ウルトラマンガイア

登録日:2009/12/12 Sat 09:19:26
更新日:2024/01/20 Sat 22:45:05
所要時間:約 5 分で読めます






正義の味方か悪魔の使者か



『ウルトラマンガイア』とは、1998年から放送された円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ、及び同番組に登場する地球生まれの赤い巨人。






【作品解説】

平成初期に製作された、俗に言う『平成ウルトラ三部作』の最終作にあたる作品。
前作『ウルトラマンダイナ』が前々作『ウルトラマンティガ』の直接の続編であったのに対し、今作では設定や世界観が一新されている。

番組企画時の大まかなコンセプトは、
  • 「大河ドラマ性の強化」
  • 「ライバル的な二人のウルトラマン」*1
  • 「シリーズを通した敵の設定」
  • 「思い切った変形メカとメカ特撮の充実」
  • 「陸・海・空で編成されたエキスパートが集合した特捜チーム」
  • 新しい形の「人間ウルトラマン」
というものだった。

シリーズ構成を務めた小中千昭は、ライバルウルトラマンであるウルトラマンアグルに変身する藤宮博也の思想や、
シリーズを通して地球滅亡を企む敵である根源的破滅招来体異次元人ヤプールのように本編中で正体を明らかにはしなかった。
しかし結果として、ストーリーや核心部分を敢えて明確にせず、脚本家陣に各自の考えで執筆させる事により、リアリティを追求したSF色の強い作風ながらも、
バラエティ豊かでテンションの高いウルトラマンらしいドラマが展開されていった。

また、本作は「地球怪獣との共存」もテーマの一つになっており最終回『地球はウルトラマンの星』では怪獣たちと協力し合う姿も描かれる。
このテーマは後年の『ウルトラマンコスモス』や『ウルトラマンX』に影響を与えたと言っても良いだろう。

前述のとおりSF色の強い作品となっており、
今作は『ウルトラマンティガ』に続いて念願のウルトラシリーズ二度目の星雲賞を受賞するという快挙を果たす…はずだったのだが、
ウルトラが連続で2年以内に受賞するのは規定違反になるから次点にさせます
といった審査結果のため、残念ながら受賞には至らなかった。ティガェ…

だが一方で、なんと海外の巨匠オリバー・ストーンが「ハリウッドでリメイクさせてほしい」とスタッフにFAXを送ったという逸話もある
しかしこちらも、「円谷プロ側として映画の企画は自社で展開する」という当時の体制があったため実現しなかった。

結果的にハリウッドリメイクも星雲賞受賞も実現しなかった本作だが、非常に完成度の高い作品になったことは間違いないであろう。


【ウルトラマンガイア】



この世界は滅んだりしない!絶対に!


ガイアァァァーーーーーーー!!!

画像出典:ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA 第8話「ひびき ~響~ 」より
@円谷プロ、「ウルトラマンオーブ」製作委員会


【ステータス】

身長:50メートル
体重:4万2千トン

飛行速度:マッハ20
走行速度:マッハ5
水中速度:マッハ1
潜地速度:マッハ1.2
ジャンプ力:1200メートル
握力:50000トン

出身:地球
人間体:高山我夢(吉岡毅志)
スーツアクター:権藤俊輔、中村浩二、武安剛、清水一彦、関貴之進、福沢博文

城南大学及びアルケミー・スターズに所属する高山我夢(のちにXIGへ入隊)の「地球を守りたい」という思いに地球が応えた時に誕生した、赤い『大地の光』の巨人。
初登場はなんと1話の冒頭であり、我夢が大学の実験で意識を量子加速領域にダイブさせたときに見たヴィジョンの世界で遭遇した。
その後、宇宙怪獣コッヴ襲撃の際、地球を守りたいと願う我夢をガイアは異空間へと引き込み、我夢の「君の力が欲しい」という願いに応える形で力を与えた。

我夢が開発し、地球から授かった大地の赤い光を収めたアイテム「エスプレンダー」を使うことで変身する。
地球、または人類に悪意を持つ「根源的破滅招来体」と呼ばれる謎の存在から地球の全生命を守るために戦う。

