ボバ・フェット

登録日:2011/01/01 Sat 16:31:33
更新日:2024/02/26 Mon 18:57:30
所要時間:約 9 分で読めます




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概要

ボバ・フェットとは、『STAR WARS』の登場人物。
銀河最強の賞金稼ぎで、主人公達そっちのけで最も高い人気を誇るキャラクター。
スーツアクターはジェレミー・ブロック。
『マンダロリアン』以降はテムエラ・モリソン。

その装甲服のカッコよさから人気を博し、新三部作ではジャンゴ・フェット、CGアニメ『クローンウォーズ』『反乱者たち』・ドラマ『マンダロリアン』など、同型の装甲服を纏うマンダロリアンの戦士達が多く登場。
それらのシリーズではCG・合成などの特殊技術やアニメで実写の制約から離れて、装甲服の戦士達がジェットパックで飛び回り活躍する姿が描かれるなど、後のスターウォーズシリーズのキャラクター・展開に大きな影響を与えた。

人物

T字型覗き穴のヘルメットに傷だらけの装甲服と全身に付いた武器、背中のミサイル付ジェットパックが特徴。
飲食時もヘルメットを外さないので、素顔は誰も知らない。
金に目が眩んで命を惜しまない賞金稼ぎが多い業界において、独自の持論と正義を併せ持つ人物として、彼に憧れる賞金稼ぎも多い。
愛機は戦闘用に改造を重ねた旧式の奴隷輸送船“スレイブ1”。スレイブは英語でそのまま「奴隷」を意味する。
なお名前が名前なので、現在は正式名称の”ファイアスプレーガンシップ”で主に表記される。

その装甲服はかつて銀河を席巻したマンダロア星系の戦士のものという設定が旧三部作の頃から存在し、
新三部作ではマンダロリアンそのものであることが描写された。

来歴

初登場は映画ではなく、『エピソードⅣ 新たなる希望(第1作目)』公開後にTV放送された特番『STAR WARS ホリデー・スペシャル』内のアニメにて、
遭難したルーク・スカイウォーカーハン・ソロ達主人公を助ける形で登場した(未ソフト化で、現在はディズニー+でのみ視聴可能)。

その後に映画撮影用スーツの写真が公開され、次回作映画『エピソードⅤ 帝国の逆襲』に登場しますよという触れ込みでフィギュアが発売、その薄汚くも渋くCoolな風貌で早くも人気を得た。

エピソード5

いざ映画では、ダース・ヴェイダーに雇われた賞金稼ぎの一人として登場。
ミレニアム・ファルコンの偽装を見破ってスレイブ1でベスピンまで追跡した他、ジャバ・ザ・ハットの掛けた賞金のためにカーボンフリージングされたハンを連れ去るという重要な役割を果たす。
この時ヴェイダーとは「もしカーボン加工の途中でハンが死んだら賞金がフイになる」と文句をつけるなど地味に我の強い所を垣間見せている。

しかし僅か10分足らずの出番という扱いの悪さにファンは憤慨したとか。

ストーリーの裏では、ソロの身柄を巡って最高級暗殺ドロイドIG-88を三体も撃破している。

エピソード6

序盤、惑星タトゥイーンのギャング王で雇い主であるジャバ・ザ・ハットの宮殿で登場。
そこに潜入したレイア姫とルークはハンの解凍には成功するも、ジャバに見つかってしまい、処刑として砂漠の怪物・サルラックの餌にされることに。
しかし、全て計算通りだったルーク達の反乱に巻き込まれる。

ジェットパックで飛び出したボバはルークとハンを執拗に狙うが、不用意に接近したことでルークのライトセーバーでライフルが破壊され、
しかも味方のはずの賞金稼ぎがボバも乗り込んでいるスキッフ(小型の浮遊船)を砲撃しまくり、ボバは狭い船内で倒れるなど苦戦。
更にハンのドリフのような不可抗力で自慢のジェットパックが誤作動し、サルラックへダイブして悲鳴をあげながら喰われ出番終了。
ここまでの上映時間は約30分ほど。

ちなみに、ジョージ・ルーカスはボバ・フェットが人気が出ることはまったく予想していなかったらしく、
「人気が出ると知っていたら、もっと戦闘シーンも増やして、最期の場面もカッコよくした」と後に語っている。

余談ではあるが、『新たなる希望』特別編では昔にカットされたシーンが復活し、そこにCG技術によってボバが合成されて一瞬登場している。

中の人は『帝国の逆襲』にてボバ以外にも、惑星べスピンのクラウド・シティ内でレイア姫を盾にルークの発砲を退けた卑怯な帝国軍人・シャッキル少佐を演じている。



過去(クローン大戦~)

