爆竜戦隊アバレンジャー

登録日:2011/09/09 Fri 22:25:58
更新日:2023/10/29 Sun 20:03:34
所要時間:約 6 分で読めます







荒ぶるダイノガッツ!


爆竜戦隊!アバレンジャー!!



©2003 テレビ朝日・東映AG・東映




『爆竜戦隊アバレンジャー』とは、2003年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第27作。

●目次

【概要】

1992年放送の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に続く恐竜モチーフの作品だが、本作は我々が住む世界とは別の次元にある「ダイノアース」という世界で独自の進化を遂げた爆竜という生き物という設定。人間の言葉を話すだけでなく、変形や合体が可能になった。
『釣りバカ日誌』とのコラボという大胆な企画も行われた。

プロデューサー陣にはテレビ朝日側から中嶋豪と濱田千佳、東映側からは日笠淳塚田英明が参加。
メインライターは『鳥人戦隊ジェットマン』以降、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』『未来戦隊タイムレンジャー』『百獣戦隊ガオレンジャー』を除いた大半のスーパー戦隊でサブライターとして参加した荒川稔久が担当。
ちなみに荒川氏にとって本作が初の戦隊シリーズメイン担当となり、以降も同シリーズに深く関わるようになる。
サブライターは『激走戦隊カーレンジャー』の浦沢義雄を筆頭に、前川淳會川昇が名を連ねる他、第27話のみ鈴木竹志がゲストライターとして参加した。

「47戦隊47都道府県」では富山県を担当。
大型の恐竜模型展示がある富山市科学博物館がある事や、米騒動により暴れた人がいたからという説も挙げられている。
なお、『許されざるアバレ』の上映館に富山は無いというあんまりな仕打ちである。


【作風】

「恐竜らしさ」を重視した極めて荒々しい戦闘スタイルが特徴的で、個人武器こそあるものの「武器を使わない方が強いんじゃないのか?」と思わせる描写が多いのが印象的。
全体的な作風やキャラの性格などは浦沢氏がサブライターにいる事もあってか、明るめかつギャグ重視(特に中盤~終盤のトリノイド)なのだが、
暗黒の鎧を筆頭とした敵側の設定周りや、アバレブラック個人に関連した設定などはかなり陰鬱なものが多い。
そして「私利私欲のために敵組織に媚びを売る一般人」が他の作品とは比べ物にならないぐらい出てくるのも特徴。
更には設定上必須だった(無いと色々悲惨な事になってしまう)とはいえ、ニチアサにもかかわらずベッドシーンがあることが一部で有名。
人間の悪意をこれでもかという程描いた次の週にカオス回をぶち込んでくるのが当たり前のように起こるため、シリーズでも他に類を見ないほど「ギャグとシリアスの落差が激しすぎる」作品と言える。

ちなみにこれらニチアサと思えないような設定・描写各種は、脚本家などスタッフが一部共通していることから、『仮面ライダークウガ』の続編の声に応えるという意味で同様のテーマを盛り込んだ結果……と長い間言われていたが、
2016年に開催された『クウガ』Blu-ray BOX発売記念イベントにて、メインライターの荒川氏がはっきりと否定している

何気に『ジャッカー電撃隊』以来約26年ぶりの4人制戦隊であり、もう一人の追加戦士に至っては第三勢力から悪の組織の首領となり、仲間に加わったのは物語の終盤のみという異色なものとなった。


【登場人物】

◆爆竜戦隊アバレンジャー

先天的に強いダイノガッツを持つ戦士。
ダイノガッツは、元々全ての生命体が潜在的に持つ精神エネルギーであり、ダイノアースでは竜人たちが日常的に行使しているのに対し、アナザーアース=地球では進化の過程で忘れ去られていた。
そんな中、強いダイノガッツを持つアナザーアース人がおり、彼らが変身を試みるも身体がスーツに耐えられず失敗。
その直後、先祖返りとでも言うべきレベルで一般人以上のダイノガッツを持っていた凌駕達がダイノブレスを受け取り(というか奪い)アバレンジャーとなった。
元々の居住地からして異なり面識すらない3人が戦場に直接呼び出され、初戦から対幹部戦というなかなか異色の誕生経歴を持つ戦隊だったりする。
また、戦隊シリーズ恒例の秘密基地も店の奥を一般人の技術者に改造してもらって作るという珍しい作られ方がされている。



元気莫大! アバレッド!!

