結崎ひよの

登録日:2012/02/07(火) 20:26:34
更新日:2022/09/28 Wed 16:16:29
所要時間:約 9 分で読めます




「企業秘密です♪」



結崎ひよのとは、『スパイラル~推理の絆~』の登場人物。

CV.浅野真澄(アニメ)/川澄綾子(ドラマCD)


月臣学園2年で新聞部部長(ただし部員は彼女だけ)。
童顔で年上に見えず、亜麻色の髪と緩くしたおさげが特徴の、自称『恋に夢みる美少女』。

登場したての頃は「わぁ」や「ですぅ」等、語尾をやや伸ばした感じの口調をしていたが、割とすぐに消えた。

性格は明るく、相手が誰であれ『さん』付けで呼び、敬語で話す、一見物腰柔らかで優しげな少女。
しかし実のところかなりしたたかな性格で、情報力を活かして先生生徒、学内外問わず様々な人物の弱みを握っており、
それを活かして新聞部に助けを求めてきた生徒の問題を(脅迫で)解決したり、些細な便宜を引き出したりしている。
「私を敵に回したくなかったらおとなしくしてましょうねー」の一言で先生生徒、ひとり残らず黙らせたことも。
小説「ソードマスターの犯罪」では、ヒロインの口から「新聞部の部長に頼めば相手を破滅させてくれる」という悪評が広まっていることが語られた。

しかし裏を返せば悪評が広まるほど高い情報収集力を持っているということであり、歩も事件解決のために幾度となく彼女の能力に頼っている。
ただ歩としては彼女と関わり続けることを「いずれ身の破滅につながるかも知れない」と危惧しており、なるべくなら彼女に頼りたくはない様子。


行動力もあり、それは時にヘタレたに火を着けたり、ブレード・チルドレン達を混乱させたりしている。
火澄曰く『男前』。


ちなみに歩にパンツを見られた。
バックプリントらしい。


当初は、女生徒転落事件の犯人として疑われていた歩に取材目的で近付くも、「真犯人は別にいる」という歩の言葉に賛同し、共に調査する事に。
事件解決後も歩と共に行動し、持ち前の情報収集能力で関わった事件を解決する手助けをしている。

歩からはかなり胡散臭がられており扱いも雑だが、なんだかんだで良いコンビである。

ひよの自身は歩の能力を高く評価しており、彼女なりの善意で彼の素晴らしさを広めるべく(小説版では)彼を事件に関わらせようとしているが、
なるべく目立ちたくない歩にとってはありがた迷惑であり、彼のひよのの扱いが雑な原因の一つでもある。



以下ネタバレを含みます




◇ブレード・チルドレン編

コンサート会場での爆弾事件を皮切りに、アイズや理緒浅月といったブレード・チルドレン達と関わっていく。

理緒が学園内で起こした殺人事件の際には、歩の推理力と情報能力をフルに活用し、包囲網を縮めていった。
その後理緒と歩の対決時は、へたれた歩に火をつけるため自ら一時軟禁状態になるも朝飯にケチを付けたり「自力で脱出しちゃいますよ~」という余裕っぷり。

一応命の危機もあったが、本気を出した歩との連携プレーの末になんとか勝利し、歩と共に帰路についた。
駅のベンチで歩に肩を貸してる姿はどうみてもカップルです本当にry


◇カノン編

ブレードチルドレンを狩る『ハンター』となったカノンに対抗するべく、浅月達と共闘する事になり、新聞部は秘密基地に(ひよのは許可していない)。
そして周りが準備をする中、単独でカノンに接触し脅迫するという豪胆っぷりを見せた。

その後カノンが学園を占拠した後もひそかに学園内に入り、負傷した浅月達を助ける。
そして浅月達に助けられ、カノンとの決着を前にヘタレた歩に

「うだうだ言ってんじゃねぇ!」

と、強烈なボディブローをかまし気合いを入れた。

そして、歩が作戦を立てるまでの時間稼ぎとしてカノンの前に立ちはだかったひよの。
ひよのは、「チルドレン以外の人物を殺さない」というルールを自分に課しているカノンの良心を逆手に取り、
リストカットした上でカノンに「自分では一切手当しない」と告げることで、自分が意識を失って倒れるまでカノンを足止めしようとした。
(※ルールと言っても無視してもカノンにはなんのデメリットもないため、強行突破や見殺しにされることも十分に有り得る危険な賭けである)
結果、歩はひよのの意識があるうちに行動を開始し、それを察したひよのは「私の勝ち」と告げるも直後に限界を迎え、昏倒してしまった。

