有栖川桜

登録日:2011/10/25 Tue 10:05:50
更新日:2024/02/06 Tue 21:06:05
所要時間:約 9 分で読めます




有栖川桜は、コロコロコミックで1992年から1994年にかけて連載されていた漫画、バーコードファイターのヒロイン。

黒髪ロングの前髪ぱっつんな美少女。
とてもかわいい。


追記・修正お願いします。



















-わいがす、好きな…好きな桜ちゃんは……-




-男なんや!!!-



-わい、男の桜ちゃんが好きなんや!-



さて、問題はバーコードファイターの11話にて起こった。
その回はいわゆる温泉サービス回であり、コロコロコミックの愛読者である当時の小学生達も股間をもやもやさせながら読んでいた。

そして、彼女の入浴シーンにて衝撃が走った。

なんと

そこには


桜ちゃんに向け「おまえ、お…、男だったのかぁぁ!!」と驚く、清白彩の姿が




今なら恐らく

「上連雀先生GJ!」
「なにやってんすか上連雀先生wwwww」

で済むと思うが、当時中性的な美少年ではなく、心は完璧に女性であり、身体も性器を除けばほぼ女性として描かれているキャラクターは、
一般漫画はおろか、成人向けコミックでも殆ど例はなく(ふたなりはあったが)、明確に男の娘として描かれているキャラクターは恐らくメジャー誌では彼女が一番古いと思われる。

しかし、いくらなんでもコロコロコミックではやりすぎた。この話に衝撃を受けて学校を休んだ小学生もいたとかいないとか。


そんなわけかそれともバーコードバトラーブームが終わったからか連載は二年あまりで終了するのだが、
最終章として描かれたラスト3話、「桜を救え!」編*1でもっととんでもない方向に話は転がることになる。

「桜を救え!」編では、バイオバーコード*2が仕込まれていたゲームに取り込まれて囚われの姫となってしまった桜を主人公達が助けに行くというストーリーなのだが、
話が進む毎に、桜の衣装は児童誌とは思えない程過激になり*3、桜自身も「お姫様」として偽りの世界に閉じ込められてしまう。

元々桜に惚れていた主人公のライバルである阿鳥改が桜の所まで辿り着くも、女性となった桜(スタイル抜群、ほぼ裸)を見て、彼もゲームに取り込まれかけてしまう。

しかし、正気を取り戻した改から衝撃的な発言が、



「わい、男の桜ちゃんが好きなんや!」


「そりゃ桜ちゃんの人間的な魅力がわからんアホタレはいっぱいおるかもしれん!」


「でも、そんな連中のために自分の人生をダメにするなんて……、悲しいやないか!」


やだ…かっこいい…。

そして改はバーチャルの女の子の桜を捨てて、現実の男の娘の桜を選び現実へ戻ってくるいろいろ間違ってる気もするが気にするな。


連載当時は「桜を救え!」編があまりに衝撃的すぎたために打ち切りになったと噂されていたが、復刻版のあとがきによると実際は人気の低下によるものであり、
残り3話では広げた風呂敷をたためないため、桜(と改)の心の決着をつけることにしたという。
無茶苦茶できたのは、ポケモンブーム前でコロコロの売上が低迷していた時期だったからとのこと。*4

また、当初の予定では1話のオチとしてネタバラシを行うはずがボツになり、それならばと2話のオチに使おうとするもこれまたボツになってしまったため*5、11話まで延びてしまったらしい。
男の娘であることは、連載前から確定済みだったのである!
…パねえ。

初期案では「香苗(かなえ)」という名前であった。これは、中国の土器である「鼎(かなえ)」*6に由来するものである。


バーコードファイターという作品、有栖川桜というキャラクターは、いろいろな意味で当時の小学生に衝撃を与えており、現在の男の娘ブームの担い手は、
本作や彼女彼をきっかけに目覚めた人が多いのではないだろうか。



■関連人物


  • 虎堂烈(こどう れつ)
作品の主人公。桜の幼なじみ
桜の性別については小さいころから知っており、そのことでいじめられていた桜をかばっていたため、桜からベタ惚れされている。
桜のことは恋愛対象とは思っておらず、その好意にも気づいていないが、親友として大事にしており、桜を「オカマ」呼ばわりして侮辱する者には制裁を行う。
バーチャルの桜が年齢不相応のナイスバディだったのは、烈が「巨乳のお姉さん」好きであるため、胸がある女の子なら恋愛対象として見てくれるのではないかという
けなげな思いを反映していたからである。

  • 阿鳥改(あとり かい)
烈のライバル。大阪出身。
桜に一目惚れするも男だと知ってショックを受け、口汚く「オカマ」と罵るが、烈との戦いを経て桜に謝罪する。
快く許されたことで桜の内面に好意をもち、桜に対する好意と桜が男である事実の間で葛藤し続けていたが、先述のように桜が男であることを承知した上で告白し、桜を救い出した。