エピソードⅡ クローンの攻撃

過去は一切不明とされてきたが、旧3部作の過去を描いた新3部作の『エピソードⅡ クローンの攻撃』にて、ボバと似た装甲服を着た賞金稼ぎのジャンゴ・フェットが登場。
映画公開前には、ボバとどんな関連性があるのかファンの間で話題になったが、劇中でボバはジャンゴのクローンであると遠回しに過去が明かされた。
クローントルーパー製作のサンプルを提供したジャンゴが報酬とは別にカミーノアンに要求した「トルーパーのような遺伝子操作を施さない、自分と全く同じ純粋なクローン」、それがボバであった。名付け親もジャンゴ。
作中では少年時代のボバ自身も登場し、ジャンゴの養子として育てられているが、全然可愛げの無いガキである。

終盤の惑星ジオノーシスの闘いにて、父親代わりのジャンゴはジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥによって目の前で惨殺され、それ以降はジェダイを憎むようになった。

カットされたシーンで後のヴェイダーでもあるアナキンと対面する場面があるが、お互いが憶えているかは分からない。
ジャンゴのクローンと発覚したので、それ以降のコミックやイラストでは素顔は同じに描かれている*1


CGアニメ『クローンウォーズ』

父の死後、アニメ『クローン・ウォーズ』では子供の頃からジャンゴの旧友であるオーラ・シングボスクデンガーといった賞金稼ぎ達に育てられながら既に賞金稼ぎとして活躍していることが判明。

ラッキーという偽名を用いてクローントルーパー養成所に潜入、他のトルーパーを軽く凌ぐ実力を発揮してみせた。
さらに父の仇であるメイス・ウィンドゥ暗殺を試みるも、アナキンらによって間一髪防がれてしまう。
メイスによって逆に命を救われたボバは、ジェダイへの憎悪をさらに募らせるのだった。

父ジャンゴへの愛情は深く、ボバもまだ少年とはいえ、父と同じ顔のクローントルーパーを手にかけることができない一面も。

独立星系連合の指導者ドゥークー伯爵と、共和国にクローントルーパーをもたらした「ティラナス卿」が同一人物であることを知る数少ない人物であるが、
ボバ自身はドゥークーの真意は知らず「どちらが勝っても一人勝ちする算段」だと思っていたことが小説で描かれている。

(因みに、どう見てもクローンとアナキンの身長は大きくは変わらないように見えるが、EP5ではかなりの身長差になっている…ボバ縮んだ?)



エピソード6以降(レジェンズ)

流石に本編(EP1〜6)の扱いはファン達には憤懣極まりなかった。
そのために、ファンの描くスピンオフでは大活躍していたのだ。
(新作『フォースの覚醒』によってレジェンズ(非正史)とされてしまったが)

オンエアされてない所でジェットパックを使い、ボバは死にかけながらも見事生還を果たしていた。
同じく『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』に一瞬登場した同業者・デンガーによって瀕死の所を救助されて以降、相変わらずしつこくハンを狙う

蘇ったパルパティーン皇帝が率いる新・銀河帝国を描いた小説及びコミック『ダーク・エンパイア』では、
チューバッカにヘルメットをもぎ取られた挙句にまたジェットパックが誤作動して天井に突っ込んで敗北。
シャイなのか予備のヘルメットを被り、気を取り直してスレイブ1でハンの宇宙船ミレニアム・ファルコンへ奇襲を仕掛けるも、
ファルコンに搭載されたイオン砲(機械を麻痺させるビーム)を喰らって機体が機能停止、硫酸の雲の中へ墜落し爆散した。

ハン「今の閃光を見たか?これでもう奴の顔を見なくて済む」



今度こそ死んだと思われたが、流石皆のヒーローのボバ! まだ生きていた!
別銀河の侵略勢力・ユージャンヴォングの侵攻の際に、そのやり方が許せないとして再び姿を見せ、
嫌々しつつもハンと共闘して主人公達を助けるツンデレな一面を見せた。
ばかりか父ジャンゴ、祖父ジャスター・メリールがそうであったように、マンダロリアン・ショックトルーパーズを率いる英雄マンダロアとして闘いぬいた。

最近結婚して子持ちとなり、ミータという娘がいる。
そのミータが事件に巻き込まれ、父・ボバが必死に奔走する姿がコミックで描かれる。
なお、ミータはボバの宿敵・ハンの娘のジェイナと友人でもあり、双方の父親の複雑な心境がうかがえる。
ジェイナはコトブキヤから山下しゅんや氏デザインのフィギュアか出る(最早米国のとは別人)。

