十三階段ベム

登録日:2010/10/30(土) 20:37:38
更新日:2024/04/12 Fri 11:32:07
所要時間:約 6 分で読めます




十三階段ベム

CV:堀内賢雄(ドラマCD)、石井康嗣(旧アニメ)

十三階段ベム(じゅうさんかいだんべむ)は浜岡賢次の漫画作品「浦安鉄筋家族シリーズ」の登場人物。

岩手県出身の(元)怪奇漫画家。
10年前・代表作「恐怖のタンバリン」で大ヒットを飛ばした後、その次に連載した作品が大失敗。
そのまま凋落の一途を辿り、再び人気作家への返り咲きを目指して喘ぎ続ける「浦安」の名物キャラクター(ダメな大人)の一人である。

年齢は初登場時点で34歳だが、どう考えても小鉄の両親と同年代か年上に見えてしまうくらいの老け顔(小鉄の両親の方が当然年長である)。
大人ではあるが子供パートでの登場が殆どであり、小鉄とその仲間達が唯一の友人と言って良い。
実際に、小鉄の母・順子からは「小鉄の友達の漫画家」と大人扱いされていないうえに快く思われていない節さえある。

初登場は無印第64話で、連載初期から現在まで登場し続けている古参キャラクターの一人。
名前の由来は死刑囚の登る「十三階段」と昔のエイリアンの典型的な呼び名である「BEM」(ビッグ・アイ・モンスター)から。

【人物・作風】

キャラクターは初登場時から一貫して「時代に取り残された不器用な怪奇漫画家」であり、その認識のズレが笑いを呼ぶキャラクターとなっている。
一応善人ではあるのだが思い込みが非常に激しく、他人の話を全く聞こうとしないので、周りからよく心配されてしまっている。

絵柄は非常に古い時代の劇画調の怪奇漫画のそれで、ベムの描く吸血鬼は50年代頃までのゴシック調の怪奇映画そのままのデザインをしており、それ以外にも人造人間(フランケンシュタインの怪物)やミイラ男、レザーフェイスといった、これまたステレオタイプな古き良き時代のモンスターが登場するスプラッター物を好んで描く(舞台は勿論、古城や墓場である)。

劇中の架空の漫画雑誌である「少年チャンピオン」の編集長・王様からも、その絵柄や内容の古さを叱責され、暴行を受けるというのがベムネタの基本形。
一応、王様からのリクエストなどで、時代のニーズに合わせてギャグやスポーツ物、近年では萌え系にも挑んだが、「自己嫌悪で吐き気がする」という理由で長年雑誌を全く読んでいないため*1流行や怪奇漫画以外のジャンルには非常にを通り越して異常に疎く、「萌え」を「燃え」、「ツンデレ」を「ツンドラ」と聞き間違えるというベタな展開他(後述)、スピンオフを技の名前、異世界転生を魚介類と勘違いするなど、いずれもベムの認識違いによるズレから必ず怪奇スプラッターと化し、王様による暴行(ダメ出し)を受けてしまう。
また、機械類にも異様なほど疎く、「デジタル」を「デジカルビ」と聞き間違えたり、タブレット端末を下敷きと勘違いしたりもしている。
だが、決して無才ではなく、何度か王様を満足させる出来の漫画を描いたことがある*2


【主な作品】

  • 恐怖のタンバリン
ベムの唯一のヒット作にして代表作。
ドラキュラがタンバリンを手に美女に迫る姿が描かれているが詳細は不明。
この次の作品がコケて以降、2年前に連載された「恐怖のギター」を最後に誌面からは消えた存在となっている。

  • 悪魔のJリーグ
横浜マルノスの選手全員が実は吸血鬼という設定の、スポーツ+ホラー漫画。
ベムと小鉄達のせいで「グラップラー刃牙」の原稿がダメになったため、その穴埋めとしてチャンピオンに掲載された……ものの、読者には古臭いと不評。チャンピオンの売り上げを500万部落としてしまう結果に。

