なみのり(ポケモン)

登録日:2011/07/25 Mon 23:01:04
更新日:2024/01/04 Thu 21:50:27
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ザアァーン……





ズドドドドッ!!!!







水の上も、

泳いで進める。















なみのり

タイプ:みず
威力:95(第5世代まで)→90(第6世代から)
PP:15
命中:100
分類:特殊/非接触
範囲:相手全体(第3世代)→自分以外(第4世代から)
効果:通常攻撃

大きな 波で 自分の
周りに いるものを 攻撃する。


概要

ポケットモンスターシリーズに登場する技の一つ。


じしん」にせまる95もの威力に加え、100という安定した命中を持つ、みずタイプの超定番技。

タイプ相性で無効化されることも無い(特性除く)為、みずタイプのポケモンならとりあえずこれ入れとけばだいたい大丈夫。

対戦をやらない人でもストーリーで超お世話になる為、ポケモン経験者でこの技を知らない人はまずいないだろう。

なんたってこの技が無いとストーリーが進まないのだから。
ただしBWは比較的そうでもない


この技の最大の利点は高威力と安定した命中に反して覚えさせやすいことにある。

初代から登場しているこの技はストーリー上で貰える“ひでんマシン03”でこの技を覚えさせられるのだが、ひでん技故に何度でも覚えさせられる上に
レベルアップで覚えるポケモンがほぼいないにもかかわらず
殆どのみずタイプ+αが習得できる。

というか、基本的になみのりを覚えないみずタイプは設定面を重視されたコイキングや特殊な形で追加されるウォッシュロトムや飛行に重視しているキャモメ、ほのおタイプのボルケニオン、進化すると取れてしまうアメタマぐらいである。アメンボには乗れ無いのに水蜘蛛には乗れるのは、忍者の乗る水蜘蛛からか? 波には乗って無いけど。
他にもみずタイプのひでん技として「たきのぼり」、バージョンにもよるが「うずしお」「ダイビング」があり、
これらを1匹のポケモンに集約させて秘伝要員にしているトレーナーも多い。
それでいて先述したように、追加効果こそ無いものの優秀な性能を誇る融通のきく技。

後のシリーズではひでんわざが廃止されたが何らかの形で覚えさせる手段は残っており、覚えるタイミングこそ遅くなったものの使えるポケモンは多い利便性はそのまま。


なお便利な技だが欠点もある。

一番の問題はダブルバトルでは使いにくい技であること。
第4世代以降は味方のポケモンも巻き込まれる全体技に変異し、威力が減少。
特性『ちょすい』or『かんそうはだ』持ち等と組めば相手にのみ全体攻撃できるが、互いに弱点が重複しがち。
また、相手ポケモンに『ちょすい』or『かんそうはだ』持ちがいた場合、技自体が撃ちにくくなってしまう。
それゆえに命中率に難があり習得にもかなり高いレベルを必要とする「ハイドロポンプ」を選択することも増えている。

もう一つは、100にギリギリ届かない故に対人戦やシナリオ後半では威力不足を感じやすいこと。

最後の難点としては第6世代までの話であるが、覚えさせやすい技の一方でひでんわざは道中で簡単に忘れさせられないこと。
そのため旅の途中でハイドロポンプを覚える機会があったものの、仕方なく諦めたりタイプ重複を承知でなみのりと両立させたまま旅をするなんてこともあったり。



なおゲーム中のポケモンバトルは様々な場所で発生する。
この技を使う度に誰しもが思うだろう。
街中や狭い場所で使ったらどうなるんだろう?と……

そして、フィールド移動技としては、主人公より体格の小さなポケモン(ニョロモタッツー等)にも乗れる鬼畜仕様。


↓一例

ケンタロスニドキング等、どんな感じになみのりすると疑問に思うポケモンもいる。
サイドンにいたってはみず4倍だが大丈夫なんだろうか*1


まあこのように疑問のある技でもあるが、そんなことは忘れてラプラスに乗って誰も知らない物語の続きでも探してみてはどうだろう?