レジェンド作品によっては、ダース・ヴェイダーと戦って、かつてジェダイから狩ったライトセーバーも駆使して戦い生き残るなどとにかく優遇されていた。

その分、カノン(正史)とされる新たな世界線での活躍も期待されており…








エピソード6以降(正史)

EP6-7間を描く新たなるカノン(正史)外伝「アフターマス」シリーズの「アコライツ・オブ・ザ・ビヨンド」において、
タトゥーインに暮らす二人のスカベンジャーが、豪華客船(セイル・バージ)の残骸から、
ボコボコしてささくれだち、まるで酸か何かにさらされたようなマンダロリアン・アーマーを発見する。
そして未だ機能しているアーマーを装着することになるのだが、つまりかつての装着者は……?



The Mandalorian

2019年11月12日よりDisney+にて配信されている、インターネットテレビシリーズ。
主人公はマンダロリアンのマンド-ことディン・ジャリン。



「チャプター9:保安官」では「アフターマス」の続きを描いており、タトゥイーンのジャワ族からボバ・フェット...ではなく、「コブ・ヴァンス」という行き倒れてジャワに介抱された人物がアーマーを買い取る。
かつて無法者のマイニング・コレクティブに町を奪われた彼はマンダロリアンアーマーを着用して故郷モス・ペルゴに帰還し、コレクティブを打倒。モス・ペルゴ改め「フリータウン」の保安官としてアーマーを着用し、街を守っていた。(本編でのボバより戦闘シーンが長いことにツッコんではいけない…)

そんなある日、彼の噂を聞きつけたマンドーが来訪し、ヴァンスは初めて本物のマンダロリアンに出会う。しかしマンドーは本物のマンダロリアンを探しており、偽者の彼がアーマーを着けていることに否定的だった。
そこでヴァンスはアーマーを譲渡する条件として、街を脅かすクレイト・ドラゴンの共同討伐を提案。
マンドーは苦戦しながらも街の住民やタスケンレイダーと協力してドラゴンを爆死させた。
ヴァンスは約束通り、ボバ・フェットの装備一式をマンドーに譲渡した。

欲しいのはお前のアーマーじゃない。
お前がタトゥイーンでコブ・ヴァンスから手に入れた俺のアーマーだ。

その後、アソーカの助言で惑星タイソンのジェダイ聖堂に向かったマンドーの前に、ついにボバ・フェット本人が現れる
マンドーとの交渉の際に事前にグローグーを狙撃位置からシャンドに狙わせている事を明かし、互いに武器を降ろして話し合おうと持ち掛けるもそこでモフ・ギデオン率いる帝国軍残党のストームトルーパー達が来襲。
なし崩し的に共闘する事になったボバはシャンドからの援護を貰いながらもガダッフィ・スタッフを巧みに振るい、ストームトルーパーを近接戦闘で次々仕留めていく。
その豪快なアクションは賞金稼ぎ時代にはブラスター等の射撃戦をメインにしていたイメージを覆す程の大立ち回りっぷりである。
本来はストームトルーパーの装甲服はあのダース・ベイダーのアーマーと同じ素材が使われてる筈なのに、それを薄いベニヤ板の如く安々砕くのはスタッフがそれ以上の硬さなのか、ボバの腕力がとんでも無いのか…

戦いの最中、マンドーの船にアーマーが置かれていたのを目にしたボバはしれっとそれを装着、あの緑のマンダロリアン・アーマーを纏った銀河最強の賞金稼ぎが画面に姿を表した時には多くのファンが喜んだ。
ボバも感触を確かめるかのようにアーマーの武装をフル活用し、そのあまりの無双ぶりに恐れをなして船に集まって逃げようとしたトルーパー達をミサイルの一発で船ごと残らず沈めてみせた。
もっとも狙ったのは当たった方の船では無かったが…

3人の連携によりストームトルーパーの迎撃自体には成功したものの、グローグーは降下したダークトルーパーによって攫われてしまい、更には上空からの攻撃によりディン・ジャリンの乗機「レイザー・クレスト」も中の荷物ごと粉微塵に吹き飛ばされてしまう。
その後はディン・ジャリンと交わした「赤子の無事と引き換えにアーマーを渡す」という約束を果たすため、ギデオンの軽クルーザーに囚われてしまったグローグーの奪還作戦にも協力。
まず惑星ネヴァロでキャラ・デューンと合流し、彼女の権限を使って以前の作戦で囚人となっていたミグズ・メイフェルドを連行、惑星モラックの帝国軍基地から座標情報を盗ませる潜入作戦を成功させる。

