったくないのでまったくストレスにならないのが嬉しいところ。

得られるナビカスプログラムは、
「カスタム+1」…オープン枚数を1枚増やす(2個手に入り、それぞれ色が異なる。また2個目の色は他のスタイルでも使用できる黄色)
「カスタム+2」…オープン枚数を2枚増やす
のふたつ。

3ではカスタム11枚バグというものがあり、カスタムスタイルやナビカスによって最初から11枚オープンできるようにしておくと11枚目のチップが何度使っても消費されない。
この11枚目のチップは「フォルダの上から2番目のチップ」で固定される。ギガクラスチップあたりを選べるようにしておくとかなりずるい。当然だが通信対戦では禁止されている。

アニメではアクアカスタムで発現。
転送されたチップを自動的にPAに必要な数まで増殖させて発動させる最強のスタイルであり、
最終回のドリームウイルス戦ではアクアカスタムによるメガデスバーストがトドメとなっている。
ちなみに、スタイルチェンジは上述したように「AXESS」2話にてクロスフュージョン成功による弊害で使用不可能になったため、
このアクアカスタムがアニメで最後に登場したスタイルとなる。

実はエグゼ2のCMでカスタムスタイルだけ登場してなかったりする。
おそらくは公式イラストのアクアカスタムがノーマルスタイルとどこが変わったのかわかりにくいこと。ガッツスタイルのパワー、シールドスタイルの盾、ブラザースタイルのナビの力と比べると、手数が多いを短いCMで再現することが難しかったのが原因と思われる。

ブラザースタイル

ナビチップ使用に特化したスタイル。
ナビチップを多用すると発現。チェンジするとロックマンのヘルメット形状が大きく変わる他、手甲部分も少し変化する。
デフォルトで5枚しか入れられないナビチップを引き当てるためにADDやフルカスタム、*チップを多用するとカスタムスタイルが発現しやすくなるため、ガッツスタイルに次いで発現しにくい。

その特徴は「フォルダに入れられるナビチップの枚数が5枚から8枚に増加する」というもの。同名のナビチップが複数枚入れられるので対戦環境は世紀末なんてもんじゃない。

実は2のブラザースタイルには目立たないがバグがある。ブラザースタイルで編集したナビチップ6枚以上のフォルダは、スタイルを変更すると「装備フォルダが不適正になるので別のフォルダを装備する」という処理が働く。
当時はまだ予備フォルダというものがなかったため、すべてのフォルダを不適正にするとフォルダ3が強制的に装備されて「カスタムスタイルやガッツスタイルでナビチップが8枚使える」ようになるのである。
ブラザースタイル涙目といいたいところだが、ブラザースタイルがなければそもそも使うことすらできないバグなのでそういう意味では独自性が強い。サイトスタイルに関しては他のスタイルも全部涙目だしね。
それに加えて、この処理に関してはもう一つバグがある。5枚しかナビチップを積めないスタイルで同名のナビチップを5枚積んでいる状態にフォルダを設定した後、
ナビチップを8枚使えるブラザー・サイトスタイルに変更して、残り三枚の枠に先述の同名ナビチップを入れると同名5枚の枚数制限が無視可能。
フォルテV3やブルースV3を8枚積めるのはただただ暴力でしかない。


『3』では新しくチップにクラスの概念が追加され、ナビチップはフォルダに最大5枚まで入れられる「メガクラス」に分類されたため、
ブラザースタイルの効果も「フォルダに入れられるメガクラスチップの最大枚数が1枚増加」に変更された。

更に『3』では、V3ナビをバスティングレベルSかつ20秒以内に倒すと、V3よりさらに強力なV4のチップを入手できるようになった。
『3』ではメガクラスのコンプリートがやり込み上必須の為、カスタム共々やりこむ場合は決して避けて通れない道である。
カスタムスタイル限定チップや他のV4ナビチップはバグピーストレーダーからでも入手できるが、ミストマン・ボウルマンのV4はブラザースタイルでしか入手できない。
そのため完クリには必須で、お気に入りのスタイルと泣く泣くお別れすることになる。


