銀帝軍ゾーン

登録日:2011/10/15 Sat 22:20:00
更新日:2024/02/10 Sat 15:21:23
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地球を滅ぼせ! 銀帝軍ゾーン、出撃!!


銀帝軍ゾーンとは、スーパー戦隊シリーズ第14作『地球戦隊ファイブマン』に登場した敵組織である。





【概要】

銀河皇帝メドーを長として、銀河戦艦バルガイヤーに乗り999の惑星を滅ぼした混成エイリアン集団。
1000番目の星に地球を選び、来襲した。
残虐非道な悪の組織だが、作戦がいちいちまどろっこしかったり、逆さまデーなる20年に一度、組織内の上下関係がメドー以外逆転する制度があったりする等、どこかお茶目な仕来りもある。
「ドルエン」という独自の通貨を備えており、単なる一組織に留まらず小さい独立国家の趣もある。

実際に999の星を滅ぼしているという実績や首領の強さ等から、戦隊の中でも最上位クラスの敵組織とよく評される。

20年前、星川家が住んでいたシドン星を襲い壊滅させた上に星の住人であるイーヤ&トーヤの幼い兄妹を殺害し、挙句の果てに両親と子供達が離れ離れになる原因となっている。
故に、星川学たち五兄弟戦士・ファイブマンとは単なる侵略者と地球を守る戦士以上に「父の仇、母の仇、友の仇」という強い因縁がある。



【主な構成員】

艦長

ガロア艦長

演:石川武

バルガイヤー艦長。
の腕が立ち、シリアス回とギャグ回で自動車を切り裂いた。右腕からは八角形型のビームを発射する。
なお、ファイブレッドこと学とはシドン星を襲った際、光線銃で顔に傷を付けられるという因縁を持つ。
そして剛剣とも云うべき剣技は一時はファイブレッドを屈しかけさせた程。最終決戦では剣を回転させて突風を起こす大風車剣を披露した。
このような因縁の敵であるライバルキャラ……なのだが、逆さまデーで幹部や銀河闘士にこき使われたり、股間から金の玉を落としたりと視聴率対策のためにギャグキャラ化した。

シュバリエの復帰等もあり雑用係まで転落するが、第44話で偶然発見した艦内に隠されていたエネルギーを突き止めて利用して造り上げた専用ロボ・ビッグガロアンでスーパーファイブロボを撃破した事により、シュバリエと並ぶ地位に返り咲く。
しかし、ギャグキャラ扱いは最後まで変わらず、非常に情けない彼の死に際はある意味伝説。
なんでもOK免許なる意味不明な免許を持っており、どんな乗り物でも乗りこなせる。


初代艦長シュバリエ

演:植村喜八郎

第28話から登場したバルガイヤーの初代艦長にして銀河の英雄である本作一の人気者。
初代艦長として多くの手柄を立て、巨万の富を築き美女を侍らせ隠居していた所、ゾーンが地球攻略に手間取っている事を知って再び前線に加わる。
なお、劇中では一度も「前艦長」と言われないので、ガロアが三代目以後の艦長でシュバリエとガロアの間に1人以上「艦長」就任者がいた可能性あり。

甲斐バンドの『HERO〜ヒーローになるときそれは今〜』をBGMにインパクトのある初登場をし、ドルドラ、ザザに、数美とレミ(一時)まで虜にしただけではなく、視聴者のハートをも掴んだ。
歌声が武器で合体システムを破壊したり、ゴルリン無しで銀河闘士を巨大化させたりと、某ふうせんポケモンの様に歌声を武器にしている。
ファイブレッドと壮絶なチェーンデスマッチを繰り広げ敗北、死亡するが……

ちなみに、演じた植村氏は過去に『超新星フラッシュマン』にて、グリーンフラッシュ/ダイを演じたお方。実際、38話で偽兄弟先生に扮した際にはシュバリエの姿に戻る際にフラッシュマンの変身ポーズの一部*1をやる中の人ネタがあった。
彼の登場で低迷していた視聴率が持ち直した事から、ある意味ではシリーズそのものの救世主とも云われているが、真相は定かではない。
しかし、次作『鳥人戦隊ジェットマン』のブラックコンドル/結城凱役の若松俊秀氏がオーディションで彼の台詞を言った程当時のスタッフからは浸透していたのだろう。


その他幹部

銀河剣士ビリオン

演:山下伸二(現・工藤俊作)

