ウイングガンダムゼロ

登録日:2010/01/26(火) 20:02:47
更新日:2023/12/21 Thu 18:42:01
所要時間:約 17 分で読めます





※推奨BGM:コードネームはヒイロ・ユイ

すべてが狂ってしまった宇宙は、
破壊するしか方法がないのか?

ガンダムに酷似したモビルスーツが、
武装するコロニーを次々と攻撃する。

トロワとヒイロは、強力な新型モビルスーツに立ち向かっていくが、
それに搭乗していたのは、冷たい怒りと深い悲しみに満ちたカトルだった!

新機動戦記ガンダムW、第24話!

ゼロと()ばれたG(ガンダム)











ゼロ……俺を導いてくれ



ウイングガンダムゼロとは『新機動戦記ガンダムW』に登場するモビルスーツ(MS)であり、ガンダムの一機。
本項目では主にテレビ版について記述する。



■目次





■機体データ


機体名:ウイングガンダムゼロ
型式番号:XXXG-00W0
開発:ドクターJ、プロフェッサーG、ドクトルS、H教授、老師O
頭頂高:16.7m
重量:8.0t
装甲材質:ガンダニュウム合金

装備:
ツインバスターライフル
ビームサーベル×2
マシンキャノン×2
ウイングシールド(ウイングバルカン×2)




■概要


AC初の戦闘用MSとしてトールギスを開発した5人の科学者たちが、それから間もなく設計した機体。*1
劇中での呼称は主に「ウイングゼロ」若しくは「ゼロ」。

MSとして初めてガンダニュウム合金を本格採用することを想定しており、「AC暦における最初のガンダム」と呼ぶべき存在。
設計自体はAC175年頃に完成していたが、設計データと共に6人の科学者がロームフェラ財団の下から失踪していたため、
本編のAC195年時点では「ガンダムというガンダニュウム製の高性能MSが存在した」という断片的な情報がOZの一部に残るのみで、その存在は都市伝説的な物となっていた。


トールギスの時点で既に常人では扱えないレベルの性能を実現していたが、
ウイングゼロはそれ以上の攻撃・防御・機動・反応性を目指し、実用性やコスト、危険性などを度外視して設計された。
ガンダニュウムをはじめとした様々な先端技術に加え、設計当時には未だ実用化されていない技術を用いることまでもを想定した、正にのような機体であった。
しかし、設計した当人たちも「不必要」と評したその過剰な攻撃性能やインターフェイスの危険性から、
失踪後に実機の製造が可能となってからもウイングゼロを建造しようとはしなかった。

誤解されがちだが、その危険性から完成直後に封印されていた等ではなく、あくまで設計が出来ていたというだけで、
物語の開始時点ではコクピットブロック以外は作られてすらいなかったのである。

それから20年後、各科学者がガンダム開発のため保管していた設計図の内H教授が残していたものを基に、
カトルがウィナー家の財力を使って短期間で本機を製造し、遂に歴史の表舞台へとその姿を現すのだった*2


なお、AC195に実行されたオペレーション・メテオに投入するガンダムを製造する際にも、
5人の科学者たちはウイングゼロの設計データを参考にしつつその過剰な性能をデチューンすると共に各々が得意とする分野で機体特性を特化させ、
更にパイロットたちに高度な戦闘技術を身につけさせることで必要な戦闘能力を確保し、ウイングゼロ自体の実戦投入は避けるという方針をとった。
ウイングガンダムをはじめとした5機のガンダムの基本構造が似通っているのも、全てこのウイングゼロが大元になっているためである。
つまり、あのジジイ共がその気になれば各々の得意分野をさらにパワーアップさせた機能を搭載したウイングゼロを1話から地球に5機降下させることも可能だったということであるが、
もし実行されていれば(場合によっては)核兵器レベルの人類抹殺兵器が序盤で投入されることになるため、完全平和主義とかモビルドールとかの前に話自体が終わってしまう可能性もあった。