このまま退場かと思いきや、歩の作戦の締めを任され、ネコミミ姿でカノンに最後の一撃を加えた。

そして全てが終わった後、歩から「一つだけ願い事を叶えてやる」という約束をしてもらう。


◇火澄編

ブレード・チルドレンの秘密が明らかになる中、火澄が登場。それと同時に、クラスに馴染んでる歩や告白されている歩を見ては動揺していた(特に後者)。

その後歩と火澄の秘密も明らかになるが、それでも歩の傍にいた。

そして、全ての決着のために清隆の元へ向かう前日、歩の新調したピアスを預かったひよの。

しかし、歩を見送った後、ひよのは異様なほど深刻な表情を浮かべ――





「本当に、これで終わりなんですね」












以下最大のネタバレ













実は『結崎ひよの』という人物は存在せず、名前、経歴、性格など全てを清隆が用意したキャラクターであった。
清隆が自分を殺させるべく、歩を絶望させるために用意した最後の駒(爆弾)であり、作中の『結崎ひよの』は彼が手配した人物が演じていたのである。

そのため、演じていた女性の本当の名前も年齢も不明(言動を見る限り17歳以上ではある)。
清隆から依頼されてやっていたと思われることから、おそらく成人している。

一方の歩も、いつからかは不明だが『ひよのは架空の人物』ということに感づいていた。
そのためか、実は歩は1話から一度もひよのを名前で呼んでいない。
そもそも清隆に名前を出されるまで「結崎ひよの」という名前だったことすら忘れていた。

ただ、清隆の方も歩が論理的に考えて『ひよのは架空の人物である』という結論を導き出すことは織り込み済みで、
その上で、「歩がロジックで『架空の人物』と理解しても、感情的にそれを呑み込めない」状況に持っていくべく入念な計画を立てていた。
そのため、歩が清隆の予想を超え、全ての残酷な真実を明かされてなお自分を殺さないという選択をした際には、
歩が『架空の人物』だと察していた前提で、「結崎ひよのが実在の人物だと信じたわけではないな?」と確認している。

そして、歩が清隆に勝利した帰路で、ひよのを演じていた『彼女』は、清隆を下した歩の前に姿を現す。
その表情は悲しげで、「おれが負けてたらあんたを絞め殺すとこだぞ」という歩の冗談にも哀しそうな微笑みを返すだけだった。

『彼女』は歩に、騙していたことや、知らなかったとはいえ歩を裏切ってしまったことを謝罪。
(※清隆は『結崎ひよの』は歩を励まし、前向きにさせるための存在としか伝えていなかったが、どちらにせよ託されたピアスを清隆に渡した時点で『裏切り』ではある。)
それに対して前述の名前を忘れていた件を引き合いに出してお互い様と笑う歩*1に、『彼女』はようやく、楽しそうな笑みを浮かべる。

そして、『彼女』は歩に、「ひよの」の時に約束してもらった「なんでも叶えてもらう権」を行使してもいいかと尋ねる。
快諾した歩に、『彼女』が告げた「ねがいごと」。それは。


「最後に、握手を」


二人は握手を交わし、互いの息災を祈り合ったあと、別れる。
しかし、『彼女』は、歩が立ち去った後も、涙を流しながらその場に立ち尽くしていた……





◇エピローグ

入院生活になった歩に会うために日本に帰国。

数年ぶりに歩と再会するも、歩は以前と同じくつれない反応。
『あなた』という呼称も『あんた』に戻り、扱いもぞんざいな歩にキレる『彼女』。
かつての関係に戻ったかのようだった。

