ロシーヌ(ベルセルク)

登録日:2011/10/11(火) 20:39:08
更新日:2023/10/08 Sun 18:52:01
所要時間:約 5 分で読めます






帰らなきゃ
もう帰らなきゃ


もう日が暮れて
月がこんなに高くなっちゃって


早く家に帰らないと
お父さんとお母さん
心配するもの


はーー。おなかすいたなァー
今日の晩ごはん
何かなーー……





◆初めに

ベルセルクに登場するキャラクター
主に単行本14巻~16巻の『断罪篇 ロスト・チルドレンの章』にて活躍
だが、初登場は10巻
グリフィス救出作戦時に、鷹の団の別動隊(待機組)を全滅させた使徒の1人。
蛾と人間が融合した妖精のような姿を持ち、リッケルトに妖精への恐怖心を植え付けた原因でもある。

この時に、ドクロの騎士に向かって舌を出し「び~」と言うのだが、その姿はかなりかわいい


◆生い立ち

父、母、ロシーヌの3人暮らし
ジルの4つ年上の女の子で、男の子みたいに森や川で遊ぶのが好きなお転婆娘だった。
虫や小さな動物を捕まえたり(蛇も素手で捕まえる)、貝殻や蝉の脱け殻、蜂の巣などを宝物としてたくさん持っており、中でも川辺で拾った「人の顔の様な卵みたいな石(=ベヘリット)」をいつも大切にしていた。

彼女の両親は喧嘩が絶えず、その喧嘩の原因はいつもロシーヌだった。
ロシーヌの母が戦争に巻き込まれた際に犯されていたことを知った父は、あの子は本当にオレの娘なのかという疑いを拭いきれず、そのストレスから言動が荒み、ロシーヌ自身も父親からの暴力で生傷が絶えなかった。

そしてある激しい雨の夜、とうとう我慢出来なくなったロシーヌは村を抜け出し、霧の谷へ向かった
ベヘリットを持って……


◆ピーカフ

ジルやロシーヌたちの住んでいる地域に伝わるおとぎ話
そしてロシーヌが大好きな話

『昔、ある村にピーカフという耳のとがった赤い目をした少年がいました
その目と耳のせいで、村の子供たちからいじめられていたピーカフは、ここはぼくの家じゃない。ぼくのほんとの親じゃないと思いました

ピーカフはある夜黙って家を抜け出し、妖精の住む森へ出掛けました
そこで赤い目と、とんがり耳の妖精を見つけたピーカフは、自分の仲間を見つけたと喜びました
しかし妖精たちは、ピーカフは仲間ではないと言いました

「昔、人間の男女が病気で死にかけた赤ん坊を連れてきたことがあり、助けてくれと願ったんだ
その願いを聞き入れ、僕らは赤ん坊を助けた
無事に赤ん坊は救われたんだけど、その赤ん坊の姿は半分僕らに似たものになってしまったんだ
それでも男と女は涙を流して喜んだよ
この子が生きてさえいてくれればと……」

その話を聞いたピーカフは、泣きながらもと来た道をひた走りました
しかし、不思議なことに森で一晩過ごしただけなのに、村では100年もの歳月が流れてしまっていました
誰ひとり知る者のいなくなってしまった村と、人間の住むことの許されない妖精の森との狭間の小さな丘で、仲間はずれのピーカフは泣き続けました
赤い目をもっと赤く腫らして…』

ロシーヌは自分はピーカフと同じと思い、霧の谷へと向かった
そう、妖精に会いに……


◆使徒へ

霧の谷へ着いたロシーヌだったが、どれだけ待っても妖精は現れなかった
そこへ、ロシーヌを探しに両親が現れる
父は、血のつながらん俺への当て付けかとロシーヌを殴りつけ、止めに入った母をも殴りつけた。
それを見たロシーヌは深く絶望し、全部消えてなくなれと渇望、



使徒になった。
生贄は


勘違いしてはいけないのは、ロシーヌは父も母も大好きだということ。

そもそも使徒への転生に必要な生贄は、「自分にとってかけがえのないもの」でなければならず、これが皮肉にもロシーヌの両親への愛情を証明している。
また、最期には両親に対してごめんなさい。ごめんなさい。と謝罪もしている。

