皆殺し編(ひぐらしのなく頃に解)

登録日:2012/05/10(木) 18:23:43
更新日:2023/10/13 Fri 01:19:25
所要時間:約 7 分で読めます




惨劇を嗤え


【概要】
皆殺し編は07th Expansionの同人ゲーム、ひぐらしのなく頃に(解)の第七話(第七章)のタイトル。サブタイトルは「~最期の真実~」。
2005年12月30日のコミックマーケット68にて販売された。
販売価格は1000円。現在は他の解答編同様、最終話の祭囃し編に収録されている。

物語も佳境に差し掛かる本編では主人公がこの物語の真の主役である古手梨花となり、今迄様々な登場人物を狂わせてきたモノの正体がとうとう登場し、更に今までのシナリオでも裏で暗躍していた黒幕の正体や大雑把な思惑が明かされるなど、終盤の話らしく極めて重要なシナリオ。

第三話、祟殺し編の解答にもなっており、祟殺し編と同じく鉄平が帰ってきて沙都子を虐げ絶望的な状況が再現されてしまうのだが、前回のように諦めず・短絡的な手段に逃げずに立ち向かい続け、誰も殺しをせずに沙都子を救いだして綿流しの祭を迎え、
その先に待っている雛見沢大災害の黒幕へと辿り着くといった内容になっている。


【あらすじ】
昭和58年6月。
古手梨花が目を覚ますとそこは綿流しの祭を間近に控えた世界だった。どうやら、前の世界の事件が解決し帰宅する途中に殺されてしまったようだ。
傍に居た羽入から綿流しの祭まで2週間しか猶予が無いことを聞かされ焦る梨花だったが、
圭一たちが過去の世界の記憶をおぼろげに持っており、過去の過ちを繰り返さないように努力する姿を見て希望を抱く。
次々と回避されるかつての惨劇のフラグ、結束を強めてゆく仲間、今迄有り得なかった者達の友好、懐かしの存在との思わぬ再会…今迄の世界では無かった奇跡が次々と起こる。

今度こそ惨劇の袋小路から抜け出してみせると意気込む梨花だったが、
そこへ不可避な惨劇のフラグである沙都子の叔父、北条鉄平が雛見沢に帰って来てしまうのだった…
今迄と同じく鉄平に連れ戻され、彼の召使いの如く家事をやらされ虐待を受ける沙都子。彼女は今回も周囲の手助けを強く拒んで1人耐え続け、少しずつ精神を蝕まれてゆく。


でも今回は今迄とは違う…と梨花なりに解決策を探るが、どれもアテが外れて何も出来ずじまい。
希望を打ち砕かれ意気消沈する梨花だったが、最近引っ越してきた少年、前原圭一は諦めなかった。彼はかつてのように一時の激情に判断を誤る事なく周囲に相談し様々な方策を練りながら幾度も児童相談所への沙都子の保護を求め続ける。
最初は自分たちたった5人だったものがクラス全員を、最終的には一大陳情団を結成するまで至りやがてそれは村中を巻き込み、村の上層部から圧力がかかる。だが圭一はそれにも臆する事なく彼等に戦いを挑み長年根付いた村の悪習さえ覆す前代未聞の快挙を成し遂げ、やがて圭一の獅子奮迅の活躍により村は団結し、遂に児童相談所を動かして沙都子を救い出すことに成功し、
誰一人欠けることも、誰かを殺めることも、後ろめたさもない大団円の綿流しの祭を迎える。

梨花はこの仲間たちならと、思いきって自分が何者かに命を狙われていることを告白する。
仲間たちはなんの躊躇いもなく梨花の言葉を信じ、協力を約束する。

今度こそ本当に運命を打ち破れる…そう信じた梨花たちの前に立ち塞がったのは思いもよらない黒幕の正体だった…


【主な登場人物】
「運命なんてね、金魚すくいの網より薄いって、教えてくれた人がいるから!!」
この作品の真の主人公。
今まで惨劇を回避するために羽入の力を借りて数多のカケラ(平行世界)で昭和58年の6月を繰り返していた。

