ネオガンダム

登録日:2011/11/17(木) 21:29:15
更新日:2023/06/18 Sun 17:49:11
所要時間:約 4 分で読めます





ネオガンダムとは、『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場するMS。




性能諸元

型式番号:RX-99 / AFX-9900(社内コード)
頭頂高:15.1m
本体重量:7.9t
全備重量:20.7t
装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材
ジェネレーター出力:4,710KW
スラスター推力:23,800kg×4
アポジモーター数:46基
武装:バルカン砲×2
   ビームガン兼用ビームサーベル×2
   ビームシールド
   G-B.R.D

パイロット:バズ・ガレムソン大佐(1号機)
      トキオ・ランドール少尉(2号機)
      カシム・ベガ中尉(3号機)



解説

シルエットガンダムの完成で一応の結実を見たシルエットフォーミュラプロジェクトであったが、アナハイムがMSシェアを奪還するためにはF91を上回る機体を作り上げることが必須であった。
そのため、シルエットで得たデータを基にアナハイムがこれまで作ってきた歴代ガンダムのコンセプトを導入する「シークレットフォーミュラプロジェクト」の産物として完成させたのがこの機体である。

『シルエットフォーミュラ』展開初期は社内コードの「AFX」から仮称として「エフェックスガンダム」とも呼ばれていた。
ちなみに本機は宙間戦闘仕様であり、実戦を含めた宙間運用テストを終えた後は地球上用仕様に改修して改めて地上運用テストを行う予定だった。


最大の特徴はコア・ブロックシステムを採用している点であり、データ収集及び生存性の向上が計られている。
コアファイターは「FF-XFN1」という型式番号の専用機で合体システムは強度的に優れる水平格納方式を採用しているが
MS本体と合体するのはコアファイター機首部のみでコアファイター胴体部はそのままバックパックとなりビームサーベルはコアファイター時にはビームガンになる。
この点には、かつてのGPシリーズの一つゼフィランサスの影響が垣間見える。
ちなみにネオガンダムはF91同様胸部上のハッチが開く形式でキャノピーが上部視界投影モニターを兼ねる仕様。
またネオガンダムではメインジェネレーター機能をコアファイター側に移しMS側に積まれているのはサブジェネレーターとなっており、MS側のサブジェネレーターは
何らかの不具合でメインであるコアファイター側の供給が絶たれても本来の50%程度の出力を供給可能としている。

ビームシールドは発生器がRXF91の物より小型化され前腕部と一体化した構造となっている。これはサナリィの技術だけでなくブッホ系の技術も入っている(ブッホの方が量産機の一般装備に出来る程にビームシールド系技術に長けている)可能性が高い。


そして本機の更なる特徴が大型ビームライフル「G-バード(G-B.R.D)*1である。

これは単なる大型ビームライフルではなく、バストライナー砲やメガライダー等の大型ビーム砲兼推進システムの発展系に当たり、それ自体が推進装置となっているために非常に高い機動性を獲得した。その機動力は、F91以上のスペックを持つビギナ・ゼラすら翻弄するほどであった。

ZZS同様のジェネレーター分割(MS本体+コアファイター+G-B.R.D)が為されているので、ジェネレーター負荷も抑えられている。
また独立したジェネレーターを内蔵しているので、不要な時は機体のジェネレーター出力をほぼ自機用のリソースとして使える点も大きい。


尤もビームライフルとしては機体の全長に達する程に長大であり、ジェネレーターにより重心も極端に後部に寄っている。
取り回しの良さという謳い文句には一見して疑問が残る形状である。
本兵装をロストした場合射撃兵装は射角など無いに等しいバックバックのビームガンのみとなる。

結局この武装は本家VSBRの大容量コンデンサをコピー出来ず、それを誤魔化すために軍上層部ウケのいい時代錯誤な過剰火力を持たせたという側面が大きい。

とはいえ取り柄の最大火力は流石に凄まじく、MS側の出力アシスト込みで精密砲撃した際はコロニーの外壁と採光ミラーを貫通した上で射線軸上にいたラー・カイラム級エイジャックスの艦橋が丸ごと消し飛んだ程。


なお、劇中での描写をみる限りヴェスバー由来の可変速・収束率調整による出力及びメガ粒子ビームの性質可変も可能な模様。
またコアファイターの下に接続して大型砲撃ユニット兼増設ブースターとして使用する事も可能である。




