バハムートラグーン

登録日:2009/06/21 Sun 21:26:15
更新日:2024/04/18 Thu 11:43:10
所要時間:約 8 分で読めます







 Bahamut Lagoon 



Bahamut Lagoon(バハムートラグーン)』は1996年にスクウェアから発売されたスーパーファミコン用T・SRPG。
2009年からバーチャルコンソールでもDL販売していたが、現在は終了している。


スクウェア発売のSSPGにはFFTなど高難度のイメージがあるが、当作は一部マップ(22章等)を除いて全体的な難度は低め。


美麗なグラフィック、王道ながらも熱いストーリー、独特のドラゴン育成や、自由で奥深い戦闘などから、発売されて十年以上経った今でも根強い人気を誇っている。

特筆すべきは、そのドット絵の美しさ。
SFC後期の作品ということもあってトップクラスである。


また、非常に個性的なキャラクターたちが織り成す、様々に変化する人間模様も魅力。

戦争後に一緒に店を開く約束をする、開店資金をバイトに持ち逃げされる、ナンパしたらパシリにされる、親友同士が嫉妬から洒落にならない事態になる、嫌い合っていた男女が段々仲良くなる、好意のあまりストーカーじみた行動を取る、暗殺を目論む、と、良くも悪くも独特な描写が成されている。



……が、ネット上では作品そのものよりも作中の台詞
「ううん……サラマンダーよりずっとはやい!!」
の方が有名と思われる。


◇ストーリー

広大な空にいくつかの浮島(ラグーン)が点在し、ドラゴンを移動手段とする世界オレルス。

人々はその中でも大きなラグーンに国家を構え生活していた。
そのラグーンのひとつ、グランベロスが各国に侵攻し始める。
元々グランベロスは傭兵派遣を主要産業とするベロスという小国に過ぎなかったが、サウザーという男を中心とした革命により帝国へと生まれ変わった経緯を持つ。
ベロスの頃より軍事産業を主としていたグランベロス帝国は次々諸国を陥落させていく。

最後に残ったのはカーナというラグーン。
この国の王族は代々神竜と呼ばれる強大な力を持つドラゴンと交信する能力を宿しており、同時に、戦竜隊というドラゴンを駆る戦闘部隊を保持していた。
が、現国王は神竜との交信能力が高くないのかこの窮地においても、カーナに眠る神竜・バハムートを目覚めさせることが出来ない。
結局、カーナ王国は滅亡し、王女・ヨヨ(ヒロイン)は帝国に拉致される。

生き残ったカーナ王国軍は孤島テードに反乱軍を結成。
他国出身の同士たちも集い、元戦竜隊の隊長であるビュウ(主人公)を核として、遂にグランベロス打倒とヨヨ救出の為に戦いを始める。


◇主な登場人物

反乱軍(オレルス救世軍)

ビュウ(名称変更可)

主人公。故カーナ王国戦竜隊隊長で、ヨヨとは幼馴染。詳しくは個別項目参照。
クロスナイトというジョブに就いている。
仲間の信頼は厚いが、様々な相談をされたり、面倒を押し付けられたりと気苦労も絶えない。

ヨヨ(名称変更可)

ヒロイン。故カーナ王国王女で、ビュウとは幼馴染。詳しくは個別項目参照。
ワーロックというジョブに就いているが、後にドラグナーに変化し、戦闘時のグラフィックも変わる。どういう経緯で変わるのかって? それは、ほら、原作をプレイしよう。
神竜との交信能力が高く、その為かグランベロス帝国に拉致される。
好きな女の子の名前にするとトラウマになる。

センダック

元カーナ王国の導師でヨヨの教育係。ジョブはヨヨと同様のワーロック。
戦艦ファーレンハイトの艦長を務める老人で、豊富な知識と高い魔力を持つがその実態はビュウのまろやかな尻を狙う乙女ジジイ。
最近はボケ気味であるらしい……とされているがとにかく臆病でおどおどとした状態でいるだけで、そこまでボケてはいない。ぞんざいな扱われ方をされてるのは間違いないが。
さらに後半になると精神体の神竜たちが「心弱きジジイ」となじるようになるため、さらに心労が絶えなくなる。彼も彼で大変なので、少しの奇行は大目に見てあげてもいいかも。