■機体解説


原型となっただけあり、頭部のブレードアンテナや所謂ガンダムフェイスなど、5機のガンダムに通じる意匠を備える。
特に機体特性や武装構成などはウイングガンダムによく似ており、同機を製造したドクターJの意見が反映されている可能性が高い。
カラーリングは青・赤・白に黄色のアクセントを加えた、兵器には似つかわしくないヒロイックなものとなっている。

地球上での活動を重視した5機のガンダムに対し、ウイングゼロは宇宙戦闘向きの機体として設計された。
背中に2基のスラスターを持ち、全身にアポジモーターを内蔵している。
これだけでも凄まじい運動性能や速力・加速力を持つが、二枚の展開式の羽根状バインダーの中には超推力のスラスターが内蔵されており、
その機動性は空戦型のウイングガンダムや『殺人的な加速』でお馴染みのトールギスをも軽く上回り、MS形態においてもエピオンと互角の空中戦を行えるレベル。

ガンダニュウム合金の採用により高い防御性能を確保しつつ、MS形態ですらその機動性はトールギスや5機のガンダムを凌駕する。
そもそもフレームの時点ですら武装とプロペラントを除いたフレーム段階でその性能がトールギスを凌駕し更にもう1機分以上の性能のスペックによる機動性を持つ。
この構造は「ゼロフレーム」と呼ばれ、外装の90%以上を喪失しても戦闘続行が可能とされる。
加えて後述のバード形態まで存在するとなれば、機動性に関してはまさしく規格外のMSと言えるだろう。

武装面でもMSの携行する武器としては常軌を逸する威力の大型ビーム兵器を持ち、それらを自在に扱うパワーと出力を備える。

また、主に宇宙戦闘用ではあるが、陸海空と稼働環境を選ばない圧倒的な汎用性を有する。

解説設定としてぶっ飛んでいるのだが、作中での描写も凄まじく
  • 無防備状態でドーバーガンの直撃を受けたり、リーオー三機分をゆうに爆破する爆弾を直に付けられ爆発されてももまったくの無傷。
    ビルゴによるビームカノンの集中砲火を受けても全く問題にしない圧倒的な防御力。*3
  • ノンオプションで大気圏突入が当たり前。
  • 眼前の眼前まで高速、追尾機能のハイマニューバなミサイルが迫ってから機動を始めても一瞬で振り切る加速力と尋常じゃないマニューバを発揮。
    ※しかし、放っておいても追尾するので最終的にマシンキャノンで迎撃している。
  • ローリングバスターライフル一発で敵部隊が消滅。
  • ツインバスターライフルの秒にも満たないチャージによる一撃で18km程のコロニーやそれ以上に巨大な衛星がブッ飛ぶ。
  • 未完成とはいえ接近戦を得意とするデスサイズヘルをスピード・パワーの両面で圧倒。
  • 接近戦のみに特化したエピオンと互角の白兵戦を行った上に勝利する。*4
等々、作中で高性能機として扱われるガンダムタイプの中でもデタラメなレベル。

下はウイングゼロのアビリティレベルである(リーオーをオールレベル100として換算)
ファイティングアビリティ:レベル150
ウエポンズアビリティ:レベル150
スピードアビリティ:レベル160
パワーアビリティ:レベル140
アーマードアビリティ:レベル140

...正直、劇中ではもっと高いポテンシャルを発揮している。

上記のアビリティ設定は放映当時のプラモの解説によるものである。
ただ、劇中ではスピードアビリティでゼロを上回る(レベル170)デスサイズヘルのビームサイズがトラントの乗るゼロに回避され、
そのあまりのスピードにデスサイズヘルのパイロットであるデュオが驚愕するなど、この数値がアテにならない描写も見られる。
このあたりについてモビルスーツバイブルなどでは、「アビリティレベルはあくまで目安で、必ずしも正確なスペックを示すものではない」としている。
それを言ったら元も子もないのだが……


