バースト射撃

登録日:2011/04/06(水) 11:51:23
更新日:2019/05/09 Thu 16:28:50
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バースト射撃とは自動式火器に見られる、一度のトリガー操作で複数の弾丸を発射したのち、射撃をストップする機能や発射形式、「制限点射(厳密には制限点射機構)」の事である。
一般的なのは突撃銃やサブマシンガンに採用されている「3点バースト機構」であり、これは一度引き金を引くと3発の弾が発射されるというものである。
「数発をワンセットにして撃つ」と言えば分かりやすだろうか。
あくまで突撃銃やSMGで有効な仕組みでありフルオート射撃前提のGPMG、SAWでは無意味である。


○フルオートでは駄目なのか
駄目です。
フルオートでのゲームの様な長時間連射は銃が反動と衝撃で暴れてしまい命中率が極端に低くなり、結果弾薬を無駄遣いしてしまう。
だからこそ反動で狙いがずれる前に射撃を止めてしまうバーストは現代の銃には必要な機能と言える。
スクリーン上では問題ないが、誤射や跳弾は怖いし持ち運べる銃弾にも限りがある。
フルオートでの連射は面制圧に向くものの、パニックになりやすいと無駄弾になる。
セミオートだと一回ずつ引き金の操作が必要なので、打撃力に劣る。

錬度の高い特殊部隊兵には邪魔にもなる機能であるバーストだが、初めて実戦投入された新兵にはありがたいものである。


○それ以外の利点は?
新兵の撃ち過ぎ対策、反動で狙いがずれる前に複数打ち込む為(相手を確実に倒す)、といった狙いがある。
自衛隊の89式小銃の発射速度は750発/分なので30発の弾倉だと撃ち続ければ3秒弱で弾倉は空っぽ。
3発以上だと反動で銃口が上を向いてしまうので5点バースト等は作られていないが、最近では3発でも多いという事で「2点バースト機構」の銃(後述)も登場しつつある。


○フルオートで指離す
フルオート射撃時にトリガーを引きっぱなしにしない「指切り」というテクニックはある。ただしこれはGPMGやSAWを用いる兵の方が有効に使える。
例えば89式小銃の発射速度は750発/分(例には89式を挙げたが、遅いものでも600発/分)なので1秒間に12.5発発射される計算になり、
この速度で2~3発発射するにはトリガーを引いてから0.16~0.24秒で指を離さなくてはいけない。
特殊部隊や海兵隊クラスの実弾訓練を積んで慣れれば出来なくはないものの訓練に時間や弾薬等を無駄に費やす事になるのであまり優先されてはいない。


射撃中に指切りすると、次の射撃時に3発の撃ち残りがでるやつ(M16A2、M4)、毎回リセットされるもの(89式)、がある。



○2点バースト機構もあるの?
3点でも多いという事で2点バーストも存在する。
特筆すべきは1994年にロシア軍に制式配備された「AN94アバカン」。2点バーストでの発射速度はなんと1800発/分で毎秒30発である。
ただし機構上の問題で、1800発/分で発射出来るのは最初の2発のみ。
3発目以降は600発/分と普通の数字である事は注意。
H&KのUMPやTDI ベクター等が2点バースト機構を備えている。
UMPはトリガーユニットの交換で3点バーストにもバースト無しにも出来る。


○どんな銃にあるの?
TVや漫画で見聞きする突撃銃にはほぼ備わっている…というわけではない。どちらかと言うと無い方が多い気がする。
シュタイアーAUGFN SCARFN P90AK-47、AK74にもない。M4と89式にはある。
上記の問題点はセミオートで撃てばあまり関係無い、訓練して指切りができれば無くてもいい、というのもある。

またサブマシンガンやマシンピストルにも採用されており前者はMP5、後者はベレッタ M93R(この銃はそもそもフルオートが無い)等に採用されている他、
VP70は専用ストックを付けることにより3点バーストが出来るようになる。


