霊子甲冑(サクラ大戦)

登録日:2010/09/28(火) 06:47:20
更新日:2022/10/07 Fri 14:07:50
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※4Gamer.net

霊子甲冑とはサクラ大戦シリーズにおいて主人公達が搭乗する兵器の総称。
主に光武、アイゼンクライト、スターシリーズに分けられる。


【霊子甲冑開発まで】
1861~65年にかけてアメリカ合衆国において南北戦争が勃発。戦争は中盤から魔術戦争の様相を帯び、南軍は呪殺(マクンバ)部隊を結成、呪術による無差別殺戮作戦で次々と勝利を重ねていた。
しかし、ユタ州のある場所で作戦を終えた呪殺部隊の去った後、
北軍の調査団は累々と転がる死体の中、一人の赤ん坊が蒸気トラクターの中で泣いているところを発見。
なぜこの赤ん坊だけが呪殺から生き延びる事が出来たのか、戦争終盤、北軍はその謎をトラクターに使われていた材質から解明した。
トラクターの材質は性能の悪い高炉のような不安定な環境でまれに起こる金属の結晶化を起こしており、また安価な鉛を鉄と混合した合金であった。更に、この合金には外部からの霊的な力を遮断する性質がある事を突き止める。

そこで北軍は、このトラクターと同型のトラクターを片っ端から徴集し、それを装備して呪殺部隊に戦いを挑み勝利。後に北軍はこの配合比で意図的に結晶化させる技術を確立。
この特殊合金を「シルスウス鋼」と名付け、局地戦で圧倒的戦果を挙げる人型蒸気の装甲としてこれを採用。呪術を主力に戦う南軍から勝利を納めた。
この戦果から数年後、世界各国は人型蒸気の弱点である出力の問題をクリアするべく取り組み、
1920年代に入り人間が多かれ少なかれ持つ精神エネルギー「霊子(霊力)」を使う霊子力機関が発明されると、
従来の蒸気機関と併用する「蒸気併用霊子機関」理論が確立された。

なお、前身となる人型蒸気は欧州大戦(現実世界での第一次世界大戦)で兵器として活躍し、その装甲に使用されているシルスウス鋼による対妖力・防弾力の高さで塹壕陣地を突破するなど活躍したが、霊子甲冑の兵器としての運用は対妖力・対魔物迎撃に特化した都市防衛のみに限定されている。

当時日本はアメリカで開発された人型蒸気「スタァ」を輸入・研究しており、やがて帝撃花やしき工房において世界初の蒸気併用霊子機関式人型蒸気の開発に成功。
これを「桜武」と名付け、総称として「霊子甲冑」と呼ぶこととなった。

その後、技術は発展し、シルスウス鋼以外の霊力の触媒となる金属が開発されて装甲に採用された。

一方で操縦者に求められる霊力のレベルが高い為に操縦者候補がかなり少なく、しかもほぼ女性に限られるという欠点があったが、後に「新サクラ大戦」前後の時代において更なる技術の発展により「霊子戦闘機」が開発される。霊子戦闘機は霊子甲冑より霊力変換効率が劇的に向上し、その副次的効果で操縦者に求める霊力の要求レベルが下がり、世界各地に華撃団が誕生する程に操縦者が増加。男性の操縦者も増えている。

【光武シリーズ】

  • 光武
所属 帝国華撃団・花組
正式名称 虎型霊子甲冑兵器・光武
開発年月日 1922年9月
設計草案 山崎真之助
設計 神崎忠義
施工 神崎重工
全高 2428mm
乾燥重量 674kg
主機関 蒸気併用霊子機関
限界行動時間 2時間

搭乗者の霊力を使う世界初の妖術戦専用兵器。
固定兵装をあえてオミットしたため、搭乗者や戦況に応じて使い分けることが可能。
重層・空隙構造を用いて軽量・硬質化を計っている。

  • 神武
所属 同上
正式名称 卯型霊子甲冑兵器・神武
開発年月日 1924年1月
設計草案 同上
設計 同上
全高 3507mm
乾燥重量 2520kg
主機関 蒸気併用霊子機関改(二基直列)
限界行動時間 4時間

帝国華撃団の第二世代起動兵器。改良した霊子機関を直列でつなげ出力を高めた対降魔戦闘専用兵器。
操作系も一新され一層複雑な動作と機動力を有する反面、搭乗者は高度な技術と霊力を要求される。
また、大型化・大出力の代償に維持費も非常に高くなっている。

  • 光武・改
正式名称 虎型霊子甲冑兵器 光武・改
開発年月日 1924年6月
製造 神崎重工/帝国華撃団
全高 2532mm
乾燥重量 728kg
主機関 蒸気併用霊子機関・改
限界行動時間 3時間

先の降魔戦において大破した神武に代わり、回収された第一世代を再採用したもの。
改良が加えられ1.8倍の出力増、関節部の変更や武装の新造などで神武と比べても高い完成度を発揮する。

  • 天武
正式名称 辰型霊子甲冑兵器 天武
開発年月日 1925年11月
設計 帝国華撃団
製造 同上
全高 3775mm
乾燥重量 3245kg
主機関 蒸気併用霊子機関三型

