白倉伸一郎(プロデューサー)

登録日:2011/05/06 Fri 23:11:48
更新日:2024/03/23 Sat 23:06:04
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……なんか扱い悪いぞ。

本当だよ…。てか、この台本書いたの誰だよ?

……白倉(ピー)って書いてあるぜ。*1

あら……





(^^)(^^)


Complete.

『仮面ライダージオウ 補完計画』
6.5話「フォーゼ555の秘密」より

白倉(しらくら)伸一郎(しんいちろう)とは、日本のテレビドラマ・映画プロデューサー。


○プロフィール

誕生日は1965年8月3日、東京都で生まれる。
東大の文学部出身である。

1990年に東映入社。
1991年の『鳥人戦隊ジェットマン』の中途からプロデューサー補として参加。
1992年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』中途からプロデューサーに初就任。
2008年に東映東京撮影所次長に就任後、東映株式会社執行役員、東映テレビ第二営業部長を経て、2022年に取締役から退き、上席執行役員を務める。
なお、執行役員を下ろされたというデマが記述されていた事もあるが、それは間違い。

以降、東映特撮ドラマのプロデュースを多数手掛ける他、今では役柄上戦隊作品にも関わるようになり、
2021年の『機界戦隊ゼンカイジャー』にて『五星戦隊ダイレンジャー』以来27年ぶりにプロデューサーを担当し、翌2022年の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でも引き続きプロデューサーを担当する事となった。


平成ライダーシリーズについて

シリーズには『仮面ライダークウガ』中盤から参加。

制作の遅滞が進む高寺重徳Pのサポートのために井上敏樹と共に配属された。
元々は上層部からの指示で尖り過ぎた作風及び遅延による根本からの番組改変を行う事が目的であったが、2人が高寺Pとメインライターを務めた荒川稔久氏の作風を支持。
一転、サポート役に回った事で『クウガ』はテコ入れを免れた。

次年度の『仮面ライダーアギト』にはチーフプロデューサーとして参加。
今日まで続く平成ライダーシリーズの作風を確立し、これまでに7作品(番外編の『仮面ライダーG』を含めると8作品)を担当した。
本来であれば『仮面ライダー555』でプロデューサーを引退する予定であったが、次作以降のライダーシリーズが悉く不振に終わった為に『仮面ライダー響鬼』後半から平成ライダーシリーズに復帰を果たす事となる。
その後、平成仮面ライダーシリーズ記念作品『仮面ライダーディケイド』『仮面ライダージオウ』、及びAmazonプライム・ビデオ配信作品『仮面ライダーアマゾンズ』をプロデュースした。


○作風

正義」や「悪」、「主人公」などのステレオタイプなキャラ造形を嫌い、暴走する正義、純粋な悪役、怠け者な主人公といったテンプレートから外れた登場人物を好む(もっとも、これは特にコンビを組む事が多い井上氏の作風という側面が強い)。

単純な勧善懲悪にも懐疑的であり、『555』のように従来のシリーズで敵として扱われた「怪人」にスポットを当てた掘り下げや、『仮面ライダー龍騎』に代表されるような絶対的な正義が存在しない相対主義による群像劇を展開する傾向が強い。
仮面ライダー電王』以降はこの傾向は薄まったと思われがちだが、『電王』の本質は実は完全な生存競争であり、正義VS悪の構図ではない。
また、「仮面ライダーの本質は改造人間ではなく『同族殺し』『親殺し』『自己否定』」という自論も残している。

だが、怪人は子どもはヒーローが格好良く倒すシーンを必ず見せる為に必要不可欠な存在としてライダー以上に大事扱う事が多く、特撮としての「正義VS悪」の基本構図はきちんと押さえている。

また、東映特撮のクロノロジーから顧みて「型破りな企画、展開で客を釣る」手法で度々注目を集めており、
……など、仮面ライダーシリーズの歴史を中心に、今日の東映特撮全体に与えた影響度は計り知れない成果を上げている。

が、それらの試みはマイナスに働いた事もある。
「設定を固めてこぢんまりと綺麗にまとめるよりも、リアルタイムのテレビ番組ならではのライブ感を重視したい」という製作方針からか、発言をすぐ撤回したり、方針が二転三転する事から「嘘つき」呼ばわりされる事もしばしば。
ライブ感を重視した結果、『ディケイド』最終回はBPOで問題事項として取り上げられるほど視聴者の反感を買ってしまった。
近年では『ディケイド』後の『ジオウ』まで『スーパーヒーロー大戦』など所謂春映画関係を主に担当しているが、それによる反感も多かった。

こうなる原因はまず前提として彼は第一に「作品」単体の出来栄え以上に「現行の商品」として作品作りに取り組んでいる姿勢が見られる上、
現在は東映の上層部に出世しながらも前線で作品を手掛け続ける彼は「売上」という結果が一番求められるポジションにいる点があるからだろう。
また、彼が語る過去の思い出に「一番好きな戦隊は立場上言うのは難しいが、敢えて言うならデンジマン。1回特撮から離れた時期にたまたま再放送のデンジマンの第一話をみたら、楽しませようとしか考えてなくてつじつまもへったくれもない勢いにガツンとやられた」と語っていた事から、
「とにかく物語のリアリティや整合性より、ただ『今』TVの前の視聴者を楽しませよう」という彼の方針はここが原点なのかもしれない。

