回復技(ポケモン)

登録日:2012/04/16 Mon 16:56:55
更新日:2024/02/06 Tue 21:12:35
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◇回復技とは

その名の通りポケモンの体力を回復する技である。
ここでは道具、きのみ特性を除いた回復手段について記述する。

耐久型のポケモンや素の耐久が高いポケモンに覚えさせることで生存率を大幅に上げることができる。
逆に攻め手からすれば、ジリ貧に陥ったとき相手に回復技を使われると絶望しかない。
「ちょうはつ」状態や「かいふくふうじ」状態になると使用することができなくなるが、相手からHPを吸収するタイプはダメージのみ与えることができる。
特性「ヒーリングシフト」は回復技を優先度+3で出せる。

旅パではポケモンセンターや道具に頼らず回復できるので長期の冒険に役立ち、主力ポケモンに覚えさせて損はない。
その辺は普通のRPGと同じと言える。

しかしレベル差でゴリ押しできない対戦では耐久型のポケモンに覚えさせるのが基本で、アタッカー型では殆ど採用されていない。
これは元々の耐久力がよほど高くない限り、体力の殆どや全部を回復できたとしても一致等倍技や弱点技で一撃で落とされるのが常識となっているため。

◇自己回復技

対象は自分だけであり、殆どがHPの半分を回復する。
第9世代では基本的にPP5である。

  • じこさいせい/なまける/かいふくしれい
自分のHPを最大HPの1/2回復する。

じこさいせい :主にエスパータイプや再生能力のある生物がモチーフのポケモンが覚える。何故かポリゴン系列も覚える。
なまける :覚えるポケモンが9匹しかいない貴重な技(進化による継続を含めると12匹)。
かいふくしれい ビークイン専用技。しかし後述の「はねやすめ」も覚える為対戦では採用されにくい。
第8世代では「はねやすめ」を覚えられなくなったため価値が上がった…かに思われたが、何故か 技そのものが消滅 という憂き目に合う。


  • タマゴうみ/ミルクのみ
自分のHPを最大HPの1/2回復する。
フィールド上で使うと自分のHP1/5を分け与えることができる。

タマゴうみ :第3世代で教え技である為ハピナス系統以外も少しだけ覚える。
ミルクのみ ミルタンク専用技だったが、XY以降ゴーゴート系統も覚えるようになった。自分のミルクを直接飲むって何プレイ?

余談だが初代の「タマゴうみ」はラッキーがわざマシンでしか覚えられない上、わざマシン自体も1個しか手に入らない仕様だった。
対戦を意図していなかったことが大きな理由だろうが、それを踏まえてもさすがにあんまりな仕様であったため、金銀以降は自力で習得できる。
当然ながらミュウも使えるため、ミュウの回復手段として使われたこともある
(現在で言う「はねやすめ」持ちミュウのような感じ)。
また、第3世代の教え技ではピッピ系統トゲチック系統にも覚えさせることができるため、♂のポケモンにもタマゴを産ませることが可能。


  • はねやすめ
自分のHPを最大HPの1/2回復するが、使用したターンに自分の持つひこうタイプを失う。
羽を持っていればひこうタイプ以外でも覚えるポケモンも多いが、自力で覚えるポケモンは案外いない。
初登場した第4世代以降、わざマシンや教え技で多くのポケモンが習得できていたが、第8世代ではそのどちらからも消えたために習得者が激減した。

ひこうタイプが失われる効果を利用し、自分の相性を大幅に変えることが可能。
例えばサンダーこおりいわ弱点が無くなりでんきを半減で受けられる様になるが、くさかくとうむしが等倍になり、本来無効になるはずのじめんが抜群で通るようになる。
なお、特性『ふゆう』や「でんじふゆう」状態は解除されない。

ちなみに、単ひこうタイプのポケモンが「はねやすめ」をするとノーマルタイプになる。*1
第7世代まではカクレオンに「ものまね」で覚えさせたり、ミュウやドーブルラティアスで「ミラータイプ」と併用したりといった特殊な方法でしか拝めなかったが、第8世代でココガラ、アオガラスが普通に両立できるようになった。


  • あさのひざし/こうごうせいつきのひかり
「じこさいせい」等と異なり、回復量が条件によって変化する。

「あさのひざし」 はノーマル技で太陽や炎をイメージするポケモン、こうごうせいはくさ技でくさタイプっぽいポケモン、つきのひかりはフェアリー技(第五世代までノーマル技)夜をイメージしたポケモンやフェアリータイプのポケモンが覚える傾向にある。