劇中では1号機と2号機が作られ、連邦軍の第306部隊に配備された。
後に1、2号機はロストしてしまったため、その予備パーツで組まれた次期主力機選定コンペ用の3号機も急遽組み上げられている。

なお、1号機にはブッホ・コンツェルンとの取引で入手したネオ・サイコミュシステムが搭載されており脳波思考コントロール出来る様になっている。
が、MSである事もあってか元ネタのラフレシアよりはYF-21のBDIの方がより近い印象が有る。
2号機には無い代わりのスペースが複座シートになっていた。


ちなみにサナリィが同時期に開発していたのが、同じコアブロックシステムを採用したクラスターガンダムである。
これは技術の収斂進化による到達点が同じだったためというのも理由の一つらしい。

しかし『機動戦士ガンダムF91プリクエル』だとネオガンダムの可動試験時の映像を入手したサナリィのスタッフは性能はF91並みと認めつつもこれを「F90ⅢYの盗用」と断定している。

実際本機を生み出したSFPは大掛かりな技術盗用計画であるし、その上で完成自体もF91から5年以上遅れてではある。
盗まれた側であるサナリィのスタッフが好印象などもてるはずもないのが自然だろう。

武装

  • バルカン砲
頭部左右に装備された近接防御用の機関砲。


  • ビームサーベル / ビームガン
バックパック(コアファイター胴体部)に2本装備
コアファイター接続状態だではビームガンとして使用可能になる。


  • G-B.R.D
ネオガンダムの主武装。
解説は上記の通り。


  • ビームシールド
シルエットガンダムから大幅な小型化に成功。



劇中での活躍

終盤でガレムソンが現れた際に本機も登場。
トキオにのみ2号機を与えて軍、というか自分の配下に戻そうとしたが彼の所業を知るトキオは無論反発。
アイリスと監禁状態だったAEのネオガンダム担当の社員やエンジニアを助けて2号機を強奪した。
主人公側が2号機を強奪して悪役の1号機と戦うという珍しい状況である。

そしてケビンのハーディガンにネオガンダム担当の社員達を載せた脱出ポッドの護衛は任せてそのまま前述の高火力でコロニーを砲撃しようとしたエイジャックスを轟沈した後、1号機と交戦。
ネオサイコミュの思考コントロールで機敏に動く1号機に苦戦し途中からシルエットガンダムの横槍も入り双方ともGバードは捨て近距離高機動戦に移行するが、アイリスの奇策で羽交い絞めにした後コアファイターで脱出。
1号機はレイラが乗るシルエットに叩き斬られた後、トキオのコアファイターからのネオガンダム本体を狙った一斉射撃で2号機ごと爆砕した。


なお、初の実戦でそのまま全壊という見方によってはかなり不遇な機体と言えなくもないが、破壊されても問題のない機体であるとガレムソンの口からも語られており、再生産が可能なものと考えられる。

実際にネオガンダムは次期主力機のベースとして連邦軍への納入が決定しており、後述の通り予備パーツも完成している。

F91開発秘話を描いた『機動戦士ガンダムF91プリクエル』でもサナリィが入手した運用試験中の映像という形で登場。
性能は認められつつも「どうせウチのF90Yの技術をパクって作ったんだろう(意訳)」と至極当然のようにディスられた。

その後、次期主力機選定コンペ前に大破した1、2号機に代わって予備パーツで組んだ3号機が登場。
パイロットは元F91テストパイロットのカシム・ベガ中尉。
急遽仕立て上げた機体なので碌に動けない上にコンペは3vs3で行われる予定なので1機しかいないことを思いっきり突っ込まれてしまった。
これは命運尽きたと思いきや、対抗馬のF91も3機全てが行動不能という本当にこれからコンペなのか突っ込みたくなるような状況だった。
結局、Gキャノンマグナ2機を僚機にコンペに臨むことになったが……

なお、ベガ中尉はサナリィでテストパイロットをする以前からアナハイムと繋がっており、事実上のスパイとして潜り込んでいた。
さらにベガ中尉の本当の所属はブッホ社、つまりクロスボーン・バンガードであり、アナハイムもまた欺かれていたのである。