得られるプログラムは、
「メガフォルダ+1」…フォルダに入れられるメガクラスチップの枚数を1枚増やす(2個手に入り、それぞれ色が異なる。また2個目の色は他のスタイルでも使用できるピンク色。)
「メガフォルダ+2」…フォルダに入れられるメガクラスチップの枚数を2枚増やす
の二つ。
ちなみにメガフォルダ1は圧縮せずに使った方が強い。
プログラムの色は緑であり、グランドスタイルと共有になる。うまく使えば「セットアイス+フラッシュマンシリーズ」「セットホーリー+ドリームオーラ」などが狙えるのだが、
ぶっちゃけ同名メガクラスチップが入れられないので戦術が一本化しづらく、「初手を増やせてリフレクトも使える」青組に対して利点がほとんどなかった。

『2』では同名のナビチップを複数枚入れることができるため対戦の安定化に大きく寄与する。
先述の5枚制限すら無視できるバグの存在によって、トードマンV3やプラネットマンV3、フォルテV3や各種ゴスペルが8枚入ったり、
SSSライセンス試験のお供のブルースV3を8枚入れて通称「替え玉受検」をやれたり、
ダークメシアの素材が4枚ずつ入ったり、ゲートマジックやボディガード、ビッグハートの素材を5+5+8体制にできたりとやりたい放題。
と言ってもこの性質が参照されるのはだいたいサイトスタイルであり、ブラザースタイルとして使われることは皆無。
先述の替え玉受検はこのスタイルで行われるが。

『3』では強力な性能のチップの比率を増やせるという意味では嬉しいスタイルなのだが、
システム上同名のメガクラスチップが入れられないためチップコードをバラけさせるか、コードを強引に統一するために格下のナビチップも投入するしかない。2で使えたバグもスタイルが1つしか保管できなくなったことに加えて予備フォルダの実装によって使えなくなった。
つまり強みがほとんどない。「マスタースタイル」の素材と「フルカスタム」を入れてもまだ1枚メガクラスチップの枠があることくらいだろうか。
一応コードPで戦うならプラントマンV1~V4に加えフルカスタム、そしてコードが繋がるP.A「アクレツザン」の素材にもなるパラディンソードの枠などにはなる。
また、エキストラコードでメガフォルダ+5*4が存在するため、どうしても数を入れたい場合はそちらを使うという手もある。ちなみに、それと併用しても最大で10枚までである。

公式イラストがただ立っているようにしか見えないことや、戦闘ではなくフォルダ構築に影響を及ぼすスタイルということからやたら地味であり、
好きなスタイル談議ではまず名前が挙がらない、名前を「ナビスタイル」のように間違えて覚えられる、各メディアによってその性能が違いすぎるなど扱いは悪い。

ゲーム以外の媒体ではナビチップが登場しないことが多いため、能力の表現も独特なものになっている。

アニメではエレキブラザーで発現。
能力は、エクステンションチップと呼ばれるケーブル付きのバトルチップでPET同士を接続し、他のナビの能力を一時的に使える、というもの。
あさだみほ版コミカライズではナビマークを模したワープホールを発生させ、味方の攻撃や体の一部を転送して借り受ける、もしくは貸し与えるという描写がなされた。


シールドスタイル

ディフェンスに特化したスタイル。
防御系や回復系のチップを多用したり、敵の攻撃を避ける比率が高いと発現。
チェンジすると「シールド」の名前の通りロックマンの右腕に盾が装備される他、フェイスガードが厚くなり、左肩にもアーマーのようなものが装備される。

このスタイルの特徴は、「戦闘開始時にバリアが付加」(ファーストバリア)と、「B+←コマンドでシールド発生」の二つ。
シールドは殆どの攻撃を防げるものの、ブレイク効果を持つものは貫通してしまうので注意が必要。
ガードした攻撃のダメージを反射するリフレクトも同様の特性を持つ。

『2』では何故かスタイルチェンジに関わる内部データにおける優先度がやたら高く設定されているので、普通にプレイしていると発現しやすい。
『3』ではシールドの発生はナビカスプログラムに移ったため、シールドスタイルにチェンジする旨味が薄れたが、
タイミングよくガードすることでHPが10%回復する効果が追加されたため、チェンジするメリット自体はある。
極めるとナビチップのような暗転するチップの攻撃も防げるかもしれない……。
というか、3ではファーストバリアのプログラムやエキストラコードは存在しないのでそういう意味でも貴重。

得られるプログラムは、
「ブロック」…B+←コマンドによる防御が可能、ダメージを半減(ブレイク攻撃も半減)
「シールド」…B+←コマンドで攻撃を無効化するシールドを張る
「リフレクト」…攻撃を100ダメージで反射する。当たった相手はのけぞり、無敵状態にはならない

