マグアナック隊(新機動戦記ガンダムW)

登録日:2012/02/04 Sat 00:39:11
更新日:2023/11/17 Fri 23:51:43
所要時間:約 5 分で読めます





野郎ども!

カトル様に会うまで死ぬんじゃねぇぞ!


新機動戦記ガンダムW』に登場するいい男たち部隊。


■目次




■概要


A.C.195年時に、世界中を支配する「地球圏統一連合」の支配を拒否し、抵抗運動を続ける中東諸国の人間で構成された部隊。
総勢40人の歴戦の勇士達であり、中東が独自に開発したMS「マグアナック」で連合と戦いを繰り広げている。

マグアナックとはタガログ語で「家族」の意。
その名前通り、隊員の結束は極めて強い。

モチーフはイスラムの『アリババと40人の盗賊』。


かつてガンダムサンドロックのパイロット、カトル・ラバーバ・ウィナーに命を救われた恩により、カトルを「カトル様」と呼んで慕う。
本編の数年前に地球での再会を約束し、連合・OZと戦うカトルの下に馳せ参じた。

基本的にカトルの護衛を行い、彼の事を信じて付き従う。
しかし彼等にとってカトルは「主」である前に「家族」であり、彼が無茶な行いをした際は叱る事も忘れない。

その為、家族(特に親)とまともに向き合った事のないカトルにとっては親代わりとも言える人々である。


所謂「脇役」であり、特別な機体に乗る訳でもないキャラクター達でありながら、その実力は非常に高い。
本編では影に日向にカトルや他のガンダムパイロット達の支援を行い、
コロニー勢力に見捨てられた彼らを裏切ることもなく、激動のA.C.195年をひとりも欠ける事なく生き抜いている。



■主な部隊員


●ラシード・クラマ

声優:中田和宏

39人の隊員を取り纏めるマグアナック隊の隊長。
濃ゆいアゴヒゲと角刈りチックな髪型、ガタイのいい体格を備えるダンディーなオジサマ。

彼等の駆るマグアナックは隊員が各々でカスタマイズをしており、1機たりとも同じ仕様の機体は存在しない。
ラシードの物はその中でも隊長機にあたり、頭部に角飾りで通信機能を、改良により関節部を強化、更にバルカンの増設などが行われている。

荒くれの隊員を纏めるだけの器量を持ち合わせた仁義深い男であり、カトルにも深く信頼されている。


●アブドル

声優:森川智之

サングラスをかけた隊員。ウォン・ユンファではない
比較的若手であるため陽気な性格だが、仲間内からは「アブドルが立てる作戦は碌なことがない」とか言われている。
重装甲を纏い、ヒート・トマホークを二本装備したマグアナックに搭乗する。
因みに、EW版のデザインで頭部にコブラの飾りがついている。

W名物の量産型森川のひとり。
何故かコイツだけ、媒体によってアブドルだったりアブドゥルだったりアブドゥールだったりする。もちろん炎なんか操らない。


●アウダ

声優:中村大樹

タレ目がちの陽気な隊員。
マグアナック隊の斬り込み役でもあり、専用マグアナックは左腕をガンダニュウム合金製のクローに換装した格闘戦重視の機体。
小説版EWではラシードが負傷した際に臨時で指揮を執っているが、地の文になんだかひどいことを言われている。
W名物量産型中村の一人。


●アフマド

声優:千葉一伸

立派な髭を蓄えた、恰幅の良い隊員。
隊の中では冷静なタイプで、仲裁に入る事も多い。
機体はバックパックを高機動タイプに換装し、ロングレンジ・ライフルを装備したマグアナック。


●その他

名も無き隊員達。
しかしいずれも高い実力とチームワークを兼ね備えた戦士達である。


●ユダ


『EPISODE ZERO』に登場したマグアナック隊員。
キリストを裏切った男が名の由来なのか、保身の為にひそかに連合と内通していた。
が、カトルによって暴露され、制裁を受けている。



■使用機体


◆マグアナック

型式番号:WMS-03
頭頂高:16.4m
本体重量:7.4t
装甲材質:チタニュウム合金


中東で独自開発された量産型MS。
乾燥地での運用を主眼に開発された機体で砂漠での戦闘が得意だが、陸戦全般での運用に支障は無い。
多少の改造で宇宙戦にも対応してみせたりと汎用性が高い。
性能自体はリーオーより少し優れているという程度だが、パイロットたちの腕前や連携によって優れた戦力となっている。

基本武装はビームライフルやヒートトマホーク、シールドなどオーソドックスなものだが、
上記の通り機体自体パイロットごとに独自のカスタマイズが施されており、外観・武装など全40機それぞれの仕様は異なる。
なので上記の名ありキャラたちの機体以外にもキャノン砲を装備したりマントやターバンを着けたりした様々なマグナックが登場している。

EW版のデザインだと、機体色が低視認を目的にした暗めの灰白色を主体に、TV版と同様のサンドブラウンがアクセントで入れられている。

後日談にあたる新機動戦記ガンダムW Frozen Teardropにて、MD化した機体39機と有人機1機が登場する。
ラシードが有人機の隊長機に搭乗し、39機のMD型を統率し、戦闘に参加している。


◆オリファント

型式番号:WMS-04
頭頂高:13.6m
本体重量:7.8t
装甲材質:チタニュウム合金

こちらも中東で開発されたMS。マグアナックの支援機として開発され、マグアナックと共通のパーツが使われている。
腕部は無いが上部にビームキャノンやガトリングガンを装備しており高い火力を誇る。
更に大型化した脚部にはホバーユニットを内蔵し、砂漠での高速移動も可能であり、リーオーをベースに作られた同じ砲撃戦メインのトラゴスを大きく上回る戦闘能力を持つ。
ただし小回りは利かないためマグアナックと違い撃破されている機体もある。
『敗栄』では脚部のホバーユニットのみをマグアナックやサンドロックの脚部に装備している場面もある。



