特別編(アカメが斬る!)

登録日:2012/04/29(日) 10:22:38
更新日:2023/02/09 Thu 12:00:35
所要時間:約 4 分で読めます




ガンガンJOKERにおいて連載中である『アカメが斬る!』の、ヤングガンガンに掲載された読み切り式の番外編。
単行本では第5巻に収録されている。

本来の主人公タツミではなく、未読の人にもわかりやすいようにか三人の少女を主人公にしている。
三人ともデザインがかなり可愛く、本編におけるスピアのようにゲストキャラにしておくには惜しまれる容姿をしている。それをよく念頭に置いて読んで下さい



【ストーリー】

冒険者に「武器屋もないのかよ」と言われるほどド田舎の村から、帝都に使用人として奉公に上がることになったエア・ファル・ルナの3人娘。
彼女達を出迎えたのは、これから主となる爽やかな笑顔が特徴の若い美青年貴族バックだった。
憧れの都会に胸をときめかす三人に、彼は身なりを整えるよう予算を与えショッピングを薦める。
「男は皆狼」という言葉で警戒していた三人だったが、終いには食事の美味いレストランにまで連れられた。

「楽しそうでなによりだよ」
「ありがとうございますっ!」
「うん。じゃあメインディッシュといこうか」










以下ネタバレ










突如現れた黒服の男たちに取り押さえられる三人。
そして、バックの背後に現れる醜悪な老人たち。
もう普通の女では満足できなくなった富裕層の人間。
バックは、そういった愛好家に若い娘を斡旋することで利益を得ていたのだった。
あれこれと親切にしたのも、クライアントは全員最高に幸せそうな笑顔を見てから壊していくのが堪らなく好みだからである。

「こういう娘を少しずつ刻んでいくのが面白いんですよ」

抵抗も虚しく、手始めに両足を折られるファル。

「目がいいのう。そういう子をペロペロするのが萌え萌えなんじゃ」

泣き叫んで懇願しても、アイスピックで両目を潰されるルナ。
そして服を剥かれたエアは、最後のクライアントの子供にプレゼントされることになった。

「良かったね、どこも壊されないで。ま、人間の尊厳は壊れるけどね♪」

正しくは、”子供のように可愛がっている発情期真っ盛りの犬”である。
笑う男達の眼前で、エアに犬が迫り……。





それからしばらくして、帝都のとある墓地にエアはいた。
あの後、ファルは歯も指も全て失った末に死亡。
ルナは耐えきれなくなって投身自殺。
ただ一人残された彼女は従順な犬になりきって主人を毎晩悦ばせることをし続け、今では外出さえ許可されるほど可愛がられていた。
全ては、晴らせぬ恨みを晴らす殺し屋集団『ナイトレイド』に依頼する為である。


そして、満月の夜。
ある宴会場でバックを中心に鬼畜の会合は盛り上がっていた。
次の商品が決まり、特別メニューの日程が決まったと。
自分たちにナイトレイドの影が迫っていることなど露知らず。

「冴えない最後のセリフだったな」

先鋒として見張りの首をへし折るレオーネ。

「全員標的、確認終了。死になさい」

「かかって来いよ。ゲス野郎共!!」

会場に突入し、その場にいた手下たちを八つ裂きにするタツミと残らず狙い撃つマイン

「一人も逃がしゃしねぇよ」

ファルを痛めつけた男を絞殺するラバック。
一方、隠し通路を使って難を逃れたかに見えたバックだったが、その前に待ち伏せしていたアカメが姿を現す。

「葬る」
「き、聞いてくれ!! 僕がこうなったのには理由があるんだ!」

胸に刻まれていた奴隷の刻印を見せ、「母さんが僕を…」と言いかけるバック。
だが、勿論そんな命乞いが通用するアカメではなかった。
これでバックの過去に何があったのかは永遠に不明となり、第一その所業の前では大した意味を成さないだろう。





後日、雑踏の片隅で復讐を果たせたことをルナとファルに伝えながら、ボロボロになったエアは静かに崩れ落ちる。
だが、誰一人として気に留める者はいなかった……



うまれかわったら


…やさしい…せかいに…


…なってますように…



【備考】

残虐な描写も多い作品だが、この特別編に至っては陰惨さは本編を凌いでいる。
ヤングガンガンの連載陣の中でも明らかに浮いており、本作の内容を知らず雑誌を読んでいた人はさぞかし面食らったことだろう。
獣姦展開を容赦なく実行するとは、基本的に恋人同士のノーマルなSEXを旨とするシナリオライター・タカヒロも、青年誌だということでついついはっちゃけたんだろうか。

これを含めてナイトレイド達が1人1人標的の外道達を仕留めていく姿は、本編の中でも一番必殺シリーズに近く、残虐シーンやバッドエンドの要素は必殺仕置人新必殺仕置人のシリーズ前期に通じるものがある。*1

なお、エスデスとランが既に行動を共にしているので、時系列的には15話と16話の間に該当すると思われる。
帝具使い同士の死闘がメインになった現在、一話完結式で一般的な悪人を処刑する初期エピソードの作風は懐かしいかもしれない。


因みに、雑誌掲載時ではエアの乳首がちゃんと描かれていたのだが、単行本では消されている。普通逆だろ。
そして、エアに犬をけしかけた外道の顔がローブシンに似てるような…



アニメ版ネタバレ注意















◆アニメ版では―

ストーリーに直接関係のない番外エピソード故かこんな凄惨極まりないエピソード映像化出来るわけないだろうということかアニメ化はされなかった。


…が、最終話におけるパレードシーンにて群衆モブの中に、なんと原作における悲惨さを微塵にも感じさせないほど元気そうにしている三人娘の姿が!
皮肉ではあるが、アニメ化されなかったがゆえに出来た芸当と言える。

終盤のオリジナル展開に賛否両論あるアニメ版ではあるが、この点に関しては素直に評価されている。
一つくらいはこういう世界線があってもバチは当たらないだろう。優しい世界はここにあったようだ。

ちなみに、エアの容姿、というより色がマインに似ていたためか、原作未読組からはマインのそっくりさんと思われた様子。



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最終更新:2023年02月09日 12:00

*1 前期の必殺シリーズでは、依頼人の女性が外道に騙された挙句犯され全てを奪われる展開が多い。