マテライト

元カーナ王国の重装兵団団長。パレスアーマーという専用ジョブに就いている。
長いことカーナ王国に仕えていたということもあって、ヨヨに対する忠誠心はとても厚い人物。
一方、重鎮であることから周囲に横柄な態度をとることもしょっちゅうだが、本人も「口うるさい古いタイプの人間」という自覚があり、承知の上で嫌われ者として振る舞っている不器用なおっさん。
ちなみに星座はおとめ座で血液型はO型。(ってことはこの世界にも星座や血液型の概念があるということなんだろうか?)

ラッシュ/トゥルース/ビッケバッケ

元カーナ戦竜隊の一員でビュウの舎弟三人組。ジョブは全員ナイト。血気盛んで反骨精神旺盛なラッシュと、礼儀正しく理知的なトゥルース、マイペースで何かにつけてを食べ物を口に入れてるビッケバッケ。昔は三人とも浮浪児で、救ってくれたビュウには恩義を感じている。

「ラッシュは大人になった!」
「トゥルースは大人になった!」
「ビッケバッケはもう大人だった!」

のメッセージはもはや語り草。皆さんは大人になりましたか?
ちなみにラッシュとトゥルースは某冗談じゃねぇレー…RPGにも出演。…まあ見た目と口調だけ似せた別人だが。「地獄でチキンでも喰ってな!」など意味不明な発言してるし

タイチョー

元マハール王国近衛騎士団隊長。ジョブはヘビーアーマー。語尾に「~でアリマス!」をつける口調が特徴的。
反乱軍内では最もマテライトに敬意を払っているが、同時に最もとばっちりを喰らっている。しかしそれらを受け入れているのもマテライトの不器用さを理解しているからである。
グンソー曰く、今の彼の性格は祖国と愛妻セリーヌを守り切れなかったショックから抜け殻のようになってしまった結果だとのことだが、それを踏まえた上でもおそらくゲーム内で屈指の人格者。
ストーリー中盤で彼が語る「戦争とは何か」は名台詞。

グンソー

元マハール騎士団所属。タイチョーの腹心の部下で、最後まで腹心であり続けた。彼も彼でいい人である。ジョブはヘビーアーマー。
重い鎧が蒸れるらしく、いつも身体をボリボリと掻いている。話しかけると時々「グンソーの???」というアイテムを入手できる。

バルクレイ

元カーナ重装兵団所属。マテライトの部下で、ジョブはヘビーアーマー。
アナスタシアとは互いに「チビのウィザード」「のろのろヘビーアーマー」と口喧嘩しているが、徐々に仲が深まっていった結果、結婚の約束までするような関係になる。うらやましいぜ!

ミスト

元カーナ騎士団所属。ジョブはライトアーマー。
プロローグの戦闘後に行方不明となるが、第14章で手順を踏むことで仲間にできる隠しキャラのような人物。
礼儀正しいオトナの女性……と思わせて(このゲームの登場人物たちの御多分に漏れず)なかなかクセのある女性。モノローグ内では元自国の王女だというのにヨヨのことを「小娘」呼ばわりしている。

ルキア

マハール出身のライトアーマー。
面倒見のいい女性で、(このゲームの中では珍しく)まともな性格のお姉さん。かつてドンファンと関係があったと思わせる描写がある辺り、恋愛巧者なのかもしれない。
終盤ではビュウに「わたしとウワサになってみない?」と冗談っぽくではあるがアプローチをかけてくる。

ジャンヌ

マハール出身のライトアーマー。ルキアとは友人。
男勝りで勝ち気で口よりも先に手が出るタイプだがそれ以外は彼女もまともな性格。

エカテリーナ

最初から反乱軍に所属しているウィザード。アナスタシアとは親友。引っ込み思案で恥かしがり屋な性格。
精神的な意味でヤンデレ属性を持つ。彼女のモノローグはマジでヤンデレそのもの。
ちなみに4人いるウィザードの中でMPが一番少ない。