■ネオバード形態


ウイングガンダムと同様の変形機構を搭載。
肩アーマーを折り畳むと共に腰部を180度回転させ脹脛のバーニアを展開。
シールドを機首にして両側に分割したツインバスターライフルを装着。
背面のバインダーを水平展開し主翼にする。
宇宙・大気圏内での長距離移動時にはこの形態をとる。

ゼロの方が先なのに何故か“ネオ”なのは設計当時実機が存在しなかったから。
メタな事を言えば、初期案ではウイングの後継機として開発される設定だった名残。


■武装


  • ツインバスターライフル
大型高エネルギーライフル。銃口が2つ横並びに配置され、その中央を分割して二丁のバスターライフルにも出来る。
カートリッジの弾数制で3発しか撃てなかったウイングガンダムのバスターライフルと違い、
本体からエネルギーを供給する方式の為、機体のエネルギーが続く限り安定した発射や出力を調節することが可能。*5
敵機に直接当たらなくても余波のみで軽々と撃破可能で、劇中ではプラネイトディフェンサー起動中のビルゴの大部隊を一撃で消滅させていた。
バスターライフルの時点でも最大出力で発射した場合は中規模都市が一日に消費するエネルギーに相当し、戦略兵器級の威力を持つ。

ツインバスターライフルはウイングガンダムのバスターライフルの2倍以上の破壊力を持ち、
先述の通り最大出力ではコロニー*6やそれよりも巨大な鉱物系の資源衛星を、特別エネルギーチャージをする描写も無しに消滅させている。
また分割したライフルを両手に持ち、機体を旋回させることで自機の周りにいる敵を殲滅できる(通称:ローリングバスターライフル)。

シールドの先端に取り付けて携行、若しくはそのまま射撃を行うこともできる。
……のだが、実は最終話付近で見せたシールドへの装着を再現した立体物はない。
強いて言えば、ジービーグル SD大戦艦編でオリジナル変形のため追加された、
ライフル後部の突起と空洞になっているシールド先端裏が上手い具合に噛み合って無理矢理押し込むことが可能な程度。
デザイン的に無理があるから当然っちゃ当然なのだが、そこらへんバンダイの技術力に期待である。

尚、カトルはこの武装の破壊力だけに目を奪われてしまった為、それ以外の危険性に全く気が付かなかった。おいおい。

大気圏突入しながらの、両手でツインバスターライフルを前に構えての発射は、初代ガンダムの「ラストシューティング」になぞらえて「ファイナルシューティング」と呼ばれる。

  • ビームサーベル
近接白兵戦闘用のビーム。両肩アーマー上部に一本ずつ格納され、カバーが開きせり出したグリップを引き抜き使用する*7
出力が非常に高く、複合ビーム層で減退率を抑えている為水中でも一切減衰しない。
ツインバスターライフルに目を奪われがちになるが、これもこれで一振りで複数のMSを撃破するなどガンダムのビーム兵器として当然の桁違いの性能を持つ。

  • マシンキャノン
肩部に内蔵された機関砲。ウイングの物と異なり4砲身のガトリング式となっている。
砲身は普段は装甲ブロックの下に位置し、装甲ブロックを回転・収納させ、換わりに銃身が出てくるような形で展開し使用する
(ただし設定が周知されていなかったせいか、装甲ブロックに上方向にを開いて使用するシーンもあり、EW版では展開方法はこちらに変更された)。
ゼロシステム作動中は、パイロットの思考のみで操作できる。
牽制や近接防御のほか、MSの破壊にも使われる。その威力はリーオー・トーラスクラスはおろか、
用いられているガンダニュウム合金がガンダムのそれより劣るとは言え、ビルゴをも数秒の速射で破壊する威力がある。

  • ウイングシールド
高い防御性能を持つガンダニュウム合金製のシールド
ネオバード形態時には機首およびカウリングとして機能し、両側に分割したツインバスターライフルを取り付ける。
打突兵装の他、放熱装置としても機能する。
また左右両端に機銃(ウイングバルカン、劇中未使用)が内蔵されている。
先端部は最初から打突兵装用途を想定していたのかパイルバンカーの様に伸縮可能。劇中ではカトルがコロニー内のビルを破壊するときなどに使用された。


