ロデュウ&チータ

登録日:2011/05/17 Tue 08:22:00
更新日:2024/03/01 Fri 23:56:56
所要時間:約 7 分で読めます





「チータァ!なぜ反撃の呪文を唱えなかったァ!!?」

「間に合いそうになかったからよ。無駄な呪文は撃てないわ。」


概要

金色のガッシュ!!に登場したペア。

翼を持つ青年男性型の魔物の子と、顔の右半分に仮面をつけたショトカの少女の組み合わせで、本の色はコーヒーブラウン。

ロデュウ CV:千葉進歩

プライドが高く粗暴で冷酷な魔物で、「仲間を見捨てて逃げる阿呆の背中を撃ち抜くのが楽しい」と豪語しており、パピプリオを部下にしている。他の魔物との協力はすれど命令される事は嫌う。
一見、序盤でよく出るただ乱暴なだけの小物だが、術で強化されたガッシュの一撃をこらえた上で翻弄する肉体能力を持ち、初見の筈のラウザルクが解ける時間を予測し「術が解けた瞬間」に即座に攻撃をしかけ、指示も大半は的確であるなど、後半戦まで生き延びただけあって実力は高い。
ただ攻める一方ではなく、絶体絶命と悟ると攻撃を止めパートナーの死守に切り換えるなどクレバーなところもある。また感情的ではあるが感情に呑まれる事はなく、激昂しても冷静に相手を翻弄する動きをとる芸当までこなす。

術は全て翼を介して放ち、高速で飛翔するのにも使える。

チータ CV:伊藤静

殆ど表情を変えない少女だが卓越した戦闘センスを持ち、開幕早々ディオガ級の術を放つ豪胆さを見せる一方心の力の「ペース配分」を熟知する事で1戦闘中にディオガ級の最大術を2回唱えるなど非常に強い。ロデュウが圧倒されても感情を荒げる事なく、いっそドライなまでに冷静に戦局を観察し続け的確な一手を模索し続ける。

二人の関係は良好でいがみ合いもなく、ペース配分を考えないごり押しスタイルのロデュウをチータが合理的な考えで諫めてサポートしたり、ロデュウの無茶な要求を正論で返し納得させたりする。
そのチームワークは凄まじく、初めてガッシュ達と戦ったときは千年前の魔物との激闘をくぐり抜けた彼らを圧倒し、「レベルが違う。今のガッシュ達では…!」とレインを戦慄させる程だった。
更に言えば、レインがいなければパピプリオとの連携によって負けていた可能性が高い


以下ネタバレあり


活躍


初登場はファウード編序章。
ファウードの封印を壊すために各地の強力な魔物を仲間にすべく行動しており、魔界でのガッシュの友達のレインを仲間に引き込もうとしていた。しかし、レイン自身が王になろうとしないことに甘い奴だと腹を立て逆上。倒そうとするも、パートナーのカイルとガッシュ達に妨害され失敗し逃走した。
この時は完全な敵役であり、臆病なカイルの自立する壁として悪魔の風貌を強調されていた。
レインの代わりに、リオウに呪いをかけられたリィエンを盾にウォンレイを仲間に引き込むため彼らの村で目撃されていた。
ファウードの封印が解けた後は隙を見てファウードを乗っ取るつもりでリオウについていたが、ゼオンにファウードが乗っ取られた後は、彼の言葉にきな臭さを感じながらも、ものは試しにとゴデュファの契約を実行。ファウードの力を手に入れる。

「ロデュウ…いいの?」

「? 何がだ、チータ?」

「いいわ、何でもない。」

契約によりゼオンに服従するようになるロデュウに違和感を覚えたチータは何度か問いてみるが、ロデュウは気付かなかった。
その後ファウードコントロールルームにてジェデュンと共にガッシュ一行を待ち受ける。
コントロールルームを守る重要なポジションという事で、他の魔物より強力な力を受けており、特に肉体面はジェデュン共々非常に強力になっている。
キャンチョメティオウマゴンのコンビネーションに苦戦するも、ゼオンの指示とジェデュンとのタッグで3人を破る。
いよいよガッシュを倒そうとするも、戦う勇気に目覚めた伏兵のモモンの尋常でない回避能力の前に苦戦する。しかしモモンがパートナーであるシスター・エルを守るため最初で最後のチャンスを犠牲にしたのを見て勝利を確信し嘲笑った。

「アハハハハ!! こんな間抜け、見たことねえぜ!! ハハハハハッ、ギャハハハハハハハハハッ!!!」

…が、直後に覚醒した清麿が登場。
ガッシュも同時に覚醒しておりジェデュンはあっと言う間に倒され、回復&パワーアップしたロデュウも全ての攻撃を見切られ大打撃を受け、最大術をマーズ・ジケルドンで弾かれた上に拘束されてしまい、それでも諦めずに悪態をつき…