剣と酒をこよなく愛するクールな剣士だが、キャラをシュバリエに食われる。
必殺剣・銀河真空斬りを使い、バイクの運転も出来る。また右手から青いビームを発射する。
戦いを好むが、好きなのはあくまで「自分より弱い相手との自分が絶対に勝てる戦い」であり、勝つ為には卑怯な手段も躊躇無く使う。
具体例を挙げれば、ファイブレッドごと下積みだった頃からの相棒を斬ろうとしたり、ミリア星人ソーラを盲目的に惚れさせ利用したりさせた等。
第40話では配下の剣型の銀河闘士サーベルギンとオーバーレイし、サーベルビリオンとなるが、ファイブロボとの一騎打ちで敗北し、元に戻ってしまう。要するに前年のヨロイキリカと同じく1話限りのパワーアップ。
そして最終決戦前半で学を助けた銀河の暴れウルフ・グンサーを殺害し、ファイブレッドとの一騎打ちで様々な卑怯な手段を用いて一時圧倒するものの、
卑怯な手には卑怯な手をファイブテクターを纏った事で返り討ちに遭って敗死。哀れな最期を遂げたメンバーの中で唯一、綺麗な退場を果たした。


銀河博士ドルドラ

演:西初恵

残酷な女科学者。ちなみに独身である。
作戦参謀にして銀河闘士の改造係。指揮棒から黄色い光線を発射する。
前線で作戦の中心を担う事もあり、自分の美貌を利用した作戦で文矢を騙した事もある。
後にシュバリエ艦長にホの字となる。
メドーに深い忠誠を誓っていたが、第46話で真実を知って錯乱し、精神が崩壊した末にザザもろとも合身銀河闘士バラドルギンにされ、スターファイブに倒される。


銀河の牙ザザ

演:渡辺元子

ドルドラによって造られた卵の殻型の装甲を身につけた人造人間。
ドルドラのボディガード的存在で、二振りのナイフを武器に使い、刃からピンク色の光線を発射する事も可能。また、全身をピンク色の液体状に変化させて移動する。
幼い頃に瀕死の重傷を負った際、ドルドラに助けられ、忠誠を誓い過ぎて百合となる。
錯乱したドルドラに最期まで付き従い、共に合身銀河闘士にされたが、彼女だけ名前が省かれたのは不幸っちゃ不幸。バラドルザギンとでも呼べばよかったのに、語呂が悪かったからか……
レミをライバル視している。
ちなみに彼女は卵から生まれたが(第5話での宇宙卵との会話より)、ドルドラ同様独身らしい。


銀河商人ドンゴロス

CV:神山卓三(第4話まで)、加藤治(第5話以降)

自分の損得勘定と金儲けの為だけに生きる強欲な宇宙商人にして、序盤からのギャグ要員。
胡散臭い関西弁を話し、音痴な歌を披露し、手持ちの算盤は算盤爆弾を発射する武器にもなり、第29話ではこれを持ってマグマベースで暴れ回った。
ちなみに鼻水のように見えるものはヒゲである。
ファイブマンの姉妹では妹のレミより、姉の数美の方がお気に入りで、第34話では缶詰にされた彼女を食べようと思った程。
前作でいうかっとび暴魔ズルテン的存在で、最終回まで生き残ったが、崩壊していくバルガイヤー内で金庫からゾーンの財産をくすねようとした事が仇となって逃げ遅れ、ガロアの茶番劇に巻き込まれて死亡。
前半では何故か次回予告のナレーションも担当している。


その他戦力

バツラー兵


「ニワトリ コケコッコー!」

エビやカニの甲羅に質感が似た装甲を纏う戦闘員
彼らがメインとなった第24話「のろ亀忍者」にて、バツラーとは一つの種族である事が判明した。
その際、彼らの族長バツラギンがファイブマン討伐の為に招かれ、変身能力を叩き込んだが、バツラー一族の中での落ちこぼれであり、仲間達に迫害された際に助けてくれたレミと心を通わせた339(サンサンキュー)号の反乱と犠牲によって、全ておじゃんとなった。

銀河戦隊ギンガマン

8年後の銀河を貫く伝説の刃ではなく、シュバリエにいつの間にか仕えている5人組のエイリアン。
第9話「登場!ギンガマン」で初登場というイメージが強いが、20年前のシドン星襲撃にも参加している。
ファイブマンと同じ配色ではあるが、こちらはピンクもイエローも男である。

作戦の一環として自作自演でゾーンから地球人を救う事で地球人のハートを掴み、ファイブマンから人気を奪ったが、最終話手前でのファイブマンとの最後の決戦で、各カラーと同じファイブマンに全員敗れて戦死。
なんだかんだでシュバリエにくっ付いて終盤まで生き残った辺り、世渡り上手なのかもしれない。
事実シュバリエは気に入っていたようで、ファイブマンにギンガマンが倒され、その際に「シュバリエ様~さよ~なら~!」と別れを告げて各ギンガマンが散った後、ファイブマンに怒りを燃やして黒ゴルリンと共に襲いかかった。


◇ゴルリン


ゴルリーン、〇〇号!!