ゼロシステム


Zoning and Emotinal Range Omit SYSTEMの略。
コンピューターで戦況を分析・予測。予測された未来への対処法や結末をパイロットのへ直接送り込むシステム。
つまり勝つための情報を教えてくれるシステムである。

しかし単なる便利システムというわけもなく、実際はウイングゼロが危険視される最大の要因。
このシステムは「勝利」という目的達成の為であればパイロットの意思に反する行為も強要する*8。単に伝達するだけでなくその行動自体を強制させようとするのである。
パイロットのや機体の自爆・仲間を犠牲にする攻撃など、非人間的な選択がされる事もあり、これがパイロットの精神に多大な負担をかける。
何せ無数の可能性の未来を一気に予測してその結果導き出されるさまざまな選択肢をパイロットのに一気に叩き込む。
その情報量たるや普通のパイロットではあまりの脳への負荷に思考力の低下や発狂、またはシステムの言いなりの戦闘機械に成り下がり廃人となってしまう。

例として『逃げる犯人を車で追いかけていたけど渋滞に捕まってしまった!逃げられる!どうしたらいい?』
という状況にゼロシステムが遭遇すると

パイロット:渋滞ですゥ~~ 夕ぐれの通勤時間帯はギシギシなんですゥ
ゼロシステム:歩道が広いではないか…行け
パイロット:ほ 歩道~~?仕事帰りの人があふれていますよォォォ
ゼロシステム:関係ない 行け

こんなことを命令されるシステムなのである。

場合によっては過剰な負担で精神に異常をきたし、最悪ショック死に至る。
システムを体感したデュオは「あれは人間に扱える代物じゃない」と言っている。
これを制御出来るのは、システムに左右されないくらいに凄まじく強い精神力を持ったパイロットだけである。



■劇中の活躍


◇TV版

コロニーに父を殺された絶望に駆られ力を求めたカトルがH教授の残した設計データとゼロシステムのインターフェイスを発見。
これらを基にウィナー家の資産を使い、ウイングゼロを製造した。
しかしゼロシステムの機能を把握しないまま搭乗したことでカトルはその怒りと復讐心を暴走させてしまい、資源衛星一基、武装コロニー一基を次々と消滅させてしまう。

そして暴走するカトルを止めようとするヒイロのメリクリウス、トロワのヴァイエイトと交戦。
その性能を見せつけ遂にはトロワのヴァイエイトを破壊してしまうが、仲間を殺したショックでカトルは正気を取り戻し戦いを止める(トロワは奇跡的に生きていたが)。

OZに回収されたウイングゼロはデータ取りのためヒイロが乗る事となるが、戦いの目的を見出せていなかったヒイロもゼロシステムに呑まれ暴走。
基地施設やビルゴを破壊して回った末、ヒイロは昏倒し機体を放棄。
直後ウイングゼロはメリクリウスの自爆に巻き込まれるがその大爆発に曝されても全くの無傷だった。

今度はトラント特尉が乗り込み実験するも、ゼロシステムに苦戦。
デュオをパイロットにしてテストしたものの、再び搭乗したトラントはゼロシステムにより死亡する。

OZは手に負えなくなったウイングゼロを爆破しようとするも、そこにトールギスに乗ったゼクスが現れ交戦。
トールギスは破壊されるもゼクスはゼロに乗り込み、そのまま奪取する。

ゼクスは地球のサンクキングダムに降り、そこでガンダムエピオンに乗ったヒイロに遭遇。
対決の末に互いのガンダムを交換し、ウイングゼロは再びヒイロの機体となる。

その後もヒイロの判断で、真の敵を探し彷徨っていた五飛をゼロに乗せたり、記憶喪失のトロワがキャスリンを救うために無断で搭乗。
その度に暴走しながらもゼロや仲間達が2人を導く事となった。
そして、ヒイロもまた自分の意志で平和を目指すことを決めたことでゼロシステムを克服しウイングゼロを乗りこなすようになる。