光武・改に続く次期正式主力霊子甲冑として帝国華撃団花やしき支部において開発された機体。設計段階から全てを紅蘭ほか花やしき工房が手がける。
従来の併用機関に加え、都市の霊的エネルギーを吸収・利用するため、従来機を遥かに凌ぐ高出力を誇る。
しかし、ある状況下で操縦者にかかる負荷が再起不能になりかねない程深刻になるという致命的欠点が判明、以後運用は中止され、再び光武・改を運用する事になった。

  • 光武二式
正式名称 虎型霊子甲冑兵器 光武二式
設計 帝国華撃団
製造 同上
全高 2562mm
乾燥重量 1912kg
限界行動時間 10時間

光武・改を更に改修した霊子甲冑。
巴里華撃団で採用された光武F及びF2の技術や設計思想を取り込み、各搭乗者の特性に合うカスタマイズが限界までなされた結果、
性能やフォルムも既存の光武シリーズとは一線を画するものとなった。

  • 三式光武
設計・開発 神崎重工/帝国華撃団
製造 同上
主機関 蒸気併用霊子機関

霊子甲冑から霊子戦闘機への移行を視野に入れて開発された霊子甲冑で、光武シリーズ最終モデルの霊子甲冑。
本来の名称は「光武三式」となる予定だったが、「霊子戦闘機への移行の際の参考」という開発目的から、「霊子甲冑開発の為のデータ収集」の為に開発された三色スミレにあやかって「三式光武」と名付けられた。
光武二式をベースに開発が進行められ、アンシャール鋼を使用して軽量化を図った機体。関節部等も改良され、コクピットが一部可動になったほか、
よりフレキシブルな動きができるようになった。
ただし、開発目的上、フレームの基礎構造は光武二式型と大差なく、霊子戦闘機には搭載されている霊子過給機はない為、総出力や霊力効率は悪く、
総合的な戦闘力は霊子戦闘機に劣る。しかし、その後開発された神崎重工初の量産型霊子戦闘機「無限」の基礎を築いた。

  • 光武二式 SS型
設計・開発 帝国華撃団
製造 同上
主機関 蒸気併用霊子機関
『サクラ大戦』シリーズの未来の可能性の一つとされる『サクラ革命』で登場。
光武二式・真宮寺さくら機のレプリカで、太正10年代に次々襲来する降魔から帝都を守り抜いた初代帝国華撃団の隊員達の偉業を称えて製造され、大帝国劇場のロビーに展示されていた。
太正84年の「帝都大厄災」で新たな魔の存在「降鬼(こうき)」が出現した事に伴い実戦投入が決定されたが、搭乗者として予定されていた当時のトップスタァにしてエース隊員・咲良なでしこの霊力量が、一般人と大差ない事が判明。そこで、当時の整備班であった丸らによって高度に小型集積・高性能化された独自の蒸気併用霊子機関を搭載する事で解決した。
これの存在を知った帝国最高技官・サマエルは、帝国華撃団の影響力を少しでも削ぐべくこれを解体しようとしていたが、それを知った殆どの大帝國華撃団B.L.A.C.K.(帝都大厄災の裏で進行していた陰謀により解体された帝国華撃団に代わって、黒幕の手で設立された『帝国華撃団』)メンバーからの猛反発を受け*1、解体は中止。新帝國劇場の地下に保管されていたが、帝国華撃団と帝国政府との帝都決戦において、再びなでしこが搭乗。

  • 光武F
正式名称 光武F
開発年月日 1926年2月
設計草案 帝国華撃団/神崎重工
設計 神崎重工(機関部)/シャノワール
製造 神崎重工/シャノワール
全高 2592mm
乾燥重量 722kg
主機関 タービン型蒸気併用霊子機関
限界行動時間 10時間

新設された巴里華撃団の霊子甲冑。
帝国華撃団花組で用いられた光武から天武までの実践データを元に基本設計から大幅に見直し開発された機体。
機体の開発に際しても神崎重工の人間が派遣されており、日仏の技術の粋を集めた仕上がりとなっている。

  • 光武F2
正式名称 光武F2
開発年月日 1926年9月
設計 シャノワール/帝国華撃団
製造 シャノワール/帝国華撃団
全高 2592mm
乾燥重量 737kg
主機関 タービン型蒸気併用霊子機関・改

光武Fに続いて開発された新型霊子甲冑。
ジャン・レオ率いるシャノワールメカニックと帝国華撃団の李紅蘭が共同で設計・開発した。
主機関の改良で出力は従来機の1.7倍。
さらにジョイント式のオプション装備の追加が可能となったほか、光武Fとほぼ同サイズであるため整備運搬や、狭い市街戦での不都合がないことも特筆点である。