アナスタシア

最初から反乱軍に所属しているウィザード。エカテリーナとは親友。
「ウィザードとヘビーアーマーはどちらが強いか」を切っ掛けに、バルクレイと延々口喧嘩を繰り広げることになるが、最終的には恋人同士となる。お幸せに!
バルクレイにはチビで小生意気なウィザードと評されている。

メロディア

ゴドラント出身の子供のウィザード。明るく無邪気でビュウのことが大好きな女の子。
ドラゴンに乗りたいからという理由で反乱軍に参加したり、いたずら好きで「小さい死神」とさえ呼ばれているプチデビルたちと一緒に踊り続けたりなど、恐れを知らない幼女。
だが徐々に剣呑な空気になっていくこのゲームの中で、ずっと明るくあり続けるさまは清涼剤のようである。

ネルボ

キャンベル国の女王に仕えていたが命令により反乱軍に参加するウィザード。プリーストのジョイとは親友。
ストーリーが進むにつれジョイと一緒にドンファンをおもちゃのように扱うが、最後は口説き落とされる。でもジョイには内緒。
ちなみにキャラドットはエカテリーナの色違い。

フレデリカ

最初から反乱軍に所属している一部でメインヒロインと噂の病弱プリースト。
肉体的な意味でヤンデレ属性を持つ。戦闘時以外の場面ではほとんどベッドの上で倒れており、「クスリ、クスリ……」とヤク中みたいな台詞ばかりつぶやいてたかと思えば、最後には……。
地味に某RPG最萌トーナメントで準優勝の経歴を持つ猛者。

ディアナ

最初から反乱軍に所属しているプリースト。明るく活発で噂話が大好き。
話しかけると「ねえねえしってる?」とその時々での噂話を聞かせてくれる。

ゾラ

最初から反乱軍に所属しているプリースト。かつてはキャンベル女王に仕えていた。
性格はザ・肝っ玉母さん。必要とあらばヨヨ相手でも叩いて𠮟責し、マテライト相手にも「あんたもぶたれたいのかい!」と啖呵を切るほどの女傑。それでも故郷に残した息子を心配するなど、優しい母ちゃんでもある。

ジョイ

キャンベル国の女王に仕えていたが命令により反乱軍に参加するプリースト。ウィザードのネルボとは親友。
ストーリーが進むにつれネルボと一緒にドンファンをおもちゃのように扱うが、最後は口説き落とされる。でもネルボには内緒。
ちなみにキャラドットはフレデリカの色違い。

フルンゼ/レーヴェ

「ランランランサー! 二人でヤリヤリ!」という掛け声でポーズを合わせるランサー二人組。キャラドットも一緒なのでどっちがどっちかわからない。
最初の頃は仲良しだったが些細なことからどんどん険悪な関係になっていく。
その結果、フルンゼは陰湿な報復を始めるようになり、レーヴェは別の相棒を求めるようになる。

ゾラのむすこ

そのまんま、ゾラの息子。ジョブはランサー。
キャンベル戦竜隊隊長を名乗ってはいるが隊員は彼一人だけ、さらには自分のドラゴンのムニムニもまったく扱えていないなど、情けなさが漂う人物。母親とは真逆の気弱な性格だが父親似なのだろうか?
掃除が好きらしく箒がけをしている場面が多い。本名は終盤まで明かされない。

ドンファン

マハール出身。元タイチョーの部下のランサー。
反乱軍随一のプレイボーイで、通称(もとい自称)『純情硬派のドンファン』。
「えーと要はアレアレアレ……」という決まり文句から帝国の女性を100人斬り(※ナンパ的な意味で)したり、ジョイとネルボを口説き落としたりなど、言動こそギャグめいているがとんでもないテクニックを持ったナンパヤロー。というか名前自体がプレイボーイの代名詞である。
キャラドットはゾラのむすこと一緒。
登場時に流れるBGM『のりちゃん登場』がやたらと耳に残る。*1