穏やかな性格で、仲間にも敬語で話す好青年。
争いを嫌う穏和な人柄だが、内には高い闘争本能を秘めている。
ただ、時に楽天家過ぎて幸人などからバカにされてしまうこともある。
両親を失った姪の舞を引き取り、親代わりに育てている。
物語の中盤以降はブルー、イエローの力を得て強化形態の『アバレマックス』へと二段変身が可能になった。
詳細は個別項目を参照。



本気爆発! アバレブルー!!

カリスマ整体師の腕前を持つクールな男。
その腕で大金を稼いでおり、アバレンジャーを資金面でバックアップしている。父親はブラック指令
ストーリーが進むにつれて、えみポンといい雰囲気になっており……
詳細は個別項目を参照。



勇気で驀進! アバレイエロー!!

九州出身の天才的なメカニックの腕前を持つ元アイドル。
勝ち気で気が強く、感情が高ぶると博多弁になる。
自転車で福岡の博多から東京まで来る強者。ヤツデンワニに惚れられている。
詳細は個別項目を参照。



無敵の竜人魂! アバレブラック!!

ダイノアースから地球(アナザーアース)にやって来た竜人で、アバレンジャーの司令官。
強いダイノガッツを持っている凌駕、幸人、らんるの3人を紆余曲折あってスカウトした。
地球の文化に馴染めず天然ボケな所がある反面、恋人のマホロや娘のリジェをデズモゾーリャに洗脳されてしまうなど、重い過去を持つ。
……というか、アバレキラー関連があまりにも有名である本作のシリアス要素だが、ぶっちゃけ彼の設定回りのシリアスな要素はそれを超えるレベルである。
彼もまた凌駕と同じく普段は敬語で話すが、マホロと話す際には普通の口調となる。
詳細は個別項目を参照。



ときめきの白眉… アバレキラー!!

天才的な頭脳を持つ外科医だが、その頭の良さで幼い頃から友人や仲間に恵まれず退屈な日々を送っていた。
そんな中、アバレキラーへの変身能力を偶然手にしたことで、自身のときめきを目的に動く、所謂第三勢力的な存在でアバレンジャー達の前に現れては幾度となく苦しめ、挙句悪の組織であるエヴォリアンの首領の座に収まってしまう。
しかし、物語の後半である恐るべき事実が明らかとなり……
詳細は個別項目を参照。


◆アバレンジャーの協力者

今中笑里/アバレピンク
演: 西島未智

通称えみポン。アバレンジャーに協力する眼鏡と三つ編みがトレードマークの女子高生。
残念ながらアバレンジャーとなる事は出来なかったが、自作のスーツで一度だけアバレピンクに変身した。
詳細は個別項目を参照。


杉下竜ノ介
演:奥村公延

アバレンジャーの基地であるカレー店「恐竜や」を経営する老人。あだ名は「スケさん」。
なお、恐竜やの常連客には少なくともデカマスターマジマザーゲキチョッパーとその妹の幸子がおり、ゴーオングリーンがバイトしていた時もある。


伯亜舞
演:坂野真弥

凌駕の姪。しっかり者の幼女。
他界した両親に代わり叔父の凌駕に育てられているが、凌駕を本当の父親のように慕っている。
後にアメリカでアイドルデビューする。


マホロ
演:桜井映里

アスカの恋人。
エヴォリアンとの戦いの中、策略によって洗脳され……


カスミ
演:鈴木かすみ

突如現れた謎の少女。リジェと瓜二つの姿をしているが、その正体は……


フリージア
演:小向美奈子

映画『アバレサマーはキンキン中!』に登場したダイノアースに伝わる伝説の王女。


邪命体エヴォリアン

邪命神デズモゾーリャが率いる、6500万年前に地球に衝突した巨大隕石に付着していた邪悪な生命体を発端とした敵組織。
ダイノアースを滅亡に追いやり、アナザーアース(地球)侵略に乗り出した。
名称はエボリューションとエイリアンから。
詳細は個別項目を参照。


ヤツデンワニ
ミケラが産み出したトリノイドだが、生まれてすぐに愛想を尽かされ、アバレキラーの下で働く。
いつの間にか恐竜やに住み着いただけでなく、何と恐竜やを乗っ取ってしまった。
それでも、普通のカレー屋を大企業に成長させた辺り、経営の才能はあるのかもしれない。
彼が恐竜やを大企業にしたことで、遠回しに数々の戦隊を繋げる架け橋となっている。ある意味、レジェンド大戦の影の立役者なのかも……
詳細は個別項目を参照。