なお、ニコニコ生放送における井上氏との対談によると、2016年には『ウルトラマンvs仮面ライダー』の第2弾の企画を円谷プロダクションに持ち込んだものの、型破り過ぎたのか定かではないが、門前払いを喰らったらしい。
また、『ウルトラマンオーブ』の変身システムに感銘を受けるなど、ウルトラマンに対してもかなりディープなオタク


○交流

基本的に一度仕事を同じくしたスタッフは大事にしており、複数の作品を共に手掛けたスタッフは少なくない。

以下、主に有名な人物

井上敏樹
我らが893脚本家。アンサイクロペディアでは嫁扱いされるほど仕事を共にした回数は多い。

●長石多可男
故人。初代『仮面ライダー』からの大ベテランで、白倉Pを「10年に1人のプロデューサー」と称し、高く評価していた。

●田﨑竜太
パイロット、OP演出職人。監督・演出家として登板数は多く、彼にとって白倉Pは恩人。

武部直美
プロデューサー。白倉Pを補佐する形で第一期平成ライダーシリーズに深く関わっており、スタッフへの人脈や作風は彼女に受け継がれている。

杉村升
『ジュウレンジャー』や『ダイレンジャー』などで共作した脚本家。
ランプの魔人をモチーフにしたキャラが登場するエピソード「ご主人様!」にて、白倉Pは当初「ランプの魔人を子供たちの欲望を駆り立てる怪人にする」というプロットを出していたが、
杉村氏が「ランプの魔人は子供の味方だ、その存在を悪人にはできない」と反論し、「善良なランプの魔人がバンドーラの罠にはまり窮地に陥るも、ジュウレンジャーと子供たちの活躍で助けられる」というエピソードに変わった。
自身はこの件については「いい勉強になった」と後述している。

以下、その他
●脚本家
小林靖子米村正二下山健人

●監督
石田秀範、金田治、柴﨑貴行、雨宮慶太、田村直己、鈴村展弘、佐藤健光、坂本浩一

●作曲家
佐橋俊彦、安川午朗、蓜島邦明

●キャラクターデザイナー
出渕裕、篠原保、韮沢靖


○主な作品

●テレビ


●映画作品

仮面ライダー、スーパー戦隊のテレビシリーズの劇場版は除く。

プロデューサー


製作代表

  • 臨場・劇場版(2012年)
  • つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語(2013年)
  • 草原の椅子(2013年)
  • 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(2013年)
  • 二流小説家-シリアリスト-(2013年)
  • ばしゃ馬さんとビッグマウス(2013年)
  • 利休にたずねよ(2013年)
  • アゲイン 28年目の甲子園(2015年)

エグゼクティブプロデューサー

  • 相棒シリーズ X DAY(2013年)
  • ルームメイト(2013年)
  • 偉大なる、しゅららぼん(2014年)
  • シン・仮面ライダー(2023年)

ゼネラルプロデューサー

  • 北のカナリアたち(2012年)

●オリジナルビデオ作品


●インターネットムービー作品


●その他



○評価

  • 「複雑な人間模様」
  • 「過剰な番組の宣伝方法」
  • 「群像劇に伴う主人公の絶対性の欠落」
  • ライダーバトルという概念」
  • 「長期間に渡るドラマ展開」
  • 「解釈の分かれる結末」
などの作風を嫌って「平成ライダーを見ない」という層も昔はいたが、『ディケイド』からはもはや10年近く経っており、このようなことを言う人ももはや少なくなった。
逆に「このクセこそ平成ライダーの持ち味」として好み、懐かしむ人も増えた。

また、クセはあれどプロデュースの手腕は確かであり、手掛けた作品は評価の基準がそれぞれに違えどヒットしている。

その反面、第二期平成ライダーシリーズが一期とは比べ物にならない売上を叩き出している為か、この方針に関して時代遅れではないかという声も。
と言っても一期自体が平成ライダーの歴史がまだ浅かった所謂「試行錯誤」の時代であり、良くも悪くも商法を確立した二期と一概に比較は出来ないが。

平成初期のライダーの作風には本人にも思い入れがあるようで、『アマゾンズ』制作においては「最近失われつつある仮面ライダーへの挑戦的な意匠(本人曰く「トゲ」)をもたらしたい」と語っていた。


○余談

かつては入社時の面接試験で『仮面ライダーBLACK RX』を批判していたという逸話が語り継がれていたが、これは曲解だったらしく、
実際は制作事情に関する問題が放送内容からうかがえてしまった事に関して自分なりの番組制作の理想型と絡めて熱く語っていたのが正しかった模様。

『アマゾンズ』については逆にAmazonプライムビデオの事を知った白倉Pが「『アマゾン』のリブート作品をAmazonで配信したら面白いのでは?」と冗談半分でアマゾンジャパンに掛け合ったところ、
「そんなドンピシャなタイトルあるんだ」と返され、商品展開が望めることもあり、制作が決まったという逸話がある。



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最終更新:2024年03月23日 23:06

*1 Pの部分は規制音。