カトル・ラバーバ・ウィナー

登録日:2010/08/09(月) 00:43:11
更新日:2024/02/05 Mon 23:47:38
所要時間:約 8 分で読めます





戦ってはいけないんだ!僕達は!




新機動戦記ガンダムW』の登場人物


□プロフィール

年齢:15歳
身長:156cm
体重:41kg
人種:アラブ系
乗機:
ガンダムサンドロック/サンドロック改
ウイングガンダムゼロ
メリクリウス
エアリーズ
トーラス(S.K仕様)
声優折笠愛
BGM:屍に埋もれた平和を探して


□人物

「オペレーション・メテオ」で地球に降下したガンダムパイロットのひとり。
名前の由来はフランス語の4(quater)。言語に多少の差異はあれど、この人と同じ。
少女と見紛うような、紅顔の美少年。
何気にガンダムシリーズで副主人公以上のメインキャラでは初の「女性声優が声を当てている男性キャラ」だったりする。*1

アラブ系の豪商に連なる、コロニーの大富豪ウィナー家の御曹司。
ウィナー家における三十人目の子供であり、二十九人の姉を持つ。
とんでもない数の大家族だが、これにはAC(アフターコロニー)暦の母体事情が存在する。

AC暦において、宇宙開発は難航を極めるものであった。
一世紀以上もの時間をかけてスペースコロニーを開発し、移り住んだ人類にはしかし、もうひとつの大きな問題が存在した。
宇宙という特殊な環境において、その母体にかかるストレスから健常児の数が激減したのである。

そこでコロニーに住む人々は、試験官ベビー法を主に用いるようになっていた。
作中時代には遺伝子操作による母体の強化が一般化していたが、伝統的なウィナー家では遺伝子操作が忌避されていた。
カトルの姉達も、その全員が試験官ベビー。(ただし開明的なザイードの方針で遺伝子操作が施されている)
しかし、カトルだけは母カトリーヌから生まれた純粋な子供。
カトリーヌはカトルを生んだ事で力尽き、死亡。
カトルという名前には、母カトリーヌへの哀悼の意が込められている。

しかしカトル自身はそれを知らずに育ち、自分も試験官ベビーだと思っていた。
なまじ生まれついて感受性が異常に発達していた為、自分を「作られた無価値な肉の塊」と考え、かなり荒んだ少年時代を送っていたようである。

そんな折、家出した先の衛星でマグアナック隊H教授と出会い、
家族の大切さや命の価値を学び、その場で連合からマグアナック隊を助けた事で彼らに忠誠を誓われ、またH教授をウィナー家で匿う事になった。

穏やかな性格になった後も、「時には戦わなければならない事がある」という信念を持っており、
父に隠れてH教授とサンドロックを建造。そのパイロットとなるべく訓練を受け、オペレーション・メテオに参加する事になる。
その事で、実家からは勘当同然の状態。
一方でH教授の配慮により、「真のオペレーション・メテオ」の事を伏せられており、実は他の4人とは違いオペレーション・メテオの全容は何も知らない。*2


基本的に穏やかで物腰が柔らかく、誰に対しても丁寧に対応する。
ガンダムパイロットの誰よりも優れた感受性の持ち主で、他人の痛みに敏感に反応してしまう(宇宙世紀におけるニュータイプのような反応)。
本人はそういった感応を「宇宙の心」という、中々電波感溢れる言葉で表現している。
その為、敵機と出会った場合もまずは降伏勧告や手加減を行う事が多かった。
サンドロックが装甲重視の機体なのは戦闘力向上ももちろんあるが、これらの行動を円滑に行うためという目的も大きい。
H教授はそんなカトルの純粋さと優しさを何より高く買っていたため、真のオペレーションメテオの全容を知った途端に「カトルに大量虐殺をやらせるわけにはいかない」と裏切りを決意した。

一見して戦士には向いていないように見えるが、実際はかなり高い才能の持ち主。
優しいが戦闘となればMSパイロットとしてきっちり動き、
特に集団戦闘における状況把握・指揮能力に優れており、初の実戦でありながらマグアナック隊を勝利に導き、
そしてマグアナック隊と離れて行動した時期もあったが戦死者を一人も出さないまま終戦まで戦った。
またパワーの劣るエアリーズでビルゴを殴り倒したりもしている。
一度は暴走したゼロシステムも克服しガンダムチームを指揮し、戦力差のある部隊とも渡り合った。
ちなみに『Endless Waltz』の小説版ではその指揮能力はゼロシステムに勝るとも劣らないものと称されている。