  • スティーブ・セコイア
烈を「おやびん」と慕うアメリカ人。
桜が男であることに一番衝撃を受け、1話丸々放心していた。
女のように見えて男である桜と、それでも好意を寄せ続けている改に対しひどく驚いている。


  • 清白彩(すずしろ あや)
ボーイッシュで性格も男勝りな少女。
桜を温泉に誘って脱がせたためにモロに見てしまい、男であることに烈以外で最初に気付いてしまうが、すぐに受け入れる大きな度量の持ち主。


  • 掛須巧(かけす たくみ)
烈の初期のライバル。最終的にはやられ役のギャグ要因。
桜が男であることを知らずに好意を寄せており、最後まで桜の真の性別を知ることはなかった。
そのため、「桜を救え!」編で改と初めて会った時に躊躇なく桜への愛を宣言し、葛藤していた改に衝撃を与えた。
後年の番外編にて登場した中学2年の時点でも知らないらしく、桜と会った際に赤面している。


  • 御沙吾真(みさご しん)
烈の初期~中期のライバル。
桜を賭けて烈と勝負を行い追い詰めるが、桜の操るキャラと合体した烈に惜敗する。このとき、桜は賭けの対象になったことに目を輝かせて喜んでいた。
全国大会で再会した際に後述の「じつはあたし男だったの」攻撃を見て桜の性別を知り、後悔するハメになる。
無愛想な性格で女性に興味がないと言うが、桜を手に入れてどうしたかったのかは不明。


■所有機体

ここでは、桜がバーコードファイターで使用した機体を記す。

  • さくらちゃん
桜自身をデフォルメしてSD化したような姿で、武器はピコピコハンマー。
機体を所持していなかった烈が桜に借りて最初に乗った機体だが、掛須に瞬殺される。

  • アンディーン / ラ・シルフィード / シルフィード・セラフ
桜そっくりの顔を持つ美少女型で、アンディーンとシルフィードは同じ機体をベースにしており、アンディーンは水中仕様(人魚型)で、シルフィードは陸戦仕様。
持ち主と同様に実は男で、ダメージを受けて衣装(装甲)を剥がされた際、男性の象徴を見せつけて敵へ大打撃を与える「じつはあたし男だったの」攻撃が必殺技。



■その後の桜

ここでは、本編以外での桜の活躍(?)を記す。18禁作品も含め、すべて原作者による作品である。



◇こんなにカラくてインカ帝国 VOL.4
同人作品。小野敏洋名義。
桜の母が未婚のシングルマザーであるなど、本編では未発表の裏設定が紹介されている。


◇バーコードファイター(コロコロアニキ読み切り)
商業作品。小野敏洋名義。
コロコロアニキに掲載された正統続編。
本編最終回から3年後の世界で、さらに進化したバーコードシミュレーターでの交流が描かれている。
烈が初めてバーコードファイターをした記念日を覚えていなかったために不機嫌になった桜だったが、烈が先述の「さくらちゃん」のカードを大切に持っていたことに感動し、
彼への想いをさらに強めるのだった。
上記の18禁作品とは異なり、いずれ烈と桜が結ばれる世界が描かれており、烈と桜がカップルにならなかったことを残念に思ったかつての読者に向けたアンサーとされている。
また、こちらの世界ではバイオバーコードによる脅威は烈たちの活躍によって無害化され、安全に遊びとして使われている。*10



追記・修正は男の娘に偏見を持たない人にお願いします。

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最終更新:2024年02月06日 21:06

*1 本編との関わりはほとんどなく、番外編としても差し支えない。

*2 古代バーコード文明が生み出したとされる、普通のバーコードよりもはるかに高密度の情報量を持つバーコード。作品後半ではバイオバーコードをめぐる争いが話の中心となっている。

*3 胸を強調したレザーコルセット→ハイレグレザーボンデージ→尻が丸空きのタイトスカート→ベルトTバックで大股びらき、とどんどん過激になっていく。しかもすべてに首輪と鎖付き。

*4 『バーコードファイター』の連載期間はライバル誌であるコミックボンボンに唯一売上で負けていた期間と綺麗に重なっている。

*5 自分から男であることを告白する、平気で男湯に入ってくるなど、連載時とは設定が異なる。

*6 肉や魚、穀物を煮炊きする「オカマ」。ついでに言うと鼎は「3本脚」のデザインが普通であり、「下に(股間を含めて)3つついている」という意味での暗喩だと思われる。

*7 再版では上連雀三平名義。

*8 本編の連載中に発表されている。

*9 本編最終回が#30である。

*10 18禁作品の世界では、バイオバーコードをめぐる世界大戦が起こり、それによって生じた生態系汚染が全世界に広まり、作者の作品に頻出するふたなりなどが生まれたとされている。