サジン/ゼロシン

ダフィラの自由革命軍に参加しているアサシンコンビ。話しかけると雇うことができるが、逆に言えばスルーすることもできる。(とは言え戦力強化になるので素直に雇った方がいい)
雇うとオプションでマテライトorヨヨorクルーの暗殺を依頼することができる。(なんでそんなの選べるんだという疑問はさておき)この内、クルーの暗殺はマジで実行&成功して位牌が並んでいくようになる。酷ェ。
サジンは暗くて静かなところが好き。ゼロシンは母親に手紙を書いたり友達を欲しがったりなど人間臭さがある。
ちなみにステータス面では全てにおいてサジンの方が上。

マニョ/モニョ/ムニョ/ワガハイ

「小さな死神」と呼ばれているプチデビルという種族。見た目は小さなピエロ。
この内、ワガハイだけが色違いで且つ人語を喋ることができる*2。他の三体は「まにょー!」「もにょー!」「むにょー!」といった鳴き声程度しか言わないがプレイヤー視点ではカッコ内でどんな内容を喋っているのかがわかる。まあ大体好き勝手なことばかり言ってるが。
直接戦闘では一切指示できず、コマンドはランダムで様々な効果を発揮する技「おどる」のみというFF6のモグのようなキャラ。
その真価は「うにうに」や「しょうたいふめい」と組ませることで発揮される。どっちみち博打要素激高ですけど。

グランベロス帝国軍

サウザー

グランベロス帝国皇帝。詳しくは個別項目参照。
元傭兵でありながら革命を起こしグランベロス帝国をまとめ上げた傑物。
その野望の真意を知る者は少ない。

パルパレオス

グランベロス帝国将軍にしてサウザーの無二の親友。『サスァ・パルパレオス』という、この作品の登場人物としては珍しくフルネームが判明している。
帝国に浚われたヨヨと親好を深める。戦場においてもクロスナイトとして活躍する。
朴訥な人物で敵役ポジションなのだが悪人ではない。しかし他人の心の機微を察すること、言ってしまえばコミュ力に難があり、(本人としては溶け込めるように努力しているのだが)不用意な発言や行動を繰り返し、逆に軋轢を深めてしまう。
特にトゥルースの前で「戦争の理由なんてくだらないものだ」と発言してしまったことで普段はおとなしい彼をマジギレさせてしまう場面が顕著。*3
さらに仲間になった後はヨヨとべったりしているため、マテライトを始め多くのメンバーが覇気を失ったり、失望したり、確実に心が離れていく始末。*4
マテライトから言われた「わしはあんたのことは嫌いじゃ! だが、死んでつぐなえる責任などなにもないんじゃ!!」というセリフがつとに有名。だが結局……。

グドルフ

グランベロス帝国の本国防衛部隊指揮官。
帝国の前にあった旧べロス国政権時代から権力の座に就いており、サウザーやパルパレオスのことを快く思っていない。
サウザー亡き後はその死を利用することで新しい皇帝として即位する。

アーバイン

機動要塞トラファルガーの指揮官。伝説の名刀エクスカリバーの持ち主。
権力争いには興味を示さない根っからの武人肌。下記のバーバレラ将軍と噂がある。
ちなみに彼のエクスカリバーは倒した際に通常枠とは別で戦利品として入手できる。

バーバレラ

トラファルガーにてアーバインの補佐を務める女将軍。鞭を携えたいかにも女王様チックな女性。
選択肢によってはドンファンに(流石になびかないけど)口説かれるシーンが発生する。

レスタット

グドルフ同様、旧政権の軍閥に生まれたエリート。
笑いながら人を殺す残虐な性格の持ち主で、タイチョーにとっては妻セリーヌを殺した仇敵。

ラディア

魔法都市ゴドランドの支配を任されている女魔法使い。
アンデッドを召喚する能力から「幽谷の魔女」という二つ名を持つ。

ペルソナ

帝国秘密戦艦の艦長。キレイ好きな男。
槍を武器に戦い、趣味は掃除の雑巾がけ……とゾラのむすこと気が合いそうである。

ゾンベルド

キャンベル占領部隊の指揮官。見るからに筋骨隆々の肉体派。

その他の人物

ホーネット

旗艦ファーレンハイトの操縦士。かつては凄腕のクロスナイトであり、サウザーの片腕でもあったという人物。
貫禄のある男性だが実はドラゴンが大好きであり、背中がドラゴンのよだれでべとべとになっていることもある。

