リリーナ・ドーリアン

登録日:2010/05/11(火) 15:33:16
更新日:2023/09/06 Wed 14:40:40
所要時間:約 7 分で読めます





ヒイロー!

早く私を殺しにいらっしゃーい!



新機動戦記ガンダムW」の登場人物。本作品のヒロイン。

年齢:15歳
身長:154cm
体重:38kg
人種:北欧系
声優:矢島晶子



地球圏統一連合の外務次官、ドーリアン氏の一人娘。
お嬢様学校の聖ガブリエル学園でも一際優等生として有名で、男女問わず人気が高い。

深窓の令嬢といった外見だが、性格はやや傲慢で強気、お転婆で思い込みが強い。
しかし驚く程芯が強く、時折予想の付かない行動に出る事もある。

その正体は「完全平和主義」を唱え、その影響力を危険視された為に滅ぼされたサンクキングダムの王女リリーナ・ピースクラフト。
ゼクス(ミリアルド)の実妹である。
本人は幼かった為に覚えていないが、当時の事が密かにトラウマになっていたのか、物語開始の数年前までは口数の少ない無愛想な子供だった。
尚、育ての親であるドーリアン氏はサンクキングダムの元老のひとり。

ゼクスと同様に強烈なカリスマ性を持っており、彼女の魅力、意志の強さに引き込まれる人間は多い。
トロワ曰く、「あのヒイロを動かす程の女だという事だ」。
また思い込んだら一直線脇目を振らず突撃する。ある意味ガンダムパイロット以上に強烈な人間だろう。

ヒイロには最初から何かを感じたのか、初めて出会った時から彼に引き込まれていた。
ヒイロが本来は純粋で優しい性格である事を見抜き、その確信と共に彼に接していく。
いつしか彼女にとってヒイロは「勇気を与えてくれる存在」であり、ヒイロにとっても「お前程じゃない」と言われるような存在になっていく。

恐らく、作品中で最も立場が変わっていった人物。
最初は女学生、次は王女、挙げ句には世界国家の女王として目まぐるしい程に世界に翻弄される「時代のヒロイン」。
しかしどんな状況でも持ち前の意志の強さは失わず、むしろ様々な状況を体験していく事で成長し、他者を深く思いやる思慮を見せるようになった。
また、そのカリスマ性に多くの人間が魅了され、傀儡として擁立したはずのロームフェラ財団がその手腕に慌てふためくほど。

ちなみに、立場が変わると共に髪型や服装もコロコロ変わる。スタイルがいい為かどんな服も着こなし、凛々しい雰囲気を崩さない。
髪型に関しては、初期のお嬢様カットと中盤以降の真ん中分けで意見が分かれる所。
どうでもいいが、筆者は初期の方が好きである。

本作品は制作環境が劣悪だった為に、かなり作画崩壊の影響を受けている人物。
しかし、版権イラストなどではやたら美人に描かれる事も多い。

ゼクスに関しては当初意識してはいなかった為か、あまり兄妹という意識はなかった。
しかし、その感受性の為か、ゼクスが敢えて反逆者の汚名を被った際はその心情を汲んでいる。
また、ゼクスが信頼を置くノインを非常に信用しており、彼女と行動する事が多かった。

とにかく常軌を逸した言動が多く、彼女もまた多くの迷言を残している。
強烈な個性の他キャラクターに埋もれなかったのは、彼女もまた強烈な個性を発揮していたからであろう。
ちなみに、「星の王子様」はゼクスの影響。
この妹にしてあの兄あり。

本作品が嫌い、受け入れられない人にとっては大きな理由のひとつ。
彼女の唱える「完全平和主義」を理想論、眉唾、机上の空論として批判する視聴者は決して少なくはない。
作中でもトレーズに現実的な対処能力という面での力不足は指摘されている。
実際に(ボカされてはいるが)彼女の思想・行動に準じる・巻き込まれる形で数知れない人が亡くなっているなど、多大な影響も出ている。