○ダブルタップ
イギリスの特殊部隊SASはその昔、FNハイパワーが制式拳銃だった頃、9mmパラベラム弾は威力が弱く、一発では敵を行動不能にする事が出来ない事もあり、
頭部に素早く二発撃ちこむ「ダブルタップ」というテクニックで補っていたといわれている。バースト射撃と言えなくもない?なお現在は別な方法に変更している。

○欠点は?
銃自体に余計なギミックを仕込むので構造が複雑化し、故障確率が上がったり整備の手間が増える。
また機械的に点射するシステムが仇となりパニックトリガーで指を引ききって(握り込んで)しまい三発で弾が止まり、
指を戻し忘れ弾が出るのが遅れて相手に隙を見せてしまうという真逆の弊害を引き起こす。
こういう事もある為前述の通り特殊部隊等錬度が高い(とりわけフルオート射撃前提のGPMGやSAWを使い慣れている)兵は、
指切りで十分(指切りの方が点射の数を状況に合わせてコントロール出来るので有効)としている。
そもそもアメリカで採用されたのはベトナム戦争の戦訓からなのだが、
これは当時の兵の質そのもの(ショートタイマーと呼ばれる半分徴兵のような短期速成志願兵も多かった)が良くなかった事から来たもので、
全面戦争が減り訓練期間も十分に取れる様になった今では逆に錬度の低い速成兵作りにしかならないという事で海兵隊などではフルオートのM16A4に戻している。


○実戦編
実際に使える。FPSで。
FPS上級者はすでに感覚的にやっているかも。

フルオートで発射ボタン(左クリック?)長押しでは反動と衝撃で銃が暴れて(ry、「トリガーハッピー」といった不名誉な称号を得ることになりかねない。
そこで、フルオートで発射ボタンを押しては離す、押しては離す、を繰り返すことでバースト射撃っぽいのが再現できるはず。
つまりは撃ち始めの最初の数発は狙った場所に飛んでいく性質を利用した射撃方法。
タップ撃ちとも言う。
これが上手くなれば、上級者へ一歩近づくのではないだろうか。

ちなみに近距離での撃ち合いでこれをやったらフルオートに「手数」で押されるのであくまでも、中距離以上でやりましょう。
あまりにも遠すぎるとバーストでも当たりにくいので、落ち着いてセミオートで確実に。

またTPSではアンチャーテッドシリーズでG-MALなどが登場し、遠近両用の強さから対戦で愛用されている。

もちろん自身の体を使ったサバイバルゲームでも有効である。
ガスガンはフルオート射撃を長く続けると、動力源となるガスの供給が射撃による消費に追いつかなくなり、作動不良を引き起こすことがある。
そのため指切りによるバースト射撃は当たり前のように活用される技術であった。
電動ガンとその純正オプションである多弾数マガジンの普及により一度はすたれた技術であったが、
リアリティ重視のプレースタイルが見直され、さらにガスガン再隆盛の流れも味方し、再び日の目を見るようになった。


バースト機能のある銃器・(2)は2点バースト

また、H&K製ショルダーウェポンは、トリガーパック(グリップフレームに収まったハンマーメカニズム一式)交換によって、
フルオート及びバースト機構の有無・発射弾数を自由に設定可能である。
MP5はセーフティ/セミ(一般用)、セーフティ/セミ/フル(A1~A3)、セーフティ/セミ/2or3点バースト/フル(A4以降)と種類が多い。
ただUMPはセーフティ/セミとセーフティ/セミ/2バースト/フルの2種類しかない模様。



〇余談
よく「フルバースト(全弾一斉発射?)」という言葉を見聞きするがこれは造語。
ZOIDS/0のリノンのフルバーストやモンハンのガンランスフリーダムガンダムや遊戯王の全弾発射からきたと思われる。
英和辞書だとburstは「爆発すること」となっているのであながち間違いではないが、
銃器の世界では「バースト射撃=複数弾をワンセットで撃つ」なのでフルバーストでは言葉として矛盾している。
時と場合と場所によっては馬鹿にされる恐れがあるので気を付けよう。



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