ドラゴンおやじ

ドラゴンの生態や世話に関するアドバイスをしてくれるおやじ、と言うかじじい。(ストーリー後半でパピーが生まれると「ジジイにしてもらうよ」と自ら言うが)
一人称は「わし」で語尾に「ぢゃ」をつけて喋る。ここのじーさんかな?
その正体に関しては意外と謎。元竜人であることが示唆されている。

クルーたち

ファーレンハイトの航海士たち。雑用などをこなしているようだが、扱われ方はいわゆるモブ。
(サジンとゼロシンの項目にもあるように)選択肢によっては次々と暗殺される良識あるプレイヤーは決して選ばないように。良いことなんもないぞ!

カーナ国王

カーナの国王であり、ヨヨの父親。代々ドラグナーの血統を守っていたが、プロローグにて殺されてしまう。

キャンベル女王

そのまんま、キャンベル国の女王。カーナ国王の妹であり、ヨヨの叔母でもある。
グランベロス帝国に対しては早々に無条件降伏し、国民を守るため自ら牢に入っていた。

戦場を駆ける商人

名前(?)そのままに、どんな戦場にも駆けつけて売買を行う商人。
戦争で儲ける商魂逞しい人物……と書くと角が立ちそうだが、別にアコギな商売をしているわけでもない善人なのでご安心ください。
ストーリー後半では結婚し、引退を表明。ラッシュを後継者に指名してどこへともなく去っていく。

セリーヌ

タイチョーの妻。故人。
グランベロス帝国の侵攻の際には身重であるにもかかわらず、時間稼ぎのため出撃し、レスタットに殺されてしまった。

竜人

オレルスとは異なる世界にあるラグーン『アルタイル』に住んでいる亜人種。竜の頭部と人の身体を持つ。


◇システム


本作の特徴として、ドラゴンを成長させるシステムが挙げられる。
基本的にシナリオフェイズ中一度はドラゴンに「エサ」を与える場面が用意されているのだが、草や薬、キノコといったものはおろか、武器防具、果てはエロ本や糞等とんでもないものまで与えることが可能。

これらによりステータスを上昇させたドラゴンたちは戦闘中人間ユニットと組ませることでその真価を発揮する。
ドラゴンの能力に比例して人間ユニットの特殊能力や特殊攻撃(後述)が変化していくのだ。


例として、ヘビーアーマーというジョブの特殊能力「デフェンス」は、敵軍からの攻撃に対し、確率で発動。発動した際は自動で防御行動を取り、ダメージを軽減する。という性能を持つが、この能力はドラゴンの「防」のステータスに依存して発動確率が変化し、最大で約三割まで上昇するといった具合。

また、この特殊能力、特殊攻撃はドラゴンのステータスに同ジョブの人数を掛けたレベルとなる。

先に挙げた「デフェンス」であれば、パーティ内に三人ヘビーアーマーがいた場合、「デフェンス」レベルは3×ドラゴンの「防」レベルで計算するということ。



◇ジョブ

以下、ジョブとその特徴を挙げていく。

・クロスナイト

特殊攻撃は魔法同様の射程・範囲を持ち威力も高い「ひっさつけん(○○ヒット)」
隙のないステータスを持ち、強力な通常攻撃の他、全体攻撃までこなす。
状況対応能力が高い一方で器用貧乏になりがちという弱点も持つ。

