グリーンツー/高杉真吾

登録日:2010/08/25 Web 00:28:30
更新日:2024/04/20 Sat 22:59:04
所要時間:約 14 分で読べるど


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(凸) これでもサブリーダー その小判、全部こっちに寄越しな! やべどぉ~ エゲ声 オンドゥル語 オンドゥル語の先駆け グディーンヅゥ! グリーン グリーンツー スーパー戦隊シリーズ スーパー戦隊ネタキャラリンク タカスギちゃん ヅゥー ネタキャラ ネタキャラになってしまった男 ヘタレ 主人公より先に立った項目 俺は一体どうすればいいんだ…!? 君の超電子頭脳は狂ってしまったのか!? 太田直人 太田貴彦 愛すべきバカ 戦隊シリーズ最強バカ候補 戦隊個別 棒読み 歴代グリーン 濁音 無駄に洗練された無駄のない無駄な動き 角刈り 超電子バイオマン 釼持誠 高杉真吾 ボドボド



「グディーン、ヅゥ!」


高杉真吾とは、『超電子バイオマン』に登場する、バイオマンのサブリーダー(元々は初代イエローフォー/小泉ミカがサブリーダーだったが、彼女が戦死したためサブリーダーに繰り上げ昇格)であり、影の主役。
グディーンヅゥことグリーンツーに変身する。
角刈りに丸顔というちょっと野暮ったい風貌と声が特徴的。


演:太田直人(太田貴彦)
スーツアクター:釼持誠

ちなみに『バイオマン』はレッドと先述のイエロー以外のメンバーは新人俳優ばかりで構成されており、このグリーンを演じた太田氏も前職はカースタント等を受け持つプロレーサーであった。
そのせいか、氏が演じる高杉もレーサーという設定である。
他の俳優がオーディションで選ばれたのに対し、彼だけプロデューサーが直々に連れてきたらしい。

この高杉真吾という男、ナレーションでも「おっちょこちょいで気の良い若者」と明言される3枚目のコメディーリリーフ的なポジション……なのだが、
  • 仲間内でのナメられ具合
  • 時々露見するメンタルの弱さ
  • メイン回の度にノルマのように発生するそこそこ致命的なやらかし(責任はちゃんと自分で取るが)
  • 何故か頻繁に1人だけ酷い目に遭う不幸体質
  • 後のオンドゥル語にも通じると言われる、当時新人俳優だった太田氏の演技力と独特すぎるガラガラ声(通称「エゲ声」)
等々の要因が組み合わさり、それらの絶妙な化学反応によってもはやそんなレベルじゃない強烈なネタキャラと化している*1

そのネタっぷりは第1話の時点から発揮されており、ギアの襲撃時に発した次のセリフ(これが初登場第一声)が特に有名。

「やべどぉ~!高いんだどごの車ぁ~!!」
(訳:やめろ!高いんだぞこの車!)

このシーンは相当なツッコミどころに溢れており、

▼そもそも、無差別攻撃を仕掛けてきた爆撃機に向かって言うようなセリフじゃない

▼彼の乗っている車は割と普通の大衆車であり、特別高そうに見えない

▼しかも、そんな車でありながら何故かF1レーサーのような格好をして乗っている

よく見るとシートベルトを付けていない*2

結局、ギアの爆撃機から更なる追撃を喰らった彼は、車を止め、ドアを開けたうえで「わーーー」という妙に平板な悲鳴を上げながら地面を転がり落ち、怒りのあまり「ごのやどぉー」(訳:この野郎!)と空を仰ぐも、直後に何の前触れも無く現れたバイオロボにいきなりつまみ上げられて連行されてしまった。