そんな会話をしながらもピアノに熱心な歩の姿勢に呆れ、微笑む『彼女』。
『ピアノを続ける』と笑う歩に、以前の暗さはなかった。

そこで、歩にピアノを聴くかと尋ねられた『彼女』は、以前の意趣返しのようにひねくれた返答をする。
歩はそれを笑って受け止め、ピアノを弾き始めるのだった……


ちなみに清隆とも再会したが、その時清隆からの「私を恨んでいるか」という問いに、満面の笑顔で「だいっきらいです」と返していた。


コミックのおまけ4コマでは、一つだけのねがいごとの権利を使って、歩を自分のビジネスパートナーに引き込もうとしていた。


◇アライヴ

本編の前日談にあたる『スパイラル・アライヴ』にも登場。

終盤だけの登場だが、ローブを深く被り謎の美少女占い師と名乗り、伊万里に道を示した。


伊「そんなに深く被ってちゃ美少女かどうかわからんだろ」


その後ラストにて、月臣学園に編入する準備をしている様子が描かれている。

ちなみにここでも本名は明かされていない。
「この歳で受験~」と言っているので、やはり歳は二十歳以上の可能性が高い。


◇アニメ版

原作がまだ途中だったこともあって、原作に沿った展開は途中まで。
その関係で最後の最後で明かされた清隆の駒とかそういう要素は特に無く、(情報能力以外は)普通の少女になっている。
原作よりややハイテンション気味。

日常風景も多く、歩のマンションに遊びにきたり、歩と街中を歩いたりしている。どうみてもカップルです本当にry

劇中で口ずさむ鼻歌は「トゥインクルマイハート」というタイトルでサントラに収録されている。
歌うのはもちろん浅野真澄さん。

度々口ずさんでいるため、まどかから『変な歌の子』と呼ばれたりしている。

次回予告では、ひよのが人形劇のようにひよの人形を操り次回予告をする『ひよひよ劇場』が展開されている。

ただし内容はあまり詳しく語られていない。


ちなみにアニメでは、上記の駅のシーンで寄り添う二人を横目に見ながら、ひそひそ話す女子高生モブが追加されている。スタッフGJ。


◇余談

  • 原作での人気投票では4位。作者的には1位になると思っていたらしい。

  • 作者側での呼び名は『ひよひよ』。
    だがとあるゲームに同じ名前の敵キャラがいたらしく、見た目も気持ち悪くてショックを受けた模様。

  • 元々単なる脇キャラのつもりだったらしいが、イラストの力と読者からの支持により、正ヒロインとして扱わざるを得なくなった。
    原作者曰く、「この小娘は私がまったく大事にしていないというのに、なぜかいいポジションにいやがるのです」とのこと。
    便利に動かせるキャラだし空気にするのもアレなので適当な役を渡すと、どうしても大役になってしまうらしい。

  • ちなみに、原作者こと城平京氏はまどかねーさんに愛を注いでいるため、解説等でも、

    「私のまどかおねーさんへの愛にはかなわないのです。」
    「またここでもおさげの小娘は自分の役をしっかり持っていきやがりました。」

    等といった嘆きがみられる。
    無論ネタとしての面も含んでいると思われるが。

  • ひよのの決め台詞となっている「企業秘密です」は、作画担当の水野英多先生の方でつけられた口癖らしい。

  • 同時期のアニメ化した『少年ガンガン』掲載作品ではよくあることだが、アニメ化前に発売のドラマCDとアニメ化後に発売のドラマCDでは声優が異なる。
    アニメ化前の「もうパズルなんて解かない」では川澄綾子氏が、アニメ化後以降はアニメと同じく浅野真澄氏が演じている。

  • 最大のネタバレに関しては歩のセリフから展開を看破したファンも多く、そうしたファンたちから原作の城平氏の元に「その展開だけはやめてほしい」等の訴状が来ていた。
    しかし氏は
    「ひよのの存在と信頼を確たる基盤とした形での歩の勝利は、ただの打算と甘えの構図に過ぎず、すぐにひっくり返されるもの。それは本当の勝利ではない
    と考え、プロット通りの展開を曲げなかったという。

  • 原作連載途中に出たものであるが、ファンブックにおいて原作者は
    「本来の予定なら彼女の名前は結崎(ゆうざき)典子にするつもりだったが、色々あって結崎(ゆいざき)ひよのになった」
    と語っていたため、『彼女』の本名は「典子」ではないかと予想するファンもいる。






追記・修正しないと、あの事バラしちゃいますよ~

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最終更新:2022年09月28日 16:16

*1 『結崎ひよの』に託したピアスも、概ね清隆の企みを予測した上で、この上なくわかりやすい「ひよのは清隆が用意した架空人物である」という証拠になるアイテムとして歩が用意したと話している。