「触ることも、しゃべることもできないボクには、こんなことしかできないのでしょうか…」
雛見沢の神様でオヤシロさまの正体。
梨花の先祖であり、古手家の末裔である梨花にしか見えず、感覚が梨花とリンクしている。あぅあぅ。
罪滅し編のTips「お気に入りのワイン」にて既に登場しており、台詞もあった。
ちなみに名前も目明し編で梨花が死ぬ直前に口にしていた。はにゅ~

「そもそも運命なんてな、金魚すくいの網より薄くて、簡単に破れるもんだってことを覚えておけよ!」
我らが口先の魔術師。
主人公を降板して久しいが、数多の惨劇の記憶を経て劇的な成長を見せ、惨劇のフラグを次々破壊していく。
ぶっちゃけ前半は彼が主人公。

「触れることができなくても…喋ることができなくても…信じることはできるんだよ?」
部活メンバーの一人。
圭一と共に沙都子救出に尽力する。
プーだとろくなことにならないからと父親に働くよう説得し、見事就職させた。
彼女もまたおぼろげながら違う世界での失敗を学んでおり、惨劇のフラグを破壊する。

「バケモノかどうかは容姿じゃなくて心で決まるんだよ。ね、詩音?」
部活の部長。
複雑な立場に悩みつつ、沙都子を救うため圭一に協力。今回は圭一からやっと人形を貰えた。

「沙都子のために手を汚せない連中に、沙都子を仲間呼ばわりされたくないです!!」
魅音の双子の妹。
この世界では悟史の頼みを聞き入れ、沙都子を実妹のように可愛がっている。
今回は雛見沢の学校でも部活メンバーと共に行動し*1、鉄平の虐待に激昂のあまり短気を起こし、鉄平を殺しに行こうとするが、圭一の体を張った説得により踏み留まる。

「あんたなんか大ッ嫌い!!出てって!ここから出てって下さいまし!!ここは私とにーにーの家ですのよ! 私たち家族の家ですのよ!!」
ひぐらし最大の愛されキャラことミス・ひぐらし。
叔父の虐待にただひたすら耐えることが強さだと考えていたが、梨花の説得によりそれは間違いと気づき、勇気を振り絞って鉄平に立ち向かった。
終盤は彼女のトラップの威力が断片的ながらも光る。

「私は教育者として、正しいことは正しいと教えなくてはならない!」
雛見沢分校の教師。
校長と共に圭一の意見に賛同し、教師という立場から奮闘する。
一度は上層部の圧力に屈しかけるが、生徒たちの奮闘する姿に再び奮起する。

「前原さんに、今日はちょいっと華を持たせようと思っています。」
興宮署のベテラン刑事。今回の圭一とは全編トップクラスに良好な関係を築く。
立場上、相談所に陳情に赴く圭一たちを取り締まらなければならなかったが、圭一の奮闘に応えささやかながら気を利かせる。クラウドマジイケメン。

「梨花ちゃん、いやにしつこかったねぇ。そんなに僕らに死んでほしいのかなぁ。」
フリーのカメラマン。
祭の晩、梨花から死を忠告され気を付けるよう釘を刺されるが、正体を現した黒幕によって殺されてしまう。
彼の正体がついに明かされる。

「驚いているのよ、あの子には本当に神通力があるのかもしれない、ってね…」
入江診療所に勤める看護婦。
梨花からあることを依頼される。

「に……にぱ――ヽ(>▽<)ノ――!!」

「それに、未来のメイドさんを守るためにご主人様が一肌脱ぐのは、当然のことです!」
入江診療所所長、我等が監督。
圭一たちの児童相談所への陳情に加わる。
今回、彼や診療所の正体について初めて触れられる。

「あの時のような無様な真似は絶対に晒さないよ。きっと君の力になれる。」
警視庁公安部に所属する警視。暇潰し編から様々な修羅場を経て一人前の刑事に成長した。
ようやくの本編再登場で立ち絵も付き上のセリフで活躍が期待されたが、梨花の警告を聞いた時点で蜻蛉返りしていたため予言を聞いておらず、
雛見沢には温泉旅行のついでに来ただけ。肝心な時にはことごとく不在な役立たずに終わってしまった…。