以下、彼が残した伝説の数々(及びその裏側)。


▼第2話だと、何故か数えるほどしかセリフを喋っていない*3

▼第2話で描かれたご先祖様の姿が洞穴で原始人みたいな生活をしていたらしい猟師*4。ちなみに他の面々は侍(郷)、農民(南原)、忍者(ミカ)、公家の娘(ひかる)。


▼大怪我をしたときの治療法として、ヘンな草の汁を飲まされる*5


▼そのためか、メンバーの中では妹分的なポジションであるはずのジュンも、彼に対してだけはヤケに強気




▼とある回の次回予告で、ナレーターの開幕第一声が「少女は予言した。高杉さんは死ぬ



▼花を愛する少年に迷惑を掛けてしまったことから、そのお詫びに自分も花を育てるお手伝いをしようとしただけなのに、仲間達からは「熱があるのか? 大丈夫か?」「いいところあるじゃないかアイツ」「雨が降らなきゃいいけどね」「雨? 雪が降るわよ」と散々な言われよう


▼その次の回の冒頭にて、またしても新必殺技のための強化実験中に爆発事故が発生して巻き込まれ、仲間たちからガチで心配される*6

(show=▼高校時代は野球部だったが練習の厳しさに耐えられず、仲間の制止も振り切り、ゴネにゴネまくって辞めた過去がある(レーサーになる方が大変そうなものだが……){先述の「無意識に体を庇ってしまう」という心因性の弱点を自覚した彼は、無理を承知で古巣に頭を下げ、当時やり遂げられなかった“千本ノック”のやり直しを懇願。当時の彼を知る野球部の監督は最初は激怒していたが、彼の協力により見事トラウマを乗り越える。}


▼屋外(森の中)でトレーニング中だった皆のために、桂木ひかると協力して飯盒でご飯を炊いていたが、青竹が焚火に向いていないということを知らず適当に火にくべたため、盛大に破裂させて全員分の昼食をパーにしてしまう*7

▼メッツラーに対してハイキックで攻撃しようとしたら盛大に空振りし、それを逆手に取られて膝の辺りをレイピアで刺されるという地味に生々しい反撃を喰らう



▼回が進んでいくごとに、何故かスーツがだんだん劣化して色褪せていき、高速戦隊ターボレンジャー第1話の頃になってくるとオリーブグリーンと言ってもいい色合いと化している
(これはブルースリーも同様で、『ターボレンジャー』の頃にはほとんど紫色に近いレベルまで退色していた。*8)

▼それどころか、最終回を間近に控えた戦闘員との大立ち回りにおいて、何故か彼ひとりだけ背中がメッチャ泥まみれになっている*9


▼他のメンバーは季節を通して一定の髪型をキープしているのに対し、何故か彼だけは髪型が安定しない


等々、平成ライダーシリーズにおけるネタキャラ達にも引けを取らない様々な伝説を残した。






バエオ゛マー!」「グディーンヅゥー!


グリーンツー
高杉が変身するバイオマン2号。レーサーの本職から機械に明るいという特性を生かし、チーム内ではメカニックや工作を担当。
バイオターボやバイオジェット2号のメインパイロットも務めている。
戦士としてはバイオマン随一のパワーファイターだが、特化型のブルースリーにこそ及ばないもののスピード面にも割と長けている。加えてジャンプ力が他の面々より高め。
ダンスめいたトリッキーな動きで敵を翻弄し、隙を見せれば自慢のパワーを活かして一気に捩じ伏せてしまうというなかなかテクニカルな立ち回りが持ち味。
メカクローンの顔面を文字通りワンパンで粉砕するレッドワンの方がパワー型として印象が強いと言われてしまうこともあるが、まああちらは打撃や剣技がメインの華のある戦闘スタイルなのでしょうがない。
遠距離攻撃や広範囲攻撃の手段も持ち合わせているので対応できる状況は割と広く、固有能力である超電子スコープの索敵・偵察能力も優秀。
メンタルの弱さやちょくちょく発生する強烈なやらかし、声などの印象が先行しがちだがヒーローとしての実力が劣っているわけではなく、むしろ結構万能な戦力としてちゃんと戦いに貢献しているのだ。
……本編初使用の固有技がよりによって単なる垂直大ジャンプだったり、なんか変なところもなくもないのだが。


【主な技】
超電子スコープ(チョウデンシヅゴォー!)