なみのりの歴史

  • 初代
サファリゾーン最奥のトレジャーハウスでひでんマシン03が貰える。
波乗り時のグラフィックはパウワウのような姿。
バグで一部の石像の中になみのりで入れる。
ピカチュウバージョンでは、連れ歩いているピカチュウが「なみのり」を覚えていると「ピカチュウのサマービーチ」というミニゲームをプレイ可能。*2

実は対戦環境ではさほど重宝されていたわけではない。
というのも対じめんは当時のチート技の「ふぶき」で十分な上、ほのおいわはマイナーなため。
特に技の豊富なスターミーはみず技を切ることも珍しくなかった。
近年の研究でルージュラが評価を上げたためにこの技の採用も十分考えられるようになった。
バトルする時のエフェクトは「どくどく」と共通する部分がある*3。「どくどく」のわざマシンをくれるのはキョウであり、彼を倒して手に入るピンクバッジが「なみのり」をフィールドで使えるようにする条件だが、特に関係はないだろう。


  • 第2世代
水上のグラフィックがラプラスに似た形になる。というか、金曜日になるとつながりのどうくつに現れるラプラスのフィールドグラフィックと同じ。
使える色に制限が多い世代であり、主人公が男だと服の色に合わせた赤いラプラスになる。

エンジュシティまいこはん全員に勝つと入手できる。つまりバッジ3つ目の時点。この時点で命中威力ともに申し分ない技が手に入るのは歴代でも珍しい。
なおフィールドで使うには同じ町にいる4人目のジムリーダーであるマツバを倒す必要がある。

バトルのエフェクトとしては画面を水でいっぱいにするかのように波打つ水色の線が画面上部まで上がり、やがて水が引くかのように下がっていく。
……屋内で使ったらどうなるんだろう
シナリオ攻略で使いやすい技だがムービーがかなり長いという地味ながらも無視できない欠点を抱えている。時間が気になる人はエフェクトをオフにしておこう。


  • 第3世代
マップ上ではホエルコのような生物に主人公が乗り込む。
また、この世代から水上で釣りができるようになった。

コンテストで使用した場合、4点のうつくしい技となり、これまた使い勝手が良い。

バトルではいかにも波らしい波が敵に向かって押し寄せる。
因みに、エフェクトの時間が最も短い世代でもあった。

この世代のダブルバトルでは敵2匹のみに攻撃できた。

広大な海を擁するホウエンはなみのり好きの聖地。

ルビー・サファイア』では、ダート自転車使用中に特定の動作をすると陸上で波乗りが発動できた(通称“陸乗り”)。
これによって走ったり自転車が使えない道をすいすい進むことができる。
ヒワマキシティジムにデボンスコープを使わずに挑戦できたりもするが「そらをとぶ」を使えないと詰む。

第3世代から実装された「しぜんのちから」はバトルする環境に応じた技が繰り出されるが、第3世代のみ、海上で発動すると「なみのり」の効果が出る。
(第3世代では、川や池→「バブルこうせん」、海上→「なみのり」、ダイビング中→「ハイドロポンプ」が繰り出される。第4世代以降は、水辺なら一貫して「ハイドロポンプ」が出る)


  • 第4世代
この世代から味方を巻き込む全体攻撃に変化。
また、バトレボでのエフェクトは迫力満点である。

水上グラフィックはなんかよく分からない生物に主人公が乗るというもの。
ダイヤモンド・パール』では遊泳速度が異常に遅くイライラさせられたが、『プラチナ』以降は改善された。

タッグパートナーのポケモンを「なみのり」で押し流したのはいい思い出。

また、かの有名な「なぞのばしょ」関連のバグで使ったのを覚えている方も多いだろう。


  • 第5世代
技の仕様について特に変わった所は見られないが、技エフェクトの迫力が格段にアップ、水上移動中に水飛沫が上がる等、ビジュアル面で強化された。

また、現段階ではマップ上で使わなくてもクリアが可能な唯一の世代でもある。

対戦面では汎用みず特殊技に「ねっとう」が登場。
威力は「なみのり」より下だが3割やけどという非常に優秀な追加効果を持つことから「なみのり」の立場は危うくなった。


  • 第6世代
特殊攻撃技弱体化のあおりで威力90に微減。
「ねっとう」との威力差が縮まって需要をさらにあちらに奪われることに。
水上移動時は影の上に乗るが、『X・Y』ではラプラスのみ、
OR・AS』ではサメハダー(釣竿が使えない代わりにスピードアップあり)・カイオーガ・ホエルコに専用グラフィックが用意されている。