しかし彼女の言動には考えさせられるものも多く、
実際に何度も挫折を経験しつつも確固たる信念のもと多くの人々の生き様から目を背けず兵器廃絶と人々が自ら求め守り続ける平和を実現させようとし続けているのだから、ただの理想主義の小娘と一蹴するのは考えものである。
加えて、「特に落ち度が無い状況で育ての父をテロで爆殺され、仇のレディ・アンを自ら暗殺しようとしたほど憎んでいる」彼女が仇敵との和解を含めた上で完全平和主義を唱えるのは他の人間が言うよりは説得力が有る。ファーブル「ダーウィンが徹底的な観察と研究の末に進化論に行きついたのは分からなくもないが、ダーウィンの半分も観察をしていない若造が進化論をダーウィンより偉そうに語るのは許せん!」慈円「法然と親鸞が厳しい修行と勉学の末に念仏に行きついたのは理解出来るが、碌に修行も勉学もしていない好い加減な僧侶が浄土宗を説くなど有害無益!」


ただ、スパロボに出ている場合は話が少し違ってくる。
何せ争う相手が地球人類だけではなく、白旗を掲げたら切れる文明や和睦不可能な化け物や人間を襲うことを存在意義にしている機械までいるのである。
そんな危険が将来的に訪れるかも知れない世界で武器を放棄することは人類全てを隷従か破滅に誘う結果になりかねず、より「無茶な理想論」に見える可能性が高まってしまう。
まぁこれは重箱の隅をつつくようなメタ視点交じりの話であり、作中でそこを突っ込まれることはあまりないが、潜在的にスパロボとの相性がかなり悪い人物と言える。


本編ED「It's Just Love!」は全編彼女の魅力満載なPV。
当時は「本編のイメージに合わない」などとして不評だったが、現在になってからは「リリーナ様かわいい」「犬になりたい」「足コキされたい」など、変態紳士諸君から再評価の動きもある。
ついでに二番の歌詞がどうしても味の保証が出来ない手料理をヒイロに振る舞おうとするリリーナの図が浮かんでくるため、料理は下手というイメージが定着している。

余談だが、声優の矢島晶子女史は当初、リリーナという役が理解できず、スタジオに行くのが苦痛な位に悩んだらしい。


□劇中の活躍


多忙のあまり彼女の誕生日を忘れるドーリアンに腹を立て、砂浜を歩いていた所で、ゼクスに撃墜され、海中からはい上がってきたヒイロを見付ける。
それによってヒイロから「顔を見られた」として「お前を殺す」と宣言された。
しかし恐れずに彼と接していく中、OZによるドーリアン氏たちに対する爆弾による暗殺という事件が起きる。
レディ・アンに忘れ物のコンパクトを届けに来たが実はこれは実は時限爆弾であり、それを見たレディ・アンが凄い勢いでリリーナから奪い取り爆弾コンパクトをドーリアン氏の部屋に投擲、爆発する。混乱の中リリーナは瀕死のドーリアン氏を救出しに来た仲間に連れだされ、しばらく後に復讐しようとレディに銃口を向けるが失敗、危機に陥った所をノインに救われる。
今際の際のドーリアン氏から自身の出生を聞かされ、また周囲の勧めもあってピースクラフト性を名乗り、サンクキングダムを復興、再び完全平和主義を掲げて活動していく。
しかし、サンクキングダムが周囲の国家から賛同を受けていく事に脅威を感じたロームフェラ財団代表のデルマイユは、サンクキングダムの攻撃を命令。
リリーナは「完全平和主義を掲げるサンクキングダムが争いを産んではならない」とし、自ら国家を解体した。
その後デルマイユは彼女の出生やカリスマ性に目を付け、トレーズに代わる求心力として財団代表に就任させる。
リリーナは世界国家元首クイーン・リリーナとして財団の傀儡に仕立てられたが、その求心力はデルマイユの手に負えるものではなく、財団、OZの武装解除を決議させ、デルマイユを失脚させる。
が、折悪くゼクス(ミリアルド)がコロニー革命闘士ホワイトファングの指導者となり、地球に攻撃を宣言する。
しばらくは板挟みに苦悩するが、そこにトレーズが舞い戻り、彼女を財団から解き放った。
自由を取り戻した彼女は自ら宇宙に上がり、ゼクスに対して説得を試みる。しかしゼクスの意志は固く、彼女は囚われの身となる。
最終的にはヒイロによって救い出され、MO-IIでは養父を殺したレディ・アンから命を差し出されるが、それを拒否し、優しく諭した。
戦後は新たに発足された地球圏統一国家の外務次官に就任した。
尚、当たり前だが外務次官を就任するには異常に年齢が若い。
これは彼女の経歴を鑑みての名誉職だからであるが、後にコロニーとの和平会議や火星のテラフォーミング立案などの実績を挙げ、正式に外務次官となっている。