最終決戦ではゼクスのエピオンと激闘を繰り広げ、エピオンの左腕を斬り落とし、紙一重で勝利する。
そして大気圏に突入しながらも、地球へ落下するリーブラの破片をツインバスターライフルの狙撃で撃ち抜き、核の冬を防いだ。
この時の狙撃シーン、およびヒイロのセリフは本作において最高の名シーン&名台詞である。



「俺は…俺は……俺は死なないッ!!」


後期型主役機としては登場がかなり早く、第2クールの終了を待たずして登場した。
反面、地上に置いてけぼりにされていたウイングガンダムは完全に割を喰い、以後見せ場が激減してしまった。
また前述のように搭乗したパイロットが非常に多く、パイロットとの組み合わせにおいて、
ワンアンドオンリー色が強い歴代のガンダムシリーズの主役機の中で、相当異色の機体でもある。


■ウイングガンダムプロトゼロ


漫画敗者たちの栄光(敗栄)』に登場するウイングゼロ。
デザインはカトキハジメだが、シールドやネオバード形態への変形もほぼそのまま。
明確な違いもネオバード時の副翼がウイング部に収納されているくらいである。

アニメと同じ展開でカトルが製造しトラント特尉が搭乗するものの、錯乱した特尉自身が自爆させている。

遂にゼロが自爆してしまった……

が、実の所は装甲が剥げただけであり、凶悪スペックを誇る最強のMSだけにフレーム丸出しになっただけで完全破壊までには至らずハワードらが回収。
フレームの時点でトールギスを凌駕するどころか、もう一機分以上のスペックを持つので当然ではある。
限界を迎えていたトールギスに代わるゼクスの乗機として外装をウイングの色違いに取り換え、トールギスFのウイングバインダーの改良型を搭載。
これによりプロトゼロはEW版ゼロへと生まれ変わった。

立ち位置としてはEW版ウイングゼロの前身のようなものだが、デザインコンセプト的にはTV版ウイングゼロをディテールアップしたような物となっており、
EW版ウイングゼロやEW版ウイング(アーリータイプ)など同作中に登場するウイング系の機体と並べるとかなり浮いて見える。
また、読者の大半も普通にEW版ウイングゼロが登場すると思っていたこともあり、中々衝撃的な展開でもあった。
まぁバンダイ的にもMGのEWシリーズでTV版ウイングゼロを出す理由が作りたかったのだろう。


■関連機体


ウイングガンダムゼロ(EW)
OVA・劇場版・敗栄などに登場するウイングゼロ。
デザインは異なるがあくまでTVと同じ立ち位置の機体。

トールギス
ウイングゼロの原型ともいえるAC暦初の戦闘用MS。

ウイングガンダム
ガンダムデスサイズ
ガンダムヘビーアームズ
ガンダムサンドロック
シェンロンガンダム
オペレーション・メテオに向けて開発された5機のガンダム。
ウイングゼロを原型として性能を抑制・局所化させた機体。

ガンダムエピオン
トレーズが開発した敗者の為のガンダム。
ゼロシステムを持ち、ウイングゼロと同等以上の性能を持つ数少ない機体。

ウイングガンダムセラフィム
ティエルの衝動』に登場。ウイングゼロの量産型。

◇白雪姫(スノーホワイト)
FT』に登場。ウイングゼロとウイングの中間に位置する機体。
コイツのせいで本機の開発経緯がシッチャカメッチャカになった。


■ゲームでの活躍


・ガンダムVS.ガンダムシリーズ

コスト3000帯で参戦。
変形機能を持つ射撃寄りの万能機
高い機動性と、威力と範囲に優るバスターライフルによる射撃戦で敵を圧倒する高性能機体で総じて高い評価を受けており、
初心者から上級者まで幅広く使われている。
ついでにいうと格闘機と地走機にめっぽう強い。
ただ普通のビームライフルと少し感覚が違うので、慣れないと隙だらけになってしまう。