我夢の決意を聞いて力を与えたり、我夢がエスプレンダーを手に取れない状況でも彼をガイアへと変身させるなど、
ガイア単体やエスプレンダーに宿っている「大地の光」自体には意思があるような描写があったが、
我夢が変身するようになって以降は、平時・戦闘時問わずにガイアが独自の意思を示したことはなく、
戦闘時は我夢個人の意思でウルトラマンの力を使用している。のちの作品で言えばギンガ・ビクトリーと似たような立ち位置。
そのため、帰還途中に援護してくれたXIGチームなどに敬礼やサムズアップをするなど人間らしい仕草を見せる。

当初は怪獣であればとにかく撃破しようとしていたが、途中で元々地球に住んでいた怪獣も「同じ地球に住む同胞」であると我夢が感じてからは、
地球で産まれた怪獣や害意を持たない怪獣に関しては破壊活動を止めつつ、殺生せずに済む方法を模索するようになった。

藤宮が変身する青い『海の光』の巨人・ウルトラマンアグルとは、地球を守る方法をめぐって何度も対立し、決闘したこともあるが最終的に和解。
友情を築き、二人で地球の危機に立ち向かっていく。

ちなみにティガ・ダイナと同じく時空移動能力を持っているのだが、能動的に行使するのではなく、
別宇宙の星の意志に呼ばれるという受動的な形で転移する珍しいパターンである。
また、変身者である我夢が、ウルトラマンの力ではなく自身が作ったマシーンで時空移動するという、これまた珍しいことも行っている。


【能力】

◆V1(ヴァージョン1)
画像出典:ウルトラマンガイア 第2話「勇者立つ」より
@円谷プロ
我夢が最初に光を掴んだときの形態。
大地の力を授かった赤いウルトラマンであり、光線なども基本的に赤く発光している。
ぐんぐんカットはビジョンの世界で出会った姿のように全身が赤く光っている。
当初はV1と呼ばれていなかったが、下記の「V2」の登場により、現在は便宜上「V1」が公式化している。

エネルギーを集約した頭頂部から赤い高熱の光刃を伸ばして、命中した敵を切り刻み粉砕する必殺技。
基本的に腕から光線を発射することが多かったウルトラシリーズでは異色の必殺技であり、視聴者にインパクトを与えた。
頭部から放つ光線であればウルトラセブンウルトラマンエースなどが使用しているが、
彼らとは違いビームランプではなく本当に頭(それも頭の頂点)から撃つ。
「フォトンエッジ」とは「光子の刃」の意。スペシウム光線以来久々に本編中に技名を名付けるシーンがある。

腕をL字に組んで発射する赤色の高熱光線。
立てた左腕に伸ばした右腕を当てるポーズを取ってエネルギーを集約してから、半円を描くように両腕を回して立った右腕から発射する。
「左手を右肘の内側に持っていくところ」が従来のL字光線のものと違う。
ブリッツブロッツ戦では発射ポーズが伝統的なワイドショット系であった。おそらく簡略バージョンのようなものと思われる。
「クァンタムストリーム」とは「量子の流れ」の意味。


大事なものなんて、いくらでもあるじゃないか!


【バージョンアップ】

◆V2(ヴァージョン2)
画像出典:ウルトラマンガイア 第26話「決着の日」より
@円谷プロ
藤宮から受け取った『海の光』と大地の光を合わせて変身した、新たなガイア。
ぐんぐんカットでは赤と青の光の中から飛び出てくるようになり、姿もV1より鮮明になった。
胸のプロテクターの赤色部分が黒色に変わった点以外に見た目の変化はないが、
全体的に能力はV1以上とされ、アグルの技も使用できるようになった。ということは、この技も使えるのでは…?。

  • フォトンクラッシャー
アグルの必殺技その1。
27話ではミーモスが化けた偽ガイアの放ったフォトンエッジにこれを合わせ、押し合いの末にフォトンエッジを押し戻して吹っ飛ばした。

