祭礼の蛇

登録日:2011/09/11(日) 19:05:53
更新日:2023/11/12 Sun 16:59:50
所要時間:約 10 分で読めます




お前は望んだ――『この戦いを、いつか』と

ただ実現を待ち願ったのではなく、自らそこへ向かうと望んだ――それはお前だからこそなのだ


『祭礼の蛇』とは『灼眼のシャナ』に登場するキャラクター。ちなみに本来は“ ”で括るのが正しい表記。
CV:速水奨

概要

初出はⅡ巻とかなり初期。宝具『玻璃壇』の制作者の一人としてマージョリーとマルコシアスに語られた。
かなり昔に存在した“紅世の王”で、天裂き地呑むという化物だったが、支配という行為に興味を持ち、『玻璃壇』で監視された『大縛鎖』と呼ばれる都を作ったが、その途端フレイムヘイズに袋叩きにされ一発昇天したという。
同巻ではラミーにも中世で最強を誇った“棺の織手”と並んで強大な“徒”として語られている。

都を作るという目立つ行動を行った挙句案の定袋叩きにされた点や、玻璃壇が敵であるフレイムヘイズをどういうわけか映さない仕様であるため、読者からは『天然』『ドジっ子』という認識がもっぱらであった。

“棺の織手”が実に9巻越しの伏線としてⅩ巻で登場したため、“祭礼の蛇”もいつか登場するのではないかと噂されていたが……


※以下重大なネタバレ、アニメ視聴者は注意※






その正体

ⅩⅣ巻にてついに本編に登場。

Ⅳ巻で存在が示唆された仮装舞踏会(バル・マスケ)の『盟主』、
Ⅷ巻で「この世の本当のこと」に悩む悠二に夢の中で問いかける黒い影、
同巻で山の頂で祈るヘカテーに銀の炎を伴った自在式を送る謎の存在、
Ⅸ巻で教授が語る『奴』、
ⅩⅢ巻でベルペオルが語る零時迷子から顕現した『銀』に最後の一篇を組み込むことで現れる何者か。

その全てに共通する正体こそが“祭礼の蛇”であった。
三期ではいきなり登場している。

ただの“紅世の王”ではなく、『神』と称される“紅世”における世界法則の体現者の一柱。
持ちたる権能は「造化」と「確定」。新たなもの、新たな流れを作りだし、踏み出し見出す力を司る故に『創造神』の神格を持つ。作者曰く「ゴッドじゃない方の造物主」。
これと同格、つまり紅世における「神」は、作中に登場した中では天罰神アラストールと導きの神“覚の嘯吟”シャヘルのみ。

中世最強と言われるアシズと共に別格として扱われるが、天罰神であるアラストールを除けば彼を討滅出来る者は存在しない。
顕現した姿は巨大な黒い蛇。声は「遠く、深い、男の声」とされる。
炎の色は黒。闇と区別が付かない輝かない炎であり、その影は銀色になる。

その権能を発揮する条件は、「大多数の“徒”の願いが満ちた時に、それを束ね願いに沿った創造を行う」というもの。
ゆえに、その願いは多くの意志を束ねて「機能として決定された」ものになり、創造神自身の意図はそこには介在しない。
身もふたもないことを言ってしまえば“祭礼の蛇”自身は願望器であり、他者の願いをかなえることはできても自分の願いをかなえることはできないのである(この御仁の場合、自分自身の願いが「他人の願いを叶えたい」なので同じことではあるが)。


活躍

かつて“紅世の徒”が新世界を発見した際のwktkな空気に惹かれてこの世に眷属と共に渡り、求められるままに多くのものを徒にもたらした。
これは前述の権能による当然の流れであり、一般の“徒”とは似て非なる理由である。まあほぼ一緒だが。

そして時が経ち、彼の神としての機能を発揮する条件が整ったことで、当時の“徒”たちが望んだ「内部で何をやってもいい快適な世界」を用意するために、簡単に言えば永続的な封絶を施した都『大縛鎖』を創造する『大命』に着手。
当然のこととして、古代のフレイムヘイズたちの猛反発に合う。