アシストも照射ビーム系のヴァイエイト。
新機体が参戦するNEXTにおいてもその強さは健在。
射撃の隙をキャンセル出来るようになったおかげで、さらに使い勝手が良くなった。

PSPの家庭用版限定で、
『特殊射撃の弾数がゼロの時にメイン射撃発射→発射中に特殊射撃にキャンセルをすると照射ビームが発射されたまま特殊射撃のモーションで引き継いでしまう』
というバグが起こる。
このバグはほぼ命中率100%という脅威の性能を誇るくせに、発生条件が非常に簡単なので誰でもできてしまうので対人戦では使わないよう注意をしよう。

機動戦士ガンダム Extreme vs. FULL BOOST

2012年最後の解禁機体。NEXT PLUS以来久々の参戦でコストは3000。
通常時はバスターライフルの性質がEW版と異なるが、射撃チャージで次の一発だけEW版と同じになる。
格闘CSでゼロシステムを発動。一定時間継続的に誘導切り効果を持つ。
詳細は省くが基本的に弱点がない上に時に前述の通り誘導を切りながら強引に攻めてくる強力な機体。
単純に「強い」ということもあるが、近距離での読み合いが楽しい、格闘モーションやヒイロの台詞が格好良い、などの理由からかなり人気がある機体である。
衣装変更可能だがなぜかパイロットスーツではなく聖ガブリエル学園の制服を着用。この格好で乗ったことがあるのはウイングの方である。

ちなみにEW版ヒイロではほぼ無かった他作品との掛け合いが豊富。
革命の意思を継いだ者私心を排除した戦士他者を支配する絶対者など、
自分に近しい精神性を持つキャラか、その反対に相容れないキャラとは特に多い。
ただし収録時期の関係で、身内組はミリアルドとカトル以外相互掛け合いはない。

・機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST

余りにも強すぎたのか若干の下方修正を受けてしまい、格闘CSのゼロシステム起動が出撃ごとに一度のみとなってしまった。
その後も細々とながらに二度の下方修正を受けるものの、致命的な一撃とまではならず安定した性能を誇る。
なお新システムのドライブでは、Sドライブが特にマッチしていた。

機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ON

特殊射撃にツインバスターライフル(照射)や、後格闘の変更、変形中の急速変形解除追加などここにきて強化が入る。
リリースから遂に初めての上方修正も貰っている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2

特殊射撃のツインバスターライフル回転と照射で弾数が分離し、ゼロシステム起動もリロード方式に変更された。
中間アップデートで新規武装を含んだ上方修正を受け、変形中は特に突撃や特殊変形後射撃など戦術の幅が大きく増えた。
元から性能は標準以上で攻められる攻撃手段を得られたのは追い風となり、トップクラスに躍り出る……のはもうちょっと後の話。
同時に強化されたHi-νや緊急参戦したヤルケーなどゼロより強い30機体が居たため、一旦は雌伏の時を過ごすことになる。
その後、それらの機体が下方により環境落ちした結果、気が付けばゼロとエピオンが環境2大トップに君臨。
そしてエピオンも下方されたことでゼロの地位は揺るがぬものとなり、原作のタイトルに掛けて「最後の勝利者」と言われるようになった。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOST

さすがに行き過ぎた性能だったため、タイトル更新恒例のお仕置き修正を受けてしまう。
機動力は低下し、メイン射撃の弾数も減少。N特殊射撃は慣性が乗らなくなり、N特殊格闘はブースト効率が大幅に低下。
変形照射メイン射撃は射程が短縮、変形時特殊射撃は3Hitよろけになった。
強化点といえばBD格闘で下派生可能になった事と、後覚醒技にツインバスターライフル照射がついた事くらいで、
総合的にはかなりの弱体化を受けたと言っても過言ではない。
ただ、同時期に最強格を競っていたエピオンは新武装込みの強化を貰っているので、そういった環境の違いからも不遇さが目立つ。