ブロックは傍から見るとシールドやリフレクトの下位互換に見えるが、「ブレイク攻撃も半減可能」という独自の強みがある。
なお、『3』ではスタイルチェンジすると、ナビカスタマイザーで使用できるプログラムの色が、
基本の三色(白、黄、ピンク)+スタイル毎に異なる一色となるのだが、シールドスタイルの使用可能色はカスタムと同じ青。
そのため、プログラムの組み合わせ次第ではチップによる怒涛の攻めと硬い防御を両立した強力な戦略も採れる。

リフレクトはガードに成功すれば100ダメージを発射できるため、一部のボスを完封可能。タイムアタックでも非常に有用で、特にヤマトマンやフレイムマンのバスティングタイムに大きく影響する*5
対人戦も煮詰まっていない状況だとカスタムとリフレクトが猛威を振るうため、通常版においてはこの2つのスタイルに早く慣れることが重要だった。ナビカス青組が強すぎる。エキストラコードの情報が出そろっていない頃は、リフレクトとエレメントソニックなしでセレナード・ダークネスオーラ入手は厳しかった*6
まあ3には後の作品で廃止されたプログラムパーツの「クイックゲージ」がある上、実はタイム制限はゆるゆるであり少しでも上回ればよいので結局は慣れで案外どうにかなってしまうが、やはりこの二つを使えた方が安定・及びタイムの向上はする。


サイトスタイル

ロックマンの潜在能力を限界まで使用するスタイル。
『2』でのみ特定条件を満たす(ゲーム内でその条件のヒントをくれる女の子がいる)ことで発現。属性はなく、ノーマル同様に無属性。
チェンジするとロックマンの色が若干薄くなる……が、正直気づかないレベル。エメラルドグリーンとか水色という表現はプラシーボ効果みたいなもんである。
公式のイラストでは身体に土星の環のようなものが発生し、身体の模様の一部が小さな光で満ちているという、神秘的なスタイルとして描かれている。
なお、一度発現するともう二度と発現しないため、他のスタイルで上書きしたりスタイルトレードなどをしてしまうと使用不可能となる。

『2』の全てのスタイルの特徴をさらに強化したような能力を併せ持つ「最強のスタイル」だが、その反動として最大HPが半減してしまう*7
しかしHP500を犠牲に「最初からフルオープン」「ファーストバリア」「同名ナビチップを8枚まで投入可能」というとんでもない性能であり、HP1000程度では耐えきれないような攻撃が飛び交うバランスということもあって対戦ではよほどのことがないとこれ一択。
『3』では登場しないが、ほぼ全てのスタイルのプログラムパーツ能力をまとめて使える「サイトバッチ」というプログラムが存在する。
3×3マスのためかなりスペースを食い(ただしのちのシリーズより小さく、一マスだが圧縮は可能)、こちらでも最大HPが半減するというデメリットがあるが、バグ扱いなので「バグストッパー」と併用すると無視できる。ただしコードが必要なため、対人戦では使うかどうか悩みどころ。
圧縮したバスターMAX及びカスタム1の黄色・バグストッパーと共に突っ込めるので、一人プレイでやってる上では最終的にこれらで落ち着くことも多い。
何せてんこ盛りなためどんな敵とも非常に無難に戦えて便利な構成ではある。9マスor8マスしか食わないのに付与されるのはスーパーアーマー・ブレイクバスター及びチャージ・カスタム・メガ+1、シールド、シャドー・エア・フロートシューズに加えアンダーシャツと非常に豪華。
対人戦で考えれば3のバランス上何かしらに特化した方が強いはずなので無難はあまり好まれない節もある。
というかバグは一切無視できないとはいえ、エキストラコードに強烈な効果がありすぎるのが悩ませる原因だろう。


グランドスタイル

地形を駆使した戦いに特化したスタイル。
地形変化系のチップを多用すると発現する、『3』の通常版限定スタイル。
チェンジするとロックマンの手足のアーマーが大きくなり、足の裏に特殊な紋様が発生する。

スタイルの特徴は「チャージショットの着弾地点にひび割れの発生」(ヒートバーナーは攻撃が通った場所全てに効果あり)というもので、
『3』から追加された新スタイルではあるが、正直単体性能としては弱い。