ギデオンのクルーザーの座標が判明した後は2人揃ってボ=カターンらナイト・アウルの許を訪ね、ギデオンを倒すために協力を仰ぐ。
声でボバ・フェットの正体がクローンであることを見抜いたボ=カターンやその部下コスカ・リーヴスとひと悶着置きかけたものの、目的が一致したことで彼女らを乗せて奪還作戦へ向かうこととなった。

最終局面であるギデオンの船への侵入作戦では囮を務め、マンドーの作戦成功を見届けるとそのままハイパードライブを起動して去り、向かった先はタトゥイーンのジャバ・ザ・ハット宮殿。
嘗ての主に代わって支配者となっていたビブ・フォーチュナを無言で殺害し、玉座に悠然と座ったのであった。

復活後のボバは、アーマーを再塗装。デス・ウォッチの面々のようなピカピカアーマーになり、
アーマーの下には以前の白いボディスーツではなく、黒い袴のような服を着るようになった。
テムエラ・モリソンの恰幅のいい体型と合わさって、以前のような一匹狼というよりも、組織のボスにふさわしい貫禄を感じさせる佇まいとなった。

なお、アーマーを取り戻す少し前にはタスケンレイダーと同様の鈍器を使った棒術を披露しており、正史におけるEP6以降の動向を示すヒントと目されていたが…?

The Book of Boba Fett


俺は銀河に足跡を残したいだけの、単純な男だ。
俺の親父がそうだったように。

マンダロリアン シーズン2でサプライズ発表された単独シリーズ。
彼の初の単独映像作品である。

サルラックの体内から命からがら脱出し、アーマーもジャワに剥ぎ取られて死にかけていたところをタスケンレイダーに拾われてから『マンダロリアン』での再登場に至るまでを描く過去パートと、ジャバの後釜としてタトゥイーンの統治を目指す現在パートの二つの時間軸で話が展開される。

サルラックの胃液漬けにされた後、火炎放射器で自分も大火傷しながら脱出したのが相当堪えているらしく、1話開幕からバクタ・タンクで療養しており、それ以降もタンクに入っている間に見ている夢として過去パートが入る。

暗殺者相手に手こずったり、僅かなダメージで体調不良に陥ったりと後遺症を引きずっていたが、
4話にて過去パートが一通り終わったのでようやく全快となった。
そしてそんな劣悪コンディションのボバにもボコボコにされたストームトルーパーのやられ役っぷりが際立つ結果となった

過去パートでは、賞金稼ぎ稼業に内心疲れきっていたことが明かされた。
ジオノーシスの戦いからずっと父の敵討ちと殺ししか考えたことのなかったボバが、タスケンの元で過ごすうちに誇りや尊敬に基づいた関係というものを知り、そのことが現在パートにおける「敬意によるタトゥイーンの統治」という目標に繋がっていったようだ。

前述の理由によるアーマーでの戦闘シーンの少なさと、全7話しかないのにそのうち2回がマンドーの話という不憫な状態ではあったが、全快後の7話ではマンドーと共に大暴れし、かつて『クローン・ウォーズ』の未完成エピソードで敗北した”キャド・ベイン”に打ち勝つなどの活躍を見せた。

ランコアに騎乗するなど、大型生物に乗って登場した『STAR WARS ホリデー・スペシャル』をオマージュしたような場面も。

なおThe Mandalorian及びThe Book of Boba Fettでの演者、テムエラ・モリソン氏だが、
かつてはボバの父親、ジャンゴ・フェットを演じた事もあってファンからはこれ以上無いハマリ役と大好評であるとか。
もっともそのジャンゴを演じてから20年近く経ての間に趣味である筋トレが功を奏し過ぎてしまい、ジャンゴ役当時はおろか旧三部作の頃のボバ*2より歳を食った筈なのにガタイが遥かに良くなってしまっているという珍事もあるが…



ヴェイダー「そうだ。追記・修正テストをしよう。ハン・ソロの項目でな。」

ボバ「もし全消しになったらどうする? 空っぽの項目には何の値打ちも無ェ!」

ヴェイダー「その時は皇帝陛下が直々にお前の項目を追記・修正して下さるそうだ。」


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最終更新:2024年02月26日 18:57

*1 EP5での声もジャンゴ/クローン・トルーパー役のテムエラ・モリソンに差し替えられた。

*2 見た人なら分かるだろうが当時の演者であったジェレミー・ブロック氏は結構細身である