見た目から生身での戦闘能力は低そうにも見えるがその辺の兵士なら一蹴したりしていて他のガンダムパイロット比べて劣っているということはない。
というか肉弾戦、銃撃戦ともに普通に強い。

ガンダムパイロットの中ではデュオ・マックスウェルと同等の社交性に加えて協調性にも富んでおり、トロワと並んでまともな方。
また積極的に交戦しようとはしないこともあり、トレーズの偽情報には引っ掛かったものの同士討ちは自ずと回避した。
特に責任感は逆に短所になるほど突出して強い。
しかし作中でプッツンした際のキレッぷりはカトルにとってこれ以上なく酷い状況だっただけにかなりキており、
おとなしい奴ほど怒ると危険」という言葉を証明した。

なお、ヒイロとは思考がかなり異なっていたものの、責任感が強すぎる余りにヒイロと同じくMSに乗ったまま自爆を決行しようとした人物でもある。
しかしカトルの性格からかH教授はこうなることを作戦前から予測しており、
サンドロックにはパイロットを自爆に巻き込まない様、とても健気なロジックが組み込まれていたので死ぬほど痛い目に遭うことは回避された。


ちなみに、放送当時ショタ系キャラということもあってお姉様方からの人気がかなり高かった。 
さらにウィングゼロという生まれるべきではなかったトンデモ兵器を財力に物を言わせて生んでくれたことから、一部の変態メカ大好きの方々から「金持ちのボンボン」という称賛(?)をされていたりいなかったり。

尚、彼に幻想を抱いている諸君は間違っても某巨大掲示板の新奇導道化師スレを見てはならない

前髪君との約束だ



□劇中の活躍

■TV版

地球降下後はマグアナック隊と共にOZに戦いを挑み、トロワを初めとしたガンダムパイロットと交流を深めていく。
コロニーがOZ側に傾いた際は地球を脱出する為の囮になり、サンドロックを自爆。を流しながら、乗機に礼を告げた。

宇宙に脱出した後は数奇にもウィナー家の管理する衛星に辿り着き、姉のイリアや父と再会。
しかし平和主義者の父と姉達がよりにもよってOZに取り込まれたコロニーの群衆によって殺害された事で世界に絶望し、
封印された禁断の機体、ウイングゼロを復活させてしまう。

自らの絶望と怒りとゼロシステムに支配されたカトルはコロニーの破壊を進め、その後OZで働かされていたヒイロ・ユイやトロワと対立。
トロワの身を挺した説得により正気を取り戻した後は、その贖罪のため平和を目指す戦いを続けることを決断。
ヒイロと共に再び地球へ降り、自らの戦う理由や行動に悩んでいたヒイロと一緒にOZ艦隊を生身でシージャックしたりしている。
その後は合流したノインと共にサンクキングダムを守る為戦った。

サンクキングダム崩壊後も引き続き平和を目指す戦いに邁進した。
ゼクス(ミリアルド)率いるホワイトファングが蜂起した際には、ヒイロから託されたゼロシステムを使いこなし(最終決戦ではカトル自身が不要と判断、ゼロシステムを外している)ガンダムパイロットの司令塔として活躍。
カトルが持つ指揮官としての才能を危険視したミリアルドが乗るエピオンと複数のビルゴⅡゼロシステムでブースト状態)に一方的に狙われながらも撃墜される事無く(宇宙用に改装しただけのサンドロックで)耐え抜くという、ガンダム界でも屈指の無理ゲー状況を生き残った実力の持ち主でもある。

最終的には崩れゆくリーブラの中でドロシー・カタロニアと嘗てのアムロシャアの如くフェンシングで戦い、
腹に傷を負うが彼女を口説き落としたの凍てついた心を溶かす切っ掛けとなった。

非公式だが、ドロシーのお婿さん。

荒れて、すさんだドロシーが惚れ込む程の「イイ漢」


Endless Waltz


前作の後、平和となった世界にガンダムは必要ないと太陽への廃棄を提案。
しかしそれが原因でマリーメイアの蜂起に対応出来なくなった事を悔やみ、自ら回収を申し出る。

デュオやトロワと共にガンダムを回収した後は、市街地で数百機のサーペントを相手に「命を奪わない戦い」を演じた。

……ちなみに、劇場版にてデュオに、
「カトルの奴はすぐに何でも自分のせいにしちまうんだ。その内、宇宙に空気がないのは僕の努力が足りないから〜、とか言いだすぞ」
と陰口を叩かれている。