得られるプログラムは、
「セットグリーン」…戦闘開始時にノーマルパネルを草むらに変化させる。
「セットアイス」…ノーマルパネルをアイスパネルに
「セットマグマ」…ノーマルパネルをマグマパネルに
「セットホーリー」…ノーマルパネルをホーリーパネルに
と、戦闘開始時にノーマルパネルを任意の各種パネルに変化させる効果のものが揃っており、3ではグランドスタイル以外では入手できないというかなり貴重なもの。
スタイルそのものの戦闘力は低いが、このセット系プログラムは非常に有用なため、一度は極めておきたいスタイルと言える。
また、通常版限定なせいもあってVC版のBLACKでは、普通に購入可能なセット系の大半が入手できないという辛さがある。
(セットメタルとサンドは入手できるが、属性コンボに使いやすいグリーン・アイスの二種を入手できないのが…)
特にセットグリーン・アイスはV3ナビの速攻デリートのお供になりやすいプログラムである。

単体では確かに弱めだが、ヒートの場合はバーナーの通したところ全てをひび割れさせるため、
カモンスネーク(スネークマンの派生チップ)を生かすといったトリッキーな運用ができる。
というかヒートの場合、唯一まともに戦えるグランドスタイルだろう。セレナードに対して真ん中の列を崩せるのも評価できる。
逆にエレキの場合はチャージ速度が遅い上にヒットした部分しかひび割れないため、公式イラストのくせに相性は最悪。
ひび割れ効果だけで見ると、属性によって強弱がはっきりと分かれる。

極める場合は、使用可能色が同じであるブラザースタイルの「メガフォルダ+」系を利用し、火力の底上げを狙いたいところ。
セットアイス+フラッシュマンバリアブルソードプラントマン&プラズマボールのコンボや、セットグリーン+フレイムマンなど、
属性攻撃を撃つナビチップと、その属性攻撃を倍加させるパネルに変化させるプログラムの組み合わせはかなり強力である。


シャドースタイル

敵を翻弄することに特化したスタイル。
インビジブルやユカシタなどの無敵系チップを多用すると発現する、『3』BLACK版限定スタイル。
チェンジするとロックマンの首元にスカーフのようなものが装備される他、身体のアーマーが全体的にシャープになる。
忍者というか、その名前の通りシャドーマンを彷彿とさせるデザインは非常にカッコよく、プレイヤーにも大人気のスタイル。

スタイルの特徴は「チャージショットがショートインビジブルに変化する」というもの。
これはどの属性のシャドースタイルにチェンジしても共通で、火炎放射等の通常のチャージショットは使えなくなる*8が、
プログラム「ウェポンLV+1」を組み込むと通常のチャージショットに変化する。
ちなみにチャージをマックスにすると大体消えている時間とチャージ時間が同じ位になるため、常時インビジブル状態を保てたりする。
ただし、エグゼ3の対戦環境は対インビジのフラッシュマンが飛び交う環境なのでそこまで油断はできない。プラントマンは防げるが。

得られるプログラムは、
「シャドーシューズ」…ヒビ・砂パネルの影響を受けなくなる
「フロートシューズ」…ヒビ・砂に加え、マグマ・氷の影響を受けなくなる
「カワリミマジック」…B+←コマンドで攻撃を受け流しシュリケンで反撃
と、優秀なものが揃っている。後発のくせにギガクラスチップも入手プログラムも圧倒的に優秀なのはさすがにひどくないですかね?
特にカワリミマジックは罠タイプのため、ブレイク性能を無視して防御できるというメリットがある。

ナビカスの色は赤で、ガッツスタイルと共有。これらを併用すれば攻防一体でスキの無いカスタマイズが可能(ただし性質上チップで貼った罠の上書きに注意)。
ただし戦術がそこまで噛み合ってる2つではないし、これらの性質はエキストラコードで得ることがほとんどなのであまり気にされない

ちなみに、コロコロの誌上通販版の『3』ではこのスタイルを極めると、他のスタイルに変われなくなる事がある。
ぶっちゃけこっちのほうがバグスタイルのような気さえする。


バグスタイル

バトル毎にランダムなバグが発生する、何が起こるかわからないトリッキーなスタイル。
『3』より登場したナビカスで、極度なバグをロックマンに発生させたまま戦闘を重ねるとチェンジする。
バグにより生まれたという共通点からか、『2』のラスボスでバグの集合体である「ゴスペル」と似た姿にアーマーが変化しており、
禍々しくもカッコいい、シャドースタイルとはまた違うダークヒーロー感あるデザインはこれまたプレイヤー間の人気が高い。