最終的にフレイムヘイズたちが存在を賭けて発動させた秘法『久遠の陥穽』により、上空に開いた穴から両界の狭間に放逐され(ここら辺が後に「一発昇天」とされる原因と思われる)、祭礼の蛇はこの世から消滅した。
しかしこの際に“祭礼の蛇”は、共に両界の狭間に飲まれ、術を維持するフレイムヘイズたちから力が流れこむように『久遠の陥穽』の一部を改変し、同時に眷属であるベルペオルからその右目を『旗標』として受け取っていた。

これにより両界の狭間を漂いながらも巫女であるヘカテーとの交信に成功し、フレイムヘイズの成れの果てから流れ込む減じない力を用いて「この世」への帰還のための計画に着手する。
『旗標』によって常にベルペオルの在る場所を見続け、ヘカテーと交信することで『この世』の位置を確定した“祭礼の蛇”だが、肝心の自分自身の位置が確定しないため帰還を実行に移せず停滞。そのため当初は本当に暇つぶしとして、叶え損ねた願いである『大縛鎖』の設計図を弄っていた。

しかし、“徒”達の願いを受け取り続ける中で、それらが人間の文明に触れたことで変質して来ているのを感じ、『大縛鎖』の設計図もそれに合わせて書き換えつづけた結果、最終的に『大命』の内容を、「鏡のごとく『この世』を丸ごと映した世界を作り出し、そこに尽きることのない“存在の力”を溢れさせる」というものに変更。

討ち手たちから流れ込み続ける微かな無限の力を使うことで、神としての体から肉体を切り離し、それを材料に『祭殿』を建造、残された骨の部分は『旗標』を核とした封印を施して保存。
精神活動のみでヘカテーとの交信を行い続け、「この世」へ帰還するための道である『詣道』を創造しつつ、『大命』を次のように段階分けした。

  1. “祭礼の蛇”の意志総体を「この世」における受け皿に宿し、仮の帰還を果たした後、本体復活までの代行体とする
  2. 代行体の状態で『三臣柱』と共に「詣道」を遡り、「祭殿」に在る本体を目覚めさせる
  3. 「この世」に帰還し、大命の内容を宣布すると共に新世界を創造する

帰還するための道である『詣道』は、本体の在る「久遠の陥穽」へ至るための不可能・困難という「状況」を、創造神の剛力によって無理やり道という「実体」へと織り成したものであり、見かけは一本の道だが実際には迷宮である。

ともあれ計画は確立し、『三臣柱』はその実現を目指して動き始めた。
第一段階である代行体を作るためには、「意志総体を宿す器」「“祭礼の蛇”の精神活動を完全に写し取る人格の鋳型」「代行体を動かすための“存在の力”の供給源」の三つが必要になる。
器については教授の「我学の結晶」の一つである銀の鎧「暴君」を使い、人格の鋳型については各地に「暴君II」を派遣、人間の強い感情を感知してその場に現れ、その行動を代行することで感情の在り方を写し取り、それらを組み合わせて人格鏡像を作り上げた。
そして三つ目、雇い入れた“壊刃”サブラクを使って『約束の二人』を襲い、代行体の動力とすべく『零時迷子』の奪取を狙ったがここでつまずき、後に御崎市でそれを宿し“ミステス”となった坂井悠二をシュドナイが発見するまで停滞していた。

VII巻でベルペオルが教授を発見、大命のため迎え入れる。
その後、XIII巻でヘカテーが直接御崎市に出向き、『暴君I』へ改造された『零時迷子』を回収しようとしたが途中で頓挫。もっとも最低限の目的であるマーキングには成功し、あとは悠二を破壊して回収するのみ、となった。

しかし、この前後から“祭礼の蛇”が、『零時迷子』から『暴君II』を通して接していた悠二の思想や考え方に強い興味を示し、度々接触を試みるようになる。


「どうにも、ならないのかな」

「どうにも、ならないさ」

「どうにも、できないのかな」

「どうにも、できないさ」

「どうすればいいんだろう」


「どうしたいんだ?」

「どう、したい?」

「そうだ。どうしたいんだ、坂井悠二――?」


その後、迷い悩んで成長した彼が抱いた望み、


「僕らが頑張れば」

「いつか、守った未来で、この“徒”との戦いを終わらせられるのかな」


その想いを受け取った“祭礼の蛇”は、大命がもたらす結果として“徒”を全てこの世から連れ出し、結果誰も食われることが無くなることと、それまでに観察してきたことも合わせて、彼を同調可能な思考と志向の持ち主と判断。
代行体の計画を変更し、二つの『暴君』を組み合わせるのではなく、『暴君I』となった『零時迷子』は悠二に宿したまま、『暴君II』はそのオプションとして組み込み、悠二の人格に“祭礼の蛇”の人格鏡像を合わせることで代行体へと変化させることになった。


