狼森と笊森、盗森

登録日:2011/07/10(日) 21:47:01
更新日:2020/07/18 Sat 23:11:40
所要時間:約 3 分で読めます




狼森と笊森、盗森とは、宮沢賢治の童話である。

読み方は
(おいのもり)と(ざるもり)、(ぬすともり)

位置は小岩井農場の北。
位置関係は一番南が狼森、その次が笊森、次は黒坂森、北のはずれは盗森。


~あらすじ~

四つの森に囲まれた野原に、東の山を越えてやってきた百姓達。


「この土地マジよくね?」
「んだ。住むべ」


そして、彼等は森に向かって叫んだ。


百姓「ここで畑起こしていいかぁー」

四つの森は一斉に応えた。

四森「いいぞーぅ」


百姓「家建ててもいいかぁー」
四森「いいぞーぅ」

百姓「火焚いてもいいかぁー」
四森「いいぞーぅ」

百姓「木ちょっともらってもいいかー」
四森「おっけー」



百姓「イヤッホゥ!」


そして村ができた。


その年の冬。
村の子供達が帰ってこないため心配し、森と冒頭のコール&レスポンスをする。

百姓「誰が子ども達知らねぇか?」
四森「知らねぇ」
百姓「なら探しに行くぞぉ」
四森「来ーい」

そこで各々が農具を持ち、まず一番近い狼森へ行った。
森の奥で見たのは、歌いながら焚火の周りを走る狼と、焚火で焼いた栗や茸を食べる村の子どもたち。

百姓「お……狼(オイノ)殿、村の子どもたち、帰してくれねぇか」
狼「(゚д゚)」

※原典※
狼はみんなびっくりして、一ぺんに歌をやめてくちをまげて、みんなの方をふり向きました。



驚き、逃げ出す狼。
いきなり火が消えて泣き出す子ども達。

少々パニックになったが、子ども達が見つかったのでとりあえず帰ろうとした。
すると森の奥から、
「悪く思うなよー。栗とか茸とか、うんとご馳走したぞー」
と狼が叫んだ。

百姓達は村に帰ると、粟餅を作ってお礼に狼森へ置いた。



当然ながら、他の森も登場する。


  • 粟を作りたくて村から農具をごっそり盗んだ笊森の山男。
 「ぼ、ぼぼぼ僕にも粟餅を、つ、つくってほしいんだな」
  • 粟餅を作りたくて村から粟を一粒残らず盗んだ盗森
  • ↑が盗んだと証言してくれたので、お礼を渡そうとしたら断った黒坂森
  • 岩手山「わっはっは」


村人は毎年、冬のはじめに四つの森に粟餅を置いた。
盗森にはちょっと多めに。

このエピソードが元となり、人々は『狼森』『笊森』『盗森』と呼ぶようになった。(※あくまで作品内での話)
ちなみにこの話は、宮沢賢治が『黒坂森のまん中のまっくろな巨(おお)きな巌(いわ)』から聞いたとのこと。

なお、原典の『黒坂森は形を出さないで、声だけでこたえました。』から考えると、狼や山男は各森と同一の存在だと思われる。


余談だが宮沢賢治は小岩井農場がすんごい好きだった。
小岩井について長い詩を書いちゃうくらい、小岩井農場の景観が好きだった。





「アニヲタwikiのまんなかで、
 追はどろどろぱちぱち
 記はどろどろぱちぱち、
 修はころころぱちぱち、
 正はころころぱちぱち。」

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最終更新:2020年07月18日 23:11