その特徴は、「メリットのあるバグが2つ、デメリットのあるバグが1つランダムに発生する」というもので、
そのバグは以下の通り。

メリットのあるバグ
  • バスターの性能最大
  • バリア100装備
  • 戦闘開始から10秒間完全無敵
  • オープン枚数が10枚

デメリットのあるバグ
  • 戦闘中かカスタム画面で徐々にHPが減少
  • 上下に勝手に移動し続ける
  • 3分の1の確率でバスターの空撃ち

デメリットは割と馬鹿にできないものばかりだが、それに対するメリットも強力なものが揃っており、
そのランダム性も含めて他のスタイルとは一味違ったウィルスバスティングやネットバトルが楽しめる。

得られるプログラムは、
「バグストッパー」…ナビカスで発生したバグのみを抑える
「ダークライセンス」…闇のチップ(フォルテ、フォルテアナザー、セレナード、ダークネスオーラ)を制限無しで使える
と他のスタイルと比べても群を抜いて強力で、入手には戦闘回数が多く必要だがその価値はある。
ナビカスの色は灰色で、これは「ダークライセンス」専用の色。どちらかというと「他のプログラムを使う際に制限がかかる」という縛りとしての要素が強い。
ダークヒーロー特有の「周囲になじまない孤高の存在」というのが、こういうところでも表現されている。

デメリットの「上下どちらかに勝手に移動する」というのは看過できるものではなく、しかも戦闘するたびにバグでライフが減っていくので通常プレイでは使いづらい。
しかし対戦においては「ダークライセンスをコードなしで使える(=EXコードを入れる必要がないため別のものにコードを使える)」「バスターMAX以外の3つが凶悪」なので、メタが煮詰まっていくにつれて強いスタイルだと認知されるようになった。
はやい話が対人戦特化スタイルである。

エグゼ4以降に登場する組織のネビュラは、このスタイルを研究していた(ダークチップ(ロックマンエグゼ)も参照)。

アニメではネット世界のすべてを吸収・再構築出来うるほどの強力な能力を秘めたスタイルとして登場し、
ゴスペルに追い詰められたロックマンがこのスタイルにチェンジして窮地を脱するものの、強力すぎる力に暴走。
危うくネット世界を崩壊させる危機を迎えるも、熱斗の必死の呼びかけでロックマンが自我を取り戻し、事なきを得た。
そんな設定と登場した話がクライマックスであった影響か、バグスタイルの作画はかなり力が入ったものになっている。

ちなみに本物のバグ(不具合)があり、3の通常版では極めるとスタイルチェンジできなくなる。


スタイルに付加される属性

ヒート

火属性。水属性のダメージが2倍になり、マグマパネルの影響を受けない。
チャージショットが横3マスを焼きつくすヒートバーナーに変化する。置物や障害物も無視できる。
チャージショットの範囲が広く、最大で100ダメージを出せる。そのため耐久力100のドリームオーラくらいなら剥がすことができる。その代わりチャージショット時の隙がかなり大きく、バブルマンのようにひっきりなしに攻撃を仕掛けてくる相手には弱い。
属性専用チップは2では「オオアカツナミ」。火属性の1マスずつゆっくり進む波をすべての列に出す。3のアカツナミと同じ効果。
3では「プロミネンス(サラマンダー)」。一番近くに開いている穴にめがけてフレイムタワーが走っていく。制御が非常に難しくまともに使えない。
3のスチールゼリーで手痛いダメージを受けるのが弱点。

アクア

水属性。電気属性のダメージが2倍に。3ではアイスパネルで滑らなくなる(2では普通に滑る)。
チャージショットが着弾地点から1マス奥へ誘爆するバブルショットに変化する。チャージが早いので非常に使いやすい。
2のサンダーマンの前にこの属性が出てしまって悶絶するのは多くのプレイヤーが通る道だろう。もう少し手心というか……。
属性専用チップは2では「フリーズボム」。3マス先に凍結効果を持つクロスボムを投げる。凍結状態の敵を相手にするときはブレイク属性の攻撃のダメージが倍になる(ジェラシーのみ5倍)。
3では「チカスイミャク(ダイフンスイ)」。目の前に穴パネルがあるとそこからまっすぐアクアタワーが飛んでいく。条件はあるが威力が高く、「パネルアウト1 *」が序盤に手に入るので攻略目的でもそこそこ使いやすい。ただし通信対戦では見え見え。

