ジョーカー 許されざる捜査官

登録日:2011/09/19(月) 02:29:38
更新日:2024/03/24 Sun 20:56:25
所要時間:約 11 分で読めます




この作品はフィクションです。
登場する個人・団体・施設名等は
架空のものであり、
あくまで創作に過ぎません。


しかし――


これをただの作り話と受け取るか、
現代の闇と捉えるかは
貴方に委ねます。




『ジョーカー 許されざる捜査官』とは、2010年にフジテレビ系列にて火曜午後9時より放送されていたドラマである。

本編10話+最終回の後日談と本編の前日譚を描いた特別編の全11話。


【あらすじ】

神奈川県警の捜査一課強行犯係4班班長の伊達一義は、昼間は冴えない刑事。だが、夜の彼は法の目から逃れた犯罪者に「神隠し」と呼ばれる裁きを下す制裁者であった。
物語はキャリアの新人警察官である宮城あすかが伊達の4班に赴任したことから始まる。


【概要】

法の目を逃れた犯罪者を主人公が「神隠し」によって裁く、いわば現代版必殺仕事人
ここで言われる神隠しとは、とある孤島へ犯罪者を船で運んだ後に死ぬよりも苦しい罰を与えるもので、本来の用途とは若干異なる。

本作の特徴といえば、ほとんどの犯人が同情のしようもないクズばかりだということである。ほんとにクズばかりである。大事なことなので二回言いました。

一例を挙げると、
罪も無い子供を改造エアガンで嬲り殺しにし、その罪を過去に自分を虐めていたDQNになすりつけ、更には血塗れの遺品を遺族に送り付けた挙げ句に

盗聴器で遺族の泣き叫ぶ声を聞いて愉しんでいる奴とか。しかもその時の犯人はファミレスで優雅に食事中。

といった感じ。
同情なんて出来やしねえ。

過去には同じ枠でヲタクと美女とのラブストーリーやイケメン天国な学園物、仮面ライダーな執事ドラマが放送されていたとは思えないエグさである。
だがそれがいい。

日本テレビ系列で放送された武藤将吾脚本のドラマ「3年A組」、「ニッポンノワール」とは同一世界観であることが示唆されている。


【登場人物】

  • 伊達一義(演:堺雅人)
本作の主人公。神奈川県警強行犯係4班班長で階級は警部。
昼間は部下にすらタメ口を叩かれる駄目な昼行灯刑事。一度も怒ったことが無いとさえ言われており、あだ名は「仏の伊達さん」。
しかし夜になれば、狡く逮捕を逃れた犯罪者に対し裁きを下す非情なる制裁者となる。
好物はいちごミルクとラーメン
過去に目の前でヤクザの金銭トラブルに巻き込まれた両親を射殺され、その遺体をコンクリート詰めにした犯人を刺してしまったというトラウマを持つ。
更に刑事になった後に出所していた犯人にそのことで恐喝され、三上に相談したことがきっかけで「神隠し」を行うようになった。
「神隠し」を正義の行いであるとは考えておらず、自らも「法の裁きから逃れた者」であると自覚しており、彼らを裁くことに対して自分自身への罰という意識も持ち合わせている。
その事もあってか「法で裁ける者は法で裁くべき」とも考えている。
そのため「神隠し」を行う相手は「間違いなく犯人である確証があり」、
且つ「警察として最大限に力を尽くしても法の裁きを逃れることが確定してしまった」者だけだと固く決めており、
まだ心証的に怪しいという段階で安易に「神隠し」に走ろうとした久遠を強く諌めている。
また「神隠し」を行う前には自らがジョーカーとして初めて神隠しを行った犯人の妻が経営するラーメン屋でラーメンを食べ、自らの罪深さを強く自戒している。
「お前に明日は来ない」が所謂決め台詞。