第2世代のみ「あさのひざし」は朝に、「こうごうせい」は昼に、「つきのひかり」は夜に使用すると最大HPの1/2回復し、それ以外の時間帯だと最大HPの1/4回復する。通信対戦では時間帯に関係なく回復量が一定になる。
また天気によっても回復量が変わり、日差しが強いと2倍、雨だと半減する。
1/2回復できるときに天気が晴れだと全回復になるが、シナリオでも対戦でも天候技を活用するパーティでない限り恩恵は得られなかった。

第3世代以降は時間帯によって効果が変わるのは使いづらいと判断されたのか、時間帯に関わらず最大HPの1/2回復するようになった。
天気によって回復量が変化する仕様はそのままだが、晴れだと2/3、それ以外の天気だと1/4となった。。

また、第4世代のダイパのみ「トリックルーム」や「じゅうりょく」状態でも1/4になる。

第9世代の回復技は多くがPPを減らされて5になったのだが、これらの技は条件次第で回復量が増えることもあってか、登場当初からPP5だった。


  • すなあつめ
「あさのひざし」「こうごうせい」「つきのひかり」とほぼ同効果だが、すなあらし状態で回復量が2/3に増大し、それ以外の天気でも回復量が減ることはない。シロデスナ専用技。


  • ちからをすいとる
相手のこうげき実数値分(ランク補正込み)だけ自分のHPを回復し、相手のこうげきを1段階下げる。相手のこうげきランクが限界まで下がっている・「まもる」で防がれるなど、相手に当てられなかった場合は不発*2
このため、基本的には使うたびに回復量が減少する。
登場時はマシェード一族の専用技だったが、USUM以降は習得者が増えている。
また、こうげき実数値判定に使えるため、厳選のお供としても役立つ。
こんな効果だが特性『そうしょく』で無効化され、特性『あまのじゃく』に使ってしまうと回復はできるが逆にこうげきが上がってしまう。
また、特性『ヘドロえき』に使ってしまうと逆に自分がダメージを受ける。つまり、物理型のドククラゲに使ってしまうと最悪自滅もありうる。
第九世代でもPPは10のまま。回復量が不安定であるためだろう。


  • じょうか
ナマコブシ専用技。
相手の状態異常を回復し、自分はHPを最大HPの1/2回復する。相手が状態異常でないと失敗する。
回復だけならナマコブシは「じこさいせい」で事足りるので、ダブルで味方に使うのが良いか。
Zワザになると「自分の全能力を1段階上げる」という効果になるため、Zじょうかバトンもいい。というかシングルではほぼほぼこの使い方が基本。


  • ねむる
自分のHP・状態異常を完全回復し、2ターンの間ねむり状態になる。
状態異常に掛かっていても強制的に上書きされ、ねむりのターン数も通常と違って2ターン固定。
カゴのみ』を持たせる、雨状態で特性『うるおいボディ』持ちに使わせる、特性『はやおき』持ちに使わせる、「ねごと」を覚えさせておくなどコンボ使用が一般的。
第2世代では「ねごと」で「ねむる」を繰り出すとねむり状態を解除して再び眠るようになっており、
耐久型ポケモンは少ないリスクで半無限回復という鬼畜仕様になっていた。
もちろんこの仕様は攻撃側が圧倒的に不利なので、第3世代で廃止されている。
特性『やるき/ふみん』のポケモンは使うことができないほか、発動前に「さわぐ」や「エレキフィールド」「ミストフィールド」を使われた場合など、ねむり状態にならない状況では失敗する。
わざマシンを使えるポケモンの殆どが覚えることができる。わざマシンが使えるのに覚えられないのは一生寝ているコアラくらいのもの。第7世代まででは5ターン経たないと目覚めない巨人島々を見守るとちがみポケモン500年前の人造生命も覚えなかった。永遠のわざマシン44……だったが第8世代でわざマシン21になった。
余談だがジラーチは「ねむる」をレベルで2回覚える。