  • リキデイター
アグルの必殺技その2。
ミーモスに撃った際はアグル同様青い光球を放ったが、37話でクインメザードに放った時は赤い光球だった。

  • アグルブレード
アグルの必殺技その3。
剣自体はアグル同様青い光を放っているが、手元付近は赤い光が見える。
アグル同様光剣として斬撃を繰り出すがそれだけでなく、
34話ではウルフファイアーの火炎放射をアグルブレードを回転させて即席の盾にして防ぐなど、自在に扱っており、
一部では本家のアグルよりも上手く使っているのではと専らの評判。


画像出典:ウルトラマンガイア 第51話「地球はウルトラマンの星」より
@円谷プロ
大地大海、地球から授かった二つの光を全解放したガイアの最強形態。
翳した両手の間に青い海の光を集約させ、それを体にまとわせることでヴァージョンアップする。
最強の名の通りこの形態で負けたことは一度もなく、この形態になる(BGM:ヴァージョンアップ・ファイト! or フォトンストリーム)=相手は死ぬ
V1とV2では2回止まってから飛び出るぐんぐんカットだったが、最終回のみ登場したSVのぐんぐんカットでは1回だけ止まってから飛び出ている。

視聴者にパワーアップしたことをアピールするため、
体はよりマッシブになり、ボディカラーにさらに青いラインが加わってなんとも豪華な姿になる。
なお、後述するように後年の作品では、中村浩二氏がスーツアクターではないため体形は変わらない。

時間制限があり、一分程度が限界(当初はなかった設定で、劇中には反映されていない)。

一つの能力を尖らせる(相反する能力が減退する)のではなく、全体的に能力が向上するタイプチェンジはガイアが初であり、
コスモスネクサスメビウスなど、同様のタイプチェンジを行うウルトラマンたちの先駆けとなった。
ウルトラマンギンガS』では、UPGの一条寺友也から「ギンガストリウムのようなパワーアップ」とも称されている。

詳細は個別項目参照。


特捜チーム XIG

根源的破滅将来体の襲来を予測して結成した『対根源的破滅地球防衛機構G.U.A.R.D.』に所属するエキスパート集団。
その活動は根源的破滅将来体のみならず、地球全土で発生する未知の脅威にも対応している。