(おまえは、『この戦いをいつか』と望んだ……おまえだからこその望みを、抱いた)

(おまえこそが……おまえこそが相応しい)

(この余とともに歩む、ただ一人の……人間よ)


この際に通称を「坂井悠二」に改め、その後は悠二と共に大命に向かって活動を開始する。
代行体の主導権は基本的に“祭礼の蛇”にあるのだが、大命絡みでない場合は悠二が主導を取っている。
というよりも、悠二の言では「融けあったような感じ」であり、人格が独立しているわけではなく両方の人格を文字通り融合させた状態にある。そのため、場に合わせて時に坂井悠二として、時に創造神として振る舞っており、代行体として活動するときは双方の人格が表面化する。
そもそも“祭礼の蛇”は誰かの願いを叶えることが存在そのものであるため、悠二に対しても同様のスタンスを取っている。


「ありがとう。でも、心配は要らないよ、アラストール」

「そうとも。余らは――共に征く」


そして、「詣道」の踏破、本体の復活、大命の宣布と言った手順をすべて終え、「この世」でもっとも歪みの残る御崎市で新世界「無何有鏡」の創造に着手。
神威召喚「祭基礼創」を使用し、新世界「無何有鏡」の創造に成功する。
さらに最終決戦の最中、大命の本当の目的が語られていた。

“祭礼の蛇”による創造はその性がゆえ、常に「誰かの願いを叶える」形で行われ、彼自身の意のままにはならない。そうでなければ莫大極まる“存在の力”を供給できないからである。
ベルペオルはこれに対し、教授の協力を得ることで『零時迷子』の動力である「この世の歪み」そのものを“祭礼の蛇”の力として行使可能な仕掛けを施しており、かくして“祭礼の蛇”は生まれて初めて、「己の意志で、己の思うが儘に創造を行う」ことが可能となった。
これにより、シャナたちによる「人間を食らえない」という法則改変をも無視して本来の形で創造することもできた。


……のだが、そこは「叶えたがり」の創造神。
彼自身の思うが儘にと言っても、その「思うが儘に」が「他者の願いを叶えたい」では同じことである。


創造の瞬間、「新世界が創造神の意のままに作られる」という事実を聞いた“徒”たちが悲しそうにしていた事に気付き、それに沿う形で改変を直さないまま(フレイムヘイズ側の意を汲んだ形で)創造してしまい、ベルペオルに申し訳なさそうな感じに顔色を窺っていた。
大命成就後には分離する事を事前に約束していたようで、悠二と分離する事になるのだが、シャナとの対峙を控えた悠二をほっぽり出すことはどうかと感じても居た。

「おまえがどうしたか、余は知っている。おまえの望んだものを、余も共に見た」
実に、愉快であった……使えるモノならば、神をも使う人間よ」

しかし、ベルペオルに「無駄な騒ぎの起こらぬうちに、我らも」と促され、渡り行く"徒"等の眺めを最後まで見たがっていたものの我が儘を通してしまった手前、素直に彼女の言うとおりにしつつも、法則改変が通ったことを宣布して「無何有鏡」へ去り、そのまま眠りについた。


「坂井悠二。かの姫が、新たな理を余の『無何有鏡』へと織り入れた時―――」
「おまえの心は、行く道を重ね得る可能性を前に、大いに揺れたな?」

「余は、おまえの志操の硬さを好ましく思い、尊重もしているつもりだが……結局のところ、余はこういう神だ」

「許そう―――余は欲望の肯定者なれば、他の誰が許さずとも、余が許そう」


エピローグでは遥か未来のいつか、ヘカテー、シュドナイと共に眠りにつく中、“徒”と人間の共存を説いて世界を歩く、シャナと悠二の姿を夢見がちに感じとる。
まだ見ぬ未来を感じながら、再び眠りに付き、この物語は終わりを告げた。


