固有結界

登録日:2010/06/08(火) 22:02:41
更新日:2024/01/06 Sat 22:58:17
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TYPE-MOON作品に登場する魔術の分類。またの名をリアリティ・マーブルとも。
主に特殊効果を持つ異空間を展開し、有利な戦場を作り出す能力。
体内や物質内に固有結界やその亜種を作り出し特殊効果を与える能力もある。


【概要】

術者の心象風景で現実世界を侵食し、世界そのものを変化させることで、その内部でのみ通用する独自の法則を展開することが出来る結界のこと。
基本的に悪魔や精霊のみが使えるが、一部の特殊な人間も使用する。

魔法に最も近い魔術。
魔術師達の最秘奥であり、魔術の到達点の一つ。

術者の思い描く風景を世界に上書きするという点で精霊種の使う「空想具現化」と似るが、実際は別物。
空想具現化は自身と同じ「自然に属するもの」を変化させることしかできないが、その場その場で臨機応変に内容を決められる。
一方固有結界は自然物でも人工物でも何でも上書きできるが、内容は術者の心象風景で固定されており変更は効かない。

精霊以外が発動した場合、異世界を排除しようとする世界からの修正が働く為、維持には膨大な魔力が必要。
大魔術師でも数分、二十七祖クラスの死徒でも数時間が限界。

アーチャーは固有結界を何のペナルティもなく使用できるとされるが、そもそも固有結界のペナルティについて触れられたことがない為謎。
現代の魔術師を超えるキャスターすら使用できない為、魔術師としての技量よりも適性によって会得出来るか出来ないかが決まると思われる。
魔術理論・世界卵によって内と外をひっくり返したものと語られている。
また、他者に固有結界を継承させることも可能。

尚、シエルとメレムによると固有結界には相手のマナの使用を封じる効果があるという。
空間内のマナは固有結界を発動させている術者が支配しているためにマナを利用する大規模な魔術は使えないとの事。






作中で登場した固有結界


混沌の固有結界。肉体自体が結界で体内で展開する事で長時間の維持を可能にした。
666の生命の因子が混濁し渦を巻く混沌の世界。
生命の因子を獣の形で取り出し使役することができるが、どのような種が飛び出すかは選べない。

魔力の過剰供給を行なうことで自らの魔術の破壊力を倍増させる固有結界。
さつきルートで登場予定だったがルートが没になった為、本編では未登場。メルティブラッド アクトレスアゲインにてラストアークとしてお披露目となったが、見ただけでは何をやってるのかよくわからないのが困りもの。
本編リメイクでの登場が期待される。

結界内の自然の魔力・マナを消滅させる。消滅なので弓塚さつきには還元されない。
美しい庭園が展開されるが、その庭園は次第に枯渇していく。
直接的な殺傷力に乏しいが、マナを頼りの自然干渉を得意とする魔術師、精霊等マナを拠り所にしているような存在には効果が抜群で、それ以外の魔術師も
外界のマナを吸収して体内の魔術回路で内の魔力・オドに変換する以上、持久戦に持ち込まれるとかなり不利になる。
さつきルートの弓塚対ロア戦に登場予定。リメイクに期待される。

一定地域の人々の不安や噂に呼応し、それに応じた姿と能力を持った吸血鬼として具現化させる、一夜限りの現象。

具現化した吸血鬼は一定地域内を殲滅した後に現象へと帰する。
あくまで現象であり、厳密には固有結界ではない。 


錬鉄の固有結界。
士郎の場合は夕焼け空と赤土の荒野が、アーチャーの場合は歯車が浮かぶ曇天の空と燃え盛る荒野が展開され、どちらも無数の剣が地面に突き立つ。
一度でも視認した剣を劣化複製して結界内に貯蔵する効果を有し、一度でも複製された剣は固有結界を起動させなくとも投影できる。
剣を構成する要素で満ちた空間であるため、投影する上でも普段より容易になる。


ナーサリー・ライムというサーヴァントそのものが固有結界。
マスターの心を映し、マスターの夢みた形の疑似サーヴァントを作る。その性質上マスターによって姿が変わると思われる。
童話の内容に沿っていれば極めて凶悪の魔物や空間も再現出来る。しかしどのような内容であれ「子供の遊び」の具現化である性質上、結界に取り込んだ敵対者にも攻略可能な突破口を用意する必要があるようだ。
また、元ネタとなる童話やマスターの想像力等に限界が来ると「遊べるものが無くなり」バリエーションが乏しくなる。