結果、清麿の怒りを買い、復活して威力のはね上がったザケルザケルガテオザケルを連発されるという拷問のような攻撃をくらってしまう。
このシーンはとにかくカオスかつ腹筋崩壊必至なので、是非見ていただきたい。
ちなみにこのときチータは心の力がなくなってしまっていたため、彼の身を案じつつ本を守るため逃げていた。


その後黒焦げで床に倒れておりしばらくフェードアウトする。
そしてガッシュがバオウの力に飲まれた後、デュフォーが心の力を回復するまでに始末するようゼオンに命令される。
ファウードの力により回復した上、更にパワーアップしたロデュウが、ガッシュ達を倒そうと息巻く。
しかし、その横でチータが呟いた。

「ゼオンの命令よ」

チータのこの一言により、自分がゼオンに支配されていることに気付き、心の力のない今がチャンスだと反旗を翻す。

「ゼオン、てめえ、誰に向かって命令してやがんだ?」

が、ゴデュファによってロデュウの体に侵入したファウードの細胞が、主であるゼオンに敵対する彼の体を蝕み始める。攻撃し続ければ死ぬ、と聞かされ術を唱えないチータを見て肉弾で挑むロデュウだったが、腕や脚はゼオンに触れる前に弾け飛び、翼は自身に突き刺さる。

「チータよ…オレはてめえが大っ嫌えなんだ、出会った時からずっとよぉ…」

彼の身を案ずるチータをよそに、刺さった翼を引きちぎりながらロデュウは話す。
チータは目の傷で人々から迫害を受け内向的な性格になっていたこと、ロデュウがマスクをプレゼントしても独りで沈んだ顔を続けていたこと…
傷一つで人生を支配されたチータに、どんなになろうが自分の体だと主張し、立てなくなるまでゼオンに挑むロデュウ。

「なあ…なんでマスクをかぶった時に、強くならなかった? 変な目で見てた奴らがビビったんだろ? オレもいる。そいつらに仕返しして、ゲラゲラ笑えばいいじゃねえか…」

「オレは笑うぜ。どんな状態になろうと、「オレの体」なんだからよ!‼︎」

「一つや二つの障害で、奴隷みたいに支配されてたまるかぁあ‼︎!」

「ロデュウ‼︎」

「オレは…もう、戻れねえ…だがよ…お前はまだ、前向けるだろ?」

ロデュウは泣きながら駆け寄ってきたチータの肩を抱き寄せる。*1

「強く…生きろ。てめえ自身が強けりゃよ…目の傷なんてなんでもねえ…もっと笑えるし、まっすぐ立てるし、ほれる男も出てくらぁ…」

遺言のような台詞に彼が死ぬと思ったチータだったが、彼を慕っていたパピプリオが本に火を付け、ロデュウが死ぬ前に魔界に送還されるようにする。
彼の行動に満足な笑みを返し、片翼をゼオンへ向けて言い放った。

「さあやれチータ。ムカツクゼオンをぶっ飛ばすんだ!!!」

「ディオガ…ラギュウル!!!」

死ぬ程の激痛の中、笑い続けるロデュウ
歯を食いしばり、マスクの隙間からも涙を流すチータ

その攻撃はデュフォー曰く「避けられない訳は無い闇雲の一撃」と称されたが、ゼオンは敢えて避けなかった。
それどころか、ゼオンは「よけてはいかん」と思ったと語り、ゼオンの心を大きく揺り動かす発端となった。

最終章のクリア編において、魔界に帰った今もパートナーの身を案ずる人達のシーンにて、チータがマスクを外して看護師となり微笑んでいる姿が描かれており、ロデュウの言葉通りに歩んでいることにファンを歓喜させた。
クリア最終形態との決戦では、圧倒的な力の差を前にしてなお立ち上がるガッシュの脳裏に送還された仲間達の想いや姿が描写される中で、ロデュウの姿もあった。しかし、上記のようにこの時ガッシュはバオウの力に飲まれ意識がない筈なので、恐らくゼオンの記憶のものと思われる。
最終話では、ロデュウはバリーツァオロンキースと同じ学校に通っている事が描写され、三人のあまりの威圧感にキースはビビっていた。

そして単行本加筆の手紙を受け取った人達の中のチータは…

【呪文】

翼を変形させてエネルギー派を放ったり、変形した翼そのもの攻撃する術がメイン。

  • ディオガ・ラギュウル
翼から螺旋状の巨大な黒いエネルギー波を放つロデュウの最大呪文。
それまでは敵味方問わず切り札的に温存してきた「ディオガ」級の最大呪文を開幕早々ぶっ放し、読者を驚かせた。