■劇中の活躍


◇TV版

序盤は「オペレーション・メテオ」で地球に降りたカトルと共に連合・OZと戦っていた。
しかしコロニー側がOZに付いた事でガンダムが事実上敗北した後は、カトルをはじめとしたガンダムパイロットの為に様々な支援を行っていく。
途中、故郷の町をOZに爆破されたりしながらも市民と一丸となってガンダムを応援する姿勢は中々に熱い。

カトルがウイングガンダムゼロで暴走した後、地球に再度降りた際にはOZから奪還しておいたサンドロックを修復し、カトルに届けた。
そのまま、サンクキングダム防衛戦にも参戦。
圧倒的な性能を持つモビルドールビルゴを相手にしても善戦したが、物量の違いから王国は崩壊してしまう。

ガンダム達が宇宙に上がった後はしばらく出番がなかったが、最終決戦であるリーブラ攻略戦で再登場。
ガンダム開発者達をリーブラへ運ぶデスサイズヘルを援護し、間接的にリーブラに大打撃を与えた。

更に地球に落下する最中のリーブラに突入してカトルを援護し、ギリギリまで破壊を行っている。

……ビルゴⅡが跳梁跋扈する戦場をマグアナックで戦い抜いた彼等の技量は、脇役とは思えないレベルである。


戦後はウィナー家当主となったカトルの下で働いている。


□『Endless Waltz

前作から1年後、マリーメイアの脅威に対抗する為、ラシード達四人はカトルと共に太陽に廃棄途中のガンダムを回収する事に。
さりげないが、燃料をゼロにするカトルの策を疑わないあたりに彼等の信頼関係が見て取れる。

事件後、無事地球圏へと帰還。
エンディングでは、カトルと共に建設現場で働く姿が描かれている。


□『EPISODE ZERO』

本編の数年前、カトルとの出会いが描かれる。
元々マグアナック隊はコロニーで違法に強制労働を強いられている人々であり、
同じく連合によって非人道的に扱われている人々を故郷である地球に帰す為に、当時のウィナー家当主ザイードから支援を取り付けようとしていた。

当時のカトルは自分が試験管ベビーだということで「自分の命に価値なんてない」という荒んだ考えを持っており、マグアナック隊の行動も冷めた目で見ていた。
しかしラシードから自分たちも試験管ベビーであり、「命」と「家族」の大切さを真剣に説かれた事で、初めて他人に一人前の人間として扱われたカトルは改心。
ユダの裏切りによって窮地に陥ったマグアナック隊を救うべく負傷したラシードに代わってマグアナック隊を指揮し、見事に勝利した。

この事で、カトルはラシード達に「主」であり「家族」として認められ、数年後に地球での再会を誓っている。


ちなみに本編でカトルが付けているゴーグルは元々ラシードのもので、「隊長の証」である。
この事件で指揮をするにあたり、ラシードから譲られた。以後、カトルにとっては大切なアイテムになっている。



■ゲーム等


基本的にサブなので、ゲームでの露出は少ない。
しかし最近のスパロボなどではカトルの「マグアナック隊総攻撃」で登場する事も多く、サンドロックの貴重な戦力。
とはいえ声付きの出演はなく、大抵カトルの「ラシード、頼みます!」で終わる。
演出自体は登場以降強化され、携帯機である『W』と『L』では結構気合いが入っている。

Gジェネシリーズでは大抵はリーオーとどっこいどっこいの性能なのだが、初登場のGジェネFでは

  • 陸戦型リーオー:HP6860・攻撃14・防御14・移動4
  • マグアナック:HP8530・攻撃21・防御21・移動5

と陸戦型ガンダムとザクⅡJぐらいの差を持つなかなかの性能の機体として登場した。そのため志願兵が搭乗する味方ユニットとしてはなかなかの頼もしさを誇り序盤では頼りになる。

へクス制のSDガンダムシリーズではGNEXTとGCENTURYに登場。但しGNEXTではサテラビューを持ってないと使えない。
GCENTURYではコロニー国家連合のTEC2レベルの量産型として序盤の要となる。



■立体化


ガンプラ

現行シリーズではラインナップに乏しい『W』系の中でもサブキャラの乗る機体ということもあり商品化の気配は無かったが、
マグアナックが2019年4月にHGACシリーズで改造の施されていないベーシック機が発売。
エアリーズトーラスどころか、サンドロックを含む主役ガンダムすら出揃っていない中、それらを差し置いてのまさか現行HG化である。

さらにプレミアムバンダイでパーツ選択で「ラシード機orアブドゥル機」、「アウダ機orアフマド機」をそれぞれ再現可能な2種*1
更にその他の機体分をまとめた「36機セット(武装再現用ボーナスパーツ付属)」の計三種類の発売が決定。
最初の2キットにHGACマグアナック2機、そして36機セットを買うことでマグアナック隊の40機が再現可能というコンセプトであるが、ぶっちゃけ狂気の産物である。
いつぞやの100体セットでは懲りなかった模様。「これ誰が買うんですか」by東映

他にSDガンダムも発売されている。「ラシード機orアウダ機」のコンパチ使用。



カトル「ラシード、追記・修正頼みます!」
ラシード「カトル様、お任せを!」

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最終更新:2023年11月17日 23:51

*1 未組立のHGACマグアナックを追加で購入すれば両方とも再現可。