「なんねぇ!?泣く子も黙るわしのガンにビビってもうたんかいね!?ダッハッハハハハ!!」
ご存知てっぺい☆暴力叔父。
ポジションはやはり祟殺しと一緒。
しかし今回は誰の私刑を受けることなく、圭一たちの団結と沙都子の勇気でお縄につくのであった。
また、雛見沢に赴いた彼の心中について僅かながら語られる。

「ちょっと…、嘘、マジ?!何で今日バレるのよ!」
鉄平を裏切り、間男と園崎組の上納金に手を付けたために拷問されて処刑される。
つまり祟殺し編冒頭の死体は彼女。

  • 園崎お魎
「あんなのがいてくれたら、わたしゃいつお迎えが来ても、いつでも雛見沢を任せられるわ。」
園崎家頭首。
北条家への村八分をやめるよう直談判した圭一を、本当は自分もやめたいくせに色んなしがらみで出来ず渋々折れて聞き入れ(た事にして)、相談所の強硬策を破る最後の一押しをしてくれたツンデレ。
皆殺し編のキスしてやりたい真のヒロイン。

  • 相談所所長
「ちゃんとルールに則って処理します。公平な事務こそ公務員の務めです。」
児童相談所の所長。民意に左右されない気風をよしとする、良くも悪くも公務員の鑑。
圭一らの陳情に対しても決して特別扱いしないよう職員に通達し、大規模になった陳情団に恐れを成して妨害をしようとするが…?
近年県から派遣されてきた為、雛見沢ダム戦争や鬼ヶ淵死守同盟については殆ど知らない。
原作では良くも悪くも生真面目過ぎるだけなのだが、アニメ版では何故かクズ臭が漂うキャラ付けに。





【CS版】
祭には第捌章として、絆にも第三巻に収録された。

【漫画版】
月刊Gファンタジーで連載されていた。全6巻。作画は桃山ひなせ。

【アニメ版】
第2期の6~13話で描かれた。
詰め込み過ぎだった1期と比べると話数が多いため、比較的丁寧に作られている。
他の編と違い一部展開が変更されており、特に最後のある場面は原作以上に絶望感が増している。
作画や演出もだいぶ改善され、見応えある内容となった。


【ドラマCD】
今までから更にボリューム増量。前編6枚+後編3枚…合計ディスク9枚組、再生時間10時間超えの特大ボリュームで原作が再現された。
他の媒体では端折られがちな児童相談所側のやりとりも、原作ほどではないが丁寧に収録されている。
今現在では在庫稀少&プレミア化したので、祭囃し編程ではないが入手のハードルは高い。
子安赤坂再び。

「う~ん動画が流せればぜひ実際にご覧頂きたいシーンなんだけどね?音声ドラマなので、言葉での中継になるのが残念~!!」
「魅ぃが誰に喋ってるのか、分からないのです。」

【小説版】
講談社BOXと星海社文庫からそれぞれ上下巻で出ている。



【余談】
  • クリア後はスタッフルームが追加される。

  • アニメ版皆殺し編の第11話放送後、現実で起こった少女が父親を斧で殺すという殺人事件の影響でテレビ局によってはその週の放送は休止となり、
    翌週には放送再開したが、放送していた2局は13話で打ち切りになる事態になった。

  • 無理もないことではあるが、「神」である羽入の登場は真面目にオカルト抜きの現実的側面からの推理してきたファンの怒りと失望を買い、一部のファンは離れていった。
    とはいえキャラ自体はかわいくキャラ造詣もしっかりしており、シナリオを盛り上げてるのも事実なので一定の人気を得ている。







運命なんてね、アニヲタの項目より薄いって、教えてくれた人がいるから!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ひぐらしのなく頃に
  • 解答編
  • 竜騎士07
  • 真相
  • 黒幕
  • ネタバレ項目
  • 皆殺し
  • デッドエンド
  • 死亡フラグ
  • 題名がネタバレ
  • 皆殺し編
  • 祭り
  • 惨劇
  • 桃山ひなせ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年10月13日 01:19

*1 知恵や校長も生徒のように接してる事、昼食時にも居る事から転入してる可能性がある。