  • 光武X、光武Ω
正式名称 光武X、光武Ω
設計 帝国華撃団
製造 同上
主機関 新型蒸気併用霊子機関

サクラ大戦シリーズのスパロボ初参戦作品『スーパーロボット大戦X-Ω』で登場した、スパロボオリジナル光武。
花組だけでは戦力が足りない程の大規模な霊的災害に備え、度重なる魔の者による大規模事件が発生した事実を重く見た賢人機関が考案した光武量産計画を基に、華撃団司令・米田一基が秘密裏に開発させた試験量産型霊子甲冑。
最大の特徴は、「霊子甲冑を操縦するには霊力が足りない者でも操縦できる」という、これまでの霊子甲冑の常識を覆す搭乗者の選定範囲の広さ。
また、熟練した戦士の戦闘データから作ったモーションデータ(光武Xが大神、光武Ωがさくらのデータを使用)が組み込まれており、操縦者はそれを選択して使う事で一定の戦闘力を発揮出来る為、戦闘訓練を積んでいない一般人にも扱いやすい。
しかし、戦闘力とコスト面の折り合いがつかず、光武Xが1機、光武Ωが2機の計3機製造されたところで計画は凍結された。
後に、地脈を暴走させ帝都崩壊を狙う恐竜帝国と堕天翅族との決戦において、米田により使用が検討された。だが、その時点では採用された新型蒸気併用霊子機関のテストすら終わっておらず、パーツの方も用意できたあり合わせのもので急遽組み上げた状態(光武Xが大神の光武二式の予備パーツ、光武Ωがさくらの光武二式の予備パーツを使用)と、テストパイロットを乗せる段階にも達していない未完成品だった。
しかし、帝都での戦闘で乗機が使えなくなり、戦いを指をくわえて見ているしかなかった『X-Ω』オリジナルキャラの主人公イヌイ・アサヒと、シャッテ・ジュードヴェステン、イヌイ・ホノカらが大事故のリスクを承知で、光武Xにアサヒ、光武Ωにシャッテとホノカが搭乗し、決戦に参加。事故が起きる事もなく、見事に華撃団と共に恐竜帝国と堕天翅族を撃退し、無事に帰って来た。

【アイゼンクライト】
正式名称 アイゼンクライトV型(クロイツ)
開発年月日 1924年11月
設計 カール・オストヴァルト
製造 ノイギーア社(ドイツ)
全高 3132mm
乾燥重量 1471kg
主機関 蒸気併用霊子機関(Y型)

1919年、ノイギーア社が神崎重工から人員・技術援助を受け開発したアイゼンクライトT型から独自の発展を遂げた霊子甲冑。
光武シリーズとの最大違いはY型に配置された三基の並列霊子機関。
機関部が回転・ローテーションすることで搭乗者の動きをより効率的にエネルギーに転換できる反面、
それに応じた高い技術と霊力が必要になる正真正銘のエリート専用機となっているため、実質上欧州星組の専用機。

【スター】
  • スター
正式名称 FENICS AT-05
開発年月日 1928年2月
全高 4001mm
乾燥重量 4230kg
出力 7800hp
主機関 蒸気併用霊力機関Tian

設計コンセプトが都市防衛を主眼に置いた重機動兵器であるため、ドイツノイギーア社製のアイゼンクライトの流れを汲む霊子甲冑。
光武シリーズのデータと技術を用いた機体でありながら機体の大型化、高出力化に重きがあること、また飛行能力の獲得が特徴。

  • スター試作型
正式名称 FENICS X-4Si
開発年月日 1927年3月
全高 4005mm
乾燥重量 4410kg
出力 5500hp
主機関 蒸気併用霊力機関Tian mk.2

設立以前から紐育華撃団隊長に内定していたラチェット・アルタイルのために作られた専用機。
後のATシリーズの試作型であり、合衆国の重機会社が複数合体した組織FENICSがジャン・レオ、パーシー・ホワード、王行智の協力を得て作った最初の霊子甲冑。
また光武シリーズ、アイゼンクライトの装甲がシルスウス鋼であるのに対し、
FENICSシリーズにはアメリカの現用兵器にも使われるファーレンハイト合金を採用していることも特徴の一つとなっている。

【双武】
所属 帝国華撃団・花組
正式名称 巳型霊子甲冑兵器・双武
搭乗者 2名
設計草案 帝国華撃団
設計 帝国華撃団
施工 帝国華撃団
全高 4123mm
乾燥重量 4125kg
主機関 蒸気併用霊子機関三型・改×3
出力 2600hp×3

世界初の複座式霊子甲冑。
帝国華撃団・花組の大神一郎率いる大神華撃団の最終決戦兵器。
それまでの霊子甲冑とは違い、搭乗者2名の霊力の波長を合わせることで爆発的に増幅させるという全く新しい霊子甲冑であり、
その性能はあらゆる面で圧倒的ながら、波長が合わなければ搭乗者の生命までもを脅かす両刃の機体。
カラーリングは13種。



以上4種の霊子甲冑はシリーズ中搭乗した主たる機体であるが、欧州大戦等で各国が凌ぎを削った人型蒸気の開発競争がこれらの大きな地盤となっている。

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最終更新:2022年10月07日 14:07

*1 B.L.A.C.K.メンバーには、初代帝国華撃団の活躍に憧れて入団した者も多く、この機体は初代帝撃の栄光の象徴として、強い畏敬を持たれていた