・ナイト

特殊能力はクリティカル率を高める「クリティカル」
特殊攻撃は単体攻撃の「○○パルス」
能力面ではクロスナイトに劣るものの、特殊攻撃が単体のため威力は作中最強を誇る。
3人揃えることで1.5倍撃を最大100%繰り出す「クリティカル」はもはや手の付けられない強さ。
単体火力最高で他に同職がいないパレスナイトのマテライト&ナイト3人衆という、対人関係は最悪の組み合わせが皮肉なことに戦闘力的には最高の組み合わせになる。
終盤には両者のわだかまりも解消されるが……。
専用防具のレコンキスタも高性能。

・ワーロック(ドラグナー)

特殊攻撃は燃費は悪いが圧倒的な範囲と威力を誇る「しょうかん」
初歩的ではあるが有用な白・黒魔法を使用可能な「しろくろま」
白黒魔には一回のみ直接戦闘でのダメージを1.5倍にする「ビンゴ」があり、ナイトチームの「クリティカル」と組み合わせれば敵に壊滅的なダメージを与えることができる。
「ビンゴ」のためにあえてバラして運用するのも一つの手。

・パレスアーマー

特殊攻撃は射程は短いが威力は高い「はかい(インスパイア)」
雷属性のため建物を破壊できる他、直接戦闘でも単体攻撃技として使える。ただし射程は目の前だけととても短い。
間接攻撃可能なヘビーアーマーといったところか。
高い体力、攻撃力、防御力を誇るが、鈍足。また命中率も高くない。

・ヘビーアーマー

特殊能力は敵の攻撃をレベルでの確率で1/2にする「デフェンス」
特殊攻撃は単体攻撃の「○○ブース」
パレスアーマーと違い間接攻撃は出来ないものの、ドラゴンにより様々な属性の攻撃を可能とする。
尤も、やはり命中率は低いのだが……。
基本性能が高く、特殊能力により直接バトルでは有利になるのだがシステム上ドラゴンの防御は上げにくいため、なかなか実力を発揮しにくい。

・ライトアーマー

特殊能力は1レベルごとに移動力が1増える「スプリンター」
特殊攻撃は全体攻撃の「○○タワー」
戦闘能力自体はナイトやヘビーアーマーに劣るものの、その真価は移動力にある。
1人あたり最大で+10の移動力を持つ為、どんなパーティとも組み合わせられる。
3人も揃えるとほぼマップ全域が移動範囲になるが、突出し過ぎには注意。

・ウィザード

特殊攻撃は全ての属性を長射程で撃てる「くろまほう」
「フレイムゲイズ」は草木を燃やし、「アイスマジック」は水面を凍らせ、「サンダーゲイル」は岩や建造物を破壊する、といった具合で地形変化にも役立ってくれる。
取りこぼしに好きな属性で止めを刺すのもいいだろう。
火力的に不遇だが戦士系が戦っている後ろからチクチクと援護攻撃ができる。

・プリースト

特殊攻撃は回復・状態回復・蘇生ができる「しろまほう」
このゲームでは希有な遠距離回復の使い手。
アンデッドを回復魔法で倒すときにも重宝する。
最強魔法が単体攻撃のため単体ではウィザードを上回る火力を持つ。

ランサー

その名の通り槍の使い手。
特殊攻撃は近射程で範囲が狭い投げ槍「ジャベリン(○○ダスト)」
能力的には微妙なものの、燃費が良く、馬鹿にならない威力の間接攻撃をもつ。
しかし鈍足の上、あまり狙ってほしくないのに敵に近づかざるをえず、使い勝手は悪いためよく二軍落ちする。

・アサシン

特殊攻撃は「にんじゅつ」
回復、状態異常攻撃、地形変化と高い汎用性を誇るジョブ。
反面、直接戦闘能力は高くない。

・プチデビル

特殊攻撃は「おどり」
発動確率、効果共に高いランダム性を持つが、条件次第では出鱈目極まる火力を発揮するジョブ。
広範囲にカンストダメージを叩き出したり、フィールド全体に回復やダメージを与えたり、敵のMPをゴッソリ奪って特殊攻撃を封じるなど、常識を覆す働きを見せる。