  • 第7世代
ポケモンライド」というシステムが実装されたため、ひでんマシンが廃止されてしまった。
ちなみにライドでなみのり効果を得られるポケモンは前の世代で専用エフェクトのあったラプラスサメハダー
なみのりそのものは同様にひでんマシンだった「たきのぼり」共々後にわざマシンとして手に入るのでご安心を。

対戦面ではやけど関連に様々な弱体化が重なって「ねっとう」の脅威度が薄まったことや、カプ・レヒレの登場等で若干救われた。


  • 第8世代
引き続きひでんマシンはなく「ロトムじてんしゃ」により水上を移動できる。
そして「なみのり」はわざマシンではなく使い捨て型の『わざレコード』のひとつに。これまでずっと覚え放題だったわざだが、ついに使い捨てどうぐでの習得わざになってしまった。
この世代からなんとピカチュウがわざレコードで「なみのり」を覚えられるようになった他、待望の自力取得者も登場。ガラルヤドン進化しても水タイプがないのに原種との兼ね合いからかレベルで覚えられる。
DPのリメイクであるBDSPでもひでん技はポケッチアプリになったためわざマシンとして登場。
BDSPのわざマシンは使い捨てなので使用感は剣盾とあまり変わらない。


  • 第9世代
前世代と同じく使い捨てのわざマシンで習得できる技である。
今作のわざマシンはポケモンの素材を使って作成・入手することとなり、「なみのり」の作成にはケイコウオナミイルカウミディグダの素材が必要になる。
性能や習得ポケモンに特筆すべき点はないが、最大の競合相手だった「ねっとう」のわざマシンが削除されたことで対戦での状況が一変。
熱湯を習得するポケモンが全くいなくなってしまったので、実に第4世代以来の命中安定水技の第一選択肢に復権した。
DLC第一弾では再び「ねっとう」のわざマシンが入手可能になったものの、覚えられるポケモンがごく少数に絞られているので「なみのり」の対戦での立ち位置は依然として高いままとなっている。


『なみのり』をした瞬間、何処からともなく水が溢れだし、GBのグラフィックとは比べ物にならない迫力で水が迫り、どっかへ消えてゆく。
ポケモンスタジアムを代表する派手な演出である。



アニメ

アニメでは、基本ひでんマシンは無いようなもののように扱われている。

小さいポケモンで泳ぐ時は、水ポケモンにトレーナーが掴まって進んだり潜ったりする形になっている。
ミュウツーの逆襲ヒトデマンとかゼニガメとかがいい例。

大きいポケモンだと、背中に乗るのが基本姿勢。
ラプラスとかカメックスが例。


作中で明確に「なみのり」という技を指示したのはサイドストーリーでタケシの母ミズホが初。マリルが使用した。
他にもDPのタッグバトル大会の時にはサトシシンジの対戦相手のサイドンが使用しており、
ポケモンスタジアム同様何処からともなく水が溢れだし、波の頂点にサイドンが立った状態でサトシのピカチュウとシンジのヒコザルに迫っていた。
ちなみにその際サイドンのパートナーのブーバーは「まもる」で自分へのダメージを防ぐというアニメらしからぬガチな連携を取っていた。

SMでは久々にスイレンのアシマリが使用した。

漫画作品

アニメ版と似た様な演出だが、「なみのりピカチュウ」については「『みがわり』を使えるピカチュウが「みがわりによる分身は水を弾く」特性を利用してトレーナーや他ポケモンと共にサーフする」という解釈がされていた。
ちなみにひでんマシン03も登場したが、海中でレッドが見つけた直後、たまたま近くを泳いでいたカイリューに壊されてしまった。