メカニックについてはXIGファイターXIGのライドメカを参照。


【エピソード】

話数 タイトル 登場怪獣・宇宙人 脚本 監督 特技監督
第1話 光をつかめ! 超空間エネルギー体 ヴィジョンの龍
宇宙戦闘獣 コッヴ
小中千昭 村石宏實 佐川和夫
第2話 勇者立つ 宇宙戦闘獣 コッヴ
マグマ怪地底獣 ギール
第3話 その名はガイア 金属生命体 アパテー 高野敏幸 神澤信一
第4話 天空の我夢 波動生命体 プライマルメザード
超空間波動怪獣 メザード
長谷川圭一
第5話 もう一人の巨人 大海魔 ボクラグ 小中千昭 原田昌樹 北浦嗣巳
第6話 あざ笑う眼 奇獣 ガンQ 川上英幸
第7話 地球の洗濯 自然コントロールマシン テンカイ 吉田伸 児玉高志 佐川和夫
第8話 46億年の亡霊 超空間共生怪獣 アネモス
超空間共生怪獣 クラブガン
超空間共生怪獣 クラブガン&アネモス
武上純希
第9話 シーガル飛びたつ 光熱魔石 レザイト 太田愛 村石宏實
第10話 ロック・ファイト 宇宙戦闘獣 コッヴⅡ(成獣&幼獣)
惑星破壊機 ヴァーサイト
小中千昭
第11話 龍の都 地帝大怪獣 ミズノエノリュウ 古怒田健志 原田昌樹 満留浩昌
第12話 野獣包囲網 獣人 ウルフガス 川上英幸
第13話 マリオネットの夜 波動生命体 プライマルメザード
超空間波動怪獣 サイコメザード
長谷川圭一 根本実樹 佐川和夫
第14話 反宇宙からの挑戦 反物質怪獣 アンチマター 武上純希
第15話 雨がやんだら 奇怪生命 ディーンツ
奇怪生命 マザーディーンツ
右田昌万 北浦嗣巳
第16話 アグル誕生 金属生命体 アルギュロス
ニセウルトラアンアグル
吉田伸
第17話 天の影、地の光 甲殻地底獣 ゾンネル
超巨大天体生物 ディグローブ
古怒田健志 村石宏實
第18話 アグル対ガイア 小中千昭
第19話 迷宮のリリア 波動生命体 プライマルメザード
リリア
超空間波動怪獣 サイコメザードⅡ
長谷川圭一 原田昌樹
第20話 滅亡の化石 絶対生物 ゲシェンク 川上英幸
第21話 妖光の海 無酸素海獣 カンデア 大西信介 根本実樹 佐川和夫
第22話 石の翼 宇宙雷獣 パズズ 太田愛
第23話 我夢追放! 剛腕怪地底獣 ゴメノス 吉田伸 北浦嗣巳
第24話 アグルの決意 甲殻地底獣 ゾンネルⅡ
マグマ怪地底獣 ギールⅡ
長谷川圭一
第25話 明日なき対決 右田昌万 村石宏實
第26話 決着の日 巨獣 ゾーリム 小中千昭
第27話 新たなる戦い
~ヴァージョンアップ・ファイト!~
電子生命体 クリシスゴースト
ニセウルトラマンガイア
金属生命体 ミーモス
古怒田健志 児玉高志 佐川和夫
第28話 熱波襲来 自然コントロールマシン エンザン 川上英幸
第29話 遠い町・ウクバール 守護獣 ルクー 太田愛 原田昌樹
第30話 悪魔のマユ 宇宙怪獣 ゴキグモン 増田貴彦
第31話 呪いの眼 魔頭鬼十朗
奇獣 ガンQ(コードNo.02)
川上英幸 北浦嗣巳
第32話 いつか見た未来 時空怪獣 エアロヴァイパー 武上純希
第33話 伝説との闘い 伝説魔獣 シャザック(親子) 長谷川圭一 村石宏實
第34話 魂の激突! サイボーグ獣人 ウルフファイヤー 川上英幸
笈田雅人(原案)
第35話 怪獣の身代金 古代怪獣 アルゴナ 太田愛 市野龍一 佐川和夫
第36話 再開の空 宇宙忍獣 X(クロス)サバーガ 吉田伸
第37話 悪夢の第四楽章 波動生命体 プライマルメザード
超空間波動怪獣 クインメザード
幻影ウルトラマンアグル
長谷川圭一 原田昌樹
第38話 大地裂く牙 地殻怪地底獣 ティグリス 古怒田健志
第39話 悲しみの沼 泥怪人 ツチケラ 川上英幸 北浦嗣巳
第40話 ガイアに会いたい! 大宙魔 パスギーク 小中千昭
第41話 アグル復活 宇宙捕獲メカ獣 Σズイグル 吉田伸 石川整
村石宏實
村石宏實
第42話 我夢VS我夢 巨大異形獣 サタンビゾー
精神寄生体
精神寄生獣 ビゾーム
小中千昭 村石宏實
第43話 銀色の眼のイザク アルテスタイガー怪獣 イザク 太田愛 根本実樹 佐川和夫
第44話 宇宙怪獣総進撃 宇宙戦闘獣 (スーパー)コッヴ
宇宙雷獣 (スーパー)パズズ
川上英幸
第45話 命すむ星 破滅魔人 ブリッツブロッツ
地殻怪地底獣 ティグリスⅡ
地帝大怪獣 ミズノエノリュウ
古怒田健志 原田昌樹 満留浩昌
第46話 襲撃の森 自然コントロールマシーン シンリョク 長谷川圭一
第47話 XIG壊滅!? 超巨大単極子(モノポール)怪獣 モキアン
死神
右田昌万 北浦嗣巳
第48話 死神の逆襲 死神/破滅魔人 ゼブブ 川上英幸
第49話 天使降臨 破滅魔虫 ドビシ
破滅魔虫 カイザードビシ
魚人
根源破滅天使 ゾグ(第一形態)
吉田伸 八木毅
村石宏實
第50話 地球の叫び 根源破滅天使 ゾグ(第一・第二形態)
破滅魔虫 ドビシ
破滅魔虫 カイザードビシ
魚人
地殻怪地底獣 ティグリスIII
伝説魔獣 シャザック(親子)
剛腕怪地底獣 ゴメノスII
甲殻怪地底獣 ゾンネルII
マグマ怪地底獣 ギールIII
地帝大怪獣 ミズノエノリュウ
小中千昭
長谷川圭一
村石宏實 佐川和夫
第51話 地球はウルトラマンの星 小中千昭