◇ドラゴン

以下、作中に登場するドラゴンの特徴を列挙していく。

・サラマンダー

属性は「火」
「レンダーバッフェよりおそーい」ことで有名という不遇なドラゴン。尤もその戦闘能力はレンダーバッフェの比ではない……あくまで最終的には、だが。
性能面では実は結構ひ弱で、賢さが高い。意外ともやしっ子。まぁ餌である程度何とかなるけど。
ものによってはFINAL FANTASY Ⅵで見たことあるような形態に進化することもある。フェニックスとエフエックスはロマンシング サ・ガ3のガルダウイングとよく似ている。
聖属性の専用技「フレアオブザサン」は神竜召喚に匹敵する威力を持ち、何よりもフェニックス形態の「不死身」という特殊能力が凶悪極まる。最早バランスブレイカー。
かたや暗属性形態のエフエックスはまるで見るところがない。悔しいだろうが仕方ないんだ。

・アイスドラゴン

属性は「水」
「いけ」と命令してもなかなか前に出ないという困ったドラゴン。
その反面、間接攻撃をしがちなので余計なダメージを受けずに済み使いやすい。
聖・暗属性は某アルテマなウェポンやバスターを思わせる姿と名前。
専用技はどちらも威力で見劣りする。てゆーかどっちもそれぞれの属性技の中で最下位。

・モルテン

属性は「回復」
回復系癒しドラゴン。進化レベルが上がるとどんどん厳つくなっていく。しかしレベル5では一転してシロイルカみたいなつぶらな瞳につるんとしてそうな肌になる。そしてレベル6ではまた厳つくなる。間のレベル5は何があったんだよ。
性格やステータスから見るに、あまり戦闘向きのドラゴンではないのだろう。

・サンダーホーク

属性は「雷」と「力」
進化レベル3時のカニの印象が強いドラゴン。中にはFINAL FANTASY Ⅵのホーリードラゴンやレッドドラゴンに似た見た目のものもある。レベル6では見た目も名前もまんまFFシリーズのキマイラ。
好戦的でやたら直接戦闘をしかける困ったドラゴンでダメージを受けやすい。
聖属性の専用技「ビッグカーニバル」はなかなかの威力。演出が聖剣伝説3のアンジェラの使うダブルスペルっぽい。
暗属性の専用技「みだれうち99」は単体相手ならそこそこの威力だが、それなら「たいあたり」でいいというのが……。さらに敵が複数の時にはターゲットが分散して悲しい威力になってしまう。

・ツインヘッド

属性は「火」と「水」
ドラゴンおやじがプレゼントとしてくれるドラゴン。
その名の通り2つの頭を持ち、良好な能力と強力な専用技を持つ。名前も見た目も元ネタはFINAL FANTASY Ⅲの2ヘッドドラゴンだろう。
進化レベルが上がると頭が増える。ギドラから八岐まで。レベル6だと頭一つになるが見た目はかなりデビリッシュになる。
聖属性の専用技「デスザアンデッド」は高威力に加えアンデッドを即死させる能力を持ち、「はえのたいぐん」は暗属性最強の威力。

・ムニムニ

属性は「力」
奇妙な見た目と鳴き声の甘えん坊。ちょっとグロい。
例えるなら、無花果みたいな体にコウモリの羽と一つ目をつけたようなビジュアルで、進化レベルが上がると細胞分裂するかのように大小のムニムニが周りに付属するようになる。つまり単眼から複眼化。
かと思えばレベル6で突如ガラッと姿が変わり、正統派のドラゴンの背中から竜騎士のようなヒト型の何かが生えてくる。それで鳴き声は「ワン!」とまんま犬。
そしてステータス面ではかなり優秀だが賢さが低く、親しさが高いためべったりくっついて来て正直使い難い。
属性過多じゃね……? ってかこれでドラゴン……?
聖属性の専用技「ざんてつけん」が決まると敵は即死するため爽快。ただし成功率は45%とそこそこの数値。
反面、暗属性技「あんこくけん」は割合ダメージで使いづらい。
この手のお約束として、どちらもボス系エネミーには効かない。