グリーンツーの超電子頭脳に備わった特殊能力。視覚を強化し、はるか遠くを見通したり壁を透視したり見えないものを見破ったりできる。
囚われた人々や隠されたものを見つけ出したり、人間に化けたメカクローンを看破したりと結構使いどころが多く、戦闘でも空を飛ぶメッサージュウや姿を消すメッツラー、水中に身を隠すアクアイガーなどタチの悪いジューノイドの能力に対応できる便利な技。
ブルーの超電子イヤーと協力すれば見破れない罠はほとんど存在しない。この技があるだけでもネタキャラの面目躍如といったところである。


グリーンブーメラン(グディーンブーベダン!)

バイオ粒子で生成した緑色のブーメランを投げつける遠距離攻撃。大抵の敵を問答無用で捕捉できる超電子スコープとは相性抜群。
チョウデンシヅゴォー→ブーベダンの流れはジューノイド戦での必勝パターンと言ってもいい。


ハリケーンソード(ハディゲーンゾォー!)

バイオソードから強風を巻き起こしてメカクローンを一掃する。
せっかくの固有剣技ではあるが、使用頻度はやや少なめ。


グリーンツー・ブレイクアクション(グディーンヅゥー!ブデイグアグジョォー!)

特に使用頻度の高い、彼の代名詞ともいえる技。ブレイクダンスの動きを体術に応用し、敵を翻弄する。
おもに、体を屈めてその場で回転し、足払いによって周りにいる戦闘員を蹴散らすような使い方をすることが多い。「決¨ま¨った¨ぜ¨!」


グリーンツー・スーパージャンプ(スゥ''-バージャンッ!)

上述した通り初陣で披露したただの大ジャンプ。本当にただめちゃくちゃ高く跳ぶだけの技。
他の面々が敵の顔面を粉砕するパンチやら残像付きの高速移動やらを披露している中1人だけコレな上、
後ろでピーボが「やったぞ〜!!」とやたらハイテンションではしゃいでいるので変に印象的。身長の5〜6倍くらい跳んでいるので確かに凄いんだけども。
ポーズを決めたままスイーッと垂直に上昇・下降するのでちょっと空中浮遊っぽくもある。
絵面はシュールだが役に立たない技というわけではなく、主に多数のメカクローンに囲まれた際に同士討ちを誘う目的で使う。


ブーメランキック(ブーベダンギッ!)

宙返りジャンプで敵の頭上を飛び越し、敵の後ろに回り込みつつ振り向きざま相手に強烈な回し蹴りを喰らわせるという無駄にテクニカルな技。



これまで『バイオマン』のビデオは劇場版以外に販売・レンタルされたことが無かったため、リアルタイム視聴者以外からの知名度は低く、知る人ぞ知る存在であったが、
近年になってTV版のDVDがリリースされたことにより某巨大掲示板などで再注目され、ネタキャラとしての評価が高まっている。