  • ガンズ・ラギュウル
翼からエネルギー弾を乱射。

  • ラギュウル・ロスド
翼を巨大な刃物に変えて攻撃。

  • ギガノ・ラギュウル
ラギュウルの上位術で、翼から螺旋状の大きな黒いエネルギー波を放つ。

  • ギロン・ラギュウル
翼を変形させ、いくつもの槍状の攻撃を放つ。

  • ガル・ラギュウガ
翼同士を絡みつけ、ドリル状にして攻撃。

  • ラギュウガ
翼同士を絡みつけ、光線状の槍にして攻撃。実は、初登場時に放っている。

  • ディオ・バオール・ラギュウガ
2本の翼を巨大な光線状にし、相手を攻撃。術の中ではそこそこ上位らしい。

  • ラギュウル
翼から螺旋状の黒いエネルギー波を放つ。


セリフorやりとり


「つまらん…仲間を見捨てて逃げるアホを後ろから撃ち抜くのが、一番楽しいのによ。」

「25、26、27、28、」
「29…この肉体強化の術、そろそろだな。」

(チータ、呪文を…)
「あ…ダメだ…」(これはくらうな。)

「チータァ、なぜ反撃の呪文を唱えなかったぁ!!?」
「間に合いそうになかったからよ、無駄な呪文は撃てないわ。結構、呪文を使ったから、ペース配分も考えないと、勝つ勝負も負けるわ。」
「オオウ、じゃあ悪いのは…こいつってワケだ…」

「ロデュウ…」
「フン、何か臭うな…だが、手に入れて見ようじゃないか。「大きな力」ってやつを…」
「あなたが望むなら、止めはしないわ。」

スゥゥゥゥゥゥゥ
(ヤロウ……息継ぎしてやがる…)
ゴブッゴブッゴブッ
(ヤロウ……ファウードの回復液で心の力を回復してやがる…)

(悪く思わないでね、ロデュウ。術を撃つための心の力、もうないし、ファウードの回復液ももうないの。今、私にできることは、あなたの本を燃やされないように逃げるだけ…死なないとは思うけど…………………)


【アニメ版】

アニオリではウォンレイを誘うシーンを詳しく描写。
当然ウォンレイが仲間になるはずもなく戦闘になり互角の戦いを繰り広げるが、リオウに貰った力でリィエンに呪いを与え従わざるをえない状況に。

その後ファウード編の中ごろまでは概ね原作に忠実だが、完全オリジナル展開となった再突入以降は原作と大きく異なる。
二手に分かれ攻略する清麿チームの前に立ちはだかり再びウォンレイと対峙。ファウードの機能で自身の分身を生み出し一度は追い詰めるも、絆を新たにしたウォンレイとリィエンの反撃に圧され、チータにファウードの力を注ぎ込み強化した「ディオガ・ラギュウル」とウォンレイ達の最大術「ゴライオウ・ディバウレン」との衝突でウォンレイを倒す。
その後、リィエンに化けたザルチムと共に清麿たちの前に姿を現し人質作戦を行うも、「ウォンレイはリィエンを見捨てて逃げた」と語った事であっさり見破られ攻撃を受ける。
チータに反撃を指示するも彼女は「今の自分たちでは彼らには絶対勝てない」とあっさり放棄。狼狽するもしびれを切らしたザルチムに本を斬られ、本が燃える中ザルチムのパートナーであるラウシンから
「お前のような弱い奴はファウードの一員にはなれないからとっとと魔界に還れ」というリオウの伝言を受け、虚しく魔界に還っていった。

原作での壮絶ながらも感動的だった別れは勿論、凶暴さの中に見せていた冷徹さなども全く見られず、ザルチムも自虐する程の安っぽい三文芝居に現を抜かした挙句最期もリオウ達からあっさり見棄てられるわと、全くいいところが無かった*2


余談

劇中では珍しい男女コンビに加え、抜群のコンビネーションや涙の別れ等で高い人気を持つが、ファウード編序章~終盤まで活躍していたにもかかわらず、実は一度も単行本の裏表紙や中扉に描かれたことがない。それらには魔物の趣味や生活スタイル、パートナーとの出会いが断片的に垣間見ることができるため、彼等がどんな出会い方をしたのか、どんな日常を送っていたのかは分からずじまいである。
文庫版でも重要人数で表紙等が埋まることは予想されるため、それを踏まえて、本作屈指の脇役といえるだろう。(一応背表紙に出てくる可能性があるが…出てきた。)





ハ…ハハ、何だよ、こいつ、来やがったぜ…オレ達に追記・修正されによー!!!


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最終更新:2024年03月01日 23:56

*1 なお、この時既にほとんど目が見えてなかったらしく、チータを抱き寄せたのもそこまで顔を近付けないと彼女の顔を視認出来なかったからであるとの事。彼女の顔をはっきりと見た上で彼女のための最後の言葉を残そうとしていた

*2 もっとも、アニメ版最終章は原作者である雷句誠氏が怪我により休載していた時期の放送であったため、ゼオン戦でのロデュウチータの一面が描かれていなかったことは留意すべきである