【シリーズでの活躍】

ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦
ウルトラシリーズのファンである少年、新星勉(にいぼし つとむ)の「ガイアに会いたい!」という願いを赤い球が叶え、
『ウルトラマンガイア』の世界から現代世界に強引に転送された我夢が、赤い球に操られた少年が具現化させた怪獣「サタンビゾー」を倒すために変身。

最強合体怪獣「キングオブモンス」との戦いでは、敵が三体に分裂したこともあって劣勢に立たされるが、
勉達の願いで赤い球に呼び出されたティガ・ダイナの助力を得て、怪獣たちに立ち向かう。

なお、本作ではガイアがSVにタイプチェンジする場面があるのだが、
この映画の公開日は、TVシリーズでV2とSVが初お披露目された回の放送日と同日であり、
さらに劇中では特に説明もなく、当たり前のようにガイアがヴァージョン・アップしたこともあり、
公開日初日に劇場へ足を運んだ少年少女は、突然現れた新形態に首を傾げたようだ。

また、本編の登場に先駆けて撮影していたためか、
SVはマッシブではなくV2同様スマートなフォルムであり、フォトンストリームの発射ポーズも異なる。
※ただし、前者に関してはスーツアクターがTV版と違う関係もあると思われる


大決戦!超ウルトラ8兄弟
ウルトラマンがいない、ガイア本編世界から見て並行世界に住む青年・高山我夢が、
別の世界の自分がウルトラマンガイアだった自分の記憶を呼び覚ますことで変身。
ティガダイナ達とともに侵略者と戦った。

ちなみに、この際にTV本編でガイアと我夢が初めて出会ったシーンが映されるが、
本編ではV1だったガイアの姿がV2へと変更されている(おそらくV2しか出ないため)。

なお、本作はガイアが平台爆弾で大地ドーン!をした最後の作品とのこと。


劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!
ウルトラ10勇士のメンバーとして参戦。
ティガとダイナと共にエタルガーの生み出した超合体怪獣ファイブキング」(エタルダミー)と戦う。
勿論戦闘シーンでは例のガイアの戦闘BGM「逆転のクァンタムストリーム」のアレンジが流れる。

三人でファイブキングと戦っている都合上、決して活躍が多いとは言えないが、
担当声優は希少な本人キャストで、他のウルトラマンらと比べても優遇されている方である。

SVが妙にスッキリした体系なのは気にしてはいけない。あのレベルはそうそう用意できないし


●視聴者たちのマルチバースのyoutube円谷プロ公式チャンネル(2018年)
…うん、こうとしか書きようがない。

プツッ ザザザー
我夢「僕は高山我夢。この世界の時空が、根源的破滅招来体によって歪められてしまった。」
我夢「このままでは、ガイアとアグルの存在も、本来の歴史の存在も消されてしまう。」
我夢「歪められた時空をもとに戻すためには、多くの人たちに、本来の歴史を記憶してもらう必要があるんだ。」
我夢「この映像を広めて、僕らに力を貸してほしい。頼んだよ。皆が頼りなんだ!」

…というわけで、
「円谷プロ公式Twitterによる周知活動」「Youtubeのウルトラチャンネルを利用した『本来の歴史』の公開による歴史改変やウルトラマン二人の消滅の阻止(理屈は上で述べた通り)」
が行われていた。

ざっくり言ってしまうと週に一回、水曜日の18:00に1話づつ『ガイア』TVシリーズが配信された*2
最初の我夢のメッセージは毎週OPの前に入るビデオメッセージの内容である。

また、公式Twitterでは我夢がクッソ弱い回線でどうにかこうにか*3「我夢たちのマルチバース」における事態の経過を発信しており、
特定のツイートのRT数で次の配信があるかどうか決まるという視聴者参加企画かなり危険な状態にあった。

また、曰く「ちょっと心当たりがある」として映画に出てきた赤い球の話題を出している。
並行して劇場版の配信も行われており、なにやら我夢には作戦が存在するようだが…?