  • のみこむ
事前に「たくわえる」を使用することで使用可能で、蓄えた回数で回復量が変化する。
1回蓄えると最大HPの1/4、2回で1/2、3回で全回復する。
なお、「のみこむ」を使うと「たくわえる」で上がったぼうぎょ・とくぼうは元に戻る。
合計3ターン掛けてようやく「じこさいせい」等と同じ回復量であり、使われることはほぼない。しかも「たくわえる」で上げた耐久もリセットされるのでなおさら。
回復量だけ見れば全回復後に即行動できるため、ある意味ではロマン技。
地味に第9世代以降もPPが10のまま減らされていなかったりする。


  • ねがいごと
次のターンの終了時に、 使用時に自分がいた位置にいるポケモン のHPが最大HPの1/2分だけ回復する。
「じこさいせい」等と異なり即効性がないため窮地からの脱出には使えない。
代わりにそれらではできない芸当として、技を使用してから効果が発動する前に交換や「サイドチェンジ」等で場のポケモンを交代させることで、交代先のポケモンを回復できる。
回復量は第4世代までは回復者依存、第5世代からは使用者依存。HPの高いポケモンで仕掛ければ後続をほぼ無償に近い状況で降臨させることができる。
また即効性がないこともあってか、第9世代以降も引き続きPPが10あるのも他HP半分回復技との差別化点になる。


  • アクアリング
使用したターンから毎ターン、最大HPの1/16分回復する。
バトンタッチ」で引き継ぐことが可能。
カプ・レヒレの捕獲で苦労する原因の1つ。
アニメでは電気を無効にするチート効果がついている。


  • ねをはる
「アクアリング」の効果に加え、交換ができなくなる。
同時に「ほえる」や「ドラゴンテール」等の強制交換も効かなくなる。
また、第4世代以降はタイプや特性などでの地面無効効果を失うほか、スカイバトルでは使用できない。


◇吸収タイプ

主に相手からHPを吸い取り自分のHPを回復させる技。
『おおきなねっこ』を持っていると回復量が1.3倍になるが、相手の特性が『ヘドロえき』だと逆にダメージを受ける。

  • きゅうけつすいとるメガドレインギガドレインドレインパンチウッドホーンパラボラチャージいきいきバブル
相手に与えたダメージの1/2だけ自分のHPを回復させる。「みがわり」状態のポケモンにも有効である。パラボラチャージは自分以外の範囲攻撃。
なお、きゅうけつはこの系統では威力が20と最低値であり全く採用されなかったが、何があったか第7世代で威力80に超強化。
ただの初期技・序盤技だったのが一気に実戦レベルにまで跳ね上がった。
またこれに伴い、今まで序盤で「きゅうけつ」を覚えていたポケモンの多くが「すいとる」を覚えるように変更されている。


  • ゆめくい
相手がねむり状態の時のみ、相手に与えたダメージの1/2だけ自分のHPを回復させる。
発動条件が難点だが、威力が100と「サイコキネシス」より高く攻守同時に行える技。
第4世代までは『ヘドロえき』の影響を受けなかった。
子供を……いや夢を食べるスリーパーは自力で覚えない。
なお、第1世代では仕様が異なり、なんと回復量が与えたダメージの100%だった。イベルタルさんもビックリの超性能である。


  • ドレインキッスデスウイング
相手に与えたダメージの3/4だけ自分のHPを回復させる。
『おおきなねっこ』を持っていると与えたダメージの97.5%を回復できる。
ただし前者は威力50と控えめなため、吸収効率が高くても素で使うと回復量は微妙。
一方の後者は伝説のポケモンの専用技のため、威力80と吸収技としては非常に高い。特性『ダークオーラ』の対象外となるひこうタイプわざでよかった。


相手に宿木を植えつけて、毎ターン相手の最大HPの1/8のダメージを与えその分だけ回復する。
使用者が交代しても、交代先のポケモンが引き続き回復できる。
相手のHPが自分より高いとお得。くさタイプと特性『そうしょく』のポケモンには効果なし。
「かいふくふうじ」状態でも使えるが、ダメージのみで回復の効果はなくなる。
初代ではどくと同じパラメータを参照してダメージを算出していたため、「どくどく」と一緒に使われるともうどく状態と一緒にダメージが増えるバグがあった。


  • いたみわけ
自分と相手のHPを足して互いに半分ずつ分配する。
自分の現在HPが相手より低い事が前提であり、高ければ相手を回復させてしまう。
最大HPが低い耐久ポケモンに採用されやすい。