◆爆竜巨人

アバレンオー
アバレンジャーの戦隊ロボ。
詳細は個別項目を参照。

キラーオー
アバレキラー専用ロボ。
詳細は個別項目を参照。

マックスオージャ
アバレマックス専用ロボ。
詳細は個別項目を参照。

バクレンオー
映画『アバレサマーはキンキン中!』に登場した凶悪ロボ。
公式外伝漫画『若草のフリージア』にて、このロボとフリージアの秘密が語られる。


【派生作品】


爆竜戦隊アバレンジャーDELUXE 外伝 若草のフリージア
上記映画の公開に合わせて『特撮エース』で連載された公式外伝漫画。


特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー
次作『特捜戦隊デカレンジャー』とクロスオーバーした、スーパー戦隊Vシネマ作品。

爆竜戦隊アバレンジャーwithドンブラザーズ
暴太郎戦隊ドンブラザーズ』とのコラボ作品。東映特撮ファンクラブにて配信。

爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ
生誕20周年を記念して制作されたVシネクスト作品。詳細は後述。


【『海賊戦隊ゴーカイジャー』では】

  • 第18話「恐竜ロボット ドリルで大アバレ」
壬琴/アバレキラーが登場。
伊狩凱の中に現れ、ジュウレンジャーのドラゴンレンジャー未来戦隊タイムレンジャータイムファイヤーと共に、彼に3つのスーパー戦隊の大いなる力を与えた。
その3つの大いなる力の結晶こそが、ゴーカイジャーの2号ロボ・豪獣神である。

壬琴「思い切りときめけ!」

  • 第29話「アバレ七変化新合体」
幸人とえみポンが登場したが、何とここで結婚していたことが判明。

ちなみに、戦隊ヲタである凱からの認知は「アバレブルーの三条幸人さんと…………知らない人ォ~♪」……えみポン涙目である。

また、この回でアバレンジャーにゴーカイチェンジした際、本編では見られなかったアバレキラー(とアバレピンク)の変身バンクが拝見できる。
他にもアバレンジャーの大いなる力でゴーカイオーと豪獣神が合体できる事を伝えた上に、えみポン特製アバレピンクのレンジャーキーまで登場した。


【余談】

本作が放映されていた2003年のニチアサはその後に『仮面ライダー555』→『明日のナージャ』と続いており、いずれもかなり内容がディープでシリアスだった事で有名。
そのため「当時のニチアサはヤバかった」と回顧する人も多い。

本作はプレミア発表会を初めて行なった戦隊であり、前作『ハリケンジャー』のキャスト陣からバトンを渡される形で行われた。
また、この時はまだ無名だったキャスト陣も凌駕役の西興一朗氏を先導に遠藤正明氏が主題歌を歌っているところに乱入したり、客席に勝手に降りたりして文字通りアバレていた。

本作のEDテーマ「We are the one ONE 〜僕らはひとつ〜」のイントロ部分の「アバレンジャー4人が横断歩道を渡る」シーンは、ビートルズのアルバム『アビイ・ロード』のジャケットのパロディである。
また、このEDではアップテンポな曲に合わせてバーミア兵が踊るシーンがところどころで差し込まれるといった内容で、本編のシリアスさに反して賑やかな内容。
これ以降、スーパー戦隊シリーズのEDは「戦士の休息を思わせるバラード等の穏やかな曲」から「賑やかな曲調に合わせてメンバー達がダンスする」というスタイルが主流となっていった。
劇場版のEDでは、イントロ及びBメロ部分のシーンが、アバレンジャー一行に代わってエヴォリアンの幹部達が演じるセルフパロディとなっている。

なお、えみポン役の西島未智氏はいつの間にか子供達にとてもじゃないが見せられない写真集を出していた他、2020年には『魔進戦隊キラメイジャー』のエンディングのダンスの振付師として久々にスーパー戦隊シリーズに関わる事となる。
一方、らんる役のいとうあいこ氏は結婚・引退、スケさん役の奥村公延は09年に逝去。
そのため、企画されていた10周年記念のVシネマ制作が見送られたが、2023年に20周年を記念したVシネクスト『爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ』の制作が発表され、いとう氏も本作にカムバック出演することが発表された。

幸人「アバレた数だけ強くなれる…。これからもアバレまくれ!」



荒ぶる追記・修正!



26.忍風戦隊ハリケンジャー←27.爆竜戦隊アバレンジャー→28.特捜戦隊デカレンジャー

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最終更新:2023年10月29日 20:03
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