仮面ライダーSD 疾風伝説

登録日:2011/11/13 Sun 17:17:46
更新日:2024/01/08 Mon 11:13:50
所要時間:約 7 分で読めます




仮面ライダーSD 疾風伝説』とは、かとうひろしによる仮面ライダーのアクション漫画。「月刊コロコロコミック」に連載された。

仮面ライダーでSDと聞くと、小野寺RXとかムーンなアイツ等が出て来るギャグ作品が思い浮かぶが……本作はギャグなんてない。
なんせ作者が知る人ぞ知る『サイファー』の作者だから、そのシリアスさは推して知るべし。
ぶっちゃけると、ライダーに戦死者出ます。そのぐらいハードな作風だったりする。
人によっては、お気にのライダーが死ぬシーンでトラウマになるやも。
ただ漫画ならではのアクション、バトルも多く描かれているので、非常に読み応えがあるので、機会があれば是非手に取って欲しい。

単行本は連載当時、小学館のてんとう虫コミックスから全3巻でリリースされた。
後に時を経た2004年、コミックボンボンで連載されていた同じくSDライダー系統の作品『マイティライダーズ』共々、
新規描き下ろしも加えた復刻版が朝日ソノラマより全2巻で刊行されている。
復刻版の帯にはそれぞれ宮内洋氏、半田健人氏がコメントを寄せている。


【登場人物】

◆伝説の戦士と選ばれし10人の戦士

仮面ライダー1号と仮面ライダーV3を筆頭とする後継の風の戦士達。
風のオーラで互いの存在を感知できる。

本作の主人公
原典のクールでニヒルな面はなく、やんちゃな熱血漢、と王道の少年漫画の主人公の性格となっている。
伝説の1号の後継者にして他の9人のリーダー格。
卓越した格闘以外に風を自在に操る能力を持っている。
向こう見ずで頭に血が上りやすいが、困っている人は見捨てられない性分で、自然と仲間達の中心となっていった。

〇疾風弾
V3がよく使う風の弾丸を放つ技で本作における決め技。
サイズのワリに駆逐艦のビームを押し返し、艦を撃墜する程の破壊力を誇る。

〇疾風真空斬
円形の風のカッターを放つ技。
所謂、気円斬。

〇疾風烈流弾
疾風弾の変形技。
疾風弾を軌道の途中で無数の弾丸に分裂させ、流星の如く虚を突いた敵に降り注ぐ技。
命中精度と威力は疾風弾に劣るが、技の特性上、回避は困難である。

〇V3疾風キック
「命ある限り、俺は負けねぇ!」

加筆修正版でのシャドームーン戦で見せた最強の技。
右足に風を集めてライダーキックを放つ大技で、シャドームーンをも一撃で戦闘不能に追い込んだ。
V3火柱キックに酷似しているが、モチーフにしたかは不明。

V3の親友。
原典同様、右腕のアタッチメントを換装し、戦う。
特筆する戦闘力はないが、頭脳明晰で、様々なメカを作り上げたり、常に戦況を把握し、的確な判断で仲間達をサポートする。
ジャーク四人衆との戦いではマリバロンと戦ったアマゾンと同時にボスガンに勝利を収めている。

てつを。
最年少の戦士だが、素質は計り知れない。
シャドームーンと因縁出来そうだったが、別にそんな事はなかった。
V3らと行動を共にし、数々の強敵を倒した。
原典と同じくフォームチェンジ能力を持つが、ロボにしか変身していない。
バイオは予定はあったらしいが、断念した様子。まぁ出し所に困るし。
終盤ではグランショッカーに洗脳された子供に弟の面影を見て、助けようとするも逆に武器で刺されて致命傷を負ってしまい
最期の力で子供だけは逃がすも自身は時限爆弾の爆発に巻き込まれて命を落とした
ふしぎなことなんておきやしなかった。
当時はRX人気の絶頂期であり、ゲーム『コンパチヒーローシリーズ』やボンボン版『マイティライダーズ』でも主人公を務めていただけに、彼の死は当時のちびっこ達に深い衝撃とトラウマを与えた。
「いま、兄ちゃんもそこに行くよ……」 