  • 名無しの森《ナーサリー・ライム》
「誰かのための物語」に含まれる固有結界。結界内の対象の自我や記憶を忘れさせて存在の忘却を引き起こし、対象を消滅させるという強力な結界。
サーヴァントには効かないが、生身の人間であるマスターには通用する上に自覚症状もないので、非常に厄介。
自身の存在を示すもの(名前等)を結界内で『思い出す』ことで無効化できる。
主人公は何故かこの時フランシスコ・ザビエルという名前も手に書いていた。


熱風吹き抜ける大平原を展開し、そこにイスカンダルが生前率いた近衛兵団を召喚する固有結界。
展開される風景はライダー単体の心象風景ではなく、呼び出される軍勢全員が心に焼き付けた風景である。

軍勢全員が結界の維持の為に魔力を消費する為に他の結界より維持する為の魔力消費は少ないが、術者は英霊の座にいる近衛兵団を呼ぶ(展開)時にはかなりの魔力を消費する。


時間制御の固有結界を自身の体内に固定し、己の時間を加減速する魔術。
加速方向に起動すれば超スピードでの戦闘を可能とし、減速方向に起動すれば自身の身体活動を抑制する。
難点は体内の時間制御のため、魔術を解除したときの修正がもろにフィードバックされ、少なくないダメージをもたらすこと。
単なる加速魔術より遙かに応用が利く、と作中にあるが、実際のところほとんど加速にしか使ってない。
劇中で明言されているのは衛宮家の大魔術を応用したもののみだが、キャスター(Fate)
自身の神殿内では「空間移動か、固有時制御に似た魔術による回避」を見せており、この一族秘伝の魔術でも無いらしい。


宙を覆う死羽の天幕、月も星も飲み込む「絶対無明の死の世界」。
死徒に対し絶大な能力を持ち、先代十六位の城で一夜にして百を超す死徒を殲滅したという。


  • パレード(フィナ=ヴラド・スヴェルテン)
幽霊船団。
ヴァン=フェムの第五城マトリを攻め落としたという。


キャスターが生前追い求めて完成させられなかった至高のゴーレム。
『炉心』として一級の魔術回路を持った魔術師を中心に据え、土や木や石といった自然物を材料に形成された大きさ15mほどの巨人である。
自然の雄大さをそのまま取り込んだような風貌で、その外観は表現としては美しい、神々しい、と称される。

その正体は、存在するだけで周囲を「楽園(エデン)」へと変化させる自律式固有結界であり、受難の民族を楽園に導く救世主である。ゴーレムという存在の大元の大元、すなわち「原初の人間(アダム)」のほぼ完全な形での再現である。
周囲を異界化させる自律式固有結界の能力と共に大地からの祝福により受けた傷を無かったことにする復元・再生能力を持つ。存在する時間が長くなればなるほど異界化させられている楽園の力は増し、楽園の力が増すほど巨人自体の復元速度も跳ね上がっていき、傷すら付けられない不可侵・不死身の存在へとなっていく。


生きた森。シュバルツシルトの魔物。
数十年に一度、数日にわたって展開され、結界内に取り込まれたあるいは侵入してきた異物全てに襲いかかり殺し尽くす恐怖の吸血森。
しかもこの森移動する。やだ何それ怖い。
攻撃そのものは単純な物理攻撃だが何しろ物量が圧倒的で、しかも大気さえ支配下におかれているため
丸ごと焼き払うような大規模な魔術は使えず、結局はジリ貧で力尽きていくことになる。

…実は先代アインナッシュの流した血をたまたま吸ってしまった木が吸血種に変貌し、活動期に生い茂るだけで結界でも何でもなかったというオチがつく。
ただしその先代アインナッシュはアルクェイドさえ追い返したほどの、強力な催眠作用を伴う(こちらは本物の)固有結界の使い手だったらしい。


空想具現化で作り上げた固有結界。
この城を形成出来るものが王族であるブリュンスタッドの名を名乗れる。
志貴と出会う前のアルクェイドは此処で眠り続ける生活を過ごしていた。
タタリが具現化したアルクェイド曰く、制限だらけのアルクェイドが何の気兼ねも無く力を行使できる空間らしい。
初代城主(おそらく朱い月)は消滅しているとか。