ゴルリンは細胞活性エネルギーを放射吸収する事によって、
自らの体を核にして銀河闘士を巨大銀河闘士に再生復活させる事が出来るのだ!


第2話「父の仇!母の仇!」から登場する銀河闘士巨大化の為の、巨大改造エイリアン。
一見デカいスノーマンのように見えるが、これは敢えて狙ったものである。
①銀河闘士が敗れたのを見届けたゾーン幹部が、「ゴルリン○△(製造番号名で)号!」と呼ぶ。
②ゴルリンが現れて主に瀕死の銀河闘士を取り込む。
③ゴルリンが取り込んだ銀河闘士と同じ姿になって巨大化完了。
このシステムの関係上、取り込む銀河闘士が死亡してしまった場合は巨大化させられない。
早い話がコピーロボットを大きくしたものであり、後のコピージャイアントの先輩と言えるかもしれない。
また、登場回に倣って製造番号名で呼ばれる戦隊でも珍しい巨大化要員とも云える。

第14話「可愛いウソツキ」で一度だけ銀河闘士が死亡寸前だった為、焦り過ぎて岩に転んで巨大化に失敗した事がある。


ゴルリンも、走れば岩に躓くか。

おのれ!

人生色々でございます。


ちなみに、転んでしまったゴルリンは脳震盪で死亡したとも云われる(次回ではナンバーが次のになっていたし)。

ゴルリン自体の戦闘力は低いが*2、シュバリエは銀河闘士の吸収能力を廃した代わりにファイブロボに匹敵する程の強化改造を施した、黒ゴルリンという専用のゴルリンを持っている。

なお、そのシュバリエはゴルリンを呼ぶ(黒ゴルリンも)際に「カモン!」と付け加えており、それもシュバリエのインパクトを高めたともいえる。


◇黒ゴルリン

第30話「黒ゴルリン」まんまやんけ……から登場した、文字通り真っ白なゴルリンを真っ黒にして、両肩にミサイルを発射するキャノン砲を装備したシュバリエ専用の戦闘用ゴルリン。
戦闘用に改造された関係で銀河闘士を吸収・同化する能力が失われたものの、その戦闘能力は巨大銀河闘士を大きく凌ぎ、ファイブロボ、スターファイブにも引けを取らない。

キャノン砲の他、2大ロボを凌駕するスピードと(金ちゃん走りでそう見えないが)機敏さ、巨大な鎖付きトゲ鉄球などを用いて戦うが、最終決戦ではスーパーファイブロボのダブルスーパーベクトルパンチに敗れて倒される。

なお、黒ゴルリンが倒されるのと同時にシュバリエもレッドによって倒されるが、これによって真の意味での恐怖と最終決戦が幕を開ける。


放浪剣士クイーンキラー

CV:弥永和子
第22話「光る美青年」に登場したエイリアン。
ハチのような姿をしており、右手のフルーレ一本で宇宙を渡り歩く女剣士。
目からは黄色いビームを発射し、口からは鋭い針を放つだけでなく植物のエネルギーを吸うことも可能で、この植物のエキスを食い荒らさないと生きていけない害虫でもある。
ファイブマンたちに手間取るゾーンに見かね、地球を手に入れようと戦いを挑み、一時はファイブピンクを窮地に追い詰める。
しかし、ピンクが助けたゲストのレッドマスク/タケル科学者・結城光司(演:海津亮介)が生みだしたオーラパワーソーラーパワーの水晶のエネルギーによって復活したピンクの猛攻に敗北。
最終的にビリオンの手で強制的にゴルリン18号に吸収され、フルーレ片手に戦うも、ファイブロボの超次元ソードの斬撃で倒された。


◇銀河獣アンモナイドン

第38話「偽兄弟先生」に登場した銀河の毒貝。
海水を浴びると強力な銀河ペスト菌を吐く性質があり、それに目をつけたシュバリエに操られ、動く細菌兵器として多くの星を滅ぼしてきたが、ある日乗っていたUFOが地球に墜落してしまう。
たまたまそれが神之山分校の地下だったためドンゴロスを除くゾーンの面々は兄弟先生に化けて密かに発掘作業をしていたが、
ファイブブラックとの戦闘で目覚め、バルゴールに乗って海へと向かうも、ファイブテクターを装着したファイブレッドの体当たりで倒された。