スパロボシリーズ

初参戦はF完結編(厳密には新スパから出ているが)から。
リアル系の運動性とスーパー系の装甲を持ち機体性能はガンダム系ユニットでもトップクラス。
しかしW系パイロットの能力が総じて低く最も強いヒイロでも1軍で使うのはほぼ不可能なレベルと不遇。
また敵として出てくるが攻撃力は高いもののHPが低いので大した事がない。
アムロカミーユを乗せられたら活躍できたろうにと思ったプレイヤーは多い。同じガンダムなのに…
隠しユニットのゼロカスタムにすれば何とか使えるレベルにはなるので愛がなければカスタム化した方がいい。
更にOVA版(通称ゼロカスタム)での登場が多く、TV版はF、64、α、Dくらいで、しかもD以外はゼロカスまでの繋ぎ扱いで影が薄いなど、ひたすら不遇な扱いを受けていた。
αに至っては、ヒイロがTV版ゼロに乗るのはルート分岐中のたったの1話、しかも選択制で乗らない方を選ぶと熟練度が上がる。
よって、大多数のプレイヤーが別ルート或いは乗らない方を選び、OVA版までの繋ぎにすらなれなかった。

だが第2次Z再世篇で久々に登場。
ゼロシステムの仕様変更・移動後に使えるMAP兵器等により、今までの不遇を吹き飛ばすような最強クラスのユニットとして最後まで大活躍する。
ストーリー上でもダブルオーガンダムと兄弟機という、大胆なクロスオーバー設定がなされ主人公機として文句の無い活躍を見せた。
…が、逆にグリリバはその性能の高さを「今回は強いってなんだよ!ウイングはいつだって最強なんだよ!」と嘆いていたとか。


Gジェネシリーズ

1作目から参戦。初期はゲスト扱い。
高すぎる攻撃、防御で燃費の悪ささえどうにかすれば徹底的にごり押しできる。
以降の作品では攻撃・防御も下がりゼロシステムの使いにくさもあり普通の主人公機に。武装がビーム兵器メインの為、
ビームジェネレーター系のOPパーツと相性が良い反面、最近多いIフィールド等の対ビームバリア持ちに対して弱いのも痛い。
一方、設定上では同一機体なのに長らくEW版の下位互換という扱いを受けていたが、最近は同一機設定が反映されたのかEW版との差がほとんど無くなり、
こちらにしかないシールドなど差別化がされ好みで選べるレベルになり扱いは良くなってきている。

特に演出面で言えばEWに引けを取らないカッコよさであり、ビジュアルで選んでも十分に満足できるものになっている。

CROSSRAYSでは遂に敗者たちの栄光版プロトゼロが登場。
性能はTV版ゼロと比べやや劣るが、開発先にEW版エピオンやEW版ゼロが並ぶため伸びしろは期待できる。


・ガンダム無双シリーズ

シリーズ皆勤賞。真ガンダム無双ではEW版も登場。
やはりツインバスターライフルが無双のシステムと非常にマッチしており、
条件付きで放つSP攻撃の回転バスターライフルは、敵フィールドの中心で密集してきた瞬間にぶっ放すと中々に爽快。
通常SP攻撃もゲロビ系であり、多段ヒットするので特定の敵へのダメージ効率に優れる。
同じ極太ゲロビ持ちのガンダムDXと比べて、SP攻撃での範囲爆風が無い代わりに変形での機動力で勝っている。

なお原作序盤で散々コキ使われて過労死したウイングガンダムは無双シリーズには一切出ない。
バスターライフル一本では映えないと判断されたのだろうか。



■立体化


ガンプラ

1/144:完全ではないがネオバード形態に変形可能……正直値段相応のシンプルな作り。
1/100:黄色い部分にメッキが標準で施されている。シールドにエフェクトパーツを取り付けることが出来るが演出としての用途しかない。ネオバード形態へ完全変形可能。
また、当時のガンプラの特徴として、やたら筋彫りが多い。
1/60:ネオバード形態、マシンキャノンオープン、シールド伸縮だけでなく、指が全て可動、胸部サーチアイの発光、ビームサーベルの収納など、
設定にあるギミックを可能な限り差し替えなしで再現しており、当時にしてはかなり出来がいい。

