トワイライトシンドローム~探索編~

登録日:2010/09/27(月) 01:15:59
更新日:2024/04/08 Mon 06:39:11
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トワイライトシンドローム~探索編~

『TWILIGHT・SYNDROME 探索編』は、96年にヒューマンから発売されたPS用ソフト。
〝トワイライトシンドローム〟の名を冠する、最初のゲーム作品である。
ジャンルはホラーアドベンチャー。


概要

女子高生三人組のユカリ、チサト、ミカを操り、彼女達の通う雛城高校…そして、様々な街の噂を探索、その真相に挑むホラーゲーム。
グラフィックは当時としてもやや古臭い印象だが、リアルな挙動をするキャラクターは、実際にスタジオで撮影された役者の演技を元にアニメーションが作成されている。
他にも、当時のヒューマンの最新技術でアーケードゲームにも使用されていた3D音響を利用した凝った〝音〟の演出がされていたり、シナリオでもリアリティーを出す為にファミレスで女子高生に好き勝手に喋って貰ったのを録音して会話の参考にする等の拘りも。

また、時代の変革の中で薄れて行く過去の記憶…郷愁が呼び起こされる普遍的なテーマ性を持ったシナリオ群は評価が高い。


物語

雛城高校2年の長谷川ユカリは、ある日全く接点の無かった〝筈〟の後輩岸井ミカに学校や街にはびこる〝噂〟の探索に誘われた…。
ミカの事を鬱陶しがっていたユカリだが、結局は根負けし、親友にして〝霊界レーダー〟の異名を持つ逸島チサトを引き込み探索に出かける事になる…。
学校で、街で、子供達の間で無責任に語られるだけの存在だった筈の〝街の噂〟…。
探索を通じて、彼女達はその〝噂〟の影にある意外な真実に触れる事になるのだった。



登場人物


  • 長谷川ユカリ
4月15日生まれ、牡羊座。
雛城高校2年。本作の主人公で、黒髪ロング、長身のお姉様。
所謂、一般的な〝女子高生〟の集団、カテゴリーからは外れた孤高のキャラクターを形成しているクールな少女。
それ故にミカから憧れられる事になるが、…実はそのキャラクターは自ら〝演じている〟だけである。
密かに教育実習生の北村と交際しているが、教師(見習いだが)と生徒と云う立場に悩み煮え切らない態度をとる恋人と、両親の離婚問題に悩まされている事がミカの誘いに乗った要因でもある…。
しかし、彼女は〝噂〟の探索を通じて大きな転機を迎える事になる。
…シリーズ通じて無い乳。

  • 逸島チサト
6月24日生まれ、蟹座。
雛城高校2年。ユカリとは10年来の親友で、彼女の胸の内を理解している唯一の人間でもある。
古風な家柄に育ち(スカートの長さに顕れている)、同世代とは思えない程に広い度量と深い母性を感じさせる彼女は、ユカリのみならずミカにとっても大きな救いとなって行く…しかし、霊感が強過ぎるが故に余計な物(怪異の本質)を引き寄せる事も…。

  • 岸井ミカ
8月11日生まれ、獅子座。
雛城高校1年。物語の発端となるトラブルメーカー。
良い意味でも悪い意味でも目立つタイプの生徒であり、新入生ながら、既に膨大な数のコネクションを作り上げており、その話題の中心にはいつも彼女が居ると云う…。
ある日、職員室で見掛けたユカリの格好良さに惚れ、彼女と〝お近付き〟になる為に〝噂〟の探索を計画した。
軽い気持ちで始めた故に軽率な行動が目立つが、憧れの存在だったユカリ、そして最初はお邪魔虫としか見なしていなかったチサトとの三人だけの思い出を共有していく中で、彼女の中の〝何か〟は確実に変わって行くのだった。


エピソード


<はじまりの噂>

旧校舎の女子トイレに出現すると云うおかっぱの少女の霊の噂…所謂〝花子さん〟の〝噂〟の検証にミカはユカリ(チサト付き)を引っ張り出す事に成功した。
しかし〝噂〟で語られる方法では花子さんを呼び出せず、呆れたユカリはさっさと帰ろうとする。
…しかし、乗り気ではないと思われていたチサトが幼い頃の記憶を頼りに思い出した別の方法を提案…結局はその方法でもダメかと思われ、諦めて帰ろうとした三人に誰かが声をかけて来た…。
「お姉ちゃん、遊ぼ?」


