narcissu

登録日:2009/06/23(火) 00:03:02
更新日:2023/10/21 Sat 01:14:35
所要時間:約 6 分で読めます




narcissu(ナルキッソス)
─まぶしかった日のこと、そんな冬の日のこと─

同人サークル・ステージななによって制作された同人ゲーム、及びそのシリーズ作品。
中国語・韓国語・英語・タイ語版がある。通称:ナルキ


元ねこねこソフト所属の片岡ともが「ゲームを追求していけば音楽とテキストだけで十分ではないか」と発言し、それが実現したもの。
ノベルゲーでありながら、立ち絵の無い異例の作品。

音声については、「あり」だけでなく「なし」を選ぶことも可能。作者によると「無しと比較するために用意した」とのことで、「あり」は「なし」のために用意された。

選択肢は無くシナリオは一本道。

「命」をテーマにしているので話は重いが、基本は涙無しでは見れない。

テーマ上、どうしても合わない人もいるが、無料ゲームの中では最高峰の完成度を誇るので一度プレイする価値はある。

シリーズ化され、続編に「narcissu SIDE 2nd」「narcissu 3rd - Die Dritte welt-」があり、
最終章を含めたPSP版「ナルキッソス~明日があるなら~Portable」が存在する。
いままでに、舞台化・小説化・漫画化(画:江戸屋ぽち)され、2021年12日24日には映画化することが発表された。



そして、現在1.2がWeb、携帯用アプリで無料公開されている。3.PSP版は普通に販売されている。
新しいものにはそれまでの作品が全て入っているが、まずは2をDLし、1をプレイすることをお勧めする。
片岡とも氏の目指した、音楽とテキストだけの世界を体感してもらいたい。


また、ゲーム中に流れるBGMの評価も高く、一部の楽曲にねこねこソフトの過去作品で使われたアレンジ版が使用されている。

以下、各シナリオについての概要を述べる。

極力大きなネタバレは避けるが、





narcissu

─どこまでも一号線を西へ─

シリーズの原点。当然最初にプレイすべき作品であり、また最後にプレイしたい作品でもある。

「死生観」「日常」をテーマにし、ホスピスが舞台。

公式サイトでのストーリー紹介は「現代、暗い、主人公とヒロイン、どっちも死にます」とこれだけ。


ストーリー
主人公はごく普通の大学生であったが、不治の病に侵され病院のホスピス(末期ケア病棟)に入ることになる。
通称「7階」とよばれるその場所で、主人公は何もかもに冷めてしまったような少女、セツミと出会う。

ある冬の日、主人公とセツミは行く当てもなく7階を抜け出し、銀のクーペを走らせる。

2人の長くて短い旅が始まった。一号線を西へ、一面にナルキッソスの咲くという淡路島を目指して、死に場所を求めて…



キャラクター

本名:阿東優
主人公。21歳。運転免許を取得した翌日に胸の痛みを覚え、病院で検診を受けた後そのまま入院する事になる。
入退院を繰り返した後、7階の住民となり、そこでセツミと出会った事からこの物語は始まる。
本編と漫画版では少々性格が異なり、漫画版の方がよりはっきりとした性格である。


セツミ
「…別に」
本名:佐倉瀬津美
声:綾川りの
ヒロインであり、もう一人の主人公。22歳と主人公よりも年上だが、見た目は小中学生。
幼い頃から入退院を繰り返す内に心を閉ざしてしまい、無口で滅多に感情を出さない。
車や地理に詳しく、地図が無くとも国道はほぼ把握しているほど。
感情がまったく無いわけではなく、道中病院のパジャマを着ていることを気にしたり、主人公に「年下のくせに」と言ったりする。
写真の洋服姿は可愛い。ラストの水着姿は泣ける。


やはり冬にプレイするのが一番だろう。水仙の花に思い入れが出来るはずだ。



narcissu SIDE 2nd

─祈る事を諦めた一人との出会い─

シリーズ二作目。narcissuのアナザーストーリーと言える。

1の6年前、中学時代のセツミと、7階の住人である姫子の、出会いから別れまでの夏の話。

主題歌
「ナルキッソス」
作詞:riya
作曲:菊地創
歌:eufonius


キャラクター

姫子
「ほら、よくあるじゃない、死ぬまでにしたい10のことって」
本名:篠原姫子
声:柳瀬なつみ
明るくカラッとした性格の23歳。
7階の住人ではあるが、普段はそうとは思えないほど陽気。
自分で修理するほどの車好きで、愛車はマツダ・ロードスター。
死ぬまでにしたい十のことを掲げ、「年の離れた友達が欲しい」ということで、半ば強引にセツミと友人になる。その後、セツミと共にひとつずつ叶えていくことになる。
自分をエセカトリックと呼び、教会にも行かないが、聖書の言葉などは覚えている。
7階のヘルパーをしていたことがあるが、ある少女を担当した後にヘルパーを辞している。


セツミ(15歳)
初めて入院してから3年目。通院のため学校には行っていない。
ひょんなことから姫子と友人関係になり、以後姫子の死ぬまでにしたい十のことの残り三つに付き合う事になる。
既に性格は冷めているが、親の気遣いを心苦しく感じたり、姫子のことを気にしたりと、1ほど達観してはいない。
この頃に姫子から受けた影響は大きく、車や地理に詳しいのも姫子が原因。


千尋
本名:篠原千尋
声:後藤邑子
21歳。姫子の妹であり、7階のヘルパー。
敬虔なカトリック信者で優しい心を持つ。
姉の姫子は千尋に冷たく接するが、その事を寂しく思っている。


優花
「よっ!元気そうね」
本名:昭島優花
声:岩居由希子
姫子と同い年の、姫子の親友。
姫子が入院した時には、毎日のようにお見舞いにきていた。しかし姫子が7階に入った事をきっかけに、優花の皆勤賞は途切れてしまう。


女の子
声:能登麻実子
かつて姫子がヘルパーをしていた時に担当した、8歳の7階患者。純粋と無垢の象徴。
彼女のラストシーンは、BGMも相まって作中屈指の名シーンである。



narcissu 3rd - Die Dritte welt-
新たにごぉ、酸橙ひびき、早狩武志の3名が参加することになった。
また、今作ではインストール形式になっている。




ナルキッソス~明日があるなら~Portable

これまでの作品と、新たにプロローグ、エピローグ、そして最終章が追加されている。
イラストが多数追加され、キャラクターの立ち絵があることから、良くも悪くも一般向けになった印象がある。(クリア後のクラシックモードは原作に近い背景のみ)

1に関しては多少のストーリーの追加が見られる。漫画版に近い。
なお、イラスト増加に伴い、セツミの寝顔が見れたりする。ラーメン…
2に関しては大きな変更はないが、宗教に関する細かい内容は変更されている。


追記・修正は本編プレイ後に胸が締め付けられた方お願いします。

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最終更新:2023年10月21日 01:14