レンタルDVDも置いてあるとこには置いてあるし、動画サブスクサービスでの配信もあるので、金銭的に余裕が無いという人も彼の活躍を一度くらいは観てみると良いだろう。



なお、彼の名誉のために補足すると、メンタルの弱さやそそっかしくドジが多いという点は決して否定できないものの、高杉は決して単なるヘタレの役立たずではなく臆せず悪に立ち向かう勇気や人々の身を案じられる優しさといったヒーローとしての資質をきっちりと備えた「やる時はやる」人物である。
特にその無邪気で明るく気さくな性格から子供達と心を通わせる場面が多く、上記のようなやらかし・伝説の数々も多くは彼らに寄り添おうとする気持ちが裏目に出てしまったもので、逆にそういった純粋な優しさが仲間や子供達の窮地を救う鍵となることももちろんある。
またやらかしの数々も基本的に自分が体を張ってなんとかしており、その過程でギアの作戦に気付き打破のきっかけを作るなど単に足を引っ張るだけの結果にはなっていなかったりもする。
仲間からも本気で軽んじられているわけではなく、どちらかといえば弄られキャラ的な愛され方をしているだけであり、根っこのところではちゃんと信頼されている。
また、演技力や滑舌は回が進むにつれてちゃんと上達しており、1クール目を過ぎる頃には殆ど問題ないレベルにまで急成長していった。

特に劇場版では至って真っ当に活躍しており、冒頭の皆でバーベキューを楽しんでいる場面で一番楽しみにしているメニューが焼きおにぎりだったりとヘンな場面も無いわけではないが、特にサブリーダーらしいことを殆ど何もやっていなかったTV版に対し、
「新帝国ギアに捕まっていたところを逃げ出してきたばかりのゲストキャラの少年が、同行していた友達のところに行きたいと言い出し、それを郷が快諾したため、『そんな危険なことをさせて大丈夫なのか』とサシで話し合って異を唱える*10
「普段であれば苦戦は必至のメッツラーを、超電子スコープ→グリーンブーメランのコンボで華麗に撃破する
など見事なファインプレーを魅せている。

……が、決めゼリフの「グディーンヅゥ!」だけは最後まで直らなかった。


なお、演者は9年後の某特捜ロボで刑事の役をすることになる。その前年にもエリートコースから転落し犯罪に手を染める刑事を演じていた。

その後、90年代半ばに芸能界を引退した太田氏は、バイオマンメンバー(ワケありの初代イエローを除いて)一番長い間消息不明となっていたが、2012年になって無事発見(?)された。
今は謎の青年実業家となっているらしい。どういう事なの…。

共演した南原役の大須賀氏によると、実業家をやっていることもあってか今の太田氏は大変ネットに詳しく(おそらく元バイオマンのメンバー5人の中でも一番)、グディーンヅゥーのネタに関しても把握しており、「なんか俺、バカにされてばかりいるような気がするな」とちょっと不満げであったらしい。
ヅゥーネタも節度を守って正しく使いましょう。

が、ピンクファイブ/ひかる役の牧野美千子氏が語ったところによれば、ある日自分の息子に『バイオマン』のDVDを観せてみたところ、何故かツボにハマってしまったらしく、ちょくちょくグリーンのモノマネをするようになったんだとか……。
あんだお前わー!やべどぉーッ!








やべどぉ~!高いんだどごの項目ぅ~!!

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最終更新:2024年04月20日 22:59

*1 南原竜太役の大須賀昭人氏曰く「脚本家の先生も、何を考えて彼をこんなトラブルメーカーにしちゃったんでしょうねぇ」「美味しすぎるじゃないですか」とのこと。

*2 ちなみに本作の放送当時は自動車のシートベルト着用はまだ法律で義務化されていなかった。

*3 戦闘中の「とぉっ!」みたいなちょっとした掛け声も含めて。

*4 初期設定の段階では「バイオ粒子を浴びた金太郎」になる予定だったとのこと。パワーファイターなのはその名残でもある様子。

*5 ひかるが見つけてきた即効性の薬草。

*6 もっとも、実験結果自体は成功であったため、彼はボロボロになりながらも満足げであった。

*7 本人曰く、その音にビックリして飯盒をひっくり返した張本人はひかるであるそうだが。

*8 これについて南原役の大須賀氏は「緑・青と、いわゆる“寒色”のスーツだけが色落ちして他が無事だったことから、使われていた染料の性質に何かしらの違いがあったのではないか?」と推察している。

*9 一応、戦っている場所を考えると、背中が泥まみれになること自体は不自然ではない。

*10 実はこれはギアの罠で、郷はそれを見破っていたため敢えてそのような判断に出ていた。