◇自分以外を回復させるタイプ

主にダブルバトルやトリプルバトルで使用させる。

  • いやしのはどう
相手のHPを最大HPの1/2だけ回復させる。
余談だがLV35以上の野生のタブンネが使用してくる。
バトルシャトーで戦えるふりそでのタブンネもゴーストタイプなど有効打のない相手に対面すると使用してくる。
狩る目的の相手を回復するのは実に健気である。
波動技に分類されるため特性『メガランチャー』持ちが使うと回復量が最大HPの2/3になる。


  • フラワーヒール
相手のHPを最大HPの1/2だけ回復させる。場の状態が「グラスフィールド」の時に使うと回復量が最大HPの2/3になる。
キュワワーの専用技。


  • いやしのねがい
自分をひんし状態にすることで控えから出てくるポケモンのHP・異常状態を全回復させる。
ドラゴンクエスト風にいうとメガザル単体版。


  • みかづきのまい
クレセリア専用技。使用者がひんしになるかわりに、次のターンに使用者の位置にいるポケモンがHPに加えPPも全回復させる技。ハイリスクだが、最高クラスの回復効果を持つ。
クレセリア自身が耐久型のポケモンである為第四世代までは使われることはまずなかった。
第五世代からローブシンなどの鈍足アタッカーが削られた際に後出しからトリル→みかまいでアタッカーを回復させての第二ラウンドで勝つことを目指す構築、通称「月光乱舞」が流行。
第六世代ではアタッカー枠がガルーラとなってのこの構築は未だに人気。


  • プレゼント
デリバードがネタ扱いされる理由の一つ。
攻撃技として使用される技だが、20%の確率で相手を最大HPの1/4回復させることがある。
ゴーストタイプには効果がないが回復判定の場合はきちんと回復する。威力自体カスだが。


  • なげつける
きのみ・ハーブをなげつけると威力10のダメージを受けるが、その道具の効果が即座に発動する。
例:『オボンのみ』を投げつけるとダメージを受けた後HP1/4分回復する。
ちなみに、使用者の特性が『ぶきよう』だとそもそも使用できず失敗に終わる。


  • かふんだんご
アブリボン元専用技
敵に使った時と味方に使った時とで効果が異なる初の技で、敵に使った際には威力90の特殊技となり、味方に使った際には最大HPの1/2回復させる回復技となる。
剣盾ではわざレコードが登場し、それを使えばバタフリーや一部の花ポケモンも覚えるようになった。
なぜかマシェード系統も覚える。キノコなのにどこから花粉を……
なお、特性『ぼうだん』で無効化される。そのため、『ぼうだん』持ちの味方に「かふんだんご」を当てて回復させることはできない。

  • さいきのいのり
「げんきのかけら」を使ったときの「戦闘不能の手持ちポケモンを最大HPの1/2回復する」効果が発動する、第9世代初登場のありそうでなかった技。今のところ、パーモットベラカスが進化したときに覚える技。
ただでさえ回復技のPPが少なくされた世代でこの効果なので、PPもポイントアップ不可の 1 となっている。


◇自分と味方を回復する技

第8世代でようやく登場。

  • いのちのしずく
自身と味方のHPを最大HPの1/4回復する(小数点は四捨五入)。
みずタイプの技で発動する特性は、使用者側だと発動しないが味方側だと発動する。
『よびみず』なら回復の代わりにバフとして機能し、『ちょすい』『かんそうはだ』では小数点以下切り捨ての関係で回復量が若干変わる場合がある。


  • キョダイダンエン
マホイップ(キョダイマックスのすがた)専用。
フェアリー技がこれに変化し、攻撃後自分と味方のHPを最大HPの1/6ずつ回復するようになる。


  • ジャングルヒール
ザルード専用技。
自分と味方のポケモンが最大HPの1/4だけ回復し、状態異常が回復する(小数点は切捨て)。
特性『そうしょく』は使用者側だと発動しないが、味方側だとバフとして機能する。


◇全員を回復する技


  • グラスフィールド
地上にいるポケモンのHPが毎ターン最大HPの1/16回復するようになる。
その他の効果はこちらへ。



追記・修正はみかづきのまいを舞いながらお願いします。

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最終更新:2024年02月06日 21:12

*1 使用するとほのおタイプを失う「もえつきる」を単ほのおタイプのポケモンが使うと完全にタイプの無いポケモンになる。処理の違いに注意

*2 特性『かいりきバサミ』など「こうげきランクを下げられない効果」により下げられなかった場合は回復できる