「根源的破滅招来体」ならやりかねない事態を利用した色々な意味でタイムリーとなった企画と言える。


●『ウルトラマンZ
ガイア(V2)の力が込められたウルトラメダルが登場し、ウルトラマンゼットタイプチェンジの1つであるガンマフューチャーの変身に使われる。

本放送前のスペシャル番組などでガンマフューチャーの情報は出ていたものの、
飛び散ったガイアのメダルは他2人のメダルと同じく第1話の時点でハルキより先にストレイジの制服を着た何者かに拾われており、
ハルキの手に渡って初変身したのは第8話と放送前に公開されていた姿としてはかなり遅めの登場となった。*4

フォトンビクトリウムフォトンナイトとガイアの力を使った形態はそこそこいるものの、
地味にガイアの力を使った形態がTVに登場するのはガンマフューチャーが初めてだったりする。

見た目のガイア要素は頭部のデザインぐらいだが、必殺技のゼスティウムドライブは、
「エスプレンダーのSEと共にフォトンエッジの構えでチャージ」
「フォトンエッジの様にしなる光線」
「ガイアとアグルを思わせる赤と青の2条の光線」
とガイアの要素が強く出ている。

更にガンマフューチャーの技、ガンマイリュージョンではティガ、ダイナと共に実体のある幻影として投影することができる。
8話では幻影のガイアがスプリーム・ヴァージョンへのチェンジも披露していた。幻影なのに本気で勝ちに来てる…


余談

オープニング映像は5パターン存在する。
初期版が1-2話、ピースキャリーにヘルチケット砲が装備され映像が差し替えられたのが3-25話、
XIGメンバーの映像が新しくなって全チームが登場するようになったのが26話、アグルが退場してOPのガイアがV2/SVになったのが27話-41話、
そして、アグルが復活してV2の姿でOPに登場するようになったのが42-51話となっている。
26話OPでは宙返りするガイアの後にアグルが着地を行い、その後ガイアが着地を行なっている。
この宙返りするガイアのシーンがOPで使われたのは26話のみであり、非常にレアなものとなっている。

また、ガイアは主役の我夢が変身しなかった回が一度だけある。
16話『アグル誕生』では初戦も再戦もアグルが登場し、我夢が変身して援護しようとしたときは「オレ1人でやる」と言わんばかりの態度で制止した。
ヒーローもので主役が一切戦わないという演出も珍しい。


ガイアの掛け声は前作のダイナ同様、変身者である高山我夢を演じた吉岡毅志氏が担当している。
吉岡氏は体育大学志望だったためヒーロー走りが最初から上手かったそうで、それ以降の作品の主役は吉岡を参考にしていることが多い。
また、変身する際、「ガイアァァー!」としょっちゅう叫んでおり、後の平成作品の「叫び変身」の先駆者的扱いも受ける。

しかし元々は、叫んで変身する予定があったわけではなかった。
実際、序盤では我夢は叫ばずに変身している(最序盤はそもそも「ガイア」という名前もなかったので仕方ないが)。

これは渡された変身アイテム「エスプレンダー」が「セメントを塗るやつ」にしか見えなかった吉岡氏が、
前二作のように開閉ギミックのないセメントを塗るやつでは変身シーンが前作に見劣りすると思って考えた結果、
昭和での叫び変身の元祖『ウルトラマンタロウ』に倣ってやってみたのが採用され、途中から叫びながら変身する演出になった。
「ガイアァァー!」と叫ぶシチュエーションが非常に多かったが、別の言葉を叫んだパターンも終盤まで何度かあった。
これが功を奏し、今ではガイアを象徴する一つのものとなっている。

なお、毎回叫んでいるイメージがあるが、吉岡氏曰く主役が別な人の回は基本的に叫んでいないとのこと。
実際、「叫び変身」が確立してからも、我夢が叫ぶことなくエスプレンダーを構える変身シーンが見られる他、
遠い町・ウクバール』では、そもそも我夢がガイアに変身するカット自体が省略されている。