  • 真祖を生み出す固有結界(朱い月のブリュンスタッド、ガイヤ)
朱い月の意識を内包させた真祖という種を生み出す固有結界。
朱い月の抑止力対策で、いずれアラヤ、ガイヤ或いは両方の抑止力によって殺される事を予測した朱い月が、自らの意識を内包し地球のシステムに属する後継者、真祖を作り出す為にガイヤと協力して作り上げた能力である。
要は、「外から侵略すれば撃退されるなら、協力すると見せかけて地球と同化して内側から侵食する戦法で行く」という、トロイの木馬的発想の産物。

しかし生まれたのは自らの劣化コピーばかりであり、満足できる後継者が生まれる前にゼルレッチと戦い、死闘の末に敗北し死亡した。
その後、誕生した後継者候補がアルクェイド、アルトルージュの2名。
覚醒すれば朱い月が憑依し復活、地球のシステム、真祖に属する朱い月となり抑止力を回避でき、鋼の大地で朱い月は復活するとか。


効力はタタリと同じと思われるが、白レンの心象風景の為か、展開される風景は雪原に変化している。


赤いケータイさんが展開する登録簡単なゲーム遊び放題パケット課金有料の固有結界。
赤いケータイさんは巨大化して妙にプルプルした状態で現れる。
取り込まれた者の頭上にはパケット料金を示す数字が表示されており、その分だけ契約者に請求が行く。
出るには無数にいる赤いケータイさんから本物を探しだすこと。


景色は荒れ果てた大地、赤く曇った空、そして空に浮かぶ巨大なカレイドステッキが特徴的。カレイドビームを浴びることで引きずり込まれる。
ネタっぽいが固有結界。
多分。


Fate/Apocryphaで公開された宝具
自身の最期である「火炙り」を攻撃的に解釈した特攻宝具であり、使用後ルーラーは消滅する。
サーヴァント本人の心象世界を剣として結晶化させた、固有結界の亜種とされる概念結晶武装。
この剣は本人そのもので、生前火炙りにされたルーラーの辞世の句"主よ、この身を委ねます"という呪文とし炎を発現させる聖剣。柄ではなく、刀身を握りしめるようにして発動させる。この焔は彼女が打ち砕くべき、と思ったものしか打ち砕けない。つまり単純に強敵に出会ったから、または相手に憎悪抱いたといった感情などでは発動が出来ない。


  • シリアルファンタズム(ムーンセル・オートマトン)
通称:SE.RA.PH(セラフ)
Fate/EXTRAにおける聖杯であるムーンセルが人間の精神を理解するために作り出した、霊子虚構世界。
作品の舞台でもあり、参加者の魂及びサーヴァントを100以上も収容するなど、規格外の性能を持つ。
その防壁は、外敵の侵入や不正な干渉を防ぐために、404光年や球状の八次元障壁を敷いている。


渇望と夢想が昇華された固有結界であり、彼の心にして、身にまとう機関鎧。
同時にサーヴァントとしての彼の存在その物でもある。
彼の夢想した未来を異形の世界として裡に秘めており、彼の考案したディファレンス・エンジンで動く機械を無限に生み出す事が出来る。
因みに機関鎧としてのこの宝具はスキル「機関の鎧:EX」としても働き、筋力と耐久力をランクアップさせ、更に蒸気機関のブーストにより三つの能力値に「++」の補正を与える。この結果、彼は筋力B++、耐久B++、敏捷D++と技量抜きで見ると言う三騎士やバーサーカーとも正面から殴り合えそうな能力値を誇っている。
因みに彼のクラスはキャスターである。


  • 戴冠の時きたれり、其は全てを始めるもの《アルス・パウリナ》魔術王ソロモン
魔術王ソロモンが保有する第二宝具。
宙の外、時間と隔絶した虚数空間に存在するソロモンの神殿であり工房。またの名を固有結界「時間神殿ソロモン」
生前におけるソロモン王の魔術回路を基盤にして作られた小宇宙であり宇宙の極小モデルケースとも言える空間。
つまりは冬木の大聖杯と同じモノ。
この領域は一つの生命であり、末端から中心にエネルギーを送り込むことで、魔術王の玉座には計測不可能なほどの魔力が渦巻くのみならず、
結界の中心地であり心臓部にあたる玉座へと繋がるルートを塞いでいる。