  • 宮城あすか(演:杏)
本作のヒロイン。
警察庁採用のキャリア警察官で、神奈川県警捜査一課強行犯係4班に配属された。
警察官、更には伊達の同期でもあった兄・夏樹を殉職という形で亡くしており、その事件がいまだ未解決であるため、犯人を自らの手で捕まえるべく刑事となった。
とても正義感が強く、「兄貴そっくり」と評価されている。
また、非常に奥手かつウブな性質で、捜査資料(いわゆる“本番”の映像)を直視できずに硬直する程。キスすら体験したことがない。


  • 久遠健司(演:錦戸亮)
神奈川県警が誇る鑑識課所属の“イケ鑑”。
上司や同僚に好かれておらず鑑識課に自分の席が無いため、倉庫を勝手に自分専用の部屋にしている。
派手なアロハシャツを愛用しており、また酒と女が大好き。鑑識にもかかわらず二日酔いで出勤し、吐いて現場を汚すことも。
しかし、やはり警察官らしく正義感や悪を憎む心は人一倍強い。子供をいたぶり殺した犯人を「ぶっ殺してやりてえ」と発言したこともある。
事件解決のためならば盗聴、盗撮などの違法捜査すらも厭わない。
伊達が神隠しを行っていることに気付き(ぶっちゃけ現場に服のボタンを落とすという伊達のうっかりすぎるミス*1のおかげだが)、
強引に自らを売り込みメンバーに加わる。
その行動理念はかつて親に虐待された過去があるらしいが…。


  • 来栖淳之助(演:平山浩行)
神奈川県警捜査一課・強行犯係4犯(警部補)。
伊達とは同期で、マイペースな彼を差し置いて強行犯係4犯の実務面を取り仕切っており、実質的なリーダーである。
自分の方が伊達より優秀だと思っており、彼に苦言を呈することも少なくない。
もっとも冴子からは同じ一課の堀田、轟と合わせて「バカ3人衆」と評されているが。
「べ、別にお前なんかのためにry」とか言っちゃうツンデレ
先代の炎の剣士とは無関係である。


  • 井筒将明(演:鹿賀丈史)
神奈川県警捜査一課課長で、階級は警視正。
叩き上げのノンキャリアながら現在の地位にまで上り詰めた。
普段は温厚で穏やかな性格だが、時折警察官らしい厳しい表情や怒りを見せることも。
伊達に刑事の基礎を叩き込んだ人物でもある。


○その他の登場人物

  • 片桐冴子(演:りょう)
伊達の元同僚で元彼女。現在はルポライターの仕事に就いている。
伊達の良き理解者。
噂の「神隠し」を追っている。
神隠しについて確信を突く情報を得たのもつかの間、何者かによって刺殺される…。



  • 三上国治(演:大杉漣)
伊達と片桐の通いつけのバーのマスター。伊達の好物であるいちごミルクは自家製。
かつては警視監というキャリア警察官だった。
伊達の両親が殺された際に彼と知り合い、以降たびたび面倒を見ている。



  • 宮城夏樹(演:丸山智己)
あすかの兄であると同時に伊達、冴子の同期。
伊達からは正義感が強く、優秀な刑事だったと評されている。
本編の5年前に何者かに殺害され、その一件が「神隠し」と関係があると気が付いた冴子は彼の事件について調べていく…




「神隠し」のターゲットとなる犯罪者達。上記にある通り、揃いも揃って同情の余地の無いクズばかりである。
詳細は項目参照。


【用語】

  • 神隠し

法から逃れた犯人たちに伊達たちが執行する裁き。
裁きと言っても決して命を奪うようなことはせず、
「麻酔銃などで意識を失わせている間にとある島に連れて閉じ込める終身刑のようなものである。

このような大がかりな拉致監禁行為を主導しているのは誰なのかが、この物語の謎のひとつであったが…。



↓以下、物語の確信を突くネタバレ
















  • アンダーグランド5

神隠しを主導している組織。
元々は国家警察時代に発足した凶悪犯罪を極秘に取り締まるための機関だったが、警察の民主化と共に凍結。

その後、1998年ごろに警察OBらによって復活し、法で裁くことの出来ない犯罪者たちを裁く「ジョーカー」と言う計画を発案した。
つまるところ三上達の直属の上司である。
ただし、三上は存在を知っていたものの直接動いている伊達はその存在をクライマックスまで知らなかった。