ポケモン不思議のダンジョンシリーズ

覚えるポケモンは本家に準ずる。ダイビング状態の敵に2倍ダメージという効果も同じだが、タイトルによって効果や用途などにばらつきあり。

 正面の敵1匹にみずタイプの攻撃。
 ひでんマシンとして登場。このひでんマシンは、クリア後の物語進行のフラグになっている。「たいようのどうくつ」の終点でひでんマシンを入手すると、ラティアス救出ルートとエンテイライコウスイクンミュウツーへの挑戦ルートが追加される。
 (たいようのどうくつをクリアしても、なみのりのひでんマシンを拾っていない場合はフラグが立たない)
 クリア後の一部ダンジョンに挑むには、なみのりのひでんマシンを持っていくか、なみのりを覚えたポケモンを連れていく必要がある。
 このタイトルの「しぜんのちから」は第三世代準拠で、海エリアでしぜんのちからを使うとなみのりが発生。

 ひでんマシンとして登場し、「さいごのま」で稀に拾える。(ランダムドロップ)
 ただ、前作のようにダンジョンへの入場条件や進行フラグにはなっていない上、技自体は前作に引き続き正面1匹に水攻撃なので影が薄い。

  • ポケモン不思議のダンジョン すすめ!炎の冒険団・いくぞ!嵐の冒険団・めざせ!光の冒険団
 扱いは時・闇・空の探検隊と同じ。
 ただ、今作ではひでんマシンを手に入れるまでの道のりが物凄く遠く
 ①レベル1/かしこさ0/リーダーのみ/道具持ち込み禁止/全30Fの「さいごの~」ダンジョンに行ってカギを拾い、そこのゴールで拾えるごうかなはこにカギを使わずにとっておく
 ②レベルカンスト必須/おたすけポケモン禁止/全50Fの最終ダンジョン「でんせつの~」ダンジョンの45Fにあるごうかなはこをゲット
 ③ ①で入手したカギを②でゲットしたごうかなはこに使う
 これらをこなすことで、ようやくどれかのひでんマシンが手に入る。
 それだけ苦労を重ねさせられるだけあって、いりょく・めいちゅう共に技の性能は申し分ないが、正直なところ、ゲームをクリアした称号という立ち位置といったほうが近いかもしれない。
  実用性の話をするなら、威力が多少低くとも、ひるみを狙える「たきのぼり」のほうが当たり

 ひでんマシンの概念がなくなり、わざマシンで覚えられる技になった。伝承の断崖でわざマシンを入手可能。
 本タイトルから、部屋にいるすべてのポケモン(味方を含む)にダメージが入る技に変更された。威力が高く、仲間に対して威力減衰などという甘えはないので、ほのお・じめんタイプの仲間でなくとも巻き込まれれば波にさらわれお別れなんてことも。

 前作と同じく、部屋全体技。つながりオーブ「ヤドキング」の報酬で入手可能。

  • ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX
 青・赤の救助隊のリメイクだが、扱いはマグナゲート以降に準ずる。わざマシンで覚えられる味方を巻き込む部屋全体技。
 たいようのどうくつ関係のフラグとしての役割もなくなり、持ち込みか習得が必須のダンジョンもなくなった。
 今作では、ある程度ストーリーが進むと街のカクレオンが普通に売りに出したりしているので入手難易度は低い。


なみのりが使える意外なポケモン一覧


怪獣・牛系ポケモンは伝統的に使用できる模様。
※第7世代以前は景品や過去の配信など特別な方法でのみ使える。サーフボードに乗る所謂波乗りピカチュウ。


みずタイプのクセになみのりを覚えないポケモン



追記・修正は陸乗りが成功したらお願いしまゴォォゴォォゴォォ ブバーブバー ブバーブバー(初代)

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最終更新:2024年01月04日 21:50

*1 ポケモンではないが、河本ひろしによる漫画「怪獣王ゴジラ」には地底怪獣であるはずのバラゴンが海中から現れ、あまつさえ自由に活動している事に登場人物が驚愕する場面がある。生息環境と異なる場所での活動は驚くべき事なのだ。

*2 習得するためには「ポケモンスタジアム」との連動が必要。3DSのバーチャルコンソール版ではなみのりの習得に関わらずプレイ可能になっている。

*3 初代では限られたエフェクトを組み合わせて個別の技を表現していたため