亜種並行世界「屍山血河舞台 下総国」におけるアヴェンジャーの天草四郎時貞が保有する宝具。
彼が島原・天草一揆で体験した籠城戦での虐殺などといった島原での惨状、彼にとっての地上の地獄を再現する。
固有結界の内部は猛毒の大気と先をも見通せない炎のような靄で満たされており、下手に動けば例えサーヴァントといえどもその猛毒で即座に肺を焼かれてしまうため、自力での脱出は不可能に等しい。
さらに厄介なことに、この固有結界は術者を中心とせずとも展開できるという特性を有しており、術者は現実に留まりつつ敵だけを結界内に隔離し、毒と炎熱で嬲り殺しにするという悪辣な使い方も可能。
何よりこの使い方をされると術者と物理的に別空間にいる事になり手が出せなくなる為、対界宝具をもつ英霊でもいない限りは結界を解除できず、場合によってはそこで死を待つだけとなる。


侵食固有結界

現状地球外生命体・ORTのみが持ちうる特殊な固有結界。
性質としては「自分が存在する世界の物理法則(デクスチャ)を書き換えて、自身に有利な環境に改変する」ものなようだ。
ざっくり言えば超高速テラフォーミング。

  • 水晶渓谷(ORT)
地球を異星へと塗り替える、悍ましくも美しい異星風景の侵略。
通常の固有結界とはレベルの桁が違うらしい。
引きこもりの部屋。

  • 空想樹海(ORT亜種)
南米異聞帯に出現したORTの亜種が用いたもの。
効果は「己がいる異聞帯内の全植物を一瞬で空想樹に作り替える」というもの。仮に地球に進出した場合は地球上の全植物が空想樹と化す。
発動=即死とまではいかないものの、代わりに空想樹化した樹海が夥しい数の種子をばら撒いて他の全生命体を対象に攻撃を仕掛けてくるため、危険度は凄まじく高い。
これにより南米異聞帯を「銀河の地獄」と例えられる環境へと変貌させた。


固有結界とは似て非なるパターン

「固有結界とは似て非なる大魔術」と形容される種類。
世界を浸食するのではなく自分に都合の良いフィールドを一から建築すると言う物である。

  • 招き蕩う黄金劇場《アエストゥス・ドムス・アウレア》(赤セイバー:ネロ・クラウディウス)
魔力によって世界を書き換え、生前建設した劇場「ドムス・アウレア」を形成・再現する、「自己の願望を達成させる絶対皇帝圏」とされる。
心象風景を展開する都合上効果が決まっている固有結界と違って、ネロの意志である程度改築が可能。


  • 宙駆ける星の穂先《ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ》(アキレウス)
固有結界とは似て非なる(ry
突き立てた槍を基点として世界に積み重ねるように、時間からも空間からも切り離された一対一のガチンコ勝負を行うためだけの闘技場を形成する宝具。
アキレウスの『勇者の不凋花』などが効果を失う代わりに相手も一切の装備、特殊効果を使えなくなる殴り合い強制脳筋空間。
武器が使えないとは言っていないが、武器を使って物理で殴る以外のことはできなくなる。


【その他、ネタとして使われる固有結界】

型月公式ネタ。
聖杯戦争を花札の戦いにする。
発動にはみかんを1個消費。

  • 偽固有結界・ぐるぐる翡翠ワールド(翡翠)
同じく公式ネタ。
翡翠の誤字の多さがトップだった為に作られた。
微妙に文法のおかしい日本語が延々流れ続け、入った者を混乱させる。
洗脳探偵(TYPE-MOON)も参照。


また、ひぐらしのなく頃にでもパロディとしてこの単語が登場。
こちらは萌え知識等をまくしたて相手を足止めし、共感できる者なら説得する話術みたいなもの。
使用者

これらを由来とし、幻想の世界を作り出す能力や、他人を自分のペースに巻き込む天然キャラの言動などを「固有結界」と呼ぶスラングがある。
魔空空間とか氷帝コールとか。





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最終更新:2024年01月06日 22:58