人物像

カリスマ性や度量の大きさを持ち合わせているが、その実態は一筋縄ではいかない困った性格である。
“狩人”フリアグネからは
「すごくすごく偉い……でも、とてもとても変で、とてもとても甘い……ああなっても仕方がなかった」
と称されているが、実に的確。
どちらかというと「乱を呼ぶお人よし」というべき困り者。

古代の戦いにしても、心からの善意でフレイムヘイズに呼びかけ、敵であるフレイムヘイズを儀式に招待し、結果として当然のように儀式を妨害された挙句放逐された。
存在意義以外には特に興味が無く、他人の自由を縛るのも好きではないが、存在理由に関わる時はお喋りになる。
悠二曰く「いつでも誰かの願いを叶えたくてワクワクしてる」。

当人はアラストールを「裁きたがり」、シャヘルを「珍しがり」と称しているが、それに倣えば彼は「叶えたがり」である。

なので、自身の存在そのものである「他者の願いの実現」に関してはかなり直向きかつ我儘放題で、忠誠を誓う三柱臣からも難色を示され、本人も自覚はあるらしく申し訳ないと思っている節がある。

悠二に対しては相当入れ込んでいるようで、計画の全てを話しており、前述の通り本体が戻っても分離する事はなかった。
どころか、彼に対する罵倒の類には珍しく怒り、心配して狼狽えるなど良きパートナー。
言動からすると、何も言われなければ楽園創造の後に控えていたシャナと悠二の「痴話ゲンカ」にもついていくつもりだった模様。

「世界最大級の組織の盟主」といえば聞こえは良いが、彼が健在であった頃は小規模で、そもそもただの信奉者が集うのみという状態だった。
しかし、フレイムヘイズらの集団としての動きの前に前述した追放を食らい、ベルペオルが「集団の力」を痛感して組織化に動いた……という流れである。
盟主のスケールが大きい我儘をフォローするために組織が大きくなり、そして復活後も組織運営は部下に投げっ放し。部下は大変だ。(そもそも客観的にみると“祭礼の蛇”が狭間に放逐されている間にその腹心が作り上げた組織であり、当人は祭り上げられた形になる)


三柱臣(トリニティ)

眷属である“紅世の王”たち。

役職は将軍。神の敵を屠り、砕く。

役職は巫女。神に届いた願いの結晶であり、神の声を届ける創造の生贄。

役職は審神者→軍師→参謀。神の意志を受け取り、虚実を判じ物事を操る。

詳しくは項目で。
神としてのシステムの一部なのだが、創造神は我が子として扱っている。

◆創造物

  • 眷属のシステム
“紅世”の神々は当初、“徒”たちと直接語り合い権能を発揮していたが、神への畏怖が強まり広まるにつれて、そのように直答することが憚られる風潮が生まれた。そのため、「神との窓口」となる存在を求めた“徒”達の願いを“祭礼の蛇”が叶えたことにより、「神の眷属」というシステムが誕生した。つまり三柱臣もこの時に誕生した存在である。
ただし、創造されたのはあくまで「システム」であり、どのように眷属を得るかは神それぞれに一任されている。創造神は自ら眷属を生み出したが、シャヘルは好奇心の強い“徒”を眷属に任命している。
アラストールはどうかというと、天罰神は“徒”にとって「できれば動いて欲しくない神」であるため窓口も必要とされなかった。なので、それが反映された結果、彼には眷属はおらず、任命する力も備わらなかった。
その代り、神威召喚のためのややこしい条件が全く存在せず、生贄が一人いれば簡単に権能を発揮できるようになっている。

  • 大命の宝具
三柱臣が大命遂行のために用いる宝具。剛槍「神鉄如意」、大杖「トライゴン」、金鎖「タルタロス」の三つ。持ち主の意志を受けない限り変形することも破損することもない。
それぞれの持ち主と存在が同期しており、死亡すると同色の火の粉となって散り、復活すると同時に再生する。

