北斗神拳

登録日:2010/06/03(木) 19:51:39
更新日:2024/03/18 Mon 19:17:57
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北斗神拳とは、マンガ「北斗の拳」に登場する架空の武術。


◆概要

古代中国を発祥とする中国武術の一派である。
南斗聖拳と対を成す拳法であり、その役目は「天乱れる時天を破る」事とされ、南斗聖拳の「天乱れる時天を守る」とはあらゆる意味で対等対極である。
作中でも言われている通り古代中国では北斗七星(おおぐま座)は死を司るとされており、その傍らに見える星死兆星は本作における死亡フラグである。

外部から突き入れて切り裂き破壊する南斗聖拳に対し、北斗神拳は対象の体内に708ほどある「経絡秘孔」を突く事による体内からの破壊を奥義とする。
経絡秘孔は人体の機能のほとんどに直接アクセスする事が出来るとされ、治癒力を活発化させる事も、対象を殺す事も、
場合によっては押された秘孔に対処することもできる。他に、独自の呼吸法により自らの力を最大限に引き出す事もできるとされる。
一説によるとその呼吸法を極めることにより飲まず食わずで何年間も生きられるという。
このように、人体の内的機能を相当深く研究・解明し応用していた武術として扱われる。
歴史は古く1800年(または2000年)の歴史が有るとされる。後述の三国時代の関連からすると、少なくともAD0010年代にはある程度確立していたと考えられる。
その伝承は一子相伝を基本とし、ただ一人の伝承者が決定された暁には、他の伝承者候補は殺されるか、その力をつぶされて拳法家としての道を絶たれた。
この点でも、多くの弟子をとり多くの傍流に分岐した南斗聖拳とは正反対である。


創られてから一度も他門に敗れたことはないとされ、「地上最強の拳」と呼ばれている。
だがケンシロウがアマチャンだった為シンにあっさり敗北している。
もしジャギ様の警告を聞いていたならこんな事には成らなかったはずなのに…。
アマチャンでなくなっても南斗最強の男サウザー、北斗琉拳による分からん殺しをしたカイオウの二名にもやられていたりする。

しかし、北斗神拳の本質は「進化する拳法」である点にこそある。
他流の技を見てコピーする「水影心」は言うに及ばず、使い手が自身の経験を活かし、ふさわしい風格とスタイルを作り、成長させていく事で、常に戦場で最強に有り続けてきたのだ。
ラオウなんか、極意書を一回見ただけで技を即会得してたし。
ケンシロウも、自らに土をつけたシンやサウザー、カイオウのいずれにも、もれなく再起した上で雪辱を果たしている。

◆継承者

  • 霞鉄心(第61代):拳志郎とリュウケンの父。
  • 霞拳志郎(第62代):『蒼天の拳』の主人公「閻王」。リュウケンの異母兄。
  • リュウケン/霞羅門(第63代):ケンシロウの師匠にして名付け親。
  • ケンシロウ(第64代):主人公。リュウケンの4番弟子。
  • 第65代継承者:FC『北斗の拳4 七星覇拳伝 北斗神拳の彼方へ』の主人公。原作とはパラレルである。

☆継承者候補

なお会得前におん出された人たちは省く(キム少年とか)
  • コウリュウ:リュウケンの兄弟弟子で、リュウケンと共に「龍虎」と称された程の実力者。伝承者争いからは自ら身を引き隠居していた。後にラオウにより、傷の回復具合を図るための試験台として殺される。
  • ラオウ:第1部最大の敵「拳王」。リュウケンの一番弟子。
  • トキ:ラオウの実弟、リュウケンの二番弟子。
  • ジャギ:リュウケンの三番弟子。

☆勝手に使ってた人たち

  • ジャギの部下:ジャギから盗んだと称するそれっぽい構えを披露しケンシロウの秘孔を突くが、ケンシロウには全く通用せず自分が爆死した。
  • アミバ:トキに成りすましていたマッドサイエンティスト。どこから会得したのか不明だが、トキに恨みを抱く切っ掛けの出来事の時点でいくつかの秘孔の知識を持っていたようなので、恐らくはジャギからか。
  • バット:ケンシロウの舎弟。いくつかの秘孔の知識を自力で会得しており、秘孔・死環白の効果が切れかけて目を開こうとしたリンの記憶を奪う秘孔を突いている。
  • 光帝バラン:ラオウに憧れていた男。哀しい過去故に神を憎み、「神に復讐するため」という言葉をラオウに気に入られ、「盗む」ことを許される。北斗剛掌波を使えるレベルに至っている。