余談

  • このネオ1号機は全身真っ黒な機体色な上に目が真っ赤という直球な悪役染みた色であり、どこか悪魔をも彷彿とさせる。それでいて機体はシンプルな上に大型のGバードもあってか悪役ガンダムの中でも人気が高い。
    無論、2号機の人気もそれなりにあるが。

  • かつてのネオ・ジオンとの戦争を知らない男がその生き残りの虐殺に興じていた同じ頃、戦争を知る男はガンダムを「悪魔の力」と評しジオンに寝返った。時が経ち、悪魔の如き色の新たなガンダムを与えられたその男は増長と慢心に拍車を掛け、信用されているはずのない部下を甘く見続けた結果、片割れを奪われた挙句ガンダムによって「仇」として討たれ、部隊諸共地獄に叩き落される事となった。
    その後、この戦いは隠蔽されたため彼は存在すら抹消されたと思われる。
    まさに因果応報な末路だが、新たなガンダム1号機は色の通り乗り手をより堕落させ、破滅に導く悪魔そのものだったのかもしれない。

  • 今の所RX-78から始まったガンダムタイプの流れを明確に汲む最後のガンダムとなっている。Vガンダムシリーズ及びガンイージの開発に際しアナハイムによる技術サポートが行われたとされているが、これらの開発主体はあくまでもリガ・ミリティアであり、特定の開発メーカーに偏重するものではないとされる。ただし、サナリィ系の色が濃いザンスカール系MSと比べた場合、リガ・ミリティア製MSのコンセプトはかつてのアナハイム・ガンダムに近いともされ、アナハイムとサナリィによる形を変えた技術競争が展開されたとする説も存在する。*2




ゲームでの活躍

Gジェネではやはり高威力のGバードが目を引くものの消費が激しく、まともな飛び道具がそれしかないため使い辛い。WARSでは消費がさらに増えたため余計使い難かった。
だがWORLDではGバードがマルチロック可能になったため、使い勝手は持ち直している。
1号機は敵専用機な上に最近の作品にはいないため、出番を待ち望む声は多い。WORLDでは赤F90が普通に使えたため、余計不満の声が大きくなった。

現段階で1号機が使える作品は、GジェネFで黒歴史コードを入力するかF.I.Fで購入するしかない。だが戦闘アニメは格好いいので一見の価値あり。
ただし、2号機には有るコアファイターが無いので一応注意。




ガンプラ

シルエットフォーミュラ91のシリーズとして1/100で発売。
コアブロックシステムのギミックは完全再現していてG-B.R.Dも付属し、コアファイターとのドッキングも可能。
色分けもシステムインジェクションのおかげもあって良好。
ビームサーベルはシールドビームのオマケみたいな形で付属しているがグリップ部含めて全部クリアパーツ(その為グリップ部を塗る必要がある)なのが惜しい所。
当時で見ても十分な完成度を持つキットであるのは間違いなく、決して他キットを見劣りするようなものでなのだが…。

本キットには一つ大きな問題があった、それは値段である。

同じシルエットフォーミュラ91シリーズで発売された1/100と比較すると
当時から見ても完成度の高く、システムインジェクションを採用したRXF-91(シルエットガンダム)が定価1400円
コアブロックシステムを再現し、豊富な武装、システムインジェクション未採用のおかげか少しリーズナブルなクラスターガンダムが定価1200円

そして本キットお値段は…定価1700円である。これは当時の価格帯でもかなり高い部類である。
当時の目線でもネオガンダムの知名度が非常に低いことや定価1700円もあって当時の子供達にはいまいちな評価を受けてしまったキットである。
なお、この価格になってしまった原因と噂されているのが本キットに同梱している「モビルスーツハンドブック」と呼ばれる小冊子の添付と考えられている。
F91前後の世界観説明や、デザイナーのインタビュー、キットの作例など結構な読み応えのある代物となっており出来はかなり良い。
再販品にもちゃんと付属している(おかげで定価は1700円のままだが)ので機会があるなら触ってみるのもいいかもしれない。





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最終更新:2023年06月18日 17:49

*1 Generative Beam Rifle Device

*2 クロスボーンシリーズとレコードブレイカーはサナリィ製で、F番号もF97・F99として振られている。G-セイバーにはアナハイムは関わっていないとするのが定説であり、さすがにG-セルフたちやターンタイプにAEの系譜を見出すのは厳しいだろう。