野性児ライダー。
喋り方は原典通り。
素早い身のこなしから繰り出される格闘は強力。
超越した感覚で敵の弱点をも見抜く。

1号の影武者のパワーファイター。
手足のでヴァレヴァレだろ、とか言ってあげないでね。

マーシャルライド(バイク使った格闘競技)の達人。
その一件でV3やライダーマンとはライバル。
RXの事件絡みでV3らに同行し、そのまま仲間になった。
電撃を身に纏った攻防一体の格闘で戦う。
ラスト、基地から脱出するV3達の為に単身戦闘員の軍勢に立ち向かう。
が、ボウガンでメッタ刺しにされて死亡。
V3「マーシャルライドの決着はどうするんだ!?」
ストロンガー「あばよ、V3……」

町を守護する戦士。
常に冷静で滅多に感情を乱さないが、周囲の仲間を守る為なら自己犠牲も厭わない本作随一の漢。
ライドルスティックによる棒術で戦う。
後述のスーパー1とは幼馴染。
ラスト、戦闘員のマシンガンの一斉射撃を受け、死亡。
彼の最期は涙無しでは見られない。
「少し……眠るよ」

飛行能力を持つライダー。
町の保安官だが、住民がグランショッカーの人質となっているので、仕方なく彼らの言いなりになっている。
立場上、ZXとは不倶戴天の宿敵同士だったが、後に和解。
なんだかんだでいいコンビとなる。

盗賊団ZX党の頭領。
グランショッカーが支配下においた町に輸送する物資を強奪していた。
その関係上、スカイライダーとは宿敵同士だったが和解。
戦闘では体に仕込まれた十字手裏剣や煙幕等の特殊武器や、忍者のような技を扱うトリッキーな戦法を得意としている。
幼少期、トーベー老人に育てられ、風の戦士の伝説を聞いていた。
「言っとくがな……」「てめえを助けたわけじゃねえぞ、スカイライダー」「ちょっと手がそれちまってな!!」

グランショッカー幹部ジェネラルシャドゥの右腕。
ある意味、後半の主人公ポジの人。
卓越した拳法の使い手で、更に電撃や剛力を発揮する等様々な攻撃を可能とするファイブハンドをも使いこなす。
RXをあと一歩まで追い詰め、Xライダーとも互角に渡り合った。
Xライダーは兄的存在の幼馴染。
幼少期に両親が野盗に殺され、その後ジェネラルシャドゥに拾われた過去を持つ。
実際には両親を殺害した張本人こそシャドゥ。
グランショッカーの基地で真実を知り怒りが爆発。
殴り飛ばした後、レイピアを彼の胸に突き刺し倒す。
途中、Xライダーとの辛い別れがあったものの風の戦士としての役目を果たした。
「Xの兄ちゃん……」

伝説の戦士にして、V3らに能力を与えたライダー。
ショッカーとの最終戦争、通称BIGWARにて怒濤の活躍を見せる。
勝利した後、ショッカーの復活を危惧し、自身の力を10に分け、幼少期のV3らに受け継がせ、自身は長い眠りについた。
本編では一時期シャドームーンに拉致されてしまい、クリスタルに封印されてしまう。
ついに集結した10人の風の戦士のOシグナルからの光によって復活。
10人と共にグランショッカーを壊滅に追い込む。
最後はグランショッカーの首領を道連れに姿を消した……。

〇疾風弾(?)
地獄大使戦で使用し、一撃で仕留めた。
V3の大元だけあって彼と同じく風を使った技を使いこなす。
V3のが掌からに対し、1号は拳から打ち出す。

〇オーラ
首領戦で使用。
自身を眩い光に包み、飛翔し、相手に突貫する。
設定からしてスカイライダーの力の元なのかもしれない。

  • トーベイ
かつて1号と共に戦っていた老人。記憶喪失になっていたが、戦いの中で記憶を取り戻し風の戦士たちをサポートする立場に。
最終決戦では1号を復活させる手段を風の戦士達に教えるが、その後シャドームーンと相対、戦いの末に落命する。
モデルは言わずもがな、おやっさんこと「立花藤兵衛」。