流石にそれはない……多分。

OVA版では大活躍。
ただの防砂マントで大気圏突入し、鬼神の如き無双ぶりを披露。
堅い装甲で攻撃を物ともせずに、ヒートショーテルが折れるまでサーペントを斬って斬って斬りまくった。
しかも、そこまでの大立ち回りを演じていながらパイロットを殺さないように気を配り、誰一人殺していない。

騒乱が静まった後にサンドロックを爆破し、それ以降はマグアナック隊と一緒に建築業者として平和に働いていた。


■各種ボイスカセット


OZとの戦いを繰り広げている最中、という設定なのだが何故か地球に居ても5人一緒に活動していることが多く、
ガンダムパイロット達のオカンとして日々苦労している。デュオのセリフから察するに食事は彼が用意しているらしい。
他にも暇なときはピアノを弾いたり、ヒイロとリリーナの関係に興味津々だったりと本編以上に年相応の一面がみられる。

※本編では5人一緒に活動しているのは宇宙編から。ウイングゼロ登場後なのにゼクスがトレーズの下に居たり、など時間軸が本編とは異なる。

トレーズの個人的ないたずらで、OZの最重要データベースの中に「ウィナー家に男子は生まれず、カトルは実は男として育てられた女」という偽データを仕込まれたときは、
それをハッキングしたヒイロによってカトル以外の3人に誤った情報が流れ、思春期を殺しきれてない少年たちはこぞってカトルに優しくなった。
五飛なんぞは戦闘中ずっとカトルを庇って戦うといったデレっぷり。

結局五飛の失言によって真相がバレた時は、ゼロシステムに乗っ取られてないにもかかわらず盛大なキレっぷりを見せて4人を阿鼻叫喚の地獄へと叩き落とした。

「ぅおーーーれーーーはーーーー!おーーーとーーーこーーーだーーーー!!!!!」


幼少期に姉のお下がりを着せられていたり、コロニーでそういう噂を立てられたりといった過去があり見事な地雷であった様子。メタ発言気味に「未だに疑う人がいる」とも。


ゲーム作品


スーパーロボット大戦シリーズ』では、5人の中では話しやすいキャラであるためか何かと出番が多い。
ただし、サンドロックの性能が他の機体と比べると個性に欠きがちである。場合によっては補給装置すら持たされている場合も。
精神コマンド「祝福」が登場してからはサポート要員としての立場を確立しつつある。
他作品との絡みだと、家庭環境などは真逆の『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジと絡むことが多い。
どれくらい絡んでいたのかというと、アンソロジーコミックアスカが「あんたら(仲の良さが)怪しい」とからかうネタがあったほど。

第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇』では「宇宙の心」発言について
「他人を理解し、それを受け止める心」であると説明していた(飽くまで本作のみの解釈である)。



□主な発言


「言ったよ。僕は、投降しろって…」

「やめて下さい。先に生身を晒したのは僕なのですから」

「ありがとう。僕のサンドロック…」

「僕は決して忘れない…そして忘れさせないよ。この日の事を…」

「近づくなって言ってるだろぉ!?」

「コロニーも武装するよね? だから僕はこのガンダムで全てを破壊するんだ」

「生き残るだけの人類はきっと、動物以下の存在さ…」

「今わかりました!宇宙の心は彼だったんですね!」

「体感温度は八十度を超えてる。サウナだと思えば何でもないけど…」

「金星の女神に宜しく!」

「やっぱり今度も、負ける戦いだな…」

追記・修整は宇宙の心がなんなのかわかる人がお願いします。



-近寄らないでよね……………-



































「あーっはっはっはっはぁっ!みんな死んじゃえぇぇぇぇぇぇっ!!!」

以降、ローリングバスターライフルで、ぐるんぐるん
見境ナシ

誰かコイツを止めろ!



発言とか行動とかが危険極まりない











「僕は決して忘れないよ……
この項目の事を…」



「んふふふふふふふっ……よって来る、よって来る。Wiki篭りが釣り項目に寄るように、上がってくる…!」

「勝手に追記・修正するなって
言ってるだろぉ!?」


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最終更新:2024年02月05日 23:47

*1 準レギュラー以上では1stのカツやレツ、『Z』のシンタ、『V』のカルルなどは女性声優だが全員幼児キャラであり、もう少し年長でレギュラー級の少年キャラはここまでは基本的に男性声優が声を当てていた。(中性的な容姿のカミーユ(Z)、女装をすれば見破られない描写のあるイーノ(ZZ)、声変わり前にしか見えないアル(ポケ戦)やウッソ(V)など。)

*2 EWに至るまでに知ったと思われる。