  • ゾンB田中くん
スポーツ+ホラー路線の2作目。
高校野球がテーマだが、地獄学院、逆十字打線、凶暴ナインと爽やかさ0%の不吉な単語が目白押し。
当時チャンピオンに連載されていた野球漫画「4P田中くん」のパロディ。

  • 浦安ドロロ
小鉄達をモデルに描いた元気なギャグ漫画……らしいが、小鉄と仁が墓場で殺し合う場面から始まり、金的のショックで眼球が飛び出すなど、中身はいつも通り。

  • それゆけジョーンズ
霊能神父ジョーンズを主人公とした4コマ漫画だが、ネタが古臭い上にベタ過ぎて笑えない。
後に浦安市内でギャグのリサーチを行い、書き直したものの、あまり変わっていなかった。

  • 名探偵ベム「目撃者」
コンビニ強盗を目撃したベムが似顔絵として2時間を費やして予告ページを描きあげた力作。
自身を主人公にしたサスペンス映画風の画は非常に格好良かったが、当然似顔絵としての体を為しておらず、肝心の犯人の顔が描かれていなかった為に警官に暴行を受ける羽目になった。

  • 吸血仁義
珍しく王様から期待をかけられた、吸血ヤクザ・昌三を主人公としたホラー+ヤクザ漫画。
全編に渡り闇が支配する渋い作品だと思われるが、最後の1ページを小鉄らが(結果的に)手掛けた事により台無しとなってしまった。

  • ミイラくん
ベムオリジナルのコミックス。
本屋さんに置いたが、店長に「勝手に手作り漫画を置かないでください」と言われ、「絵柄が古い」「女の子が可愛くない」「台詞が多くて読みづらい」などのダメ出しを受けた*3
この漫画を面白いと思った親子が購入しようとしたが、値段は90万円と高額。当然店長にお仕置きされた。

  • ファイヤーシスターズ
萌えを燃えと勘違いしたベムによるコメディ(?)漫画。
タイトル通り、頭が常に火に包まれている姉妹が主人公。
王様から「ベッタベタな燃え間違いはともかく、ヒロインがマネキンみたいで気持ち悪い」と不評を買い、やはり暴行を受ける羽目になった。

  • ブ○ック・ジャック
御存じ漫画の神様の代表作。
神様の存在を知らないベムが小鉄らのアイディアを拝借して新作を描こうとした際に、のり子のオリジナルと勘違いして描き、やっぱり王様から暴行を受けた。

この他、落書きとしか思えない絵柄の、良く判らない内容の漫画を数多く描いている。

【関連人物】

  • 王様
CV:矢尾一樹(ドラマCD)、長島雄一(現・チョー)(旧アニメ)
発行部数6千万部を誇る化物雑誌「少年チャンピオン」の編集長。ベムが老け顔なので同年代に見えるが、孫がいるのであきらかに年長。
売れっ子時代から現在までベムが頼りにする人物。冷静かつ厳しい目で判断しベムにダメ出しという名の暴行を加えている。
ラリアット、金的、パイプイス殴打、ヤクザキックとバリエーションは豊富。

が、何だかんだで見捨てずに仕事の依頼をしたりするなど、腐れ縁と言っても過言ではなく、ベムもその寛容さを理解している。
シブめのナイスミドルだが、丸山ポパイや樋口和彦といった売れっ子にはあからさまなおべっかを使う所がある。
長期連載の性か、現在は王様と呼ぶのはベムだけという設定に変更された。

  • 丸山ポパイ
「元祖」からベム再生の為に登場した若手人気作家。
投稿作が高評価を受け連載作家となった女の子で、あかねらは可愛いと評している。
代表作は可愛らしい絵柄のコメディ漫画「LOVE・ME・ヘンダー」。
アシスタント経験を経ずにプロになったからか、地道な取材や辛い経験というものに憧れめいた興味を持っており、偶然知り合ったベムと師弟(?)関係を結ぶ。
ベムが連載作品を持つかも?と期待させられたエピソードではアシスタント兼雑用を買って出たが、全ては自分の2作目の主人公のモデルにベムを選んだ彼女の目論見だった(悪意は無し)。
その作品タイトルは「漫画くん」。