<第一の噂>

  • 心霊写真量産公園
I公園でクラスメートのキミカが撮った写真には首の部分に奇妙な赤い線が走っていた…。
心霊写真と確信したミカはユカリに探索を持ち掛け、更にはチサトまで巻き込んだ三人はトリオを結成、公園の探索に向かうのだった。
奇妙な事はあったが、特に収穫の無かった〝筈〟だった初めての探索…しかし、ミカが公園で撮った写真を見てチサトは驚愕するのだった…。
先の写真に写っていた赤い線…その正体とは…。
そして、三人は再びI公園へと向かう…今度こそ真実に触れる為に。


<第二の噂>

  • 音楽室のM・F
女子生徒が音楽室で自殺した…彼女の名前は〝M・F〟…。その彼女の霊が出ると云う〝噂〟の検証をミカが持ち掛けて来た。…〝M・F〟は音楽教師・奥野と付き合っていたと云う噂があった…。
もし、その噂が本当なら〝M・F〟が死んだのは…。
恋人である教育実習生・北村との距離に悩んでいたユカリは自らの境遇を重ね、心を乱す…そして、やって来た探索の夜…ユカリの懸念は最悪の形で現実となるのだった。


<第三の噂>

  • 最終電車
その駅では、最終電車の行ってしまった後で何かが起こると云う…。
ミカの誘いに乗ったユカリ(勿論チサト付き)は心霊現象が多発すると云う、その〝駅〟へとやって来た。
駅員の目を盗み、中に入り込んだ三人…。
彼女達はそこで〝駅〟と云う旅立ちの場所に残されていた様々な〝想い〟に出会うのだった。


<第四の噂>

  • 雛城高校の七不思議
雛城高校にも存在するお定まりの七不思議…。
段数の変わる階段、地下室で聞こえる地獄の音、呪われた胸像、夜走る恐怖の…!
三人の前にかつて無い戦慄が襲いかかる!!!…
…※作中唯一のコメディ的なシナリオです。



<もうひとつの噂>

…岸井ミカが学校で最も似つかわしくないであろう場所…〝図書室〟
気紛れを起こして図書室へとやって来たミカと仲間達は図書室の机に奇妙な落書き…メッセージを見つけるのだった。
〝誰か友達になって下さい…S・H〟…と。
悪戯心を出したミカ達は、そのメッセージに返信してみる事にした…勿論、今時こんな事をするダサい奴をからかう為に…。
翌日、ミカ達が確かめるとそこには〝S・H〟からの返信が書き込まれていた…更に調子に乗るミカ達…。

…やがて、仲間達が飽きてしまっても、ミカはその奇妙な文通を止めれないでいた…。
一方、ミカが暫く姿を見せない事を心配したユカリとチサトが調査に乗り出した頃…ミカは〝S・H〟に誘われ裏山へと向かう…そして、机上のメッセージを見てミカを追う二人が見た物は…。



余談

  • 完結編として『究明編』がある。
    当初、探索編のみで完結しない事は予告されておらず、購入したユーザーを驚かせる事になったと云う。

  • 井上喜久子さんがパーソナリティを勤めるタイアップラジオが放送されていたとの事で、ドラマCDも存在する。

  • 主人公三人のキャラクターは担当者がファミレスに実際に女子高生三人を呼び寄せ、その自然な様子を捉える事で掴んだとか…。

  • 本作のディレクターは賛否両論が極端に別れる〝ゲーム作家〟須田剛一が勤めているが、須田作品としては珍しく〝マトモ〟と言われることも。
    理由としては、本作が元々は別のディレクターの企画だったものを須田が引き継ぐ形となった企画だったため……と思われる。
    しかし、その前任者が本作のヒットの後に、投げ出したにも関わらず自分の手柄の様に吹聴していたことが須田に最悪とも言われた続編(みたいな位置付けの)『ムーンライトシンドローム』を制作させたとの噂も。





〝センパ~イ!
追記、修正お願いしませんかあ?〟



※続きは究明編の項目にて。

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最終更新:2024年04月08日 06:39