大好きな父と母が喧嘩をする姿を見ることに耐えきれずに、空想へと逃げ出し、最後には人間をやめることを選んでしまったのである。


◆戦闘とガッツ

本編の主人公であるガッツとは(毎度のこととはいえ)かなりの死闘を演じている。
ロシーヌの攻撃はスピードを活かした触角での突進(本気だとガッツでも反応しきれない程)、毒鱗粉(痺れる)、部下の使徒擬の3つが主。

また子供であるためか、ガッツも攻撃を躊躇ってしまったらしく「殺るチャンスは3度もあった」と言っている*1
それがなければあっさり終わっていたのかもしれないが、反対にジルに助けてもらっていなければ初戦で痺れて動けない時に、あっさり串刺しにされて死んでいた可能性もある。



◆入門編?

ロシーヌが登場する『ロスト・チルドレンの章』は、ベルセルクを読んだことがない人に入門編として薦められることがある。
世界観やストーリーが把握しやすく、凄まじい死闘、別視点から見た少女の成長物語、主人公ガッツの狂気や垣間見える人間性…等、ベルセルクの魅力が凝縮されたパートであることが理由の一つだろう。
名言も多く、本章どころか本作を代表する名言の一つと言える。


「覚えちゃいまい。貴様らが遊び半分で喰いちらかした人間一人一人のことなんぞ、覚えちゃいまい!」


「逃げ出した先に楽園なんてありゃしねえのさ。辿り着いた先、そこにあるのは、やっぱり戦場だけだ」


「行け。お前は、お前の戦場に」


グロ描写も ”ベルセルクの中では” 比較的マイルドなので、これが耐えられない人はここでやめておこう。

読み終わった後の何とも言えない気持ちが抑えられない人は、ようこそこちらの世界へ。である



◆メディア展開では不遇?

キャラクター・エピソードともに人気はあるのだが、DVをはじめ子供が話の筋に絡むため映像化においては扱いが難しいこと、カットしてもストーリー上影響がないなどの理由もあり「ロスト・チルドレンの章」はアニメ化の機会に恵まれておらず、現在のところ原作のみのエピソードとなっている。

PS2のゲーム「ベルセルク ~千年王国の鷹篇 聖魔戦紀の章~」では、ロシーヌによく似たオリジナルの使徒「シャルル」が登場する。
飛んでる背中に乗りドラゴン殺しを突き立てる展開や、一部ロシーヌと同じセリフを喋るなどロシーヌを意識しているのではないかとよく言われる。
もっとも、シャルルはショタでロシーヌはロリの違いがあるが。



◆ガッツは何をもたらしたのか

ガッツはこの村 でも 祝福されなかった。最後は少女を拉致したお尋ね者として襲われ、矢を打たれつつ村を後にする。当然怪物の正体もロシーヌの経緯も知られないままに。

  • 妖精パックと腐れ縁になった。
  • とある少女の生き方に大きな影響を与えた。

…そのあたりか。しかしガッツに感傷に浸る暇はない。彼自身が言った更なる戦場に足を運ぶ。


◆余談

この作品ではよくあることだが、ロシーヌの行動についてはファンの間でしばしば議論が交わされる。
  • 親父が悪いのは多分間違いないが、その原因の戦争が悪い
  • 父を止められなかった母も悪い
  • いや、逃げたロシーヌも悪い
  • ガッツやりすぎ
などなど、多様な意見があるようだ。



◆さらに余談

ロシーヌは基本全裸である
常におっぱい丸出しである
乳首もばっちり描かれている
人外ロリっ娘好きにはたまらない…かも

変態と思うかも知れないが、ベルセルクではまだ序の口。
エロの部分でも入門編だろう。




子供を虐待しない人の追記、修正を望みます

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ベルセルク
  • 妖精
  • ロリ
  • 人外
  • ピーカフ
  • 使徒
  • 虐待
  • ロシーヌ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年10月08日 18:52

*1 過去のユリウス将軍暗殺の際に、彼の息子のアドニスを巻き添えで殺したトラウマの為、子供を殺すことに拒絶反応を起こすようになり、子供の使徒擬を斬った時には嘔吐していた