  • その他
風の戦士以外にも、ライダーマンに似ていたり触角のないライダー顔をしていたり様々なレジスタンス隊員がいる。
またZX党員は全員が黒い簡単なZXといった顔つきをしている。


グランショッカー

BIGWARでの敗北から復活したショッカーが世界中の悪人らを招き、強大化した組織。
ショッカー~クライシス帝国までの戦闘員や幹部、怪人が所属する。
V3らが行動する前に台頭し、世界をほぼ手中に収めた。
戦闘員、怪人だけでなく戦艦等の装備も充実しており、ライダー側に戦死者を出したあたり、後の大いなる大組織やスーパー(笑)なんとかとは桁違いの組織力を誇る。

  • 魔神大首領
グランショッカー大首領。
見上げる程の巨体を誇り、常に巨大な玉座に座っている。
頭部にはBIGWARでのショッカーの生き残りである死神博士が搭乗。つまり彼がグランショッカー大首領である。
最終決戦で遂に立ち、巨体からの強烈な拳と蹴りでV3らを圧倒するも、1号の決死の突撃によって破壊、内部の死神博士も死亡したと思われる。

V3の宿敵。
グランショッカーに属する謎の剣士。
サンシャインムーンでも、半分こ怪人にフルボッコされた人でもない。
原典に近い性格の持ち主だが、世紀王等の地位にはこだわっておらず、強者との戦いを渇望している。
一方で足手纏いの仲間や目の前に立ちはだかる者をためらいもなく殺す等、原典以上のヒールぶりを見せた。
シャドーセイバーによる剣術を得意とし、普段は1刀だが、本気時は2刀を用いる。

「複数のライダーを相手取って、本気を出さずに圧倒」「戦艦すら叩き落とすV3の疾風弾を片方のシャドーセイバーで容易く弾く」等、
他のグランショッカー幹部を上回る強さを誇る。
作中、苦戦描写は皆無で、その強さと精神はライダー、怪人問わず一線を画する存在。

最終決戦後の足取りは後年の加筆の影響により、媒体によって異なっている。
雑誌掲載版並びにてんとう虫コミックス収録版では最終決戦後、V3との再戦を予告し立ち去る。
朝日ソノラマの復刻版ではグランショッカー壊滅後にV3らの目の前に姿を現し、読者からしたら10年越しの決着が描かれた。
V3の両腕に深手を負わせ、徹底的に痛め付けるも、ネオハリケーンとの連携によって繰り出されたV3疾風キックによって倒される。
潔く負けを認め、V3にトドメを刺すよう告げるが、殺しても仲間は帰ってこない、と拒絶された。

  • ジャーク将軍
シャドームーンをして「強敵」と言わしめる。
ジャーク四人衆(テレビの四大隊長)とジャーク怪人軍団(怪魔戦士の他ゴルゴム怪人の姿も見られる)を率いる。
原典の杖からの光線が必殺の戦力ということになっているが、V3達にさしたる効果はなかった。
リボルケインを掴み取るが、V3達の底力の前に撤収する。

    • ボスガン
四人衆の一角。短剣の腕に優れ、ライダーマンと戦う。

    • マリバロン
妖術使いの四人衆の一員。アマゾンを翻弄したが、敗れる。

    • ゲドリアン
V3と戦った四人衆の一人。相手を繭に閉じ込め、毒液で止めを刺す。

    • ガテゾーン
四人衆の一員で銃使い。RXの相手をした。

ショッカーの骨戦闘員がベース。
毎度お馴染みの戦闘員…だが、今作ではその圧倒的数の暴力でライダーを苦しめ、結果的に3人ものライダーを殺害。
仮面ライダーシリーズどころか、全メディア史上最強の戦闘員である。




この世に荒らしという悪がはびこる時


アニヲタという風が邪悪を薙払うだろう


人はそれを追記・修正伝説と呼ぶ。

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