◆拳の種類

拳法には激流の如く敵を圧倒・粉砕する『剛の拳』と、静水のように攻撃を飲み込み受け流す『柔の拳』の2種類に大別される。

北斗神拳そのものがどちらに属するか、というものではなく、使い手それぞれがどちらのスタイルに偏っているかというもの。
なので北斗神拳の使い手にも剛の拳と柔の拳が存在する。

『剛の拳』は力により敵を粉砕する拳で、闘気の放出技に代表される。
また、秘孔により内部から破壊するのが真髄でありながら、拳そのものも多大な破壊力を誇り、砕かれた敵は激痛の中で死に至る事が多い。
ラオウとケンシロウはこちら。ジャギも柔の要素が見受けられなかったためこちらだと思われる。
『柔の拳』は流れに逆らわず、受け流し、最低限の動きと力で必要な打撃を打ち込む。
苦痛を与えずに葬り去る「有情拳」は柔の拳の代表格である。
トキが使う拳はこちら。ただしトキの柔の拳は本人の天性の資質によって身に着いたものであり、トキが目指したのはラオウの剛の拳であった。

人によって片方しか使えないという訳ではなく、トキは秘孔・刹活孔による命を削る剛力を使ってではあるが、剛の拳を使っている。
また、ケンシロウもサウザーに止めを刺す際に有情拳の一種である「北斗有情猛翔破」を使用している。
ラオウは終ぞ柔の拳も有情拳も使うことは無かったが…。


◆北斗神拳の呼吸法


◇転龍呼吸法

曰く、「人は普段は30%しか力を出せないのだが、この呼吸法により100%の力を発揮出来るようになる。」とのこと。
北斗神拳では基礎の様なものでケンシロウは(たびたび見せる、服破りをしている時は)常に使っていると思われる。
作中ではデビル・リバース戦で初めて名が登場し、活躍した。

◇闘勁呼法

『剛の拳』の呼吸法。
息を吸う時に闘気を圧縮し、息を吐きだすと共にこれを一気に放出して強力な一撃を放つ。
いわゆる強化技の類だが、AC版ではこの時闘気が地を走った描写から飛び道具技に。
この時血管が浮き出るだけでなく血が噴き出している為、身体への負担は計り知れない。
ラオウVSトキ戦で両者共に使用した(これに加えてトキは刹活孔も突いていた)。

◇北斗呑龍呼法(AC版のみ)

天龍呼吸法の上位版のような物で使用後に一部の技が強化される。
ダメージアップだけでなく星も取れるようになる技も有るため隙有らば使っていくのも手。
ラオウ専用の呼吸法であるとされる。だとすればこれも『剛の拳』の呼吸法か?


◆北斗神拳奥義


北斗神拳は攻撃だけでなく、相手の動きを見てその技を自らの物にする『水影心』や、矢などの飛び道具を無力化する『二指真空把』、
そして哀しみを背負う事により体得できる北斗神拳究極奥義『無想転生』では相手の攻撃を無意識に回避しつつ攻撃する。
極まった先には、根底には『愛』と『』が見える…。

☆四兄弟の独特な奥義

北斗百裂拳

言わずと知れたケンシロウの使った初めての奥義。素早い無数の突きで上半身の秘孔を突きまくる。
有名な「あーたたたた」のフレーズはもちろん、締めの「ホワタァ!(終わった)」は誰もが真似をしたはず。

◇北斗羅漢撃

ジャギ様が使う北斗神拳の一つ。
無数の素早い突きを繰り出しながら敵に接近する技。ケンシロウには完璧に(ふくみ針まで)見切られていた。
詳細はジャギ様の個別項目を参照。

◇北斗剛掌波

闘気で敵を倒すラオウの代表技だが、多分北斗神拳の技。
片手でおもむろにぶっ放せて、しかも広範囲かつ遠距離まで届くからか多用している印象がある。
パチスロではバトルボーナス終了のお知らせ。カラーボールだの蜜柑だの言われていた。