このゲームは電気属性のチップが非常に強い(2ではトードマン、3ではプラズマボール、フラッシュマンなど)ので、ご利用は計画的に。
トップメタ環境に存在する電気属性のダメージが4倍になるせいで通信ではかなり使いにくい。

エレキ

電気属性。木属性のダメージが2倍になる。
チャージショットが相手を麻痺させるラビリングに変化。チャージ時間が長めだが、麻痺は強力なので仕方無い。
専用チップは2だと「チャージスパーク」。自分のHPを犠牲にしながら周囲8マスに攻撃する。シリーズの中でも非常に独特な挙動をする。無敵になるとはいえ動かないでいる時間が非常に長いので使いづらいを通り越して使い道がない。
3では「ライトニング(サンダーボルト)」、すべての置物の周囲8マスに電気属性の攻撃を行う。どちらもコツが必要だが、腕が置物判定のプロトや、置物を並べて戦うキングマンが相手の時には大ダメージを狙える。
ちなみにこの「ライトニング」、4ではフリートーナメントの優勝賞品のシークレットチップで登場している。

プラントマンに注意。しようがないけど。
木属性の攻撃はダメージ後の無敵が発生しないものが妙に多く、これでハメのようにデリートされることがある。

ウッド

木属性。火属性のダメージが2倍になる。
チャージショットが2マス前に多段ヒットするコガラシに変化。
序盤で発現すると使いにくくて困るが、威力は高いので動かないラスボスに有用。シャドーマンの火遁相手に泣きそうになったり、サンダーマン相手にチャージショットが当てにくかったりと使うまでには慣れが必要。
専用チップは「ガイアソード(ガイアブレード)」。このチップの後に選んだチップすべての攻撃力を吸い取る。ステルスマインを選んで大ダメージを狙うのは誰もが通る道。

クサムラパネルの上にいると徐々に体力が回復する。アンダーシャツ+クサムラパネルのコンボは有名で、後のバージョンでは回復速度に調整が入ったほど。
ただし火属性ダメージが4倍になり、クサムラパネル自体も消失するので注意。


余談

  • スタイルに関するバグ技は多く、2ではスタイル交換の際に特定の組み合わせを所有してしまうとバグってしまう「スタイル合体バグ」、3では通常版でシャドースタイル、BLACK版でグランドスタイルが発現できるバグが存在する。
    ただしこの違うバージョンのスタイルにチェンジして入手してしまうと、2度と他のスタイルにチェンジ出来ない上に、ナビカスプログラムの入手は不可能*9なので試す場合は自己責任で。また、3の通常版ではバグスタイルのレベルをMAXにしてしまうとスタイルチェンジできなくなるという致命的なバグも存在する。こちらは普通にプレイしていても起こるバグなのでたちが悪い。

  • 公式イラストではスタイルごとに決められた属性が割り当てられる。
    主な割り当ては「ヒート」に「ガッツスタイル」及び「シャドースタイル」、「アクア」に「カスタムスタイル」及び「バグスタイル」、
    「エレキ」に「ブラザースタイル」及び「グランドスタイル」、「ウッド」は「シールドスタイル」のみとなっている。
    7つしかスタイルが無いから仕方がないがウッドの扱いはどうしてこうなった。

  • ガセネタも多く、リアルタイムでプレイしてた人達ならソードスタイル、フォルテスタイル、セレナードスタイルなどのとんでもないスタイルを聞いたことがあるはず。
    ちなみにフォルテスタイルの方は公式でも噂を把握しており、後にフォルテクロスロックマンとして実装される事になる。

  • 当初はシャドースタイルもガセネタと扱われていた。チートや解析によってシャドースタイルの存在自体は知られていたが、「チャージショットをすると本来のショットが出ずに姿が消える」ので露骨に挙動が怪しく、本来のスタイルチェンジで発現しないし、公式からの発表もない。そのため没データやガセネタと考えられていたのである。そもそもBLACK版の発売が発表されたのはエグゼ3通常版が発売された2ヶ月ほど後で、それまで一切の情報がなかった