◇ミリア星人ソーラ

演:水野美紀

第39話「愛を下さい」に登場したミリア星人。
かつてビリオンに命を救われた事があり、その後彼を助けるために棒術を習得。棒を振り回して突風を起こす「銀河乱舞」という技を使い、更にカプセルを飲んで怪人ダークソーラに変身する。
ダークソーラになると左手から青い光線を発射可能になるなど戦闘能力が向上するが、本人は「醜い姿」と嫌っている。
ビリオンはファイブマンを倒すための道具としか思っていなかったが……。

演じた女優はかの『踊る大捜査線』シリーズの柏木雪乃でお馴染みの水野美紀氏で、本作がテレビ初出演作である。


保有兵器

◇バルゴール

バルガイヤーの艦載機でもあるゾーンの戦闘機。バツラー兵が操縦する。
円盤状の胴体の上に連装式のビーム砲を備え、地上着陸時には折り畳んでいた6本の脚を伸ばして変形し、回転させて戦車のようになって破壊活動を行う。

単に戦闘するだけではなく、サイラギンの算数の勉強に使われたり銀河闘士を作戦場所へ輸送したりといった事も出来る。

第1話でのファイブマシンとの戦いのSFXは、それまで特撮主流を務めた矢島信男氏から、佛田洋氏へと代わる橋渡しシーンともいえた。
しかし、『ジェットマン』以降はこの場面が見られなくなり、20世紀枠内でのロボのバラメカと敵戦闘機との戦闘シーンは『超力戦隊オーレンジャー』第7話「完成!!超力ロボ」の超力モビルVSタコンパス編隊や、
亜流であり、地上ビークル同士の戦いとなった翌年『激走戦隊カーレンジャー』第5話の「この先激走合体!」でのRVマシンバリッカーの激突シーンで最後となる。
それまでの戦隊では定番だったこの光景が再び見られるのは、(CG表現だけど)21世紀の『炎神戦隊ゴーオンジャー』まで待たなければならなかった。

◇ビッグガロアン

第44話「死闘ロボ戦」でシュバリエによって一時は便所掃除にまで格下げされたガロアが、バルガイヤー内のエネルギーエキスを発見。
それをゴルリン36号に注入しパワーアップさせた後に、ブルドーザー、クレーン車、ダンプトラック、パワーショベルといった建設重機を吸収させて生みだしたパソコン通信機能も持つ巨大ロボット。

ガロアを模した頭部で両胸のキャノン砲2門と、左腕のショベルアームなどが武器。
このショベルアームでスーパーファイブロボの必殺技のスーパーベクトルパンチを軽々と受け止め、逆に超強力電流を流してスーパーファイブロボをショートさせたところを、キャノン砲の一撃で破壊し、沈黙させる。
その撃破までの時間は僅か2分59秒99(ドンゴロス計算)しかかからなかった。

だが、乗っていたファイブマンはすんでの所で脱出して難を逃れ、そのファイブマンの基地であるマグマベースをも破壊しようとするが宇宙へと逃亡されて逃げられ、
それに変わって偶然入手したパソコン通信の情報を元に今度はファイブマンの職場だった再建されたニュータウン小学校を標的にしようとする。
しかしファイブマンの挑発を受け、踏みつぶそうと迫った際に、アースカノンの一撃をピンポイントでコクピットにぶち込まれて内部メカにダメージを与えられて弱体化し、最終的にマグマベースの集中砲撃によってどうにか破壊された。

しかし、スーパーファイブロボの頭部と左腕を切断して倒した圧倒的な強さは、当時の子供達のトラウマでもある。


銀河闘士合身銀河闘士

今作における今週の怪人枠。
中にはゾーンと無関係の小学生もいたり、惑星を滅ぼした猛者もいたりとチラホラ。


首領

銀河皇帝メドー

演:松井千佳 / CV:金野恵子

天に浮かぶ巨大な美女の顔をしているゾーンの支配者。
シュバリエが久しぶりに現れた際に涙した。
終盤には部下の不甲斐無さに対する怒りから、怒髪冠を衝き夜叉の顔へと姿を変えた。




次回も追記・修正しないと損やでぇ♪


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最終更新:2024年02月10日 15:21

*1 「プリズムフラッシュ!」と言う前の腕をクロスして構えるポーズ。

*2 ゴルリン6号は顔から黄色い光線を発射して攻撃する事が可能