◇北斗有情断迅拳

トキの使う有情拳の一つ。喰らった敵はヘブン状態で死んで逝く。
作中ではサウザー軍をまるでゴミを処理するかの如く、流れる様に殺して行った。有情とは一体……。


上記の様に北斗神拳といえども使い手によって戦闘スタイルが各々違う為、使用する奥義もかなり異なる場合が多い。


◆経絡秘孔


体内に708個(内にはまだ発見されていない物も)有るとされる。
北斗神拳の中で最も重要なもので、その位置を理解し正確に突くことが伝承への第一歩である。

経絡秘孔に限定して述べると、闘気や特別な才能などは必要としないので、場所と効果を知り正しく突けさえすれば常人でも使える。
拳法の才能と血のにじむ修練を積まなければ基礎も体得できない南斗聖拳とは対照的である。
しかし秘孔の場所さえ知っていれば誰でも同じ効果が得られるかというとそうではなく、拳士としての実力によって効果に差が出るらしい。
前述の「有情拳」も何らかの秘孔が介在していると思われるが、トキの有情拳にかかったものは単に苦痛が無いだけではなく、死の間際に天国を感じる事さえあるらしい。
また、「秘孔破り」と言う技術が存在し、秘孔を突かれた側が気力などで秘孔の効果を無効化してしまう事が可能だが、未熟な者が突いた秘孔は秘孔破りが容易に可能。
作中でもケンシロウがアミバに動きを封じる秘孔を突かれたがほどなくして破っており、「本物のトキに突かれていたなら俺でも破る事はできん」と述べている。

当時同雑誌北斗の拳と一・二を争う人気作を担当していた編集者の鳥嶋和彦氏が分析するところによれば、
アクションより決めポーズに適した原哲夫氏の絵を最大限に活かす発明と評されている。

以下、一部秘孔紹介。

◇新血愁

突かれてから3日後に全身から血を吹き出して死ぬ。ラオウがレイに対して突いた秘孔で、恐怖のメッセンジャーという要素もある。
ちなみに天才のあのお方が発見したとされるが、
トキは完治は無理なれど一時しのぎの対処法は知っていたのでかなり疑わしい。
その後「蒼天の拳」でも同じ秘孔が出てきたのでアミバが見つけた設定は完全に無くなった。

◇龍頷(醒鋭孔)

突くと全身が痛感神経に包まれ、軽く触れられただけで激痛が走るようになる。ケンシロウがジャギ様との戦闘で突いた。
紛らわしいが「龍頷」が秘孔の名前で、絶大な効果を誇るその秘孔を突く事を「醒鋭孔」と言う奥義と呼ぶ。
全身性感体のクマとは関係無い。対魔忍とも関係無い。

◇激振孔

突くと心臓の運動が急激に増加、やがて血管が破裂し死に至る。これも天才のお方が発見した新秘孔である。

AC北斗でトキの「相手の刹活孔を突く」というムチャクチャな技をこの名前で呼ぶことがある。

◇刹活孔

一時的に身体能力を増大することが出来る、替わりに身体に大きな負担を来たす。ラオウと戦うときにトキが自ら突いた秘孔。
また、名も無く、しかし恐ろしく強い修羅との戦いで瀕死に陥ったファルコ
「待つ死よりあえて誇り高き死を選ぶ」気持ちを受け止めた上で、ケンシロウが彼に突くことで逆転の機会を生み出している。
RPG北斗だとHP回復。大丈夫なのかそれは。

◇定神

突く事により精神を安定させる秘孔。トキはこのような秘孔を医学に活用した。

◇新一

突くと身長が縮む…では無く、自らの意思とは関係無く喋ってしまう秘孔。
右手が寄生獣になったりもしない。
劇中ではジャッカル一味のフォックスに使い、居場所を吐かせた。

◇解唖門天聴

新一と同じく、自白させる秘孔。これはラオウが雲のジュウザに対して使用した秘孔で、新血愁に近い要素がある。
こちらは無理に抵抗しようとすると、全身に苦痛が走り全身から血を噴き出して死に至るというオマケ付き。
自白というよりは拷問用と言っていいかもしれない。
しかしこの秘孔を突かれたジュウザは最後まで抵抗し切り、南斗最後の将の居場所を吐く事無く「拳王のクソバカヤロウ」と言ってのけて息絶えた。