その力は凄まじく、警察の情報操作や神隠しの対象となった犯人の誘導など、一般の警察の権限を遥かに越えている。

ちなみにジョーカーのデータが入ったCD-Rには、「34.633208,139.759827」という不可解な数列が並んでいたが…。


この数字はとある島の緯度を現している。ここには1998年に地図から消えた島があった。なら、神隠しに会った犯人たちは…。


↓以下、最後のネタバレ

















「まだ捕まるわけにはいかないんだよ。最後の仕事が残っているんだ。」

「何処で間違っちまったんだろうな…。」


  • 三上国治(演:大杉漣)
夏樹と冴子を殺した犯人。

25年前に、かつて自分が捕まえた若者に妻と娘を殺され、決定的な証拠をつかめずに時効を迎えてしまった過去を持つ。
その一件で警察組織に限界を感じていた矢先、その事件を知ったとある組織に、存在しないはずの警視庁地下五階の部屋に連れて行かれた。

そこで三上は初めて警察の裏組織・アンダーグランド5、そしてジョーカーの存在を知り、最初の仕事としてその男を神隠しに遭わせ、
その後正式にアンダーグランド5に加入することになった。

そして、伊達を引き入れるまで法から逃れた数多の犯罪者を裁き続けていたが、
やがてジョーカーの存在に感づいた夏樹を危惧したアンダーグランド5に夏樹の殺害を命じられ、罪の意識を感じながらも刺殺。

そして長い年月が離れ伊達のサポートに落ち着いても尚組織に所属し、同じくジョーカーの核心に近づいた冴子をも殺害。
さらにその現場に残されていた毛髪のDNAから三上の犯行に気が付いた久遠までも刺して重傷を負わせた。

その後伊達の追及を上記のセリフと共に麻酔銃で伊達を撃つことで退け、その後CD-Rの隠し場所を知っているあすかを拉致。
自分の過去を、「とある知り合いの話」としてあすかに告白した後、自白剤でCD-Rの隠し場所を聞き出してそれを入手した。

しかし、自らの罪の重さは十分理解していたようで、CD-Rを処分したところに現れた伊達に自分を神隠しに合わせるべく、拳銃自殺をするふりをして伊達に自分を撃たせた。


だが伊達は、物証が残っていることから「法で裁けるなら法で裁く。」と言い放つ。
回復した久遠も「自白すればいいじゃないか。そういうケリのつけ方もあるだろ。」と説得したことで、
三上は自ら逮捕される道を選んだ。その際―――。

「伊達。俺がしたことと組織は関係ない。全て俺の独断でやった。」
「だから止めるなよ。止めないでくれ。法から逃れた悪を闇に葬り去るのはお前しかいない…。


そう言い残して、三上は全ての罪を被り、伊達に全てを託した。


その後も伊達は神隠しを続けている。
久遠。そして警察を辞めて自ら組織に入り込んだ井筒と共に。

三上を闇に引きずり込んだ「アンダーグランド5」の全容を暴くために…。



追記・修正は、法の裁きから逃れた犯罪者に「神隠し」を行ってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ジョーカー
  • JOKER
  • 許されざる捜査官
  • ドラマ
  • 刑事ドラマ
  • 武藤将吾
  • フジテレビ
  • 必殺仕事人
  • 犯人はクズばかり
  • お前に明日は来ない
  • 神隠し
  • ラーメン
  • 堺雅人
  • しまっちゃうおじさん
  • しまっちゃうおじさん←悪い人はしまっちゃおうねぇ
  • 神奈川県
  • 神奈川県警
  • 警察
  • 武藤将吾
  • 10年夏ドラマ
  • 私刑
  • 私刑執行人

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月24日 20:56

*1 もっともその時伊達は黒いコートを上から着ていた為、ボタンが取れたことに気がつかないのも無理はないが。