□Endless Waltz


前作から一年後、その影響力に目を付けられ、バートン財団に拉致される。
マリーメイアを説得するが事態は止まらず、ブリュッセル大統領府を舞台に戦端が開かれ、ゼクス達とマリーメイア軍の激戦が始まってしまう。
しかし、「負ける戦い」を行うゼクス達の姿に触発され奮起。敵地の只中で通信を奪い、人々に「平和は誰かから与えられるものではなく、自分自身で掴み取るもの」と呼び掛ける。
マリーメイアに「戦いを幇助するのか」と問われた際は、「必要なのは主義や主張ではなく、平和を望む心」だと告げる。
彼女の言葉は市民達を奮い立たせ、ゼクスが待っていた「平和を望む者たち」を呼び寄せる。
ヒイロが大統領府の破壊を行おうとした時は、ヒイロに殺される事を受け入れ、怯えるマリーメイアを冷静に諭した。
戦いの恐怖を知った事で自らの過ちを知ったマリーメイアは、デキムの銃弾からリリーナを守り重傷を負うが、一命を取り留める。
最後は倒れるヒイロを抱き止め、ようやく終わった事を実感した。
EDでは演壇に立って演説する姿が見られるが、これは大統領選挙の演説である。

□Gジェネレーションシリーズ


ガンダムWが登場する際はヒロインなので勿論登場。
高めの魅力値を持つがそれ以外は…を地で行く非戦闘ヒロインである。
なぜか「ドーリアン」と「ピースクラフト」で別キャラ。つまりダブルリリーナ様をすることが可能である。
勿論MSに乗せることも可能。トランザムとも言ってくれる。
また、完全平和主義はアビリティとなっており、条件を満たせば誰にでもつけることが可能。
ミカも暗黒の破壊将軍もリボンズフロスト兄弟も皆まとめて平和主義に目覚めることが可能である。

GジェネFの際に戦艦に乗せた時の台詞が
「メガ粒子砲用意!構いません!殺しなさい!」
と非常に物騒であるが、一応「殺しなさい!」は一応原作でも言っている台詞である。
またF.IFのおまけシナリオやガンダムファイトモードではやたら改造されたリムジンに乗せられたりしているが、武装は無いので逃げ回る事しかできない。

また、GジェネNEOとGジェネDSでは”リリーナが政治の表舞台に出るとクワトロ・バジーナが彼女の人となりに感服するという描写がされており、NEOではどのルートでも最終ステージまで味方&DSでもリリーナが政界進出した平成ガンダムルートではUCルートと違い逆襲せず終始味方のままである。


「私は、リリーナ・ドーリアン……あなたは……?」

「ヒイロは……星の王子様?」

「ヒイロー!早く私を殺しにいらっしゃーい!」

「人殺しに形式などありません!」

「ヒイロ、ゼクスを倒しなさい!構いません!殺しなさいッ!」

「私が、リリーナ・ピースクラフトだからです」

「ヒイロ、やっぱり貴方は不思議な人ね。貴方は私に勇気を与えてくれる。きっと、他の人にもそうなんでしょう?」

「もう終わりにしましょう。復讐も、戦いも……」

「ヒイロ!こんな手紙、次は自分で渡しなさい!」

「誰があなたをそんな風に教育したか知りませんが、あなたは間違っています」

「この映像を見て恐れてはなりません!平和は誰かから与えられるものではなく、自分自身で……」

「私はピースクラフトではありません。私達に必要なのは主義や主張ではなく、平和を望む心です!」

「あなたは恐怖を知った。だからこそ、自らの過ちも認められるようになったはずです」

「撃ちたければどうぞ。覚悟は出来ています」

「終わったわね……やっと……」

「メガ粒子砲用意!構いません!殺しなさい!」




Wiki籠もりー!

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