  • 大縛鎖
「この世」における“徒”の楽園。古代の中国によって創造が試みられた。
百二十九の城、四の平原、そこに在ったモノ全てを、周辺地域から狩り集めた人間の供儀の“存在の力”を用いて包み固め、神威召喚によって解けぬよう固く縒り合せた、循環する一個の、独立した封界。
当時まだ少なかった人間を探して食らう手間を費やさずとも、己の技量のまま技を振るい、結果生じた歪みをも囲いの内の総和として保つ。
“祭礼の蛇”としては、ここに“徒”が住めばこれ以上の戦いは必要なくなる、と思って儀式の場に討ち手をも招待したのだが、結果は上記の通りである。阻止されて創造には失敗、自身も狭間へ放逐された。
この封界の欠点は、多数の人間を犠牲にすることはもちろんだが、それ以前に「移住の是非は個々の自由」「外界との行き来も個々の自由」という根本的な問題点があり、究極的には「この世」に“徒”の遊び場を作るだけのものであった。
XX巻ではベルペオルとカムシンが、それぞれの視点から当時を振り返っているが、ここに“徒”と人間の価値観の違いが如実に表れている。

  • 詣道
両界の狭間において、本体の肉を返還した青銅で作り上げた「祭殿」からこの世へ帰還するため作り上げた道。
その全景は狭間を貫く管であり、厚みはわずか十数メートル。360°すべてが大地となっている。
“祭礼の蛇”が楽園を作るための練習台でもあり、「この世」における人間の文明を模している。かつて「大縛鎖」を作ろうとして失敗し、狭間へ放逐された場所を目印に、そこから「祭殿」へ向かいながら創造されている。そのため、入口から「祭殿」へ向かうにつれて時代が下り、「祭殿」の地点で現代となる。
なお、これは見た目通りの道ではなく、「祭殿」へ至るための艱難、困難、不可能という「状況」を「道という実体」へと神の剛力を以て無理矢理織り成したもので、実体はとんでもない規模の迷宮。「祭殿」に座する創造神の本体と共振できるヘカテーの道案内がなければ、創造神本人ですらまともに進むことができない。
ここへ至るために放逐地点に作り上げた出入り口が「神門」である。

  • 無何有鏡(ザナドゥ)
XXII巻で創造した新世界。ヘカテーを通して受け取っていた“徒”たちの願いと価値観が時間を経て変質したことと、より正確でメリットの大きな創造を行うための工夫を続けた結果、「広大無辺の狭間に、この世を丸ごと写し取った並行世界を作る」という形に変化した。「大縛鎖」と異なり「この世」との往来はできない。
「大縛鎖」を雛型としているが、当時とは“徒”の価値観が変わり、新たな楽園に人間の存在を求めたこと、そして「この世」において“徒”は異物以上でしかない、という現実を踏まえてより大規模なものとなった。
創造された時点では「この世」とまったく同じであるが世界法則は根本から異なり、世界全てに尽きることのない“存在の力”が満ちている。そのため、人を食らわずとも“徒”は顕現し、自在法を好きなだけ使うことができる。
「この世」と“紅世”の間に位置する両界の狭間に創造されたため、両界の行き来を遮断する壁としても機能している。
ただし、歪みの原因は「人間が“存在の力”に変換されたことによる一時的な不安定化」であるため、新世界でも人が食われれば歪みが起きて元の木阿弥となる。創造神はどこまでも“徒”の神である、という現実がここに現れている。
そのため、シャナ一派により「人間を食らえない」という別の法則が織り込まれ、シャヘルの神託もあって“徒”たちがこれを受け入れたことで、そのまま創造された。
歪みの最も大きな御崎市で創造が行われ、歪みを復元してそこに力を通すことで創造に要する段階を短縮する、という提案が悠二からなされ、これに則って遂行されたが、この時御崎市は歪みが広がり「存在しない」状態となっていたため、この新世界には御崎市はない。
創造された後にも問題が発生しており、あとから渡り来た「新参」が大暴れして混乱を撒き散らしたため、かつて討ち手を蔑んだ“徒”たちですら、彼らの言う「同胞殺し」を行ってでも止めざるを得ない事態が相次いだ。こうした事態の頻発を受け、[仮装舞踏会]は想定外の早期参集を迫られている。




「- さあ -」

「追記・修正しようではないか、同胞よ」

「己が心の求めるまま、書き出すがよい」

「神なる余は、その希求をこそ言祝ごう」

「- さあ!! -」

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最終更新:2023年11月12日 16:59