長らく旧キットしか発売されていない状態だったが、2010年に遂にMGで発売。
しかし実際は漫画"敗者達の栄光"で出てきたプロト版ゼロという立ち位置の機体。
細かい事をとやかく言うと話が長くなるので割愛するが、外見上はほぼTV版ウイングゼロと同じなので問題ない。

そして2014年、ようやくHGAWでのリメイクが発売された。
TV版のマッシブなプロポーションを残しつつ現代風の等身となっており、最近のガンダムと並べても見劣りしない。
ネオバード形態へは足首の差し替えだけで再現出来る。
ただウイングバインダーの展開ギミックに苦慮したためか(これはプロトゼロもそうだが)、
ヒンジが大きく剥き出し、いかにもオモチャっぽくなっており、若干の欠点は残るキットになっている。

後期OP(完成版)でのゼロの横顔に惚れたファンは非常に多い為、
あの飛行ポーズを再現できる(具体的に言えば村瀬画のウイングゼロである)キットの販売が待ち望まれている。


ROBOT魂

差し換えで飛行形態も再現可能。



■余談


Wゼロ自体がEW版のイメージが強く、更にかつてはゼロカスタムという名称だったため基本的にTV版ゼロは出番が無い。
or出てもEW版の前座として下位の性能にされている事がほとんどであり、
本来は同一機なのに長らくゼロカス>Wゼロという不遇な状態が続いていた。

しかし最近ではゼロカスタムがウイングガンダムゼロ(EW版)という表記を用いるようになったので、ほぼ同じか近い性能が与えられるようになってきている。
とはいえCFO等、いまだに下位機扱いのゲームも多く、そもそもEW版が呼ばれる方が多いので出番自体が少ない状況である。
(一部ゲーム作品ではシールドや変形がある分こちらが便利なこともある)

カトルの手によって封印が解かれた機体と言えるが、H教授が所有していた設計図はあくまで「ゼロの設計案の1つ」である。

Wiki篭り
ゼロの予測が正しければお前らは追記・修正する



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最終更新:2023年12月21日 18:42

*1 勘違いされがちだが、トールギス開発に関わったマイク・ハワードは本機の開発からは離れている。

*2 当のカトルは元々サンドロックを再建造しようとしたが、その設計図を探していたところで代わりにウイングゼロの設計図を発見したのがきっかけで開発に至った。

*3 が、当然無敵という訳ではなくEWのように同系のガンダムタイプとの戦闘や数えるのが馬鹿らしいほどの敵機からの集中砲火に長時間をさらされれば普通に損傷する。破壊係数があまりにも異常と設定で語られている。

*4 一方でEWの対アルトロン戦ではゼロシステムに「ツインバスターライフルを使え」と繰り返し警告され、敵わないと判断するや否や自爆を指示されている。ヒイロが説得で事を収めようとしていたのも関係しているかもしれないが、デスサイズヘル・エピオンの両機が敵わなかった事を考えるととんでもない事になっている気がしなくもない。

*5 EW版PGの設定によると機体本体の最大内蔵エネルギーはコロニー破壊3回分とされており、最大出力ではウイングガンダム同様3回程度の発射が限度となっている。ただし後に発売されるプラモのインストではそれらしい記述はなくなっており、敗栄本編においても最大出力5発以上発射がされている

*6 W世界のコロニーはスタンフォード・トーラス型と呼ばれる全長18km程と電撃データコレクション等で明言されている

*7 肩アーマーと腕の位置関係のせいで引き抜くことが困難であるが、劇中では作画でなんとかカバーされている。

*8 これはゼロシステムにとって「勝つ」という概念が「自機の勝利」でしかないため。