・パピー

ドラゴンの交配により生まれる赤ちゃんドラゴン。
外見は交配させたドラゴンにより変化し、性格も親を受け継ぐ。
暗属性の専用技「グランドトライン」はそこそこ強力。
しかしよりによって聖属性技が割合ダメージのため使いづらい。
普通に進めると聖属性ドラゴンになりやすいシステムのため大きな問題となる。
場合によっては生まれたときからずっと二軍もありえる。

[特殊形態]


・しょうたいふめい

『王女の???』というアイテムを与える事で進化。5段階あり、1段階ごとに攻撃技のレベルが2上がる。
ゲーム内で集められる『王女の???』は1周につき最大5つで、その5つ全てを与え最高レベルにすると「ベヒーモス」となり、姿が大きく変わる。
「へんしん」で他のドラゴンの聖・暗の形態とブラックドラゴンに変身して攻撃する珍しい攻撃方法を持つ。
MP消費は一切無いが、間接攻撃ができず、時々スカるのが難点。
しかしその真価は組んだプチデビのおどりが大幅にパワーアップする点にある。

・うにうに

こちらはうにうに度の上昇により、「うにうに(レベル1~9)」と進化する。最高レベルまで上げると「ブラックドラゴン」となる。
というかうにうに度は簡単に上がるため、まずブラックドラゴンでの運用となる。
回復や属性攻撃が使えなくなる上、ドラゴン自体も間接攻撃ができず使い勝手は悪いが、専用技の「あんこくのちから」は敵全体にランダムに7ヒット。敵が一体ならドラゴンの攻撃の中で最高のダメージを与えられる。
しかし「スカ」も多いため博打的攻撃法となる。
やはり組んだプチデビのおどりが大幅にパワーアップするが、しょうたいふめい以上に極端なものになっている。

・さびしいドラゴン

「したしさ」の値がゼロになるとこの形態に変化する。
特殊攻撃を持たず、「こい」と言ってもこなくなる扱いづらいドラゴン。
もっとも「したしさ」は下げる方が難しいので、意識しない限りこの形態になることはないだろうが。

様々なデザインのドラゴンが登場する本作だが、その中でも以上の三種はとりわけキモいデザインをしている。
うにうにやさびしいドラゴンは例えるなら眼も牙もむき出しな深海魚のような姿。しょうたいふめいに至っては上を向いた生首にそのまま翼をつけたような姿で、レベルが上がるとだるま落としのように上に連なっていく。
ドット絵のキモさ秀逸さからデザイナー*5の気合がうかがえる。

・マスタードラゴン

餌により上げられる全ての属性を上げきると最初の姿に戻り、聖暗含むすべての攻撃が使える最終形態となる。
当然組んだパーティーは全ての属性がレベル10で使える最強の状態となる。
しかしオートバトルであることが災いして多彩な単体攻撃も繰り出すようになり、必ずしも使い勝手がいいとは言えない欠点がある。
一つ前の状態なら調節すれば単体攻撃は一つだけに抑えられるためドラゴンとしては使い勝手がいい。一長一短である。


◆余談だがこのゲーム、かなり「怪しい」表現が多いことでも有名である。
タンスのアレ、おうじょの???、王女の寝室から聞こえる苦しそうな声、ハーレムの歓待を受けて「大人になった」奴と「既に大人だった」奴など……枚挙に暇がない。






追記・修正は思い出の教会に雷属性攻撃をした方だけどうぞ。

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最終更新:2024年04月18日 11:43

*1 この『のりちゃん』とは音楽を担当した松枝賀子(まつえだ のりこ)氏のこと。

*2 彼らの中では年長者らしいことがうかがえる。

*3 この後さらに トゥ「あなたたちが始めた戦争の理由は何ですか!?」 パル「……夢の実現のため……」 トゥ「くだらない! くだらないです!」と続く。戦争で浮浪児となった彼が怒るのも無理もない。

*4 これに関してはヨヨの態度にも難ありだが。

*5 FF6のモンスターデザインも担当した佐々木等氏。デザインが流用されているのも、そもそもデザイナーが同じだから当然であろう。