ちなみに、相方のアグルはダブル変身のとき以外叫んだことはない一方、変身アイテム「アグレイター」は開閉するわ回転するわでギミック満載である。


もう一つのガイアを象徴する描写が「着地の砂埃」である。
「ダイナ」の頃試験的に一度だけ使われ、「ガイア」では本格的に取り入れられたことでガイアの代名詞となった。
これはスーアクが着地するのと同時に足元で爆薬を炸裂させている。
ウルトラマンは巨大感を出すために元から若干のスロー再生を行なっているため、足元で土を捲き上げても映像では砂埃のような質感にみえるというものである。

最近ではギンガ以降のウルトラ戦士も様々な形で行うが、
超ウルトラ8兄弟や列伝CMなどでもフィーチャーされていることを考えると、やはり大地の光の巨人ガイアの代名詞であることは間違いない。

またガイアのものは「平台爆弾」というもので、ギンガなどで使われている「ネズミ取り」とは方式が別物。
仕組みの複雑さと危険度は前者の方が圧倒的に上だが、その分迫力は後者よりも圧倒的に上である*5
ちなみにガイアがORIGIN SAGAに出演した際には後者のネズミ取りで撮影が行われている。


放送当時はTDGの中で一番扱いの良いキャラだったが、世界観が足を引っ張っているのか現在では一番扱いが悪い。
…とはいえ列伝オープニングや10勇士のタイトルでセンターとったりと別なところでは意外と目立っていたり。
このためガイアだけコネがないとか、宇宙科学技術局はウルトラマンガイアメダルをどうやって作成したんだ、とかネタにされることも。

よく相方のアグルには浮気される。


また、TV編の金属生命体ミーモスが登場した回では、初めてスプリームヴァージョンにヴァージョンアップして「投げの鬼」と化したガイアが、
そのミーモスを計9回投げる描写があった。

その結果、ミーモスのアクターが全身打撲を負ったというのは有名な話。
「殴り」「蹴り」はスーツが防いでくれるが、投げは最低でもアクターさんの体重がそのままダメージとなるために起こった悲劇である。
ガイアに投げられまくったミーモスが、えらくぐったりしていたのは(演技も多少あるだろうが)怪我のせいだった様子。

しかしその後も投げの鬼のキャラを崩さず『投げの鬼スプリーム』を定着させたのは、
アクターさんの根性なのか、はたまたスタッフの嫌がらせかなのか……。


OPで「ウルトラマンがほしい」とあり、ウルトラマンが物扱いとよく言われるが、
平成三部作においてはウルトラマン=宇宙人ではない。
ガイアにおいては地球の光であり、希望の象徴なのだ。




「平成シリーズで同窓会をしようとしたんだけど、無期延期になったんだって。」


「どうして?」


「ガイアがいやって言ったから」






地球には怪獣がいて、ウルトラマンがいる。


この美しい星を、私たちはもっと愛していきたい。




ピンチのピンチのピンチの連続、そんな時
追記、修正が欲しい!


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最終更新:2024年01月20日 22:45

*1 二人のウルトラマンがレギュラー登場する作品には、ウルトラマンレオ/おおとりゲンとウルトラセブン/モロボシ・ダンが登場する『ウルトラマンレオ』もあるが、こちらは1話で大怪我を負った影響でダンはセブンへの変身能力を喪失しており、時折客演こそあれ、メインで戦うウルトラマンはレオ一人であった。

*2 当時『ガイア』本放送が行われていた日付と時間で配信された。

*3 我夢からのメッセージを見る限り、20年たってもマルチバース間での移動は難しいと推測される。あるいはそれも難しいほど事態が切迫している?

*4 その代わり、登場が「8月8日に放送された第8話」と「8」が3つ揃い、TDG「三」部作の力を使った形態・「ガンマ(=ギリシャ語のアルファベットの「3」番目)」フューチャーには縁起の良い登場回となった。

*5 後者の迫力が決して低いわけではない。むしろ後者でも十分にすごいのに平台爆弾はその上を行くのである