  • エグゼ3の隠しエリアにはフォルテGS(ゴスペルスタイル)が登場する。これは3のシナリオ終盤でプロトに呑まれたフォルテが、バグピーストレーダーの中のバグのかけらによって傷を埋めたという設定。バグピーストレーダーに突っ込むバグのかけらはだいたいガッツマン産なので「ガッツマンスタイル」と言われることも。

  • ロックマンエグゼ トランスミッション』のエピローグの祐一朗の雑誌のコラムによれば、時代遅れとなったアーマーシステムに代わる新たなシステムとして「戦闘スタイルを状況に合わせて変えていく」ものを考案していた様子。
    おそらくそれがスタイルチェンジに繋がったと思われる(戦闘スタイルを状況に合わせるという意味合いではエグゼ6のクロスシステムの方がより近いかもしれないが)。
    ちなみに、『2』時点ではロックマンのみが持つスタイルチェンジシステムだったが、以降の作品では一般にもスタイルチェンジシステムが普及している模様。
    なお、オペレートシューティングスターではアーマーシステム自体が削除されている。

  • 他のロックマンシリーズにも似たシステムが存在する。
    同時期のロックマンゼロ2にはフォームチェンジシステムが存在し、ミッション中に特定の行動をとる*10ことでゼロが様々なフォームに変化し、通常とは異なる性能を発揮する。厳しい条件を満たすことで最強の隠しフォームが手に入る……という上記のサイトスタイルを思わせる要素も存在。
    後継シリーズの流星のロックマン3ではノイズチェンジが登場。全11形態。戦闘後に発現し、開幕から変身し続けられる点はスタイルと近いが、隠し扱いの1形態を除いて発現までの戦闘回数やプレイスタイルは*11関係なく、どの形態になるかは完全にランダム。どの形態も作中戦えるボスの能力を再現したもので、弱点属性の攻撃を受けると半解除される、という点ではソウルユニゾンクロスシステムの要素も強い。



あらたなスタイルが はつげんしたみたいだな
そのスタイルは・・・
アニヲタスタイル!

こうもくのヘンシュウに
ムダなジカンをついやすオペレータに
てきおうして しんかしたスタイルだ

えつらんするひとに ツイキシュウセイを
おねがいすることができるぞ!


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最終更新:2023年06月26日 19:47

*1 副次効果で、被弾によるバスティングレベル低下の防止。

*2 RTAというプレイスタイルの都合上、カスタムスタイルで使うためのチップをうまく入手できないことや、『3』ではエキストラコードのクイックゲージによるデメリットでオープン枚数が減ってしまうというリスクを大きく減らすことができるため当初の評価はカスタムと同じくらい高かった。ただし最近では『2』だと狙ったチップを集めるための状況再現手順が特定されたためカスタムスタイルが、『3』ではバグスタイルが主流になっており、属性も狙えるようになったため下火らしい。

*3 任意の場所に攻撃を当てるためには目押しが必要だが、チップごとに時間切れで攻撃する箇所が決まっているのでそこに複数集まったタイミグで使えば確実。一応暗転系であるため、連射すればダブル・トリプルも狙える。また、威力が高めな上に火属性なのでクサムラスタージやセットグリーンとの併用で他の敵も確殺できる。

*4 歩いた場所が毒パネルになるというバグが発生する

*5 リフレクトの反射は敵に当てても無敵時間が発生しないため、判定の連続する攻撃を跳ね返し続けるだけで、数百単位のまとまったダメージを与えられる

*6 エキストラコードというのは、リアルタイムで遊んでいたプレイヤーにしてみれば「ゲーム媒体以外で情報を入手する必要がある」「何が解禁されているか分からない」状態だった(ポケモンの第五世代の夢特性解禁に似ている)。エグゼグッズにじゃぶじゃぶ金をつぎ込んでいるブルジョア小学生かマニアならともかく、当時普通に遊んでいた人ほど知れる手段がない後出し情報だったのだ。掲載を防ぐためのナビカス専用文字とかもあったし(数字や記号で代用されたが)。

*7 劇中では潜在能力の全開放がロックマンに多大な負担をかけるためと説明されている。

*8 これのせいで初心者にとっては「ダメージソースとなるチャージショットが使えなくなる」というデメリットの方が大きくなる

*9 本来取得不可能なのでチェンジしてもレベルアップできるフラグが仕込まれていない

*10 バスターのみで敵を50体撃破、など

*11 特定種の敵と戦うことで発現する