なお、ベムの漫画は当然不掲載。

  • 樋口和彦
ベムが人気作家だった頃のアシスタント。現在は大成し、ヤンキー漫画「京田郎」を連載している。
ベムがそうとは知らずに持ってきた賞味期限切れの饅頭で食中毒を起こし、さらに未完成の原稿をベムがホラー調に仕上げた事でかつての師弟関係にピリオドが打たれる……。
作者のアシスタント出身の漫画家・樋田和彦氏のパロディキャラ。

  • 山羊野あたま
明るさがとりえの漫画家。「ロボ姫」という漫画を描いていたが、アシスタントに来た十三階段に洗脳され、怪奇漫画家化。漫画も「人造姫フランケン」という元の明るさを失ったものになってしまった。
こちらも作者の元アシスタント、やぎさわ景一氏とその連載作品「ロボこみ」がモデル。

  • 「神様」
ベムの夢に現れた故・手○治○先生と思われる老紳士。
ベムに「漫画をナメるな」との有り難い忠告を授けるが、ベムは○塚治○の存在を知らなかった為に全く意味が無かった。そればかりか、服装などから「自分の真似をしている」と勘違いしていた。
その後「元祖!」にてとある漫画家の作業部屋のポスターとして登場し、ベムに対する惨めさと、漫画のオチの付け方に涙していた*4

【生活環境】

上記の情報を見れば判る様に生活レベルはどん底で、春巻に匹敵するド貧乏である。
食事や洋服にも事を欠き、そのくせ画材道具を食器がわりにするなどぞんざいに扱うというダメっぷり。

元旦を1ヵ月間違えて迎えたエピソードでは、12年前のレトルトカレーを食べてしまい、生死の境を彷徨った事が語られている。

現在は生活のために若手作家のアシスタント業をして何とか食いつないでいるという設定がついているが、元の絵からはかけ離れた怪奇漫画にしたり、依頼主を洗脳して大きく作風を変えさせたり、勘違いと無知から混乱をもたらしたりとやっぱりロクな事をしない。
しかし、漫☆画太郎をモデルとする万田太郎との出会いでは見事に代役を果たしている(ただし、その影響が抜けないまま次の仕事場に行き、ゲロを描いて殴られた)。

鞄の中に漫画道具の他、ニンニクや杭、生首などを持ち歩いているという設定があったが現在は不明。子供の頃吸血鬼に襲われた事があるらしい。

春巻と並ぶ貧乏キャラだが、全く物を持っていない春巻に対してベムはゴミ屋敷に住んでいる。
綺麗な部屋で生活すれば良いアイディアが出るかも?とのあかねの思い付きでゴミを片付け、本人も喜んでいたが、ベムは知らずにまた粗大ゴミを持ち帰り元の木阿弥と帰してしまった。

最近はやらないが生活レベルの貧しさから窓やその向こうに見える風景、食事の品目などを自ら描いて付け足す癖があった。


「王様!!追記、修正を私がやっていいんですかー!?




…なんだ、夢オチか…」

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最終更新:2024年04月12日 11:32

*1 本人曰く40年。ただし、ベムは34歳なので矛盾が生じている

*2 小鉄たちが結果的にオチを手がけたり、暗闇でインクと間違えてポカリでペン入れしてしまったりで台無しになってしまったが

*3 それ以外にも、客が買った漫画を勝手に読んで大声でネタバレしたり、ボールペンで勝手に絵を書き足したりなどで殴られた。

*4 ベムはこの時に手○○虫と教えられたが、「あっぱれ!」ではすっかり忘れており、丸山ポパイが見せた写真を見て、「自分の真似をしている新人」呼ばわりした