◇大胸筋

左右のこめかみと顔面の中央の3点セットからなる秘孔。断じて胸板ではない。
突くと相手の筋力を弛緩させ、その後逆に硬直し痛覚まで麻痺させて死に至らしめるサディスト秘孔。
劇中では牙一族の首領である牙大王の崋山鋼鎧呼法を無力化してみせた。

◇健明

一時的なショックで視覚を失った相手の目を見えるようにする秘孔。
作中ではアイリにケンシロウが使用した。

◆北斗三家拳、西斗月拳

北斗神拳は本来一子相伝なのだが、三国志の時代に、孫家、曹家、劉家の三英雄を守護するため、
三つに分派していたことが北斗の拳以前の話である蒼天の拳で発覚した。
北斗神拳から派生した拳法だが、各々特化された分野においては北斗神拳をも凌ぐ力を持つ。
また、北斗神拳に経絡秘孔の知識をもたらしたとされる拳法・西斗月拳の存在も明らかとなった。

◇北斗孫家拳

呉の国の孫家を守護するために派生した拳法。
闘気の操作を得意としており、それにより自らの身体能力を強化したり、秘孔の位置を変えたりできる。
しかし、気と血流の流れを変えても変位できない秘孔奇穴の存在を知らなかったことから、
秘孔の探求に関しては発展途上だった模様。
主な使い手:芒狂雲、シャルル・ド・ギース

◇北斗曹家拳

魏の国の曹家を守護するためするために派生した拳法。指による突きを重視する。詳しくは、張太炎を参照。

◇北斗劉家拳

蜀の国の劉家を守護するために派生した拳法……とあるが、創始者であるリュウオウは、
シュケンと同世代の人物であるため他の三家拳とは少々ルーツが異なるようだ。(ただしリュウオウが創始したのというのはアニメオリジナル設定)
またの名を北斗琉拳といい、北斗の拳第2部では使い手であるカイオウやヒョウを中心に物語が進んでいく。
「北斗神拳に伝承者なき場合は、これを劉家拳より出す」という掟が存在し、
北斗神拳の伝承者は劉家拳の伝承者と天授の儀」で死合い、勝利しなければ真の伝承者とは認められない。
どちらの拳法も宗家が重要視されているのに大丈夫なのかそれ?と突っ込まざるを得ない。
拳法の特性としては、孫家拳同様に闘気の操作を得意としているが、あちらが秘孔変位などの搦め手に用いるのに対し、
こちらは、闘気で相手を直接攻撃する戦法を得意とする。故に孫家拳よりも攻撃的で大量の闘気を必要とする。
派生に極十字聖拳という南斗聖拳に似た性質の拳法が存在する。
主な使い手:劉宗武、ジュウケイ、カイオウ、ヒョウ、ハン、シャチ

◇西斗月拳

「蒼天の拳」で登場。月氏の民に伝わる、秘孔点穴を最初に必殺の手段として取り入れた拳法。
シュケンはここから得た秘孔の知識と北斗宗家の拳を合わせて、無敵の暗殺拳である北斗神拳を生み出した。
言うなれば、北斗神拳のルーツともいう拳法である。
しかし、秘孔点穴の恐ろしさに気づいたシュケンは西斗月拳から秘孔の知識を学んだあと、
北斗神拳を一子相伝とするために高弟たちを皆殺しにしてしまった。

このことから、伝承者であるヤサカは北斗の流派をひどく憎んでいる。
技は未詳だが、北斗劉家拳の劉宗武すらも手傷を負うほどの拳力を秘める。
また元祖であるがゆえに、経絡秘孔を操る術にかけては北斗神拳と同等か、それを凌ぐ可能性がある。
ヤサカ自身が「戦場の拳」と豪語するように、忍び寄っての「暗殺拳」である北斗神拳とは異なり、
戦場の混乱の中で相手をいかにしとめるかという事に特化した拳法である。
主な使い手:ヤサカ


北斗神拳究極奥義『追記・修正』伝承者の方、追記・修正お願いします。

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最終更新:2024年03月18日 19:17