諏訪七不思議

登録日:2012/02/12(日) 21:11:58
更新日:2022/08/23 Tue 14:43:21
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諏訪七不思議とは、建御名方を祀る長野県の諏訪大社に伝わる伝承。

ここでの七不思議とは怪談ではなく、純粋に「不思議なこと」という意味。
奇習・奇祭の多い諏訪大社周辺ならではと言える。


詳細


諏訪大社は前宮と本宮の上社と、春宮と秋宮の下社からなり、上下に七つずつ。重複もあるので全部で十一種類存在する。

【上社七不思議】


①御神渡り
おみわたり
真冬に上社と下社の間にある諏訪湖が凍りつく際、表面が盛り上がる現象。
古人はこれを上社にいる建御名方神が、下社にいる細君・八坂刀売神に会いに行く為湖を横切ることで出来ると考えた。

科学的には気温の上下で氷の膨張・収縮が繰り返されてできるとされている。社も御神渡りの両端ができやすい位置に建てられたとか。
近年は温暖化の影響か、なかなかお目にかかれない。


②御作田の早稲
藤島社にある御作田は、6月30日に田植えを行っても7月末ごろには収穫できた、という伝承。


③穂屋野の三光
八ヶ岳で行われる御射山祭(御射山御狩神事)が終わる日、必ず太陽と月と星の光が同時に見えるというもの。

因みに一説では御射山祭は坂上田村麻呂が開祖だとも。


④元朝の蛙狩り
諏訪大社で毎年元日に行われる蛙狩神事。
その為に必要な赤蛙が2~3匹、御手洗川の氷を割ると必ずとれるというもの。

宝永三年の大晦日には洪水により神事が遂行できないかもしれないという事態が起きた。
しかし翌日の元旦、拝殿に3匹の赤蛙がじっと待っており、それによって無事蛙狩神事を行うことができたという伝承がある。


⑤高野の耳裂鹿
4月15日の御頭祭にて、生け贄にする75頭の鹿のうち、必ず一頭は耳が裂けているというもの。

そりゃそんだけいれば一頭くらいいるだろ。とか思ってはいけない。


⑥葛井の清池
大晦日。葛井神社の池にその年使った祭具等を放り込むと、元旦に静岡県の佐奈岐池(さなぎいけ。現・桜ヶ池)に浮かんでくる。


⑦宝殿の天滴
別名お天水。
どれだけピーカン照りが続こうとも、上社の宝殿屋根にある穴から毎日必ず三滴以上の雫が落ちてくる。
これが天竜川の源泉となっている。

この水でもって雨乞いをすると必ず雨が降ったとされる。



【下社七不思議】


①御神渡り
上社①と同じ。


②御作田の早稲
上社②とほぼ同じ。


③穂屋野の三光
上社③と同じ。


④五穀の筒粥
1月14日から翌日にかけて行われる筒粥神事。
竹筒に44本の葦と一緒に入れて一晩炊いた小豆粥の出来量からその年の作物の吉凶を占う。

的中率は驚異のほぼ100%。


⑤根入杉
秋宮境内にある大杉の伝承。
丑三つ刻になるとこの杉は枝をたらし、鼾をかいていたというもの。


⑥湯口の清濁
下諏訪温泉に伝わる伝承。
この温泉は八坂刀売神が綿を置いた場所から湧き出ているという伝説が残っている。

邪な心を持つ人間が入ると湯口が濁る、と伝えられている。


⑦浮島
下諏訪町を流れる砥川にまつわる伝承。
古くから灌漑用水として利用されつつもたびたび氾濫していた砥川に、どんな大水にも土が流されない島があったという。



余談


因みに東方風神録に登場する八坂 神奈子洩矢 諏訪子の使用するスペルカードに多く採用されている。

かなり気合の入った作りなのは、神主ことZUNが長野県白馬村の出身であるからだと思われる。




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最終更新:2022年08月23日 14:43